ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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色々あって1年近くも投稿できなかった……。


第十八話 悪夢3

目を開けると、朝になっていた。

どうやら、そのまま寝てしまったようだ。

 

服は泥と砂で汚れ、自分で傷つけた口や手からは血が出ていた。

このままどこへ行けばいいのだろうか。ずっとそんなことを思いながら山道を歩いていくと——。

 

 

「あれ?兄ちゃん、こんなとこで何してんの〜?」

 

「よく見たらすごい汚れてるー!もしかしてサバイバーさん?」

 

「なんだこのガキ——」

 

 

小学生にしか見えない容姿の女の子が2人こちらへやってきた。

 

「林間学校だよ!前から超楽しみにしてたんだー!」

 

「林間学校?あぁ、そういえばそんな行事もあったな」

 

「お兄さんは何してたの?」

 

「狩り?山で暮らすの大変じゃない?」

 

「どう見ても狩りをしてる服じゃないだろ——あの街から出ようと思って」

 

 

そう答えると、2人はしばらく顔を見合わせてから「夜逃げ?」「もしかして指名手配中?」などと騒ぎ始めた。

 

 

「ちょっと違う。確かに俺はリゼに指名手配されてるかも知れんが」

 

「リゼ?リゼと知り合いなの?」

 

 

しまった。こいつらリゼの知り合いだったようだ。面倒なことになりそうだ。適当にごまかしてさっさと逃げよう。

 

 

「あー、えっと……まあそうだ」

 

「——もしかしてラビットハウスで働いてる?」

 

「ああ。もうやめたが」

 

「だったらチノに伝えておいてくれない?林間学校、来ないと人生損するぜって」

 

「チノの同級生か!?」

 

「うん。チノちゃん、今日用事で来れなかったんだよ」

 

 

あいつ、予定があるなんて一言も——。

 

悠を探すために林間学校休んだのか?

どちらにせよ困ったことになった。目撃情報をつかんだら追ってくるに違いない。

 

 

「ああ、わかった。伝えとくよ。じゃあな」

 

「バイバーイ!」

 

 

なんとか、この場を切り抜けることができた。だが、油断はできない。

あいつらはチノたちの知り合いだ。悠をここで見かけたと連絡されればおしまい。

 

 

「待ってお兄さん!」

 

「なんだ?」

 

 

赤い髪の方の女の子が追いかけてきた。

 

 

「今朝、リゼさんから黒い服を着た高校生っぽい人を探してるって連絡あったんだけど」

 

「しまった!」

 

「なになに?やっぱり指名手配犯?おとなしく捕まれ!」

 

「何すんだこのガキ!」

 

 

まるでリゼの分身のような動きで悠の身柄を取り押さえる。無理やり突き放す方法もあるが、なんせ体力を消耗している上に怪我をしている。あっさりと捕まった。

 

 

数十分後、リゼがこちらに飛んできた。

 

 

「無事だったのか!どうしたんだその怪我!」

 

「くそ……お前がいなければ」

 

「ふん。残念だったな。さあ、一緒に来てもらおう。無事でよかった。お前のことだから——」

 

「なんだ?」

 

「なんでもない!ほら行くぞ!」

 

 

 

結局、ラビットハウスに連行され、チノたちに囲まれた。

 

「何してたんですか!」

 

チノの目が涙ぐんでいる。

 

「お前、だからって林間学校サボるなよ。友達?が心配してたぞ」

 

「心配でそれどころじゃなかったです。本当にしょうがない悠さんですね」

 

「ところでお兄ちゃん、ココアちゃん知らない?」

 

「——いいや、見なかったが」

 

「すれ違ったのかな。今朝早くからお兄ちゃん探しに行ったよ」

 

「は?」

 

「昨日の夜、ひどく落ち込んでるようでしたが、何かあったんでしょうか?」

 

 

『あいつ、あれだけ言われてまだ——ドMなのか?』

と思った悠だが、内心少し嬉しかった。

だが、どう謝ればいいのかわからない。

 

 

「え?——俺、探しに行ってくる!」

 

 

しかし、気がかりなことがある。ココアは昨日の一件を誰にも言っていないのか?

まさか、あの後山の中に——。

 

 

しばらく街中を走っていると、広場に設置された椅子に座っているココアを発見。

 

「おい、ココア」

 

「あれ——なんでここに」

 

「自分で言うもの変だが、もっとしっかり探せよ。うさぎ追ってたらキリがないぞ」

 

「————」

 

「その、昨日は——」

 

「ごめんね。迷惑だったんだよね。それなのに無理やり——」

 

「違う。俺の方が100%悪かった。本当にごめん。心にもないことを言って」

 

「え?」

 

「正直、お前が来てくれて嬉しかった。だが、俺はこの街を出たい。それがみんなのためだと思ってる」

 

「——どうしてそんなこと言うの?」

 

「言わなきゃダメか?」

 

 

そう返すと、ココアは少し考えてから

 

 

「言いたくないならいいけど——私は気になるよ」

 

「まあ、いつか言わなきゃいけない時がくるって言うのはわかってたんだけどな」

 

 

深くため息をついて、ラビットハウスでしっかり説明することを伝えた。

そして——

 

 

「ああ、それともう一つ。昨日のことみんなには黙ってたのか?」

 

「——うん。だって言ったら、悠くんが責められちゃうでしょ?」

 

「お前、結構優しいんだな。昨日は本当にごめん」

 

「許す!だって悠くんは私の弟なんだから」

 

「へいへい、お姉ちゃん設定は続行ね」

 

 

そうして、ラビットハウスに戻った。




マヤメグ登場です。

次回はシリアスな話になりますが、その後は日常に戻りますのでもうしばしお待ちを!


って言うか、いつの間にか平成最後の日になってる……!!?

令和でも「ご注文は家出人ですか? ~オリジナル×ごちうさ~」と私「Alkali」をよろしくお願いします!

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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