「ハロウィンって、死者の魂が戻ってくる日よね」
「仮装は紛れたゴーストに取り憑かれないよう仲間だと思わせるためにするらしいわよ」
千夜とシャロの会話が耳に入る。
死者の魂か——ティッピーやチノの母親の登場など、香風家では割と身近な存在なのかもしれない。
「ココアさんが一番本来の趣旨に合った仮装なのかも……」
「そうかもな」
チノが千夜たちの会話を聞いてつぶやく。
確かに、本来のハロウィンイベントにあった仮装をしているのはココアだろう。
「どんな?」
「魔法使いらしい」
「へぇ〜!」
千夜の問いに悠が答えると、千夜は興味ありげな反応。
——肝心のその魔法使いは行方不明なんだが。
「俺はあっちの方探してくるよ」
「わかりました。私はここにいますので、見つけたら集合してください」
分担してココアを探すことになった。
「やれやれ、手間のかかるお姉ちゃんだな」
——そこそこ時間が経った。だが一向に手掛かりはない。
「ちょっと休憩——」
悠が小高い丘のベンチに座ると、隣に魔法使いの仮装をした人が座る。
「やっぱりきたな」
「今日はハロウィンよ」
「ハロウィンじゃなくてもこの前現れただろ」
この声——間違いなくあの日であった魔法使いだ。
「順調みたいね」
「何が?」
「この前の話よ〜忘れたの?」
「ああ……」
「青春っていいな〜!ねぇ、私もまだ甘酸っぱい恋愛できると思う?」
「う〜ん……その話はまず生き返ってからだな」
悠がそういうと魔法使いは「ハードル高いなぁ……」と笑う。
「なあ」
「なに?」
悠が真剣な口調で言うと、魔法使いも真剣な表情になる。
「——一回、チノに会ったらどうなんだ?」
「————」
「チノのやつ、時々少し寂しそうな顔でアルバムを見てるんだ」
「————」
「せっかくなんだ。一回ぐらいは——」
「悠くん」
悠が提案するが、魔法使い——チノの母親はそれを断る。
「そう言ってくれて、本当はすごく嬉しいの。でも——会うわけにはいかないのよ。私は本来、ここにいちゃいけない存在だもの」
「————」
「それに私はすぐに帰らなきゃいけない。だから会っちゃうと余計に別れが寂しくなるでしょ?」
「そうか……」
「あと、ここには
「ティッピーがああ言う状態なの、知ってるのか」
「もちろんよ。探したけど『門前払いされた』って言われていたもの。だからきっとここいるって——チノちゃんのそばで見守っているんだってわかったわ」
「そうか……」
「正直、ちょっと羨ましいけどね〜。でも、それもいつか別れの時が来る。その時に、しっかりお別れできるのか、ちょっと心配だけどね」
「ああ、ティッピーは少し孫離れした方が良さそうだがな」
『うぇ〜ん!!うあ〜ん!!』
丘の下から泣き声が聞こえる。
見下ろすと、ココアが泣いているようだ。——何をしているんだ、みっともない……。
「やれやれ、本当に手のかかるやつだな」
「あら、ココアちゃん——どうしたのかしらね」
「ココアのことも知ってるのか」
「もちろん!——さ、ココアちゃんのところへ行ってあげて。私は——ちょっとだけ街を満喫してから帰るわ」
「ああ、わかった」
そうして、魔法使いと警官は別れた。
「おい、どうしたんだよ」
「悠く〜ん!!うえ〜ん!!」
「泣くな!泣くな!落ち着け」
ココアから事情を聞くと、どうやら迷子になった子供を励まそうと手品を披露したが失敗して、その挙げ句「手品になってないよ〜ヘタクソ!」と言われてしまったらしい。
「ほら、わかったから泣くな。みんなのところ、戻るぞ」
「は〜いって悠くん、おまわりさんに転職したの〜?喫茶店飽きたの〜?」
「ハロウィンの仮装だ!おかしいか?」
「えへへ、似合ってるよ〜」
そう言いながら去っていく2人を、チノの母親は微笑ましく眺めているのだった。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート