「あれ?ココアは?」
ある日——ラビットハウスのバイトがあるため、ホールにやってきた悠が違和感に気がつく。
そう、やたらラビットハウスが静かなのだ。
そしてだいたいこういうときには、ココアがいない。
「ココアさんは他のお店に浮気してしまいましたよ」
「なんだと!?」
「——なんでお前が驚いてるんだ?」
チノの問題発言に深刻な表情を浮かべるリゼに悠がツッコミを入れる。
「どこの店だ?」
「それが——今日の朝突然『他のお店でアルバイトするから〜!』と言って飛び出してしまって——聞きそびれてしまいました」
「えー!?」
怪しい。これは何かを隠しているな。
「ココアが他の店でバイトって——余程のことじゃないか?」
「そうだな」
「困ったものです。帰ったら詳しく聞きましょう」
チノの発言に一同がうなずいた。
だが、本人にバイト先を確かめるまでもなく発覚する。
今日は休日だが、午後は休みなのでまたフルールへ顔を出しに行く。
「シャロ!大変だぞ!またココアが何か企んで——ってどうなってんだこれ!?」
フルールへやってきた悠は早速、同じ『振り回され隊』であるシャロに報告するが——。
「おいでませ!」
悠を出迎えたのは、シャロではなくココアだったのだ。
「挨拶が違うって言ってるでしょー!あと、必要以上に胸を張るなー!!」
「そうだそうだ!この店の第一印象が『いかがわしい店』になるだろ!」
「なんで胸ー!?」
シャロと悠の言葉にココアが困惑する。
「で、これはいったいどういうことかな?」
「いやぁ〜実はもうすぐ冬だけど、『あれ』は避けて通れないでしょ?」
「——なるほどね」
ココアの一言で理解した。要するに、クリスマスに必要なお金を稼ごうというわけか。
「だけど、バイト掛け持ちする必要あったのか?」
「クリスマスの資金集めもだけど、私今金欠なんだ……」
「古物市でガラクタ大量に買ってきた反動がきたか」
「ガラクタじゃないよー!」
「ドアノブはどう見たってガラクタだろ!」
口論するココアと悠にシャロが「全く……しょうがないわね」と呆れる。
注文を頼もうと店員を呼ぶと、店の奥の方から『そいやー!!』の掛け声の後、『ガッシャーン!!』と爆音がする。そしてシャロの叫び声。
——しばらくしてココアがやってきた。
「は〜い!悠くん、ご注文は?」
「鈍器!!?」
注文を尋ねにやってきたココアの手には、お盆ではなくハンマーが。満面な笑みを浮かべているのが怖い。
「ごめんごめん。貯金箱割ってたの〜」
「びっくりした……」
その日の帰り、ココアが悠に言う。
「あ、悠くん!帰ったらチノちゃんに帰り遅くなるって言っておいて!」
「まだ何かバイトがあるのか?」
「実はここ以外にもバイト掛け持ちするんだー!」
「頑張るわね」
シャロがココアの発言に驚く。——このとき、シャロも悠もこの後『ココア地獄』がやってくるとは思ってもいなかった。
「ただいま〜」
「おかえりです」
「おかえり〜」
悠がラビットハウスへ戻ると、チノとリゼが出迎えてくれる。
「っておいリゼ!どうしたんだこのパン!?」
「えっ?あっ……」
「リゼさん、トーストの注文は受けてないです」
「すまない……あいつが焼いたパンを見てると、騒がしかった頃を思い出してさ……」
「ココアさん……ちょっと寂しいです」
——この重い空気、ココアがフルールにいたことを言い出しづらい。
「フルールですか?」
「ああ、見て驚くなよ。——覚悟はできたか?」
「——やけに慎重ですね」
その日のバイトが終わったので、ココアが働いているフルールへチノを連れてきた。
——この世の中は常に理不尽で不思議なことであふれている。シャロのフルールの制服姿は確かにいかがわしいが、ココアの制服姿は刺激が強すぎる。
「悠くん!2度目のおいでませー!」
「その挨拶違うだろ!」
「悠くんがシャロちゃんみたい!——ってあれ、チノちゃんもいるー!」
「ココアさん——」
「なあに?」
「——なんでもないです」
「チノ……言いたいことはわかるぞ……」
「なになにー?」
わずかに頬を赤くして目を逸らすチノに悠が同調する。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート