事件——それは毎回突然起きるものである。
それは、ココアがクリスマスの資金集めのために今日もフルールへバイトへ出かけている間に起こった。
「今日も暇だな」
「ああ、そうだな。チノはまだ学校か」
「多分そう」
今日は早めにラビットハウスへやってきたリゼと悠の2人で店番中だ。
チノは学校から帰ってきている途中なのだろう。
「————」
「——なんだよ」
やたらこちらを見てくるリゼに悠が首を傾げる。
「——いや、そういえばチノと悠ってどこまで進んだのかなと思って」
「——?」
リゼの発言に困惑する悠にリゼは少しホッとしたようながっかりしたような、中途半端な表情を見せる。
「奥手と鈍感か——やれやれだな」
「お前が言うな」
「私そんなに奥手か!?」
「お前は鈍感の方だ」
——奥手なのはシャロの方だろう。
「ただいまです」
「おかえり〜」
チノがラビットハウスへ帰ってきた。
「お2人ともお疲れ様です。すぐに着替えてきますね」
「ああ」
リゼが短く答える。
「暇だから倉庫で日向ぼっこするかな」
「ココアみたいなことを言うなよ……」
悠のサボり発言にリゼが呆れる。
——いつも通りの日常。静かで暇な時間だが、苦痛どころか、この状況が心地よく思えてしまう。
だが、この平和な空気はチノの一言によって一気に気まづい空気へと変化する。
「あの、リゼさん……ちょっと」
「なんだ?」
リゼがチノの方へ向かう。——悠はこの時、何か嫌な予感がしていた。
チノがリゼの耳元に近づいてから静かに言う。
「——胸は、誰かに揉まれると大きくなるって話、本当なんですか?」
「なななななな、なにー!!?」
「リゼ?」
リゼが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「だ、誰からそそそその話を!?」
「学校でマヤさんが言っていたんです」
「マヤー!!!!」
「——なんなんだ」
チノとリゼの会話を知らない悠はただ1人取り残される。
「違うぞチノ、それは迷信だ」
「何の話?」
「悠!お前だけには絶対に話せない内容だ!」
「俺の悪口か!?」
「悪口ではないが——チノの今後に関わる話だ」
「進路?」
「——それも違う。悪いことを言わないから詮索するのはやめたほうがいいぞ!」
リゼに真顔でそう止められ、悠は困惑したまま買い出しに行くことになった。
スーパーでシャロと遭遇した。
「シャロも買い出しか」
「ええ、そうよ。ココアがクッキーを大量に焦がして在庫が切れたの」
「ココア……」
フルールで何が起こってるのか考えるのも躊躇ってしまう。
「それより、どうかしたの?暗い顔して」
「いや……チノとリゼが何か重大な話をしてるみたいでさ。ちょっと気になって」
「先輩が悠に内緒にするってことは、相当のことなんじゃない?」
「やっぱりそうだよな。だから余計に心配なんだよ。まあ、リゼはしっかりしてるから大丈夫だと思うけど」
その後、シャロと別れてラビットハウスへ帰ろうとすると、今度はマヤとメグに遭遇する。
「やっほー!悠、元気?」
「こんにちは〜」
「マヤとメグか。何気に久しぶりだな」
「お使い?」
「まあな。お前らは?」
「私たちはフルールに行くんだ!」
「ココアちゃんに誘ってもらったの〜」
「そうか」
悠はラビットハウスでのチノとリゼのやりとりを思い出す。
——マヤが関係してそうだ。
「ところでマヤ。お前、チノに何か言ったか?」
「私?何か言ったっけ……?」
困惑するマヤにメグが「昼休みのことじゃない?」と助言する。
「あー!言ったよ!そういえば悠にも言わなきゃ!」
「なんだ?」
「チノが胸を大きくしたいって悩んでたからアドバイスしたの!」
「それと俺がどう関係するんだ?」
悠は尋ねてから、自分がパンドラの箱を開けてしまったことに気がつく。
「マヤちゃんが『胸は誰かに揉まれると大きくなる』って言う話をチノちゃんに——」
メグの発言で辻褄が合う。
「なななな、なにー!!?」
——こうして、ラビットハウスは定期的にやってくる『気まづい空気』に見舞われることになった。
チノと悠の関係を
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進展させる
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現状維持
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ココアに浮気ルート
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リゼに浮気ルート