ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

201 / 249
あけましておめでとうございます。

2020年も引き続き投稿してまいりますので、よろしくお願いいたします!


第百九十八話 初詣は着物とともに

今年はラビットハウス組の4人で初詣へ行くことになった。

 

「——この街にも神社があるとは」

 

悠が部屋で支度を終え、廊下に出るとリゼがいた。

 

「なんだ、リゼはもう支度終わったのか?」

 

「ああ、私はココアやチノと違って着物着ないからな」

 

「————」

 

「——なんでちょっと残念そうなんだ?」

 

思っていることが表情に出てしまったのか、リゼが苦笑いする。

——似合いそうなのに。もったいない。

 

 

「準備完了〜!さあ、カウントダウンしに行くよー!」

 

「——正直、結構眠いです」

 

ココアとチノが部屋から出てくる。

——この日のために、わざわざ千夜から着物を借りたらしい。

 

「————」

 

「やっぱり変でしょうか……」

 

チノをじっとみる悠にチノが首を傾げる。

 

「なんて暴力的なんだっ……!」

 

「どこが!?」

 

悠の意味不明な発言にリゼがツッコミを入れる。

 

 

「大丈夫か、悠……」

 

「大丈夫じゃない……」

 

鼻を抑える悠にリゼが心配する。

 

「千夜様々だな……」

 

「拝むな!」

 

そう言ってチノに拝む悠をリゼが叩く。

 

「本当にしょうがない悠さんです。ほら、早くいきますよ」

 

「はーい」

 

チノに腕を引かれるままに神社へ到着した。

 

「すごい人だね〜」

 

「ああ。もしかしたら千夜たちも来てるかもしれないな」

 

ココアが人の多さに驚く。無理もない。歩くスペースすらない混雑度だ。

 

「はぁ……人が多くて疲れます。なんで夜更かししてまで——」

 

「楽しいからだよ〜!」

 

不満げなチノに対して、ココアは満面の笑みだ。

 

 

「早速おみくじ引いてこよーっと!」

 

「「カウントダウンは!?」」

 

自由気ままなココアの行動に、思わずチノと悠がハモってしまう。

 

何か言いたそうにリゼがこちらをチラチラ見てくる。

 

「——?」

 

悠が首を傾げると、リゼがすぐに視線を逸らす。

——なんとなくわかった。

 

「——リゼ、ココア一人だと危ないからついていってやれ」

 

「し、仕方ないな。悠がそう言うなら——」

 

「——めんどくせえ奴」

 

「う、うるさい!」

 

悠がリゼに苦笑いすると、リゼは顔を赤くして叫ぶ。

 

「お2人とも、どうかしたんですか?」

 

「な、なんでもない。悠がココアが心配だって言うから、私が見てくる」

 

「——そう言うことにしておきます」

 

チノが呆れる。

 

 

 

「リゼさんにも困ったものです」

 

「全くだ……」

 

年が明けるのをベンチに座って待っていると、チノが口を開く。

 

「今年は色々ありましたね」

 

「——そうだな。本当に色々あった」

 

思い返してみれば、最悪なこともあったが良いことも多かった。

 

 

チノと雑談していると、ココアとリゼが戻ってくる。

 

「おーい悠!」

 

リゼがこちらに駆け寄ってくる。

 

「リゼ。なんだ、変な笑みを浮かべて——なんか怖いな」

 

悠が一歩引くと、チノも一歩引く。

 

「待て待て。超朗報があるぞーっ!」

 

「——聞くだけ聞いておく」

 

「聞いて驚くな……私おみくじで——恋愛運が大吉だったんだぁっ!!」

 

「「へー……」」

 

「反応薄いな……」

 

ジト目でリゼを見つめるチノと悠にリゼが困惑する。

 

「恋愛運が大吉なんだぞ。これはきっとココア——いや、なんでもない!」

 

「私がどうかしたのー?」

 

「ココアぁっ!?」

 

背後からココアに話しかけられ、リゼが飛び退く。——すごいジャンプ力だ。

 

 

「リゼの恋愛運が大吉だったから、ココアにこくは——うぐっ!?」

 

「それは軍事機密だーっ!!!」

 

「やれやれです。ココアさん、運勢どうでしたか?」

 

「私は今年も大吉!2年連続だよー!」

 

「ここのおみくじ、大吉しか入ってないのか!?」

 

大吉と書かれたおみくじを自慢するココアに悠がツッコミを入れる。

——何気に強運なんだよな、こいつ。

 

 

 

そして、無事カウントダウンを迎え、初詣を済ませた帰りに()()は起きた。

 

「おみくじ——凶でした。はぁ……」

 

「だ、大丈夫だ!凶でもいいことは起きるぞ!」

 

「そうだよチノちゃん!元気出して!」

 

「何もそんなに落ち込まなくても……」

 

おみくじの結果が良くなかったチノを一生懸命励ます悠とココアにリゼが苦笑いする。

 

「リゼさんはいいです。恋愛運が大吉でココアさんと——」

 

「だからそれは軍事機密だってー!!!」

 

慌ててチノの口を抑えるリゼにココアが「軍事機密?」と首を傾げる。

 

 

「チノも悠も軍事機密をそんな簡単に——ってうわああああ!!!!」

 

リゼが目の前に現れた()()を見て悲鳴を上げる。

——新年早々から幽霊とは。

 

 

「あっ……みんな……」

 

「シャロさん!?」

 

幽霊の正体はシャロだった。とてつもない不幸オーラを放っている。

 

「どうしたシャロ!」

 

悠が事情を尋ねると、シャロはゆっくりと話し始めた。

 

 

 

 

「なに?大凶だった上に金運と恋愛運が最悪だって?」

 

「はは……——面白いわね!かかってきなさいよーっ!!!」

 

「落ち着け!自暴自棄になるな!おみくじの結果なんて——」

 

やけくそになるシャロをリゼが止める。

 

「さっき恋愛運が大吉ではしゃいでた奴がいたような……」

 

リゼの矛盾した発言に悠が小さくツッコミを入れた。




次回は1月3日に公開予定です!

引き続き初詣編です!

チノと悠の関係を

  • 進展させる
  • 現状維持
  • ココアに浮気ルート
  • リゼに浮気ルート
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。