ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第二百六話 チノの命令とイメチェン

チノはシャロの元へ向かった。

 

「シャロさん、気を遣ってくれてありがとうございました」

 

「いいのよ」

 

「シャロさんは何してるんですか?」

 

「私はね——」

 

 

 

 

「リゼじゃないか。どうしたキョロキョロして。探し物か?」

 

「それ、さっきチノにも言われたぞ」

 

「なっ!?」

 

悠の言葉にリゼが笑うと、悠が若干顔を赤くする。

 

「友達と卒業旅行に行こうと思ってな。その準備だ」

 

「大学受かってからにしろよ〜」

 

今度は悠がせっかちなリゼに笑う。

するとリゼは、「あっ」と何かを思いついたようにいう。

 

「ん?」

 

「実はこの前——私大学受かったんだ」

 

「ええええーっ!!?」

 

悠が思わず叫ぶと、みんなこちらにやってきた。

 

「どうしたの悠くん!?」

 

ココアが驚く。

 

「り、リゼがこの前大学受かったって——」

 

「「「「ええええーっ!!?」」」」

 

一同が驚く。

 

「——なんで悠と同じ驚き方をするんだ」

 

困惑するリゼに、ココアとチノが雪玉を投げる。

 

「初耳だよー!!」

 

「そんな大事なことはもっと早く言ってください!」

 

「陰で努力してたわね!この〜!」

 

「おめでとうございます先輩〜!」

 

千夜とシャロも参戦する。

 

「何あっさり合格報告してんだよ〜!」

 

悠も参戦すると、リゼはいよいよ防ぎきれなくなったのか服が白くなっていく。

 

「なんだこの祝いかたは!?」

 

ココアがリゼを押し倒す。

 

「おめでとー!リゼちゃん!」

 

「うん……ありがとう……!」

 

 

 

 

 

「では——。王の命令を発動します」

 

チノがそう言って、歯形のついた王冠をみんなに見せる。

 

「いよいよか……」

 

緊張する一同。

 

「リゼさんが受験終わったということで、お祝いの意味も含め——皆さんと外のセカイに行ってみたいです。これが私の命令です」

 

「————」

 

一同がポカーン口を開けたまま沈黙する。

 

「——い、嫌なら別の命令にしますが……」

 

沈黙する一同にチノが少し動揺するが——。

 

「あれ!?お姉ちゃんになって欲しいんじゃないの!?」

 

「チノ!それは命令じゃなくて提案だ!!」

 

「リゼのいう通りだ!旅行には賛成だけどな!」

 

ココアとリゼと悠からツッコミがくる。

 

「私も大賛成よ!」

 

千夜も悠に同意する。

 

「命令は考え直しね!」

 

「えーっ!?」

 

シャロの言葉にチノが驚く。

 

 

 

「で、行き先はどうする?都会か?海か?」

 

リゼが一同に話しかける。——心なしかとても嬉しそうだ。

 

「チノちゃんがあんな命令を下すなんて……!!」

 

ココアがチノにそういうと、

 

「ココアさんの変な影響かもしれません」

 

「え゛っ!?」

 

「正直まだ実感が湧きません。新しいセカイを知るのは怖いです。——でも、それ以上にみなさんといろんな景色を見たいと思いました」

 

チノがそうココアに告げた。

 

 

 

 

 

「大学生になったら大人っぽくなるぞ!」

 

「——いきなりどうした?」

 

翌日、リゼと千夜に甘兎庵へ呼び出された。

唐突なリゼの言葉に困惑する。

 

「私が今からリゼちゃんをイメチェンしま〜す!悠くんは感想を教えてね!」

 

「お、おう……」

 

 

そして、数十分後に現れたリゼをみて悠は目を見開く。

 

「こっ……この姿は——!?」

 

 

 

 

 

「え、えっと——どちら様でしたっけ——」

 

道端で偶然シャロに遭遇し、リゼを紹介するとシャロは困惑する。——どうやら、あまりの変化に誰なのか認識できないようだ。

 

 

「おいおい、シャロ。まさかこいつが誰かわからないのか?」

 

「シャロちゃんがわからないはずないわよね?」

 

「試されてる!?」

 

シャロを煽る悠と千夜にツッコミを入れる。

 

 

「も、もしかして——リゼ先輩〜!?」

 

シャロが驚きの声を挙げると、リゼは「あはは」と笑う。

 

「気がつくのが遅いぞ!」

 

「先輩——!」

 

変わり果てたリゼの姿に目を輝かやかせるシャロ。

 

「やっぱり変かな?誰も私って気がつかなかったり——」

 

リゼが心配そうにいうと、シャロは

 

「超絶似合ってます!わからないバカは私だけです!」

 

と慌てて否定する。

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