ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第二百十話 チマメ隊のPV作り

散歩から帰る途中、ココアと千夜と遭遇した。

 

「悠くん!お姉ちゃんがいないのが寂しくて迎えにきてくれちゃったの!?」

 

「あらやだ、照れちゃうわ……」

 

ココアと千夜の発言に悠が引く。

 

「その自意識過剰っぷりにはさすがの俺も引くぞ。ただの散歩だ。お前らは学校帰りか」

 

「えへへ、せっかくだから一緒に帰ろう!」

 

「はいはい」

 

「あら、またチノちゃんが嫉妬しちゃうわね……」

 

ココアや千夜としばらく、学校であったたわいもない話などを聞きながら歩く。

 

「なに?ビデオの撮影?」

 

「そうなの!今日一日お互いの何気ないを撮ってるのよ」

 

「なんでまた……」

 

千夜の言葉に困惑していると、ココアが補足する。

 

「だって今年も一緒のクラスになれるとは限らないからね……」

 

「そうよ——この後編集して加工して、PV作りましょうね」

 

「スマホじゃダメなのか……」

 

そう言って本格的なビデオカメラを操作する2人に悠が静かにツッコミを入れた。

 

 

 

 

チマメ隊が橋の上で何かしているのが見えた。

——マヤがスマホを構えている。何かの撮影だろうか。

 

 

「チノも変わったよね〜!昔はこんなことしなかったのに!」

 

「の、のせられただけです!」

 

マヤの言葉に、チノがわずかに顔を赤くする。

 

「マヤちゃんは、照れたときの反応が面白くなったよね〜」

 

「べ、別に動揺してるわけじゃないし!」

 

メグの言葉に、今度はマヤが顔を赤くしてそっぽ向く。

 

「メグさんのツッコミは昔だったら見られませんでした」

 

「そ、それはむしろ褒めて欲しいかな!」

 

——何の話をしているんだ。困惑していると、ココアが3人に向かって話しかける。

 

「お姉ちゃんはみんな素敵に変わったと思う」

 

「成長したってことだな」

 

「「「いつからそこに!?」」」

 

チマメ隊がこちらに気が付く。

 

「今、なにしてたんだ?」

 

悠が尋ねると、マヤが

 

「チマメ隊のPV作り!」

 

と答えると、ココアと千夜が

 

「「私たちと同じことしてるー!」」

 

とハモる。

 

そしてまた本格的なビデオカメラを操作する2人にマヤとチノが

 

「気合入ってるなぁ——さすが高校生!」

 

「——スマホで充分なのでは」

 

とコメントする。

 

 

 

「あっ!そうだ!私たちが3人を撮ってあげるよ!」

 

ココアがチマメ隊にそう告げる。

 

「確かに。そうすれば3人一緒に映れるぞ」

 

悠がそういうと、マヤが「いいの!?」と目を輝かせる。

 

「じゃあ、チマメ隊プライベートって感じでお願い〜!」

 

「クレープ食べながら歩いてるところがいいなぁ〜」

 

マヤとメグが注文つけるが——。

 

 

「ココア監督、どうしましょうか」

 

ノリノリな千夜がカメラを構えるココアに尋ねる。

 

「そうだねぇ……じゃあ——橋の上で踊ってみようか!」

 

「「「なんて無茶振り!?」」」

 

急に踊れと指示するココアにチマメ隊がハモる。

 

 

「創作ダンスで鍛えたチームワークを見せる時がきたね!」

 

そう言いながら上着を脱ぐマヤ。——ノリノリだ。

 

「柔軟体操しっかりしなきゃ〜!」

 

そう言いながら準備体操を始めるメグ。——こちらもノリノリだ。

 

 

「ココア……監督!()()を使う時が来たようです!」

 

「うむ……。あっ、今朝届けてもらった手提げ袋の中にそのままあるよー!」

 

「お姉ちゃんぶってる割に荷物管理は俺が担当なんだな——」

 

「ごめんね〜!すっかり忘れちゃって……」

 

今朝ココアが忘れた手提げ袋から()()を取り出そうとすると、

 

「「「アレってなに!?兵器!?」」」

 

とチマメ隊の顔が青ざめる。

 

 

「これって……」

 

「ポポロンパーカーだよ!前に作ったものをマヤちゃんやメグちゃんにあげようと思って、家庭科の時間に改良してたの!」

 

「ついでにチノの分もあるぞ!」

 

「やれやれです。こういう時に限って準備万端なんですから……」

 

ココアと悠の発言にチノが呆れる。

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