後日、ラビットハウスに旅行メンバー一同が呼び出された。
「それでは——行き先を発表します」
チノが重々しくそう言うと、一同から「おー」と歓声が起こる。
「行き先はこの大都市——『百の橋と輝きの街』で、どうしょうか……?」
「ちなみに、ホテルは青山さんが手配してくれるから、ちょっとお得です!——ただ、長期滞在になるけど」
チノと悠が街の写真やパンフレットをテーブルに並べ、一同がそれを覗き込む。
「青山さんがホテルを手配してくれるなら安心だね!」
「春休み予定なかったし、長期滞在OKよ!」
ココアと千夜がそう言うと、チノはホッと安心する。
だがリゼは少し心配そうに、ラビットハウスの店員となった青山ブルーマウンテンに言う。
「ありがたいが——ちょっと安すぎないか?逆に不安だ……」
リゼの言葉を聞いて、青山は「大丈夫」と笑う。
「万が一のことがあっても、私がお財布になります!——都会のカジノでどっか〜ん!!です」
「「余計不安になったぞ!!?」」
両手を広げて自信満々な青山にリゼと悠がツッコミを入れる。
「——シャロ?どうかしたのか?もしかして、他に行きたいところがあったか?」
先ほどからパンフレットを眺めたままフリーズするシャロに悠が話しかける。
「——よりによって……どうして……」
パンフレットを強く握りしめて震えるシャロにチノと悠が慌てる。
「あわわわわわ……」
「落ち着けシャロ!今代わりの旅行先を——そうだ!リゼの家とかどうだ!?」
「私の家!?」
「あら?確かこの街は——シャロちゃんのご両親の出稼ぎ先だったわよね」
千夜がそう言うと、シャロが「うん」と短くうなずく。
「まぁ、大丈夫よ。問題ないわ。ちょっと驚いただけよ」
「それならよかったです……」
「——あれ?そういえば私もお父さんが働いてた大学があるようなないような?」
ココアもパンフレットを眺めながら首を傾げる。
「家族なら覚えとけよ……」
リゼの静かなツッコミがラビットハウスに響いた。
「下調べしとこ〜」
ノリノリなココアは、早速パンフレットを漁る。
「ココアさんの実家も候補にあったんですが……」
チノがそう言いかけるが、ココアは「ううん」と首を横にふる。
「ここがいい!みんなで初めて見る景色で一緒にわくわくしたいもん!」
ココアの言葉を聞いて悠がうなずく。
「そうか。——だけどココア、稼いだ金を早速使ってなかったか?」
「——ココアさん?」
「ふぇっ!?——ば、ばれてる……!?」
悠がジト目でココアを問い詰めると、チノもジト目になる。
「旅行資金、貯まるんですか?」
ココアはしばらく考えた後、青山のもとへ向かい、
「——青山さーん!私もカジノでどっかーんしたいからやり方教えて!」
と言うと、チノと悠が慌てて止めに入る。——それはまずいだろ。
何はともあれ、具体的なことが次々と決定していき、旅行が楽しみな一同であった。
いくつかオリジナルを含むお話を挟んだ後、いよいよ旅行編に突入です!