翌日、街の案内をかねてモカと散歩することに。
「なんで俺なんだ?」
「ココアさんにお願いすると収集つかなくなりそうですので」
「いや、俺もこの街よくわからないんだけど」
「では、リゼさんと行ってもらいましょうか」
「あれ?俺は固定なの?」
半ば強引に案内を任されたものの——。
「あ、あの、街の案内だよね?——エスコートしてくれるわりにはちょっと距離が」
「もふもふ対策だ」
「どういうことだ?」
悠はモカを警戒して大きく距離を開けている。事情を知らないリゼはモカの隣だ。
「リゼ、長生きしたいなら離れた方がいいぞ」
「モカさん——悠に何か——」
「昨日、ちょっともふもふしたらこうなっちゃって。リゼちゃんは大丈夫だよね?」
そう言ってモカがリゼに抱きついた。
「うわあああああ!!!やめろおおお!!!」
「はぁはぁ……助けてくれ!」
そう叫びながら甘兎庵に駆け込むと、いつも通り店で働いている千夜とシャロがいた。
「リゼ先輩!それに悠!?——どうしたんですか?」
「命までもふられる!」
モカの恐ろしさを知ったリゼと悠はシャロにしがみつく。
「逃げると追い詰めたくなっちゃうぞ〜」
とモカが一行を脅すと、千夜が満面の笑みで
「その気持ちわかります!」
と同意した。この2人——くっつけたらやばい。
「千夜ちゃん!その制服いけてる!」
「シャロちゃんの働いている喫茶店もミニスカで可愛いんですよ」
と千夜が言うと、モカが悠の方を向いて
「ねぇ悠くん、私もまだまだミニスカで働けるかな?」
と聞いてきた。これは回答を間違えるわけにはいかない。
「あ、ああ——まあいけなくはないかな?」
そのあと、甘兎庵で一息ついた後、街の各所を案内してラビットハウスに戻った。
その翌日——。
なにやら下の階が騒がしい。
厨房に入ると、ココアとモカがものすごい勢いでパンを量産していた。
「な、なんだ?なにがあった」
「そ、その——私好みのパンをどっちがたくさん作れるかって言う競争になってしまって」
「だからこんなに量産してるのか!?」
案の定、ラビットハウスの住人だけでは食べきれず、みんなでピクニックへ。
ちょうど、天気も爽やかでいい感じだ。湖の近くでピクニックシートをひいてゆっくり団欒——している暇はなかった。
「それじゃあ、パンの大食い大会始めるよ〜!」
「雰囲気が台無しだ!」
「この中にマスタード入りスコーンがありまーす!」
モカがそう言った瞬間、口の中にものすごい衝撃が走った。
「くそっ……盛られた!」
「奇遇です!私もロシアンルーレットぼた餅持ってきたんです!」
「最悪の意気投合だ!」
ちなみにロシアンルーレットぼた餅は里恵がハズレを引いてしまった。
パンを食べ終わった後、食後の運動ということでボートに乗ることに。
ペアはココアと悠、チノとモカ、リゼと千夜、シャロと里恵。
「最初に向こう岸の木にタッチした方が勝ち!」
勝った人は負けた人になんでも命令できる。——なんでも、そう、なんでもだ。
ティッピーがカウントダウンしてスタート!
一瞬でチノ&モカチームに追い抜かれてしまった。
他のペアを見ると——リゼと千夜は何か話をしているみたいだ。特に千夜が何か浮かない顔をしている。
シャロと里恵は——シャロが里恵にボートの漕ぎ方を教えているようだ。
「私、またお姉ちゃんに負けちゃうのかな」
「え?」
「私ね、お姉ちゃんに一度も勝てたことがないんだ」
「ココア——」
「悔しさのあまり家出を考えたこともあるんだよ」
「そんなに!?」
「妹だから、勝てなくてもしょうがないのかな……」
その話を聞いて、悠は決心した。
「嬉しいことに——いや、誠に遺憾ながらこの中で男子は俺だけだ。さあ、あとは俺に任せて——」
「ティッピー!?」
「流されていく——時代の濁流に」
肝心なところをティッピーに持って行かれてしまった。おそらく、チノたちのボートから落ちちゃったんだろう。
なんとか救出したが——。
「だめ!悠くんの提案は嬉しいけど、これは私の問題だよ!」
ココアがものすごい勢いでボートを漕ぎ始めた。
「私はこの戦いでお姉ちゃんを超える!」
「すげぇ!モーターボートみたいな速さだ!これならいけるぞココア!」
そしてついに——チノ&モカチームのボートを抜いた!
どの組み合わせがお好きですか?
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠