リゼが「軍隊カレー」なるものを作っている。
「はちみつを少し入れて、最後にこれ!」
リゼが出してきたのは、明らかに高そうなチョコレート。
「親父の部下が持ってきたんだけど、甘いもの苦手だからって」
「カレーにチョコレートって……」
「味に深みが出るんだ」
「よし、あとはこれを煮込んで完成だな!」
もうすぐカレーが出来上がる。テーブルの上を片付けようと振り向くと——
「チノ?どうした?」
チノの顔が赤い。熱でもあるのか。
「——ブランデー入りだったのか。いや、それで酔うのか!?」
よく見るとココアも酔っている。
「まったく!だらしない子ね!それでも私の妹なの?」
「いや、お前も酔ってるだろ!」
「洋酒入りのお菓子で酔うなんて……」
シャロがいうと、リゼは呆れた様子で「カフェインで酔うやつがいたような……」とつぶやいた。
「そんなことではロザリオを渡せなくってよ!」
「高級な食べ物で性格がお嬢様に!」
「あれ?チノは?」
悠がリゼに尋ねると、
「ココアが怒鳴るから、怯えて逃げたぞ」
その時、事件は起こった。
ドアがゆっくりと開き、完全に酔っているチノが姿を現した。
この時点で悠へのダメージは計り知れない。
「ご、ごめんね……お姉ちゃん……。いい子になるからもう怒らないで」
「ぐはっ!」
「悠!しっかりしろ!」
なんて破壊力だ。
「ココアちゃんの想いが伝わったのね!」
「長い道のりだったよ!」
千夜とココアが手をつないで喜んでいる。
「お姉ちゃーん!」
真っ先にココアに飛びつくと思いきや、千夜に飛びついた。
「見境ない!」
「悠お兄ちゃん……お片づけのお手伝いするよ……」
「リゼ……どうやら俺はもうダメみたいだ……今までありがとう——里恵、愛してるよ」
「そんな!悠!私を置いて逝くな!って、やっぱりシスコンじゃないか!」
「お兄ちゃん!」
そんな茶番を繰り広げていると、背後に殺気を感じた。
「争いたくなかったけど、仕方ないね。悠くん、リゼちゃん——勝負だよ!」
「悪いが、今回は譲れそうにないな」
「ああ、チノは俺たちの妹だ」
もはや何を言っているのか自分でもわからない。それほどカオスな状況になっている。
ココアと激しいバトルを繰り広げている隣では、シャロがチノに膝枕をしていた。
「かわいそうに……酔いから覚めた時、羞恥心で死にたくなるのよ」
「ラビットハウスではいつもこんな感じだよ!」
「技決められて、取り押さえられてるのが?」
戦いがひと段落したあと、チノがココアに寄って来た。
「はいはいが尊すぎて死ぬ」
「心なしか、悠がものすごい生き生きしてる!」
「お姉ちゃん……今の方の私の方が好き?」
「ぐはっ!」
チノが何か発言するたびに悠がダメージを負う。
「さっきの私の言葉を気にして——ごめんねー!」
ココアがチノに勢いよく抱きつき、
「ごめんねチノちゃん!いつものチノちゃんが大好きだから!」
「なんて大胆な告白——ん?」
チノの方を見ると、正気に戻った顔をしている。
「あ、あの——別に酔ってないです」
「愛の力で戻った!」
「今までの全部演技ですから!」
「チノ——それはちょっと無理があるかも」
悠がいうと、チノは顔を真っ赤にして「演技ですからー!」と叫んだ。
その後、みんなでリゼの作った軍隊カレーを食べて解散した。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠