ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第二十六話 尊い妹

リゼが「軍隊カレー」なるものを作っている。

 

「はちみつを少し入れて、最後にこれ!」

 

リゼが出してきたのは、明らかに高そうなチョコレート。

 

「親父の部下が持ってきたんだけど、甘いもの苦手だからって」

 

「カレーにチョコレートって……」

 

「味に深みが出るんだ」

 

 

 

「よし、あとはこれを煮込んで完成だな!」

 

もうすぐカレーが出来上がる。テーブルの上を片付けようと振り向くと——

 

「チノ?どうした?」

 

チノの顔が赤い。熱でもあるのか。

 

「——ブランデー入りだったのか。いや、それで酔うのか!?」

 

よく見るとココアも酔っている。

 

「まったく!だらしない子ね!それでも私の妹なの?」

 

「いや、お前も酔ってるだろ!」

 

「洋酒入りのお菓子で酔うなんて……」

 

シャロがいうと、リゼは呆れた様子で「カフェインで酔うやつがいたような……」とつぶやいた。

 

「そんなことではロザリオを渡せなくってよ!」

 

「高級な食べ物で性格がお嬢様に!」

 

 

「あれ?チノは?」

 

悠がリゼに尋ねると、

 

「ココアが怒鳴るから、怯えて逃げたぞ」

 

その時、事件は起こった。

ドアがゆっくりと開き、完全に酔っているチノが姿を現した。

この時点で悠へのダメージは計り知れない。

 

「ご、ごめんね……お姉ちゃん……。いい子になるからもう怒らないで」

 

「ぐはっ!」

 

「悠!しっかりしろ!」

 

なんて破壊力だ。

 

「ココアちゃんの想いが伝わったのね!」

 

「長い道のりだったよ!」

 

千夜とココアが手をつないで喜んでいる。

 

「お姉ちゃーん!」

 

真っ先にココアに飛びつくと思いきや、千夜に飛びついた。

 

「見境ない!」

 

「悠お兄ちゃん……お片づけのお手伝いするよ……」

 

「リゼ……どうやら俺はもうダメみたいだ……今までありがとう——里恵、愛してるよ」

 

「そんな!悠!私を置いて逝くな!って、やっぱりシスコンじゃないか!」

 

「お兄ちゃん!」

 

そんな茶番を繰り広げていると、背後に殺気を感じた。

 

「争いたくなかったけど、仕方ないね。悠くん、リゼちゃん——勝負だよ!」

 

「悪いが、今回は譲れそうにないな」

 

「ああ、チノは俺たちの妹だ」

 

もはや何を言っているのか自分でもわからない。それほどカオスな状況になっている。

ココアと激しいバトルを繰り広げている隣では、シャロがチノに膝枕をしていた。

 

 

「かわいそうに……酔いから覚めた時、羞恥心で死にたくなるのよ」

 

「ラビットハウスではいつもこんな感じだよ!」

 

「技決められて、取り押さえられてるのが?」

 

 

戦いがひと段落したあと、チノがココアに寄って来た。

 

「はいはいが尊すぎて死ぬ」

 

「心なしか、悠がものすごい生き生きしてる!」

 

「お姉ちゃん……今の方の私の方が好き?」

 

「ぐはっ!」

 

チノが何か発言するたびに悠がダメージを負う。

 

「さっきの私の言葉を気にして——ごめんねー!」

 

ココアがチノに勢いよく抱きつき、

 

「ごめんねチノちゃん!いつものチノちゃんが大好きだから!」

 

「なんて大胆な告白——ん?」

 

チノの方を見ると、正気に戻った顔をしている。

 

 

「あ、あの——別に酔ってないです」

 

「愛の力で戻った!」

 

「今までの全部演技ですから!」

 

「チノ——それはちょっと無理があるかも」

 

悠がいうと、チノは顔を真っ赤にして「演技ですからー!」と叫んだ。

 

 

その後、みんなでリゼの作った軍隊カレーを食べて解散した。

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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