ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第二十七話 チノとデート!?

カレー騒動から数日経ったある日の朝。

 

 

「今日はココアさんは千夜さん、シャロさんと勉強会を開くそうです」

 

朝ごはんを黙々と食べていると、チノがそう報告した。通りでココアがいないのか。

朝っぱらから千夜の家に向かったそうだ。

今日は祝日だ。それなのに千夜たちと勉強会とは——感心だ。

 

 

「——リゼさんは、部活の助っ人だそうです」

 

「そうか。あいつも大変だな」

 

「————」

 

「——?」

 

心なしか、今チノがわずかに頬を膨らませたような気がする。

 

「なんだよ?」

 

「はぁ……本当にこのお兄ちゃんは鈍感」

 

唐突に里恵に説教され、ますます困惑する悠。

 

 

「——今日、一日暇なので一緒にお出かけしてあげてもいいですよ」

 

「なんで上から目線なんだ!?」

 

チノがやたら上から目線で遊びに誘ってくる。

 

「いや、店はどうするんだ」

 

「今日はお休みです」

 

「里恵も出かけるのか?」

 

「後でココアちゃんが遊びこいって」

 

——あの姉バカ……たまにはいいことするじゃないか!

要するに、今日はチノと2人きりということだ。

 

 

「——チノ、お前インドア派だろ。いいのか?」

 

「実は、先日から作っていたボトルシップが完成してしまって。やることがないんです」

 

「なるほど——」

 

「ついでにコーヒーカップを買いに行きましょう」

 

「またココアが割ったのか?」

 

「いえ、私用です」

 

 

 

「いってらっしゃーい」

 

半ば強引に、里恵に追い出された。送り出す時の、悪魔のような微笑みが少々怖い。

 

 

「と、追い出されたものの——何から片付けようか」

 

「そうですね——あ、そうだ、実はこの前、青山さんの小説が映画化されたそうです。見に行きませんか?」

 

「あ、ああ——」

 

ただの買い出しかと思いきや、普通に遊ぶ流れになってきた。

 

 

 

「あ、あの——これはいったい」

 

チノが小声で言う。

 

「俺が聞きたいよ」

 

青山ブルーマウンテンの新作が映画化と言うことで、早速見る予定だったのだが——

 

『バイト先の後輩に惚れた話』

 

なんで、ラブコメなんだ。しかも、明らかにモデルがチノと悠だ。

否、別にこじつけではない。設定から外見まで完全に一致している。

——今度会ったら徹底的に問い詰めてやる……!

 

 

映画が終わり、映画館から出てきたチノと悠だが——。

 

「いったいどんな羞恥プレイだよ!」

 

「でも、面白かったです」

 

「ま、まあそうだが——」

 

「ところで、あれの題材ってやっぱり私たちなんでしょうか」

 

「真顔で聞いてくるな!——あれのモデルが俺とチノってことは」

 

「————なっ!別に惚れてなんかないです!」

 

派手に突き飛ばされた。

 

 

 

次は、公園で一休み。

 

「うさぎです!」

 

うさぎを見つけた途端、チノの目が輝く。

 

 

 

「ねえ見てマヤちゃん、チノちゃんと悠さんだよ〜」

 

「ほんとだ!何してるんだろ」

 

「————」

 

「「デート?」」

 

公園の茂みにマヤとメグが隠れている。

視線の先にはチノと悠がいた。

 

そんな視線に気付かず、悠はチノにアイスを渡す。

 

「2人で食べるのかな?」

 

「ラブラブすぎ〜!」

 

メグとマヤが勝手に盛り上がっているが、悠はうさぎをもふもふし、チノが隣でアイスを食べている。

 

「ねえメグ!今日一日あの2人を尾行してみない?」

 

マヤの提案にメグが同意し、チノと悠を尾行することに。

 

 

 

「そういえば、ココアはこの坂道で自転車の練習するのが夢とか言ってたな」

 

「そうですね」

 

「チノは自転車に乗れるのか?」

 

「——乗れません」

 

チノがそう言うと、悠が近くにあったレンタル自転車を指差し、こう提案した。

 

「ちょっと練習してみるか」

 

「ちょっとだけですよ……」

 

 

「よし、まずは両足で地面を蹴って前に進んでみろ」

 

「は、はい!」

 

いきなり坂道はさすがに危ないので、人気のない広場で練習してみることに。

 

 

「倒れる前にもう片方の足をペダルに!」

 

「うわっ!」

 

ガシャンと派手な音を立ててチノが倒れる。

 

「お、おい、大丈夫か?」

 

「大丈夫です。今ので少しコツがわかりました。次は最初、少しだけ後ろ押さえてもらっていいですか」

 

「あ、ああ——」

 

悠が後ろを押さえた状態でチノが自転車を漕ぐ。

 

「いい感じです。離してください」

 

「いいのか?いくぞ!」

 

「もう乗れます!自転車、マスターしました!」

 

そう自慢げに言いながら自転車を漕ぐ。が、すぐに倒れる。

 

「だめじゃねえか!」

 

 

チノの自転車特訓は続く。




ここからしばらく「チノとデート」編が続きます。

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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