「今日は、ありがとうございました」
「いいや、別に。俺も結構楽しかったし」
ラビットハウスに帰る前に、夕食の買い物をした。
「ココアさん、多分もうラビットハウスに戻ってますよね」
「ああ、そして俺たちがいないことに気づいて発狂してるだろうな」
「ざまあみろ」と言わんばかりに悠がにやける。
「でしたら、今日の夜は——鍋にでもしますか?」
「そうだな」
そのとき、スーパーの自動ドアが開いた。
「あ、やっぱりここにいた!お兄ちゃん、大変だよ!」
「なんだなんだ」
里恵がこちらに駆け寄ってきた。不吉な予感がする。
「ラビットハウスに帰ったら、みんなが揃ってて、お兄ちゃんに徹底的に事情聴取するって!」
「なんだと!?」
「そんなに騒ぐことですか……」
チノが呆れる。全く同意見だ。
「どうするチノ……帰ったら俺は処刑され、お前もタダじゃ済まないかもしれない」
「そ、それは困ります!」
「そりゃそうだよ……周りから見たらお兄ちゃんたち、デートしてるようにしか見えないもん」
「「デート!?」」
チノと悠がハモった。
「ま、まあそうだな。俺も途中から『あれ?これデートじゃね?』って思ってたし」
「わ、私はそんな気は——」
「今日はお楽しみでしたね〜」
里恵がニヤついた顔で言う。こいつさては尾行してたな。
「だが、どこから情報が漏れたんだ、シャロか?」
「みんな、尾行してたみたいだよ」
「この街はストーカーとパパラッチしかいねーのか!!」
悠の叫びが店内に響き渡った。
「ふぅ——チノ、覚悟はできたか。扉、開けるぞ」
「は、はい……」
「どうなっても知らないよ……」
悠がゆっくりと扉を開けると、やはりみんなが揃っていた。
「た、ただいまです……」
チノが恐る恐る言うと、みんなこちらに振り向いた。
「や、やあ皆さん。お揃いで」
「やあじゃない!どういうことか説明してもらおう」
「やっぱりそうなるのか!」
「つまり、今日一日暇だったから2人で遊びに行っていたと」
「はい……すいません……」
なんで謝ってるのか自分でもわからない。
「私たちもプリクラで対抗だよ!」
ココアがみんなで撮ったプリクラを自慢げに見せる。
「お前も撮ってたのか!?」
「ココアさん聞いてください。悠さんと練習して自転車に乗れるようになりました」
「ヴェアアアア!!私の勝ち目ないよー!!!」
「そうだ、お前の出る幕はないぞココア」
「お兄ちゃんぶってんじゃないよ!今からどっちがチノちゃんの兄妹に相応しいか勝負だよ!」
ココアが戦いを挑んでくる。が、リゼがそれを止めた。
「それは後にしてくれ。——その、悠。言いづらいんだが」
「なんだ?」
「そういうことは、公共の場でやっちゃいけないんだぞ」
「なんの話だ!?」
「しらばっくれるな!ココアが、チノの初めてを奪われたと泣いていたぞ!」
リゼが悠を指差して強い口調で言う。
「はぁ!!?」
「——初めて?」
チノは首をかしげるが、
「チノちゃんは知らなくていいのよ……」
千夜がチノの耳を塞ぎ、ココアがチノの目を覆いつつ、リゼに言った。
「私そんなこと言ったっけ!?」
「——マヤが言っていた。それでお前が落ち込んでいたんだろう?」
「ち、ちが……私はチノちゃんとのプリクラを先越されて……」
「いや、確かにチノと遊びに行ったが決して手を出したわけではない!」
悠が反撃する。
「な、な、な……勘違いしてたのは私だけか!!?」
「リゼ、そういう年頃なのはわかるが、俺を巻き込むな。男子は常にそういうことを考えているわけではない!」
悠がリゼにトドメを刺した。
「はぅぅ……すまない——」
心なしか、リゼが先ほどより小さくなっているように感じる。
「初めてって、どういう意味なんでしょう……」
「チノが帰ってきたぁぁ……」
「ティッピーうるさいです」
そうして、チノとの楽しいデートは幕を閉じた。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠