チノとのデートから数日。
チノと甘兎庵に来ていた。
「おいしい」
「良かった。新作『エメラルドの涙』好評ね」
千夜は微笑んで言う。
「また変な名前つけやがって——」
「あの、私たち、それぞれの後継ぎになるんですよね。ラビットハウスと甘兎庵はライバルで深い因縁があったみたいですが」
「そうなのか!?」
悠が驚いて千夜の方を見ると、千夜はきょとんとした顔をしていた。
「深い、因縁……?」
「あれ——?」
「チノ、そんなに凹むなよ……」
「因縁を持っていると思っていたのは、おじいちゃんだけみたいですね……」
チノがそう言うと、リゼとココアが
「向こうからはガン無視ってことか!?」
「おじいちゃん——かわいそう!」
と言うと、ティッピー——否、チノの祖父は「憐れむな!」と泣きながら言う。
早速、ココアとリゼは因縁があったのかどうか調べるためにフルールへ向かった。
「ティッピー……泣くなよ」
「お前に慰められる日が来るとはのぅ……」
「でも、なんで因縁が?」
里恵が尋ねると、チノが答えた。
「昔、甘兎庵とのコラボメニューがあったそうですが、おそらくそれ関係で揉めたのでしょう。私も詳しくは知らないんですが」
「そうなのか……」
「あれ?ティッピー?」
気がつくと、チノの頭からティッピーがいなくなっていた。
そして、ココアとリゼが帰ってきた。
「おかえりなさい。ティッピー見ませんでしたか?」
チノが尋ねると、
「ティッピー?見なかったけど……」
「まさか——おじいさんの因縁を晴らそうと特攻を」
「そうかも——」
悠がボソッと呟くと、チノが慌てて「ありえません!うさぎですから!」とごまかす。
「戦が始まる……いざ!!」
「本当にやろうとしてた!?」
ティッピーがハチマキと「珈琲旋風」と書かれた旗を掲げている。
それに便乗してココアもハチマキを装着。
「私も手伝うよ!ティッピー!」
「やめてください!仕事してください!」
「お前サボりたいだけだろ!?」
便乗しようとするココアをチノと悠が止める。
そしてティッピーが店を飛び出した。慌てて追うと、やはり甘兎庵にいた。
「ババアを出せ!ババア!!」
ティッピーが甘兎庵の店内で叫ぶ。すると千夜が奥から木刀を持って現れた。
「よくわからないけど、相手になるわ!」
心なしか、ティッピーから赤い炎、千夜から緑色の炎が出ているように見える。
「ティッピーそこまでです」
チノがティッピーを捕まえ、事態は無事収拾した。
「お騒がせしました。お仕事中なのに」
「あら、もうおしまい?」
千夜が微笑む。
それから、昔行われてたラビットハウスと甘兎庵のコラボメニューについて知った。
「ラビットハウスでは、特製のあんこが美味しいと評判になり、甘兎庵ではコーヒーあんみつのコーヒーが美味しいと評判になり——」
「なるほど、それで……コーヒーが注目されなくて拗ねたのか。大人気ないなぁ」
悠が呆れる。
「自分のコーヒーに相当自信を持っていましたからね。——辛かったんでしょうね」
チノがティッピーの方を見ながら言う。
その後、ラビットハウスに戻る。
「千夜ちゃん、甘兎庵を大きくするのが夢なんだって?」
里恵が言うと、ココアが「女社長だってー!かっこいいなぁ〜!」と言うと、チノが何目覚めたのか
「わ、私、街中の喫茶店を全てフランチャイズ化します!」
と宣言した。
ココアが店からメニュー表を持ってきて、
「じゃあまずはメニュー名を改めなきゃね!えーっと、漆黒の——」
「ダークネス」
「暗黒卿——黒炭の如き——」
「一番暗きとき——ダーケストアワー——」
ココアとチノがメニュー名を書き換えようとする。
「「「やめろー!!!」」」
リゼとティッピーと悠が叫んだ。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠