「大変だ!チノが……チノがあああ!!!」
「悠くん!?何事!?」
ついにチノと音信不通になり、ティッピーと悠が慌ててラビットハウス店内に戻る。
その日の夕方、リゼとマヤを見送った後にココアに一通のメールが届いた。
「見て、チノちゃんからメールだよ!」
「良かった、まだ意識はあるみたいだぞ、ティッピー」
悠がそう言うと、ティッピーはホッとした顔をするが、その表情も続かなかった。
「今夜は」というタイトル。嫌な予感がする。
『夕飯にお呼ばれしたので帰りは遅くなります。千夜さん曰く、甘兎庵看板姉妹爆☆誕です』
そして、チノと千夜が楽しそうにピースしている写真が添えられていた。
「ヴェアアアア!!!チノちゃんったら——悠くん!写真撮るよ!」
「は、はい!」
ものすごい勢いで言われ、思わず敬語になってしまった。
結局、ココアと悠と里恵で写真を撮り、『ラビットハウス新3姉弟で対抗だよ!』という謎の対抗メールを送信した。
「みなさん、深刻な問題が発生しました」
「どうしたの?悠くん」
「お兄ちゃん?」
その晩、ココアたちは重大な問題に直面していた。
「今日の夕飯、どうするんだ」
「「——あっ」」
悠の問いに、ココアと里恵は顔を見合わせる。
今日はチノがいない。それはつまり、ラビットハウスに料理ができる人がいないということを意味している。
「仕方ないなぁ!お姉ちゃんに任せなさーい!」
「お前は絶対に料理するなよ」
「だ、大丈夫だもん!」
「うそだぁ、この前ハンバーグ真っ黒にしてチノに叱られただろ」
「うぅ……」
悠の一言でココアは撃沈。里恵はタカヒロさんのおかげである程度料理ができるようになっていた。
「里恵、できるか?」
「まあ、簡単なやつなら——」
今晩の料理係は里恵に決定した。
「ただいまです」
チノが帰ってきた。ものすごい勢いでココアとティッピーと悠が飛びかかる。
「そ、そんなにくっつかないでください!」
「チノ——抹茶派にならないでくれ!」
「チノが帰ってきたぁぁ……」
「チノちゃん!私たちいつまでもラビットハウスの姉妹だよね!」
それぞれがチノに問うと、チノは呆れた様子で
「大げさです。——美味しかったですけど」
「まったく、本当にしょうがないみなさんです」と、チノは微笑んだ。
「ブルーマウンテンのおかわりいただけますか?」
青ブルマこと青山ブルーマウンテンが店に顔を出している。
「チノ、おかわり頼む」
「はい」
相変わらずラビットハウスは客がいない。今いるのは青山ブルーマウンテン1人だ。
「ねぇ、青山さん!本名はなんていうの?ブルーマウンテンじゃないんでしょ?」
ココアが満面の笑みで尋ねると、青山ブルーマウンテンは
「秘密です。みなさんにとって私は青山ブルーマウンテン——」
その時、店の扉が大きな音を立てて開いた。
「見つけましたよ!青山先生!」
「誰!?」
「私の担当です」
青山ブルーマウンテンがテーブルの下に隠れる。
「連絡が取れないと思ったらやっぱりラビットハウス!ふらふらしてるの高校の時から本当変わらない!」
「あーあー」
青山ブルーマウンテンが耳を抑えながら聞こえないふりをする。
するとこの担当編集はさらに怒る。
「こら!聞こえないふりするな!無駄な抵抗はやめなさい!」
そしてこう続けた。
「早く原稿書きなさい!青山先生——いや、翠さん!」
「翠ちゃん——」
「翠さんでしたか」
「あっさりバレたな」
すると、担当編集が青山ブルーマウンテンの腕を掴み、
「ほら!行きますよ!締め切りはもう1週間も過ぎているんです!」
終始、青山ブルーマウンテンは「あーあー」と聞こえないふりをしていた。
どの組み合わせがお好きですか?
-
ココア × 悠
-
チノ × 悠
-
リゼ × 悠
-
振り回され隊 × 悠