「お、おいリゼ——いまチノが」
「た、たしかにお前のこと大嫌いって言ったが、本心じゃないだろ!——多分」
「大丈夫!お姉ちゃんに任せなさい!——チノちゃん、一緒にパン焼こう?」
リゼが悠を慰め、ココアがチノを部屋から出そうとするが——。
「嫌です!ココアさんも嫌いです!」
「そんなぁ!なんで私も!?」
ココアが涙目になる。
「泣くな!俺が弟になってやるから」
慌てて悠がココアをなだめる。
「ほんと!!?いいの?」
ココアの顔が一気に明るくなる。
すると部屋の方からチノの声が聞こえた。
「ココアさんは年下なら誰でもいいんですね」
「ヤキモチ妬くならでてこいよ」
リゼが冷静にそういうと、チノは黙った。
「な、なぁチノ——謝るから出てきてくれよ〜……」
悠が扉をノックしながらそういうと、チノは
「許しません!」
と言った。
「リゼ!もういっそのこと俺を殺ってくれ!」
「できるか!」
悠がリゼにしがみついて泣きわめく。
「ならナイフだ!ナイフを出せ!ここで切腹する!」
「やめろ!お前は武士か何かか!?」
リゼが悠を突き放して、こう続ける。
「ちょっとした喧嘩だろ。そう深刻になるな。落ち着いたら出てくる!」
リゼはそう言って、ココアと悠を店に戻した。
「み、店の空気が重い——」
今度はリゼが呟いた。
無理もない、チノに大嫌いと言われた悠は店の隅っこで小さくなっている。
ココアも嫌いと言われてしまい、落ち込んでいる。
「なんとか明るくしなくては——」
リゼはスマートフォンを取り出して、シャロに電話した。
「す、すまない。急に呼び出して」
「い、いえ!今日はちょうどバイト休みでしたので!——どうかしたんですか?」
「実は——」
リゼはシャロに事情を話すと、シャロは「それなら任せてください!」とチノの部屋の前に向かった。
「チノちゃん、よかったら私と遊ばない?」
「——シャロさん?いいですよ」
シャロは、チノの部屋の潜入に成功した。
「シャロ、まるで潜入に特化した特殊部隊のようだ……」
リゼのつぶやきは誰にも届かない。
「心にもないことを言ってしまいました……」
「誰にでもそう言う時はあるものよ」
「ですが、あそこまで言ってしまった以上、どう謝ればいいのか——」
「そうね——」
シャロは深く考え込んでから、チノにアドバイスを話した。
「チノが、俺のこと大嫌いだって——もう一生口聞いてもらえない!」
「チノちゃんが、私のこと嫌いって——もう一緒にパン焼いてくれない!」
「病むな!いまシャロが対応中だ!お前らは仕事しろ!」
リゼがそう怒鳴ると、悠はココアの元にコーヒーカップを持ってきた。
「ほら、とりあえずコーヒーでも飲もうぜ……」
「うん、そうだね……」
カップには空気しか入っていない。
「これは、相当重症だな——」
リゼは、やれやれと呆れた。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠