ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第五話 奇妙な甘味処

ラビットハウスに、今日買ったものを置いてすぐ、ココアに案内された甘味処へ――の前に、リゼを誘いに彼女の家へ向かった。

 

 

「みんなで食事?すぐ行くよ!家で一番強力な武器を用意しておく!」

 

「決まりだな……ん?武器……?」

 

 

あっさり承諾してくれたが、何か勘違いしているような……。

 

 

 

 

「甘味処……あまうさ……?」

 

 

一見、和風な外見だが……。

 

 

「なんだこれ……。それで、スパゲッティの店ってここなのかよ」

 

「あら、まあ……。ココアちゃんが言ってた悠くんと里恵ちゃんね。私はここの甘兎庵の看板娘の宇治松千夜です。サービスするわよ」

 

「ああ、よろしく」

 

「よろしくです!」

 

 

 

「しかし、甘味処でスパゲッティって……」

 

「千夜ちゃんは甘兎庵でターキーも出してるから、これくらい普通だよ~」

 

 

ココアが説明するが、その理屈がまったくわからない。

チノが言うには、この二人はマイペースお騒がせコンビだそうで、振り回されないように気をつけたほうがいいと……。

 

そして、甘兎庵のメニューを見て絶句した。

 

 

「なにこれ……。『煌く三宝珠』『雪原の赤宝石』……なんのことか全然わかんないぞ」

 

「あらいけない、初心者の方には指南書をお配りしなきゃね」

 

「はじめっからわかりやすい名前にしてほしいところだな……」

 

 

リゼもこちらに到着した。何やらすごい武器を持ってこようと思っていたらしいが、父親に危なすぎると取り上げられたらしい。

果たしてどんな武器だったのだろうか。知る由もない。多分知らないほうがいいかもしれない。

 

 

「はい、夕焼けの糸。お待ちどおさま」

 

「ナポリタンか……」

 

 

スパゲッティに糸なんて表現を使うから、どんなものなのかと内心不安で仕方なかったが、どうやら杞憂だったみたいだ。

 

 

「あ、そうだ。ココアさん。今度数学教えてほしいのですが」

 

「私のことはお姉ちゃんって呼んで!」

 

「――ココアさん」

 

「お姉ちゃん!」

 

 

永遠ループしそうな予感がする。

隣でチノがあきれたような顔をしているのが見える。

 

 

「――じゃあ、ココア」

 

「なかなか頑固だなぁ」

 

 

知らない人をお姉ちゃんと呼べというのもかなり無理な話だ。

確かココアは俺と同じ居候だと言っていた。

まさかチノと出会ったときもこんな感じだったのでは……。

 

 

「この際、私のことも呼び捨てで呼んでほしいです」

 

とチノ。

 

 

「私のことは教官と呼べ!言葉の後にはサーをつけるんだぞ!」

 

とリゼ。

 

 

「私も気軽に下の名前で呼んでほしいわ」

 

と千夜。

 

 

そんなたわいもない話をしていると、甘兎庵にシャロが入ってきた。

 

 

「な、リゼ先輩!」

 

「シャロじゃないか!お前もスパゲッティ食べに来たのか?」

 

「へっ……?」

 

 

こうして、なんやかんや全員集まった。

 

 

「シャロちゃん、なんで風呂桶とタオル?」

 

「え、えっとそれは……」

 

「それはうちのお風呂を――」

 

「こ、これから銭湯に行こうと思ってて!!」

 

 

千夜の言葉を無理矢理遮ったが、今のですべて察してしまった。

――間違いなく千夜の家のお風呂を借りに来ている。でも、今時お風呂がない家なんてあるのだろうか。

 

それともまさか――。

 

 

「そういえば、悠くんは彼女さんっているの?」

 

 

ココアの発言で口の中にあったものが一気に喉を通る。

激しい咳のあと、気がつけば全員の視線がこちらを向いていた。

 

 

「ごほん――それは……そのですね」

 

「お兄ちゃんはチノちゃんみたいな子が好きって前に言ってたよ!」

 

 

落ち着くために飲んだはずの水が胃に向かうことはなく、肺に向かった。

また激しく咳き込んだあと、チノのほうを見るとそこだけ気温が上がっていた。

 

 

「お、おい里恵!俺がロリコンみたいな言い方するんじゃないよ!確かにおとなしい人がタイプだけど!」

 

「え~?だってこの前も夫婦みたいな会話してたじゃん」

 

「してないわ!」

 

 

このあと、散々な目にあったのは言うまでもない。

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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