ラビットハウスに、今日買ったものを置いてすぐ、ココアに案内された甘味処へ――の前に、リゼを誘いに彼女の家へ向かった。
「みんなで食事?すぐ行くよ!家で一番強力な武器を用意しておく!」
「決まりだな……ん?武器……?」
あっさり承諾してくれたが、何か勘違いしているような……。
「甘味処……あまうさ……?」
一見、和風な外見だが……。
「なんだこれ……。それで、スパゲッティの店ってここなのかよ」
「あら、まあ……。ココアちゃんが言ってた悠くんと里恵ちゃんね。私はここの甘兎庵の看板娘の宇治松千夜です。サービスするわよ」
「ああ、よろしく」
「よろしくです!」
「しかし、甘味処でスパゲッティって……」
「千夜ちゃんは甘兎庵でターキーも出してるから、これくらい普通だよ~」
ココアが説明するが、その理屈がまったくわからない。
チノが言うには、この二人はマイペースお騒がせコンビだそうで、振り回されないように気をつけたほうがいいと……。
そして、甘兎庵のメニューを見て絶句した。
「なにこれ……。『煌く三宝珠』『雪原の赤宝石』……なんのことか全然わかんないぞ」
「あらいけない、初心者の方には指南書をお配りしなきゃね」
「はじめっからわかりやすい名前にしてほしいところだな……」
リゼもこちらに到着した。何やらすごい武器を持ってこようと思っていたらしいが、父親に危なすぎると取り上げられたらしい。
果たしてどんな武器だったのだろうか。知る由もない。多分知らないほうがいいかもしれない。
「はい、夕焼けの糸。お待ちどおさま」
「ナポリタンか……」
スパゲッティに糸なんて表現を使うから、どんなものなのかと内心不安で仕方なかったが、どうやら杞憂だったみたいだ。
「あ、そうだ。ココアさん。今度数学教えてほしいのですが」
「私のことはお姉ちゃんって呼んで!」
「――ココアさん」
「お姉ちゃん!」
永遠ループしそうな予感がする。
隣でチノがあきれたような顔をしているのが見える。
「――じゃあ、ココア」
「なかなか頑固だなぁ」
知らない人をお姉ちゃんと呼べというのもかなり無理な話だ。
確かココアは俺と同じ居候だと言っていた。
まさかチノと出会ったときもこんな感じだったのでは……。
「この際、私のことも呼び捨てで呼んでほしいです」
とチノ。
「私のことは教官と呼べ!言葉の後にはサーをつけるんだぞ!」
とリゼ。
「私も気軽に下の名前で呼んでほしいわ」
と千夜。
そんなたわいもない話をしていると、甘兎庵にシャロが入ってきた。
「な、リゼ先輩!」
「シャロじゃないか!お前もスパゲッティ食べに来たのか?」
「へっ……?」
こうして、なんやかんや全員集まった。
「シャロちゃん、なんで風呂桶とタオル?」
「え、えっとそれは……」
「それはうちのお風呂を――」
「こ、これから銭湯に行こうと思ってて!!」
千夜の言葉を無理矢理遮ったが、今のですべて察してしまった。
――間違いなく千夜の家のお風呂を借りに来ている。でも、今時お風呂がない家なんてあるのだろうか。
それともまさか――。
「そういえば、悠くんは彼女さんっているの?」
ココアの発言で口の中にあったものが一気に喉を通る。
激しい咳のあと、気がつけば全員の視線がこちらを向いていた。
「ごほん――それは……そのですね」
「お兄ちゃんはチノちゃんみたいな子が好きって前に言ってたよ!」
落ち着くために飲んだはずの水が胃に向かうことはなく、肺に向かった。
また激しく咳き込んだあと、チノのほうを見るとそこだけ気温が上がっていた。
「お、おい里恵!俺がロリコンみたいな言い方するんじゃないよ!確かにおとなしい人がタイプだけど!」
「え~?だってこの前も夫婦みたいな会話してたじゃん」
「してないわ!」
このあと、散々な目にあったのは言うまでもない。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠