「悠って、チノと仲いいよな」
「そうか?——まあそうだな」
否定しようと思ったが、否定できないことに気がついた。
「私は、あまり周りと馴染めないことが多いから。そういうの羨ましいよ」
「そうなのか?まあ、お嬢様学校にミリタリー好きの女子なんてお前ぐらいだろうな」
悠が苦笑いしながらそういうと、リゼは深くため息をついて「そうなんだよ」と続けた。
「学校ではあまり友達と話せなくてさ——仲のいいクラスメートを作るのって難しいな」
「それはわかる。——でもシャロとは仲良いじゃないか」
「シャロは学年も違うし、実は学校ではそこまで話をしないんだ」
「なるほどな」
考えてみれば、リゼに相談されるなんて久しぶりかもしれない。
「思えば、ココアがいなかったら私はボッチだったのかも」
「しかも最初はチノに怯えられてて仲良くなれなかったんだろ。最悪じゃねえか……」
「あぁ……」
そして悠はこう続ける。
「でも、意外だな。お前みたいなモテるやつが孤立するなんて。お前のクラスメートの目は節穴なんじゃないか?」
「な、なに!?もしかして私を口説こうとしてるのか!?」
リゼが顔を真っ赤にした。
「口説くつもりはなかったんだが——」
「まあ、うちは女子校だしな。仕方ないさ」
「リゼは女子にモテて、男子からは友達と見られるタイプか——」
悠がそう呟くと、リゼはこちらの方を向いて
「や、やっぱりそう見えるのか?私は、恋愛対象にはならないのか」
「なんだよ、そういう目で見て欲しいのか?」
悠がそうリゼを煽ると、リゼは慌てて否定する。
「ち、違うぞ!——ただ、そもそもあまり男子と話したりしないし……」
「まあ女子校ならそれが当たり前なんじゃね?」
「悠は高校に通ってた時、女子と話しするタイプだったのか?」
リゼにそう聞かれ、悠は以前のことを思い出す。
基本的に男友達としか遊ばないタイプだった。
「言われてみれば、ここに来る前は男友達ばっかりだった——」
「そうか。——私もいつか、誰かに恋してみたいな」
「え?なんて?」
最後の方が聞こえなかったため、聞き返すとリゼが「なんでもない!」とごまかす。
「逆に聞くけど、リゼは俺のこと、恋愛対象に入るのか?」
悠がそう聞くと、リゼが少し考えて
「そうだな……。基本的には入らないかな?」
「なんだよ基本的にって」
悠が笑うと、リゼもつられて笑う。
「ただ、洋館を探検したときはちょっとドキドキしちゃったけどな!」
「——は!?」
突然のリゼの言葉に悠の顔が熱くなる。リゼも無意識だったのか、しばらくしてから顔を赤くした。
「ち、違う!怖くてドキドキしたって意味だ!」
「へぇ、怖かったんだ」
「う、うるさい!」
そういってリゼがクッションを投げてきた。
「徹底抗戦してやるぜ!」
悠もそういってクッションを投げ返した。
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