チノが昔遊んでいたおもちゃを掘り出し、再びココアと遊んでいる。
その横で、悠は古いアルバムを発見。
——卒業アルバムだ。
「チノのお母さんの高校の卒業アルバム——」
人様のアルバムを勝手に見るなんていけないことだが、チノの母親——どんな人かとても気になる。
「きっとチノみたいにお淑やかな人なんだろうな——」
そんな思いでアルバムを開けると——悠は目を見開いた。
「うそ……」
そう呟くが、先ほどからおもちゃで遊んでいるココアとチノはもちろん、ダンボールの中身をものすごい勢いで整理しているリゼにも届かない。
「ココアとチノ——?」
アルバムに仲良く写るのは、どう見てもココアとチノ。
チノのと同じバッテン印の髪留めや髪——これがチノの母なのか。
そしてその隣に写る女性も、ココアと雰囲気が全く同じ。——こっちはココアの母?
どちらもこの街にある高校の制服ではない。
仮にこの——ココアと雰囲気が同じ女性をココアの母だとして、その隣にいるのはチノの母。
この街にある高校の制服ではないものを着ていることから考えると————。
「パラレルワールドか!!?——それとも時間がループしてるのか!?」
「悠、どうしたんだ!オカルト誌でも見つけたのか!?」
悠がそう混乱した声を上げると、リゼが奥の方からツッコミを入れてくる。
これらのことをまとめて考察すると、この時は「チノの母親」が「ココアの母親」の地元にホームステイしていた、もしくは近くで暮らしていたことになる——。
そういえば、チノの父親とリゼの父親も知り合いだった。
「こんな奇跡ってあるんだな——」
そう呟いて、アルバムをゆっくりと閉じた。
「さて、倉庫の整理も終わりだ!これでやっとホコリから解放される!」
悠が腕を上にあげなから言うと、チノが「お疲れ様でした」とコーヒーを手渡す。
「————」
チノの方を見ると、やはり先ほどの女性と似ている。
じっと見つめる悠に、チノは少し顔を赤くして困惑する。
「な、なんでしょうか——。何かついていますか?」
「いや、そういうわけじゃない。気にするな」
「——?」
はてなマークを浮かべるチノ。
ココアがこちらにやってくる。
「ところで悠くん、さっき何を見てたの?」
「なんでもないぞ——」
「お姉ちゃんに内緒事!?悠くんもついに反抗期に——」
「別に反抗してないだろ!」
誤魔化すとココアが「悠くんが反抗期だよ〜!」と泣きわめく。
「やっぱり、血の繋がりを感じるな」
窓の外を眺めてそう呟くと、後ろでチノとココアがヒソヒソ話を始めているのが聞こえた。
「今日の悠さん、何か変ですよ、ココアさん」
「倉庫の掃除で疲れたんじゃ——」
「はっ!まさか、私が肩車をお願いしたせいで……重かったんですね……」
「そんなことはないぞ!むしろ軽すぎてびっくりした!」
自分を責めるチノに思わず悠が席を立ち上がって言う。
「地獄耳ですか!」
チノが恥ずかしそうにそうつっこんだ。
しかし、気がかりなことがある。
ココアはココアの母親の高校時代と全く同じ雰囲気であったが、チノはどこか違う。
否、違うというより正反対。チノの母親はココアの母親とはしゃいでいる写真が多い。
「はしゃぐ性格」が遺伝しなかっただけか?
それを検証するには——方法は一つしかない。
「リゼ、カレーの時の高そうなチョコレートをもう一度くれ!」
悠がリゼにそう頼むと、リゼは
「またカレーを作るのか?いいぞ!親父に頼んでみる!」
「チノを酔わせたい!」
言ってから気がついたが、圧倒的に言葉が足りなかった。
案の定、リゼにお盆で殴られた。
どの組み合わせがお好きですか?
-
ココア × 悠
-
チノ × 悠
-
リゼ × 悠
-
振り回され隊 × 悠