ココアが悠の耳元で「あとでね、チノちゃんが見てない時に」という。
悠が小さく頷くと、チノの外見をしているココアは、ココアの外見をしているチノにいう。
「それは困るよ!」
「私の体で余計なことしないでくださいね」
「ココアが敬語で喋ってるのすごい違和感——」
リゼがそう言うと、悠がうんうんと同意する。
「同感だ。せっかくだからなりきってみたら?」
悠が提案するとココアはチノのモノマネを始める。
「ココアさんは私の憧れのお姉ちゃんです……!」
「私そんなこと言いません!」
「ほら、チノもやってみろよ」
リゼがそう促すと、チノは「嫌です」と却下。
ラビットハウスでの仕事が終わり、チノと里恵は夕食の準備に向かった。
ココア(外見はチノ)と悠の2人きりになった。
「ねえ悠くん、せっかくだから録画しておいてよ」
ココアにカメラを渡される。——なんて素晴らしい発想だ。
「よーし、行くよ!チノちゃんになりきるからね!」
「お、おう……」
思わず息を飲んでしまう。
「——あれ、そういえばチノちゃんって悠くんのこと『悠さん』って呼ぶんだっけ?」
悠は思わずひっくり返る。
「ああ、そういえばそうだな。だがいずれは『お兄ちゃん』って呼んでほしいもんだ」
「じゃあ『お兄ちゃん』で行く?」
「いや、別に変えなくていい!」
悠がそういうと、ココアは「ごほん……では」と仕切り直す。
「悠さん……実は私、悠さんがここに来てからずっとモヤモヤしてたんです。その理由がわかりました」
「————」
ココアの本気の演技に思わず唖然とする。茶番のような演技を見せられるのかと構えていた悠にとって意外な展開だ。
「私——悠さんのことが、す、好きなんです!付き合ってもらえませんか?」
「————」
「ど、どうかな?」
悠は口を開けたまま床に倒れる。なんという破壊力だ。
「ちょっと!?悠くん!しっかり!」
「さっき録画したやつをリゼに送ろう。なんだかんだあいつも興味ありそうだったしな」
「それがいいよ!」
「ところでココア、なかなかのリアルさだったが、どこで覚えたんだ?まさか——実体験?」
悠がそうココアに聞くと、ココアは慌てて否定する。
「違う違う!私たまに恋愛小説読むんだよ〜。その小説のセリフだよ!」
「そ、そうなのか——思ってたよりリアルだったからビビったぞ……」
「ふふっ、真っ赤になって倒れこむ悠くんの写真もゲットしたし、大収穫だよ〜」
ココアのその発言を聞いた途端、悠はすぐにココアの持つカメラに飛びかかる。
「今すぐそれを消せー!!」
「チノちゃんのデータも消えちゃうよ!!」
ココアが全力で抵抗する。が、すぐに悠に抱きつく。
「ん〜!チノちゃんのもふもふ具合と悠くんのもふもふ具合が合わさって——天国だよ〜」
「ココア!チノの体で俺に抱きつくなああああ!!!」
「なんだか、上の階が騒がしいですね。不安です——。私の体に何をされてるんでしょうか」
チノが心配そうにそう呟いた。
翌朝。結局リゼの言う通り体は元に戻っていた。
「はぁ、なんだったのでしょうか」
「原因はわからんが、俺はめちゃくちゃ得をした」
「何をしたんですか!?」
「それは——内緒だな!」
「ますます不安です!」
チノと悠の会話で、今日もラビットハウスでの1日が始まる。
どの組み合わせがお好きですか?
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠