「夏のイベントといえば肝試しだよね」
「な、なんですかココアさん、いきなり——」
ココアの唐突なつぶやきにチノが明らかに動揺する。
「ああ、そうだな。まだ気が早いような気がするけど、やってみるか?」
「悠さんまで——変なこと言わないでください。仕事してください」
悠がココアの発言に同意すると、チノは慌てて仕事をするように指示する。——面白い。
「悠くん!一緒に肝試ししよ!」
「ああ、そうだな。チノは苦手だからお留守番かな?」
「苦手じゃありません!私も行きます!」
チノが強がる様子を見てリゼがため息をつく。
「お前ら——本当にブレないな……」
半ば強制的に肝試しに参加することになったチノは部屋で後悔する。
「勢いで言ってしまったとはいえ——あんなことを言ってしまうなんて」
そう呟くと、里恵が部屋に入ってきて言った。
「それなら、お兄ちゃんと一緒に肝試しに行ってみてはどうでしょう!」
「悠さんと、ですか?——嫌な予感しかしません!絶対何か企みそうです」
チノがそう反発すると、里恵は「まあまあ」となだめてからこう続ける。
「お兄ちゃん、ホラー系には強いし大丈夫。むしろ、ココアちゃんの方が何か企んでるような——」
「ココアさんが?」
「うん、さっき部屋で楽しそうに何かを計画してたみたい」
「ココアさん——!徹底的に追い詰めます!」
チノがものすごい勢いでココアの部屋に——の前に、一度悠の部屋に寄る。
「うぉっ!チノ!どうした!?」
いきなりドアをバタンと開けるチノに悠は驚く。
「緊急事態発生です!」
「——えっ?」
チノを追いかけてきた里恵とも合流し、ココアの様子がおかしいことを聞かされる。
「ココアが?なんであいつが——」
「わかりませんが、何か余計なことを考えているはずです」
「ココアちゃん、さっきすごい楽しそうだった」
そう報告を受け、悠は「よし、突撃しよう」と宣言して部屋を出る。
チノも後についてきた。
「行くぞ、突撃用意!」
「はい!」
悠がドアをバタンと開くと、ココアが驚きの声を上げる。
「悠くん!?それにチノちゃん!ど、どうしたのいきなり!」
「「家宅捜索する!(します)」」
「えーっ!?」
「な、何もないよ!」
「うそです。絶対何か隠してます」
「お姉ちゃんを信じてよ!」
「リゼならまだ信じるかもしれんが、ココアだもんな」
「今すごいひどいこと言われた!?」
チノと悠がココアの机やベッドの上を捜索する。怪しいものはない。
あるとすれば、机の下、影になっている部分に置かれた紙。
「これはなんだ!」
「そ、それはなんでもないよ!」
「おい、暴れるな!チノ、ココアは押さえるからその紙を!」
「はい!」
ココアが必死に抵抗するが、悠の力には勝てない。
「まて!」
今度はココアの部屋にリゼがやってきた。
「何をしている!?」
「リゼ!なぜここに!」
「い、いや——忘れ物を取りに来たら、2階からものすごい音がしたから——」
「大変だよリゼちゃん!家宅捜索だって!」
ココアがそういうと、リゼは「家宅捜索!?」と驚きの声を上げる。
「まあそう慌てるなよ、ココアにもプライバシーはあるんだからさ」
リゼが強引に家宅捜索をするチノと悠にいう。
「いや、我ら振り回され隊が掴んだ情報によると、ココアは肝試しで何かを企んでいる!」
「なに!?」
「違うよリゼちゃん!」
「悠!いつの間に諜報スキルを身につけたんだ!?」
「そっちなのー!?」
思わずココアがリゼにツッコミを入れる。
「さてココア、命が惜しいなら答えてもらおう」
悠とチノが枕やクッションやぬいぐるみを持ってココアに近づく。
「リ、リゼちゃんになら、話す——」
「どれはどういうことだ?——まあいい、席を外すぞチノ!」
「むぅ——」
チノと悠は不服そうに部屋を出た。
「なんでリゼなんだ?」
「わかりません。でも、リゼさんを味方にされたら勝ち目ありませんよ」
「振り回され隊の隊長が俺たちを見捨てて寝返るとは——」
少しでも話を盗み聞きしようと耳を近づけるが、なにも聞こえない。
いったい、ココアはなにを企んでいるんだ——。
しばらく『肝試し』編が続きます。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠