しばらく夜道を進むと、街の灯りが消えてさらに暗くなる。
「うぅ……悠さんは本当に大丈夫なんですか?」
「ん?ああ、なんともないぞ。——怖いのか?」
「暗いから転びそうです。——お化けが怖いんじゃありません」
チノの言葉に、悠は少しにやけた顔で言う。
「怖いなら、しがみついてくれてもいいんだぞ」
「か、からかわないでください!子供じゃないんですから——」
「ふーん……」
「——手だけ繋いであげます。転ぶと危ないので」
「素直じゃないな〜チノは」
「余計なお世話です!」
「おお、2人、手を繋いだな」
「私の計画は完璧だね!——羨ましいな〜」
「嫉妬するのか、計画が順調にいってることを喜ぶのか、どっちかにしろ」
ココアとリゼ——それどころか千夜とシャロまで悠とチノの後をつけていた。
そう、この肝試しはココアの「完璧な計画」によって行われている。
「名ずけて、『吊り橋効果でチノちゃんと悠くんの仲を進展させてあげようプロジェクト!』」
「名前が長い!」
シャロがそうツッコミを入れると、リゼは少し意外な顔をしてココアに言う。
「しかし、お前がそんな計画を立てるとはな。いいのか?悠にチノを持っていかれるぞ」
「妹の恋を応援するのも姉の仕事だよ〜」
「あれ?悠も弟っていう設定じゃなかったのか?」
リゼがそう言うと、千夜は微笑みながら、
「あら、禁断の恋かしら〜」
といった。
「さ、作戦第二段階だよ!」
ココアがそう言うと、千夜は「これでいい?」とココアに確認する。
千夜は幽霊の格好している。
「完璧だよ千夜ちゃん!」
「何も無理に驚かさなくてもいいんじゃないか?」
リゼがそう言うが、ココアは千夜にチノたちを驚かせるように伝える。
千夜はお化け役にノリノリだ。
「暗いだけで何もないな」
「そうですね——」
悠がそうフラグを立てると、すぐにそのフラグは回収された。
千夜は茂みから姿を現し、「うらめしや〜」と言う。
「————」
「うわああっ!」
悠は無反応だが、チノがテンプレ通り驚く。
「——だれ?」
悠がそういうと、白い物体——幽霊は自ら「幽霊よ」と言う。
「幽霊は自分から『自分は幽霊だよ』なんて言わないだろ。その声は千夜だな」
「——バレちゃった?」
「当たり前だ」
悠がそう言うと、千夜は被っていた白い布を外す。
チノの方を見ると、チノは完全に怯えてしまった。
「おいチノ、しがみついてくれるのは嬉しいが、正体は千夜だぞ?」
悠がそう言うと、チノは少しだけ顔を覗かせてホッとする。
「千夜さん——驚かさないでください」
「ごめんなさい、チノちゃん、あまりにも怖がるからつい——」
「まあ、確かにいいリアクションだったな」
「むぅ——」
そのまま千夜を追い返し、うさぎのモニュメントがある場所まで歩く。
うさぎのモニュメントの裏には、リゼが水鉄砲を構えて待っていた。
「私の射撃スキルで2人をあっと言わせてやる——!」
リゼがそう思いながら水鉄砲に水を補充すると、早速チノと悠が現れた。
「よし——」
リゼは水鉄砲を構える——まずはチノ。
「おっと!」
悠がチノの手を引く。チノの目の前を水が流れた。
「しまった、暗殺者だ!この辺にスナイパーがいる!」
「スナイパー!?私、狙われてるんですか!?」
悠がそういうと、チノは思わず叫ぶ。
「なに!?悠のやつSPだったのか!?——私としたことが、もう一回だ」
そう思いつつ、リゼはもう一度水鉄砲を構える。今度のターゲットは悠。
引き金を引いて水を出すが、また避けられる。
「撃ち方が甘いな、今度も千夜が襲いに来たのか?それともココアかシャロ?」
悠がそう煽ると、リゼがモニュメントから姿を表す。
「お前!特殊訓練を受けた兵士だったのか!?それとも大統領のSPか!?」
「リゼ!?お前も幽霊役か!?チノに水鉄砲を当てようとした罪は重いぞ」
悠はリゼが持ってきていた水の入ったペットボトルを没収すると、キャップを開けてリゼを脅す。
「さあ、これを頭からかぶるんだ」
「やめろぉ!近寄るなぁ!——うわああああ!!!!」
リゼの悲鳴が森の中に響いた。
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ココア × 悠
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チノ × 悠
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リゼ × 悠
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振り回され隊 × 悠