「ねぇ?なんか今、リゼ先輩の悲鳴聞こえなかった?」
シャロがそういうと、ココアが震え出す。
「まさか——リゼちゃん、お化けに捕まったのかな?」
「リゼ先輩に限ってそんなこと——」
「だって、千夜ちゃんも帰ってこないよ!?」
チノと悠を驚かせた後は、ココアとシャロが待機しているこの場所に集合するという話だったのだが——先に驚かせに行った千夜も、後から水鉄砲とペットボトルを持っていったリゼも帰ってくる気配がない。
「千夜ちゃん、電話にも出ない……」
ココアが不安そうにいうと、シャロが立ち上がる。
「私が探してくるわ!」
「待ってシャロちゃん!私を置いていかないで〜!」
シャロと後にココアも続いた。
「結局、千夜とリゼと遭遇しただけだったな」
モニュメントを一周して、帰路につくチノと悠。
リゼは背中にペットボトルの水を入れられ、悲鳴をあげながら逃げていった。
「そうですね。ですが油断はできません。まだココアさんとシャロさんがいます」
「ココアならまだわかるが、シャロも驚かせにくるのか……」
悠がそういうと、チノは「シャロさんに限ってそれはないと思いますが」という。
「あ、うさぎです」
またもやチノが磁石のようにうさぎの元へ向かう。
「この辺にも野良うさぎがいるのか」
悠がそういうと、遠くから足音が聞こえた。
「ひっ……」
チノが悠の腕を力強く抱きしめる。
「またスナイパーか、お化けか——」
近づいてくる物体はチノや悠たちを見ると悲鳴をあげて、Uターンして逃げていく。
「な、何かあったのでしょうか」
チノが震えた声で言う。
「なんとなくだけど、シャロじゃないか?多分うさぎを見て逃げたんだよ」
「うさぎ、こんなに可愛いのに——シャロさんには効果抜群ですね」
悠の推理にチノが少し笑う。
しばらくしてから、白い布を被った影が現れた。
白い影はチノに抱きつくと、
「食っちまうぞ〜!」
と掠れた顔で言う。
「わ、私美味しくないです、食べないでください……」
チノが今にも失神しそうな声で言うが、白い影は抱きついたまま。
チノと悠を繋いでいた手が解ける。
「チノから離れろー!」
白い布をめくると、ココアが現れた。
「ココア!」
「作戦成功だね!」
「いや、失敗だろ」
「ところで、千夜ちゃんとリゼちゃんとシャロちゃん見なかった?」
「どんだけ行方不明者出てるんだ!?」
「なるほど、俺とチノを驚かせて吊り橋効果を狙ったんだけど、味方が全員いなくなったと」
「そうなの……」
「全く、しょうがないココアさんですね」
ココアが全てを白状した。
どうやらテレビで肝試しで吊り橋効果をうまく利用してカップル誕生という番組を見て影響されたらしい。
「とりあえず、その待機場所まで向かいましょう。もしかしたらすれ違ってるのかもしれません」
チノがそういうと、3人で元の場所へ戻る。
途中で、茂みから白い影が現れた。
「まだ続いてるのか!?」
悠がそういうが、ココアは「もう終わってるよ!」と否定する。
「と、いうことは——」
白い影が完全に姿を現わす。白い影はうっすらと「ココアちゃん……」といった。
「「ぎゃああああ!!!」」
ココアとチノは悲鳴をあげる。千夜の時より悲鳴が大きい。
よく見ると、白い影は千夜だった。白い布に泥がついているため、怖さがMAXに到達している。
「どうしたんだ千夜!」
「そ、それが……あのあと迷っちゃって、しかも段差で転んで——」
「な、なるほど……」
あのあと、千夜は遭難して不運にも段差につまづいて転んで泥を被っちゃったらしい。
リゼとシャロは、待機場所に戻っていた。2人は手を繋いで端っこに座っている。
「あら〜!」
千夜が微笑みながらそういうと、リゼもシャロもこちらに気がついたようでホッとした顔を浮かべる。
「驚かせたあと、ここに戻ったらココアもシャロも千夜もいなくなってて焦ったぞ」
リゼがそういうと、ココアは「なんだ、すれ違っただけか」とホッとする。
「やれやれ、今回もココアのせいでカオスな行事になったな……」
悠が呆れた声で言うと、ココアはこちらの方を向いて
「それで、何かあった?」
「何か、とは……?」
チノが困惑した声で言う。おそらくココアはこの肝試しで関係が進展したのかと聞きたいようだ。
「あら、2人とも肝試し終わったのにまだ手を繋いで——微笑ましいわね〜」
千夜がそう言うと、チノと悠は慌てて手を離す。——そういえば手を繋いでいることを忘れてた。
「とりあえず、ココアとは絶交だな」
「そうですね、私たちを驚かせようとした罰です」
「そんな〜!!私は2人のためを思ってやったのに〜!!」
「「余計なお世話だ(です)」」
こうして、ココアたちとの肝試しが幕を閉じた。
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ココア × 悠
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振り回され隊 × 悠