ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第八十一話 お店のお手伝い

チノと電話してから翌日。

 

珍しくココアが早起きしたようで、早朝だが店の方に姿を出す。

 

 

「お、おはよー……」

 

 

そういって扉から少しだけ顔を出すココアに、モカもココアの母親も「おはよう」と挨拶する。

 

 

「もう起きたのか?」

 

「3人よりも早く起きたつもりだったのに〜」

 

 

悠がそう言うと、ココアは悔しそうにエプロンの紐を結ぶ。

 

 

「じゃあ、早速3人で手伝ってもらおうかしら?」

 

 

ココアの母親がそういうと、ココアもモカも悠も敬礼して「さー!いえっさー!」と言う。

 

 

「さー……?」

 

 

リゼの洗脳を——否、リゼの影響を受けていないココアの母親は案の定困惑する。

 

しばらくして開店準備が整うと、ココアは「他に手伝うことある?」と聞く。

 

ココアの母親はパンの入った袋を持ってきて

 

 

「じゃあ、街まで配達を頼んでいい?」

 

 

と次の仕事を振る。——ここで悠の出番だ。

 

 

「モカさんモカさん!」

 

「なあに悠くん?」

 

 

ココアに聞かれないように小声で

 

 

「バイク、あります?」

 

 

と聞くと、モカは大声で

 

 

「あれ!?悠くん免許持ってるの?」

 

「そりゃそうだろ。自転車すら乗れないココアと一緒にすんな」

 

「なんか私バカにされてる!?」

 

 

奥の方からココアの声が聞こえてくる。

 

モカも免許を取ったようで、店の奥からバイクを出してきた。

 

 

「これに側車をつけて3人乗りね!今日は悠くんに運転してもらおっかな」

 

「やっと俺の出番か——そういえばココアは知ってるのか?」

 

 

悠がそう聞くと、モカは「サプラーイズ!」と答えた。

 

何も知らないココアは店から呑気に出てくる。

 

 

「ゆっくりお話ししながらお散歩〜!」

 

「「さあ、これに乗って!」」

 

 

モカと悠の息ぴったりのセリフにココアは思わず驚きの声を上げる。

 

 

「2人はいつも私の想像の上をいくよ!」

 

 

 

 

「2人ともいつの間に免許取ったの〜?」

 

 

ココアがびっくりしたような顔で言う。

 

確かに、あの街では悠は運転する機会なんてなかった。

 

 

「よし!街に入るぜ〜!」

 

「「おー!!」」

 

「いやー、にしてもこの街も綺麗だ。毎朝こうやってドライブしたいな」

 

 

悠がそう言うと、モカは

 

 

「あら、このままここに住んでくれてもいいのに」

 

 

と言うと、ココアは「そんなぁ!悠くんは私の妹だよ!」とモカの提案に反抗する。

 

 

「ところで悠くん、チノちゃんを後ろに乗せてデートしないの?」

 

「2人——いつの間にそんな関係に!?」

 

 

ココアの意味深な発言に今度はモカが驚く。

 

 

「断じてそう言う関係じゃないが——よし!帰ったら誘ってみるか!」

 

 

悠がそう言ってバイクの速度を上げると、モカが「いえーい!」とはしゃぐ。

 

 

 

 

目的地に到着し、モカが家のブザーを鳴らす。

 

すると家から年老いた女性が出てきた。

 

 

「いつもありがとうね——あら、新人さん?」

 

「いえ、数日間だけの手伝いみたいなもんです」

 

「あらまあ……」

 

「はい、これいつものね!」

 

 

そう言ってモカが袋を差し出すと、女性はココアを見つけたようで

 

 

「ココアちゃん?帰ってたのね」

 

「ぅえっ……」

 

「あらどうしたの?」

 

 

道端で倒れているココアを心配する。

 

 

「そ、それが——はしゃいでウィリーまでしちゃって」

 

「私も悠くんに無茶言ってアクロバティックな運転をさせてしまって」

 

 

悠とモカがそっぽ向きながら説明する。

 

 

 

 

配達が終わった後は、街で朝食を摂ることに。

 

 

「ココア、もう大丈夫か?」

 

「んー!ここの空気吸ったら回復したよ〜!」

 

 

悠が心配そうに尋ねると、ココアは背伸びをして言う。

 

 

「爽やかな朝はここでご飯が一番だね!」

 

「はっ!いま街にいると言うことは——チノに電話ができる!!」

 

「あ!そっか!」

 

 

ココアはポケットから携帯を取り出すとメールの確認をする。

 

そしてチノの携帯の番号を入力して悠に手渡す。

 

 

「まあ、悠くん。チノちゃん大好きなのね」

 

 

モカのその発言も無視して電話がかかるのを待つ。——出た。

 

 

『もしもし——』

 

「チノか?」

 

『悠さん!おはようございます。どうかしたんですか?』

 

「いや、街に来たから電話しようと思って。ちゃんと生きてるよな?」

 

「「——安否確認?」」

 

 

ココアとモカが首をかしげるが、悠は続ける。

 

 

『問題ないです。それより聞いてください、私、みんなを花火誘えました』

 

 

チノがそういうと、悠は目に涙をためて

 

 

「そうか——偉い偉い……成長したな……」

 

 

と携帯を撫でる。

 

 

「携帯撫でてどうするの」

 

 

これにはモカも苦笑いする。

 

 

「ココア!チノが——チノが花火大会にみんなを誘えたって!」

 

「そうなの!?すごーい!!」

 

 

ココアも携帯を撫でると、チノが少し恥ずかしそうに

 

 

『2人とも大げさすぎます』

 

 

と言った。

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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