ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第八十七話 ホームシックなココア(前編)

ココアの実家から帰ってきて数日後。

 

ココアと悠のトランクと一緒にダンボール箱も送られてきた。

 

 

「なんだろー」

 

 

ココアがダンボールを開けると、中から大量のジャムが出てきた。

 

 

「実家のお手製ジャムだー!お姉ちゃんが作った手作りスコーンによくつけて食べたな〜」

 

 

ココアがしんみりした様子でそう言うと、リゼは不安そうに

 

 

「早速ホームシックか……」

 

 

そしてチノは気を使って

 

 

「今日はもう休んで、どこかへ出かけてください」

 

 

とココアに言うが、ココアは「なんで!?」と驚く。

 

 

「ココア、ついに解雇されるのか……恐ろしい世の中だ」

 

 

悠が真剣な顔でそう言うと、ココアは「そんなぁ!!」と泣き叫ぶ。

 

そしてチノとリゼが続ける。

 

 

「ですがココアさんだけだと心配なので悠さんも一緒に行ってください」

 

「ああ、そうだな。ついでにこの毛玉も連れて行け!」

 

「わーい!やったー!一緒にお出かけしようね!悠くん!ティッピー!」

 

「「——えっ」」

 

 

悠とティッピーはなぜか巻き込まれたことに困惑する。

 

 

 

 

「夕焼けが綺麗だね!」

 

「あ、ああ……」

 

 

ココアはティッピーを抱えて小高い丘から夕日を眺める。

 

 

「私、お姉ちゃんとしてチノちゃんや悠くんのお手本になれてるかな?」

 

「——それは……うん……」

 

 

悠が言葉を濁すと、ココアが「あれ!?すごい微妙そう!?」とショックを受ける。

 

 

「リゼちゃんとは仲良くなれたけど、変な子って思われてないかな?」

 

「リゼの方が思ってそうだけどな」

 

「そうかな?私は銃を持っているところ以外は普通だと思うよ〜」

 

「ああ、俺もだ。銃とナイフがなければ普通の女子高生だな」

 

 

リゼの話で盛り上がるココアと悠だが、ココアはティッピーをしばらく眺めて言う。

 

 

「そうだ!今からティッピーを可愛く変身させちゃうよ!」

 

「なぬ!?」

 

 

ティッピーが冷や汗を流すが、ココアはそれに構わずアクセサリーショップへ。

 

 

「お客さん!今日もキマってるね〜!」

 

 

と言いながらあれこれアクセサリーをティッピーにつけ始める。

 

悠もそれに便乗しティッピーにアクセサリーをつけたり、小物を頭に置いたり遊び始める。

 

ティッピーは「やれやれ」と呆れた顔。——まるではしゃぐ孫に付き合うおじいちゃんのような風格だ。

 

 

「お、これとかティッピーに似合うんじゃないか?」

 

「こっちの方がいいよー!」

 

「あ、やっぱこれだろ!」

 

「こっちかな?」

 

「ええい!アクセサリー多すぎて体が重いわ!」

 

 

延々とアクセサリーをティッピーにつけるココアと悠にティッピーがそう怒鳴る。

 

 

 

「ふぅ〜!ちょっと疲れたから休憩〜」

 

 

公園で一休み。ココアが悠の膝にティッピーを置いてから寝始める。

 

 

「お、重い……小僧、早く小娘を起こせぇ!」

 

 

ティッピーが悠にそう怒鳴るが、悠もココアにつられて寝てしまう。

 

 

「すっかり熟睡しちゃったよー」

 

「俺まで寝てしまうとは——そういえば腹減ったな」

 

「そうだね〜。甘兎庵で新作の試食しない?千夜ちゃんに誘われてるんだ〜」

 

「いいね、そうしよう」

 

 

ココアと悠は瀕死のティッピーをさらに連れ回し、甘兎庵へ向かう。

 

 

 

「ん〜、これも美味しい〜!」

 

「ああ、千夜は才能あるよ……」

 

「ぬおおおおお!!!!」

 

 

美味しそうに千夜が作った新作を試食しているココアと悠だが、その隣ではティッピーがあんこに追われている。

 

 

甘兎庵から出てきた頃には、ティッピーはボロボロになっていた。

 

 

「こ、これが若さか——」

 

「なんだよティッピー、そんなに疲れたのか?」

 

 

ココアの後ろをティッピーを持った悠が歩く。

 

 

「わ、わしも一応歳じゃからな……」

 

「そんなんじゃチノに追い越されちゃうぞ」

 

「わしはチノをこんなにはしゃぐ孫に育てた覚えはないぞ!?」

 

 

ティッピーは二度とココアと出掛けないと心の誓うのであった。

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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