ラビットハウスへの帰り道。悠が「ココア」と呼ぶとココアはこちらを向く。
「どうしたの?まだお姉ちゃんと遊びたいのかな?」
「いや、俺は大丈夫だが、ティッピーがもう瀕死だ」
「勘弁しておくれ……」
思わずティッピーがココアを目の前に喋ると、ココアは
「悠くんも腹話術が使えるの!?」
と変なところに驚く。いい加減中身がチノの祖父だということに気がつけよ。
「それよりココア——その、あんまり気を落とすなよ」
「——いきなりどうしたの?」
「たまには実家にいる時みたいに過ごしたらどうだ?」
「————?」
ココアが不思議そうな顔でこちらを見てくるが、ラビットハウスの外回りを掃除していたリゼもココアに言う。
「ココア——気遣ってやれなくてすまない。たまには実家にいる気持ちで——私を姉と思っていいんだぞ」
「2人とも今日はどうしたの!?」
なぜかココアを心配するリゼと悠に困惑の声を上げる。
ラビットハウスに帰ると、チノがテーブルにスコーンを置いていた。
添えられていた手紙には「実家のより美味しくないと思いますが」とチマメ隊からのメッセージが書かれいた。
どうやら、実家の味を再現してココア慰めようとしたらしい。しかしココアはいつもの調子で
「お姉ちゃんのよりはるかに美味しいに決まってるよ!」
と叫ぶ。
「モカさんの作るスコーンはそんなにまずいのか?」
「そうなの……パンは上手なのにスコーンの味がひどくて。いつもジャムで味をごまかしてたんだ〜」
「トラウマが蘇って落ち込んでたのか!?」
悠がそう言うと、ココアはカレンダーを取り出して
「今日を『妹がお姉ちゃんのために』記念日にしよう!」
と宣言すると、チノが「やめてください」と部屋に突入してくる。
そしてココアはチノが作ったスコーンを食べながら昔話を始める。
「前に一回、この街に来たことあるんだよ。小さい頃だったからよく覚えてないんだけど、すごい楽しかったの」
「前に一回来てたのか——」
「それで、ここの高校にしよう!って思って受験したんだよ〜」
ココアがそう言うが、チノと悠の視線はスコーンに釘付けだった。
なぜなら——
「ところでココアさん、ジャムかけすぎじゃないですか?」
「ま、まずくないよ!?」
ココアが慌ててそう言うと、チノは
「マヤさんのを先に食べたんですね」
と言う。——マヤ、いったい何を作り出したんだ。
と、結局ココアがホームシックになっていたわけではなく、安心する一同だった。
「モカさん、スコーン作りが苦手だったんですか——それでジャムを」
悠から話を聞いたチノは納得する。
「それと——どうしてティッピーがデコレーションされてるんですか!?」
チノがティッピーを指差して悠に聞く。ティッピーには大量のリボンがつけられており、心なしか毛並みも少し悪くなっているような気がする。
「あ、ああ……ココアとついはしゃいじゃって——連れ回してしまった」
「おじいちゃん——」
「やれやれ、2人には参ったのう」
チノが心配そうに見つめてくると、ティッピーが苦笑いする。
「もう——本当にしょうがないお2人です」
チノが呆れた様子でそう言った。
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ココア × 悠
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振り回され隊 × 悠