ご注文は家出人ですか?   作:Alkali

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第九十一話 お泊まり会は洋酒入り菓子とコーヒーで

「おいチノ!」

 

「チノちゃん!」

 

 

悠とシャロがすかさずチノの元へ駆け寄る。

 

 

「美味しいです」

 

「な、なんともないのか?」

 

「ですから、あれは演技です!」

 

「そ、そうか……?」

 

 

悠とシャロが安心して息を吐くと、チノの顔がわずかに赤くなる。

 

 

「な、なんだかふわふわしてきました——」

 

「やばい!」

 

「チノちゃん!?そ、そうだ、このハーブティーでも飲んで気を確かに!」

 

 

シャロがハーブティーをカップに入れてチノに渡す。

 

チノはフラフラした手つきでカップを手に取り、ハーブティーを口に運ぶ。

 

 

「ありがとう……シャロお姉ちゃん……」

 

「おお!チノちゃんが!」

 

 

ココアが感激の声をあげて自分も口にチョコレートを入れる。

 

 

「あ、ココアも食べちゃった!?」

 

「——ん?うん、食べたけどどうかした?」

 

「どうしたもこうしたもない!お前も前に酔っただろ!」

 

 

悠がそう叫ぶとチノがこちらへ寄ってくる。——近い。近すぎる。

 

 

「悠お兄ちゃん……あーんして?」

 

「ん?あーん」

 

 

悠がニヤニヤしながら口を開けると、チノの手からチョコレートが口に運ばれる。

 

 

「おいし〜!」

 

「お、おい悠!」

 

 

体力が復活してきたリゼが悠に怒鳴る。

 

 

「すまんすまん、あまりにも可愛かったからつい——まあ俺は酔わないから」

 

「ならいいけどな……」

 

「リゼちゃんもいかが?」

 

 

千夜がニヤついた顔でリゼを誘う。

 

 

「まあ、私も酔わないから——」

 

 

そう言ってリゼもチョコレートを口に運ぶ。

 

そして事件が起こる。

 

 

「いえーい!お泊まり会サイコー!!」

 

「お、おい、シャロのこのテンションって——」

 

「あれ?シャロお姉ちゃん、間違えて私のコーヒー飲んじゃったの……?」

 

 

どうやらチノのコーヒーを飲んでしまったようだ。

 

ココアもチノもシャロも酔っている。現時点で生き残ってるのは悠、リゼ、千夜だ。

 

もうすぐ里恵がここへやってくる。——なんとかしなくては。

 

 

「ち、チノさん……?ちょっと距離が近いような——」

 

「んっ……眠くなってきました……」

 

 

悠の話を聞いていないようだ、チノは悠の膝に頭を置くと、目を閉じる。

 

 

「おい!ってココアも擦り寄るな!」

 

「チノちゃんだけずるーい!私も寝る〜!」

 

 

ココアが悠を押し倒して腕に頭を置く。

 

悠が「リゼェ!!」とリゼに助けを求めると、リゼは

 

 

「嬉しそうだな」

 

「この顔のどこがそう見えるんだ!?いいから早くきてくれ!」

 

「はいはい——ってシャロ!?」

 

 

リゼもシャロに捕まってしまった。

 

シャロは「リゼしぇんぱぁい〜」と抱きつくと、顔を埋めて泣き始める。

 

 

「今月もギリギリで——やってられないれしゅよ!!」

 

「よ、よしよし——」

 

「まあ、シャロちゃんたら——私も……リゼちゃーん!」

 

「まて!お前までくるなああ!!」

 

 

 

 

「な、何してるの、お兄ちゃん——」

 

「里恵か。俺はどうやらこの日のために生まれてきたのかもしれない」

 

 

チノの部屋にやってきた里恵が困惑した声をあげると、悠は真顔でそう答える。

 

 

「着々とハーレムを築き上げてるね」

 

「どこでそんな言葉覚えたんだ!?」

 

 

悠が叫ぶと、チノがそれを聞いて起きる。

 

 

「あ、す、すまん。起こしちゃったか」

 

 

一度寝たら酔いは覚めるのかと思いきや、チノはまだ酔っているようで

 

 

「どうかしたの、悠お兄ちゃん——」

 

「な、なんでもないぞ!チョコレート食べるか?」

 

「うん……食べさせて……」

 

「悠!?」

 

 

先ほどまで食べさせまいと奮闘していた悠があっさりとチノにチョコレートを食べさせると、リゼが怒鳴る。

 

 

「リゼお姉ちゃん……どうして怒ってるの?——私が悪い子だから?」

 

「ち、ちが——そんなことは!」

 

「もういい子になるから怒らないで——」

 

 

チノが上目遣いでリゼにそういうと、リゼは少しだけ顔を赤くして「あ、ああ」という。

 

 

「リゼ——落ちたな」

 

「う、うるさい!お前の方こそデレデレしてるじゃないか!」

 

 

リゼがそう叫ぶと、今度はシャロが起きる。千夜はシャロにつられて寝たままだ。

 

 

このお泊まり会、いったいどうなるんだ。

 

 

「理性が——」

 

「悠、チノに手を出すなよ?」

 

「それはチノ次第だな」

 

「おい!?」

 

 

もはや否定しないどころか真顔で「チノ次第」という悠にリゼがまた怒鳴った。

どの組み合わせがお好きですか?

  • ココア × 悠
  • チノ × 悠
  • リゼ × 悠
  • 振り回され隊 × 悠
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