あれからお泊まり会は終わり、ラビットハウスで午後からココアがパンの試食会を開く。
「じゃーん!新しい菓子パンできたよー!」
悠は「おー!」と歓声をあげるが、チノとリゼは何やら深刻な顔。
「今日はちょっと」
「私もパスです」
「えー!?なんでー!?いつもは試食してくれたのに……」
ココアがそういうと、チノもリゼも今日は食べたい気分じゃないと拒否する。
「私のパンにはもう飽きたのね!」
ココアがそう落ち込むが、悠は慌てて「待て待て!」と慰める。
「俺が試食してやる……!」
「ありがとー!さすがはベーカリー保登姉弟だね〜……」
ダイニングで2人寂しく新作を試食することに。
「2人とも、どうしちゃったんだろう……?」
「んー、なんでだろうな。今回もなかなか美味しいのに」
「きっと他のパンに浮気してるんだよ……」
「マンネリ化した彼女か!」
ココアの発言に思わず悠がツッコミを入れる。
「もしかしてダイエットしてるんじゃ」
ココアがそう言い出すと、悠が驚く。
「チノは太るの気にしてなさそうだけどな——リゼか!?」
「チノちゃんは——もしかして虫歯かな?」
「あり得るな、甘いものは歯に染みるし、歯医者が怖くて我慢してるんじゃ——」
悠がそう言うと、ココアが納得する。
「そうだよね……チノちゃん、我慢する子だもんね」
そしてココアは椅子から立ち上がり、厨房へ向かう。
しばらくしてココアがホールに出てきた。
「今度は甘くなくて低カロリーなパンだよ!美味しそうでしょ〜!」
そう言ってココアはみんなにパンを配る。悠以外は誰も口にしない。
「ほらほら、出来立てのパンだよ〜お腹空くでしょ?」
「さっきのよりは甘くないけど、これも美味しいな〜」
ココアと悠がそう煽ると、2人は険しい顔つきになって震え出す。
「2人とも正直になってよ!その顔やめてよー!!」
ココアが険しい顔してまで我慢するチノとリゼに叫ぶ。
「チノちゃん!口開けて!」
「な、なんですかいきなり——」
ついに強行手段に出たココアにチノが困惑する。
「虫歯検査だよ〜」
「み、見てもわかりませんよ……?」
少しビビるチノだが、そう言って口を大きく開ける。ココアがそれを覗き込んでから言った。
「チノちゃんの歯、ちょこんとしてて可愛い!」
「虫歯は!?」
的外れなココアの感想にチノがつっこむ。
そしてココアはケーキをチノに渡して、持ったまま口を開けてという。
チノは不思議そうな顔をするが、ココアの指示通りに動く。
「こうですか?」
「うん、そのままそのまま〜!」
「————」
しばらくするとチノのお腹が鳴る。
「こうすると虫歯がケーキの方に移るって聞いたよー!」
「ココアは迷信を簡単に信じるのか」
「いっそココアさんに移したいです」
悠とチノから冷たい声がココアに向けられる。その光景を横目でチラチラとリゼが見てきた。
「リゼ、ケーキ食べたくなってきたか?」
悠がそう聞くと、リゼはプイッと視線を逸らして「別に——」とごまかす。
そしてココアはチノに注意する。
「チノちゃん!歯医者にはちゃんと行かなきゃダメだよ!ティッピーみたいに歯がなくなっちゃうよ!」
——確かにティッピーはチノの祖父だが、歯はあるだろう。と思ったが、チノが
「ティッピーはお年寄りですが歯はまだあります」
と代わりにツッコミを入れる。
「リゼもだぞ、自分が十分痩せてることに気がつけよ」
悠がそういうと、リゼはきょとんとした顔をする。そしてまたココアが言う。
「ティッピーを見すぎて自分も太ってるって勘違いしちゃったの!?」
「——ティッピーは太ってません。毛がもふもふしてるだけです」
またチノがツッコミを入れる。このままでは埒が明かないと思い、シャロに電話すると、しばらくしてシャロがやってきた。
「先輩!これ、バイト中に作った低カロリーお菓子です!無茶なダイエットはやめてちゃんと食べてください!」
シャロがそう言ってお菓子の入った袋をリゼに渡すが、リゼがまた険しい顔になる。
「貧乳ぽっちゃりは帰りますー!!!」
シャロは恐怖のあまり泣きだして走り去ろうとするが、チノがそれを止める。
「待ってください!シャロさんは太ってないです!——私の方が……」
リゼも慌てて「わかったから!」と説得する。
「食べる!食べるぞ!だから泣くな!」
「リゼちゃん、男前〜!」
ココアがそう言ってケーキを差し出すと、リゼはそれを食べる。
——そして頰を抑えて地面に崩れ落ちた。
どの組み合わせがお好きですか?
-
ココア × 悠
-
チノ × 悠
-
リゼ × 悠
-
振り回され隊 × 悠