「じゃあ、リゼが虫歯でチノが体型を気にしてるのか?」
悠がそう尋ねると、チノとリゼが頷く。
「先輩、治療が遅れると大変なことになりますよ?」
シャロがそう警告するとリゼは
「わかってる!行くことは毎日考えているが——銃撃戦の音は良くても歯医者のあの音だけはダメなんだ!!」
と叫ぶ。
「普通逆だろ。銃撃戦は大丈夫なのに歯医者がダメって女の子は多分世界でお前だけだぜ」
悠がそう軽口を叩くと、シャロが突然強気になって
「後輩として、何としても先輩を歯医者に連れて行きます!」
とリゼに宣戦布告すると、リゼは降伏したかのように床に崩れ落ちた。
「それで、チノはなんで体型を気にしてるんだ?全然太ってないぞ」
「そうだよチノちゃん!なんで相談してくれなかったの?」
悠とココアがそういうと、チノは少し頰を膨らませて
「だって——悠さんに相談するのはなんだか恥ずかしいし、ココアさんに相談するとバカにするじゃないですか」
と言った。確かにココアならチノにはダイエットはまだ早いと言い出しそうだ。
「よく、私のことをふわふわふかふかって言ってるじゃないですか」
「——それを太ってると勘違いしたのか?」
悠はそう言ってココアの方を向くと、ココアは慌てて「そういう意味じゃ!」と否定する。
「私のせいだああああ!!!」
やっと自分に責任があると自覚したココアに悠は「やれやれ」と呆れる。
その晩、ココアの部屋で適当に喋ることになった。
たわいもない話をしていると、チノが
「ところで——悠さん、ココアさん」
と2人の名前を呼ぶ。
「どうした?」
「お2人ともいつもパンの試食をしていますが、体重測ったことありますか?」
「——俺は特に太らないかな」
「私も太りにくい体質みたい」
チノの質問に悠とココアがそう答えると、チノは少し頰を膨らませてこう続ける。
「——甘いものばっかり食べていたら虫歯になりますよ?」
「俺、虫歯になったことない」
「私、虫歯になりにくい体質みたい」
チノの質問に悠とココアがそう答えると、チノはついに嫉妬心が爆発してクッションを構える。
「チノ!早まるな!」
「チノちゃん落ち着いて!!」
このあと、激しい戦いが30分ほど行われた。
「ここ最近のチノ、結構アクティブになったよな?ココア——」
「そうだね悠くん、私が来た時のチノちゃんは絶対クッション投げてこなかったもん」
クッションやら枕やらぬいぐるみやらを投げて戦いを仕掛けるようになったチノに、悠とココアがしみじみと答える。
「き、気のせいです!私も枕投げくらいしますよ……」
「そうか?——でも昔のお前ならティッピーまでは投げないよな?」
悠の視線の先にはベッドに横たわるティッピーの姿が。もはや完全にぬいぐるみのような扱いになっている。
「チ、チノや——」
「ティッピー!!」
ぬいぐるみと間違えて投げてしまったことに気づいたチノが慌ててティッピーを拾いに行く。
中に入っているチノのおじいさん、今ので寿命縮んだだろうな。——ってもう亡くなってるけど。
「やれやれ、わしがもう少し若ければいいんじゃがのぅ」
ココアの部屋を後にし、自室で寝る前の支度をしているとティッピーが部屋に入ってくる。
「なんだ?今日はバーに行かなくていいのか?」
「客がいなくて暇じゃ」
「いつものことだろ」
「な、何を言うんじゃこの小僧!バータイムはそれなりに繁盛しておるぞ?たまたまじゃ!」
悠の適当な返事にティッピーが怒鳴る。
「若ければいいって——『死んでるけど生きてる』ようなもんだろ」
「まあ、そうなんじゃがな。あの子には色々苦労をかけた——幼いのに母親を亡くしてわしがずっと面倒を見てきたからのぅ」
ティッピーが昔の話を始める。
「わしは、疲れるが今の状況が嬉しいんじゃ。チノが元気になって——ココアとお前には感謝しかない」
「なんだよ、改まって。うさぎのくせに感謝してんじゃねえよ」
不意に涙が出そうになったのでティッピーと反対の方を向く。
「これからも、チノのことを頼んだぞ」
「——おい、まさか」
遺言のようなティッピーのセリフに悠が思わずティッピーの方を向く。
「何を驚いているんじゃ。わしはまだ天国に『門前払い』されておる。しばらくはここに残る」
「なんだ、驚かせるなよ——帰るときはちゃんと言ってから帰れよ、突然いなくなったら、またチノが落ち込むぞ」
「しばらくは大丈夫じゃ。心配ご無用」
「そうか?ならいいんだが」
ティッピーと悠のこの会話を、ココアたちは知る由もない。
どの組み合わせがお好きですか?
-
ココア × 悠
-
チノ × 悠
-
リゼ × 悠
-
振り回され隊 × 悠