なんというかこう......なんだろうか......
ギルガメッシュさんが去った1週間後、レヴィスさんが訪ねてきた。
要件は59階層で成長しすぎたタイタン・アルムに、宝玉の胎児と呼んでいる、モンスターを
......危険性は?
喋れるようになる事、魔法が使えるようになる事、精霊への執着心が強くなる程度?
他は元のままなら、あとは本人......本モンスターに聞いてくれ。
取り込む気があるなら、多分触手を伸ばして持っていくから。
59階層の何処にいるかって?
59階層を覆っている植物全てが、タイタン・アルムになってるよ。
もはや植え替えは出来ない。
地上のオラリオのサイズを優に超える植物なんて、植え替え出来るか。
「---アァ」
おお、本当に喋ってる。
というか、あの巨体が捻れて縮み、人間サイズ......緑色の少女になっているのはなんでかな?
「ウマイ飯ヲ、食ワセロ」
あ、食欲旺盛なのは元のままなんですね。
とりあえずおやつに持ってきていたおにぎりを取り出すと、俺の足元から生えてきたハエトリグサのような触手に食われた。
「タリン、モットダ」
えっと、どういうこと?
目の前にいる少女はタイタン・アルム本体ではなく、触手のようなものらしい。
本体は地下深く......階層をぶち抜いて根を張り、今も栄養を摂取しながらスクスク成長中とか。
この少女の形をした触手は俺たちを観察し続けた結果、この状態だとより多くの栄養を得られると確信したからなのだとか。
......確かに、ちっこい子にはより多くご飯を装っていた気がする。
女性なのは胎児の宝玉の名残何だとか。
本来、雌雄の区別はないらしい。
「......説明シタカラ、ソロソロ飯ヲ食ベサセロ」
「駄目だ」
「ナゼダッ!?」
なんとなく。
それよりも、オボロ、食料庫の管理を徹底するように伝えてきてくれ。
下手をすれば、餓死しかねない。
さて......これまでは数え間違いだと思っていたが、何故か収穫数が合わなかったの......原因はお前だな?
「ナ、ナンノコトダカ、皆目見当モツカンナ!ソ、ソレニ私ハ今ノ今マデココニイタンダゾ?詫ビトシテ食事ノ増量ヲ要求スル!」
なら、証拠が見つかったなら逆に減らしても構わないよな?
「ソ、ソレハ困ル......」
今自白するなら、今日の夕食一品抜きで手をうってやろう。
「スミマセン、私ガヤリマシタ」
全く......まあ腐らせたわけでもなく、しっかりと食べたなら許すよ。
それよりも、その身体はどこまで移動できるんだ?
「地上ニハ出ラレナイ程度だ」
なら階層移動もできるな。
じゃあ飯を食べたい時は、俺がいる階層まで来るように。
「ワカッタ。ナラコレヲ持ッテイテクレ」
そう言って渡されたのは、小さな種だった。
体の一部であるこの種がどこにあるかは、本体は常にわかるらしい。
状態もわかるので緊急時には砕けば、駆けつけてくれるらしい。
更に魔法も使えるとか。
成長したんだなぁ......
3日後、未到達領域の攻略に来たロキ・ファミリアと一悶着を起こした。
今日は飯抜きな。
胎児の宝玉を取得してデミ・スピリットに進化した!
念願の少女ボディを手に入れたぞ!