安定感あふれる寝不足。日本車のような安心感。全くもって嫌ですね
「眠い…超絶寝たい」
寝不足のせいか脳が溶けているような感じすらする。今ならFXで有り金全部溶かした顔もできると思う
「あぁ…学校に軍曹を隠し持っていきたい…でもアレルギーの人とかいるかもだしなぁ」
「みゃあ」
昨日はずっと近くにいてくれていた軍曹は足元で眠そうにご飯を要求している。かわいいかよ
「今日学校休もうかなぁ…寝たい」
「休んでいいんじゃないか?」
そう言って来たのはシュミだった
「ええぇ…なんかそう言われるといかなきゃって思っちゃうんだよなぁ」
「たしかにそれは一理あるな」
「ま、校門前までなら連れてっていいよね」
結局軍曹を連れていくことには変わりなかった
「あ、おはよう直人。今日も来たんだね」
「おう…おはよう」
「なんかまた一段と眠そうだね…」
「ま、寝てないしな」
「だめじゃん!ちゃんと寝ないと」
「昨日帰ってから昼寝したから問題ない」
「夜寝なきゃ意味無いでしょ…」
「馴れっこだからな大丈夫だ」
すると
「おはよう沙綾ちゃん…と直人さん?」
そう言ってりみが店に来た
「「おはようりみ」」
振り返ると
「…直人さん、すごい顔だね…」
苦笑いでそう言われた
「なんだろう…別に男に言われてもどうと思わないんだけど、りみに言われると結構来るものがあるな…」
「ちょっと待って…それって私を女として見てないってこと?」
「いや別に…あれだ。仲良い人だと気にしないけどちょっと気になる人からいわれたら気にしちゃうみたいな」
「りみりんのこと。気になってるの?」
「沙綾は小学生の男子かよ…」
「あの…2人はなにを話してるの?」
りみを全く無視して話していた
「ごめんりみりん。じゃあ直人、今日の分ね。また感想聞かせてね」
「わかった。じゃあまた後でな」
「行ってらっしゃい~」
「はい、これりみりんのね」
「ありがとう沙綾ちゃん。にしても沙綾ちゃん、直人さんと仲良いよね」
「そうかな?有咲の方が直人と仲良いと思うけど」
「確かに直人さんは有咲ちゃんと1番仲がいいけど、それと同じぐらい沙綾ちゃんと仲良いと思うんだ」
「まぁ直人は特に気にしないで話せる人が好きなんじゃないかな。余計なことに気を使いたくないみたいな」
「沙綾ちゃんはどうなの?」
「え?」
「沙綾ちゃんは直人さんのことどう思ってるの?」
「うーんと…ただの友達じゃないかな?」
「練習にも一緒に来てもらって、ただのって言うのはどうなの?」
「あはは…別にいいでしょそういうのは。ならりみりんはどう思うの?直人のこと」
「え!?え、ええっと…」
「あれー?どうしたのりみりん?」
「それは沙綾ちゃんも同じでしょ!?」
「お、言うね~。ま、いいからとりあえず直人のこと追ってくれるかな?すごい寝不足みたいだからなんか心配」
「たしかにあの顔はすごかったね…わかったよ沙綾ちゃん」
「じゃあよろしく。また学校でね、りみりん」
しばらく歩いていると猫を連れた花咲川の生徒がいた。直人さんに違いない
「な、直人さん」
「ん?あぁりみ。どうしたの?」
「ええっと、紗綾ちゃんが直人さんのこと心配だから追ってほしいって」
「なんだそんなことか。別に俺はなんの問題もないけどな。眠いこと以外」
「それこそ1番ダメなんじゃないかな…ねぇ直人さん」
「ん?どうした?」
「その…寝不足の理由教えてもらってもいいかな?」
せめて何か皆とは違う何かを持とうとしていたんだろう
彼は多分他人に自分のことを教えるのをそこまで好きじゃないと思った。
だから私はおそらくいま1番教えたくないであろうことを聞いてみた
「あはは…恥ずかしくて言いたくないんだけどなぁ…」
「え!?それって…そ、そういうことなの…?」
もしかして直人さんってもうそっちの経験をしてるの!?
直人さんはかっこいい方だからそういう経験あってもおかしくないの…かな?
直人さんの方を向くとむやみに顔が赤くなって足も止まってしまった
「?どうしたのりみ」
「え!?ええっと別に私は直人さんがそういうのをするのを止めたりはしないけどそういうのはあんまり人前で話すのは…」
パニック状態で何を話しているのかも分からなかった
「あ、ああぁ…まぁ勘違いしても仕方ないよな。誤解を解きたいから教えるよ。これは他の人には秘密ね」
「う、うん」
「実はな、昨日と今日と徹夜でギターの練習してたんだ」
「れ、練習?どうして?」
「元々俺はおたえに教える方の立場だったんだけどな。こっち来て会ったときにすぐわかった。今は絶対におたえにかなわないんだってね。なんかそれが無性に悔しくてな…なんだかみっともないだろ?」
「ううん、それは別に悪い事じゃないと思うんだ。でもそこまでやっちゃうと皆心配しちゃうからやめて欲しいかな?」
「そりゃ俺もやめたいけどさ…って危ない!」
突然私の手をつかんで直人さんは信号のない小さな横断歩道を渡っていたのを引き寄せた
その力でそのまま直人さんに抱きつく形になった
「きゃっ!ど…」
その後の言葉を遮るように私が横断歩道から戻された途端路地から凄まじい速度で車がとびだしてきた
ガードレールに当たり聞いたことのない音を発した後、私は直人さんに助けられたことがわかった。それを知った時すごくかっこよくてあったかかった。思わず腕の力を強めていた
「直人…直人!」
「!?」
誰かの呼び声に思わず跳ね上がってしまった
周りには俺に呼びかけていた沙綾となぜか顔を赤くしているりみと大破した車があった
「なにぼーっとしてるの?ほんと心配したんだから。後、遅刻しちゃうから早く行くよ」
「あ、あぁ」
足元で軍曹の鳴き声もした
校門で軍曹と別れて教室に行き、座ってから朝のことを考え始めた。
なぜ考えるかは明白だ
俺は自分自身の危険ではなく、りみの危険を頭痛や吐き気ではなく、「映像」、つまりは未来に起こる可能性がある映像を見たのだから
正直言って理由は分からない。まぁ危険を察知する能力がある時点で意味不明なのだが。
よってこれの思考を放棄して授業をちゃんと受けよう。今は英語の時間だ
「じゃあ2人1組、出席番号順でな。あと、小原は若宮とやってくれ」
「わかりました」
するとクラスの女子の中でも高い方で白く艶やかな髪をした人が来た
「初めまして、ですね。私、若宮 イヴです!よろしくお願いします!」
すごい元気だ。ついでにとんでもなく日本人離れしている。おそらく西洋人とのハーフだろうがここまで差が出るとは…
「あぁ、よろしく。改めて小原 直人だ」
「ナオトさん、ですね。それでは始めましょう!」
ドイツ語は大体英語と似ている綴りをしている(違うものはだいぶ違うが…)のと、発音が特殊な場合があることで割と自分的にはややこしい部分もあったりする
意識を変えてやれば特に気にしないほどには成長しているので問題は無かった
授業後…
「すごい…すごいですナオトさん!」
「お、おう。どこら辺だ?」
「どこも途切れることなく、聞きやすいところです!」
「あはは…褒められて悪い気はしないよ。ありがとう」
「直人さんは…」
そういうとじりじりとこっちを見つめながら少しずつ顔を近づけてきた。やめて惚れちゃう
「少し目に色がついてるんですね。ということはナオトさんもどこかのハーフなんですか?」
やめて、劣等感生んじゃうから
「あー…確かにハーフといえばハーフだけど。両親とも日本人とオーストリア人のハーフなんだ。だからだろうけど、物の見事に日本人の遺伝子ばっか受け継いだから、ハーフだけどほぼ日本人なんだ」
「そうなんですか。じゃあハーフ仲間です!」
「なんだハーフ仲間って」
「とりあえずナオトさんは私を呼んでみてください」
「ええっと…若み「ダメです!」えぇ…」
割り込まれてしまっま
「イヴ、イヴと呼んでください!」
「…それじゃなきゃダメなのか?」
「ダメです!」
ずいぶん強情だ
「わかった…イヴ」
「はい!ところでどうしてナオトさんは日本に?」
「うーんと…あれだ。一種の休暇のようなこと」
「休暇ですか?ということはナオトさんは何かお仕事をしているんですか?」
「まぁな、仕事内容は内緒だが…そう言うんだからイヴもなにかやってるのか?」
「はい!モデルとアイドルのお仕事です!」
「アイドル?」
「はい、Pastel*Paletteというアイドルバンドのキーボードです!ちゃんと演奏しながら歌うんですよ」
「バックなしで?それは素人には難しいことだと思うけど……ん?」
Pastel*Palette?ちょっと待て。記憶の中のライブのチラシをサルベージしよう
……はい、当たりました。Pastel*Paletteさんも出ますね…これって結構きつくね?
「はい、すごく疲れますが出来るように練習あるのみです!パスパレの皆さんと一緒にやるのは楽しいです!」
すごい。日本人そのものみたいだ。果たして社畜さんは日本人の文化と言えるのだろうか
「それで、ナオトさんと仲間になったのでパスパレの皆さんに紹介したいと思うんです」
え?一般人をアイドルにプライベートで合わせるってどうなんですかそれって
「お昼休みに一緒にご飯を食べるのでその時に一緒に行きましょう!」
まぁ当人が許可してるからいいか…ファンが知ったらぶん殴られそう
お昼休み
「ナオトさん!さぁ行きましょう!」
礼をした直後にやってきた
「おう、わかった…って手をつかむな手を繋ぐな。ちょっと待ってご飯持ってないから!」
バックの中に買ったパンを置いて連れてかれてしまった
移動している間ずっと手を繋いでいたのですごい視線が痛かったです。特に有咲
「彩さん!千聖さん!」
「やっほーイヴちゃん」
「こんにちはイヴちゃん。あら?後ろにいるのは誰かしら?」
「すみません…いきなり押しかけて。1年A組の小原 直人です」
「いいえ、イヴちゃんに連れてこられたんでしょう?なら問題ないわ」
ないんですか
「じゃあこっちも…2年A組の白鷺 千聖よ。よろしくね。ほら彩ちゃんも」
「うん!まんまるお山に彩を!丸山 彩です!よろしくね」
「わざわざありがとうございます…ところでイヴ、チャイムなってすぐ行ったせいでご飯を持ってこれてないんだけど」
「そうなんですか。なら私のものを一緒に食べましょう!」
いやいやいやいや、何その超短絡的な思考は
「それはさすがに悪いから今から取ってくるよ」
「それはどうかしら。イヴちゃんはどうして小原さんを連れてきたの?」
「はい、ナオトさんがハーフということが分かって、仲間が出来て嬉しかったので彩さんと千聖さんに紹介したいと思ったので連れてきました」
「そう、なら私達はもっと小原さんについて知らなきゃいけないわね。ほら彩ちゃんも」
「え?私?」
「何か聞きたいことがあれば聞いていいのよ?」
「あ、じゃあ…」
そんな風に色々質問してもらってそれに答える昼休みになった。少しおかしな所もあったが…
「はい、一応こっちには4人で来たんですけど「ナオトさん」なんだイヴ」
いきなり話に割り込んできた
「あーんしてください」
「え?どうして」
「まだご飯を食べてないですから、私が口まで運びます」
「いやこれ前に先輩いるんだよ?そんなのさ「あーん」…わかったよ」
そう言って自分としては渋々口を開けて食べた
「んーと、直人くんはイヴちゃんの彼氏さんなの?」
「そんなわけないですよ?まだちゃんと知り合って1日目ですから」
「それにしてはすごくイヴちゃんがくっついてるわね」
「でもこういう性格なんだと思いますよ」
「そうね、その通りね。さてもっと聞きたいことがあるから聞いてもいいかしら?」
どうしてこっちに来たらこんなことになってしまったんだろう。だけど、楽しい。いつも楽しいと思えているからこっちに来て良かったと思う
放課後
もはや時間が惜しいのでさっさと帰って練習しておかないと…
そうは問屋が卸してはくれないらしい
「直人」
後ろから沙綾の声が聞こえる
「どうした沙綾。俺は早く帰りたいんだけど」
「女の子の前でそういうこと言っていいのかなぁ?とりあえずこっち来て早く」
そうやって付いていくと少し道をそれたところの公園に座らされた
「で?何の用?」
「で?じゃないでしょもう」
少し怒ったようにこっちを見てくる
「パン、食べてないでしょ」
「あ…」
昼休みはイヴに連れていかれたせいでパンを食べていなかった
「あれは仕方ないだろ…でも感想を言わないとな」
バックから取り出して、食べ始めた。傍から見ると何かを尋問されているような感じだろうな
「はい、ありがとう直人」
「ほんとにごめん…なんなら机の中に入れておこうかな」
「それだと匂いが漏れちゃうんじゃない?それで別のことなんだけど」
「なに?」
「どうしていきなりあんなにイヴと仲良くなったの?」
「あー別に。同じハーフだから仲間だってさ」
すると沙綾は驚いた顔をした
「え?直人って日本人じゃないの?」
「あれ?言って…ないね。俺の本名は小原 ウォルフ 直人 一応セカンドネーム持ちだよ」
「ええええ、全然知らなかったよ」
「まぁハーフというより日本人でいた方が楽だしな。この体だし」
「これからもそうするの?」
「もちろん、楽なのを選ばない手はない」
「そうなんだ…なんかハーフの方がかっこいいと思うけどね」
「結局それだとなんかガッカリされるし、イヴと比べられるし嫌なんだよな」
「そういうことされたことないでしょ」
「まぁな、そういうことだから皆には言わないようにしてくれ」
「もちろん。そういうお願いならね。じゃあ帰ろっか」
「そうだな」
沙綾の家まで一緒の道なので一緒に行って着くと店ではちっこいのが店番をしていた
「おかえり!」
「ただいま純、ちゃんとやってた?」
「もちろん、大丈夫だよ…お客さんはどうしてそこでずっと立ってるの?」
さすがにずっと立っているのはダメだったか
「いや、ただ沙綾と一緒に帰ってきただけ。すまないな。じゃあな沙綾」
特に用もないのでさっさと帰ってまた昼寝でもしよう…
「なんだったんだろうあの人」
「まぁ別に悪い人じゃないから大丈夫」
「そうなんだ、じゃあ彼氏とかでもないの?」
「ううん、全然。ただの友達」
「そっか」
「じゃあ私も準備してくるからね」
直人が恋人ね…容姿は学校でもかなりいい方だと思う。基本的にはめんどくさがりっぽい感じだけど押しに弱い。まんま有咲だね…
やっぱり直人は有咲といるのが1番似合ってるとは思う。
でも私の隣にもし彼がいるなら…そう想像しただけで心があったかくなる。ドキドキとかそういうのじゃなくて安心して落ち着く。ほんとに何も気にせずにいることがすごく楽で良かった。そうさせてくれるのは直人だけだから…
自分はマー君の評価で1番好きなのは6回8失点したときの「謎の存在」
です