再度、この地で   作:四角いねこ

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だいぶ疲れてきました…まだまだ走ります





大抵のことは自分の知らないところで起こる

 

結局今週の土曜日にカラオケに行くことになった。

とにかく、カバー曲がほとんどの初ライブなので自分の声で歌えないと…

そうやって授業内容もろくに頭に入らずそのまま学校が終わってしまった

 

「はぁ…」

 

「どうしたの直人、そんな景気悪そうな顔して」

 

「あれ?でも今って景気は回復してるってよく聞くけど?」

 

「別に社会の話はしてないよ、おたえ」

呑気な話さえ入ってこないほど深刻な問題なのだ

 

「うーん…これはとってもめんどくさい感じがするね…おたえ、どうする?りみと香澄と有咲はもう行っちゃったし」

 

ガシッ

 

「ん?どうしたおたえ」

 

「なお、今日この後空いてる?」

 

「まぁ何も無いけど」

 

「うん、じゃあ沙綾、私今日練習休むね」

 

「ちょっといきなりすぎない?おたえ」

 

「でも、これくらいポピパじゃ普通じゃない?」

 

「そうかもしれないけどさ…」

 

「そういうわけだから、ほらなお行くよ」

 

「ちょっと待て、どこに連れていく気だ」

 

「どこって、私の家だけど?」

は?

 

「いや、突然は悪いだろ」

すると携帯を取り出してどこかに電話をし始めた。まさかまさか

 

「はい、今から行っていいって」

ですよね

 

「ちょっと、直人もいいの?」

 

「こうなったら止められないだろ。大人しく行くよ。じゃあな沙綾」

そういっておたえに腕を引かれて教室を出た

 

 

 

「あれってお家デートって言うんじゃないかな…」

 

 

 

 

「ごめんな、なんか」

 

「ううん、別に。だっていつかうちに来るって話だったし」

 

「確かにな…ってなんだ?」

校門に妙な人だかりがある。女子がこぞってしゃがんでいる。中には先に行ったはずの香澄たちもいた

 

「かわいいー!」

「ちょ香澄、いくら懐いてるからって触りすぎるなよ。野良猫かもしれないし…でもこいつどっかで見たことあるんだよなぁ」

なにか有咲はいぶかしんでいるようだ

特に用もないし、なんなら会わないで行ったほうが良さそうなので声をかけずに行こうとしたその時

 

「みゃあ」

 

「!?」

すぐに立ち止まって鳴き声の方を見ると人をかき分けて出てきた真っ黒な黒猫が出てきた

 

「軍曹か、なんでこんなところにいるんだよ」

当然なにも返答はない

 

「まぁいいや、来るか?」

 

「にゃあ」

そういうと足元からバックの上に座った

 

「重っ、どっかほかの場所ないのか?」

するとじっと顔の方を見ている

 

「ここでやるか?まぁいいか」

持ち上げて頭の上に乗っけた

前を見るとさっきまで遊んでいた女子たちが呆然と立っていた

 

「ほら、なおいつまでいるの?あ、香澄、私今日休むからよろしくね」

そして返答を得る前にまた俺の手を引いていった

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい、久しぶりね」

 

「はい、お久しぶりです」

実際俺は昔にこの家に来ていたことがある。だからおたえの家族とも一応知り合いではある

 

「すみません、なんも持ってきてなくて」

 

「いいのよ、来てくれただけでも嬉しいのよ。そして、こっちははじめましてね」

頭の上に乗り続けていた軍曹に挨拶をした。早く降りてくれませんかね

 

 

家の中には当然のようにうさぎが闊歩していてなにかをねだっているみたい

 

「あ、モフってみる?すごい気持ちいいよ」

「そうなのか?じゃあ失礼して手づかみで」

あ、やばい。手触りが軍曹の比じゃない。最高

 

「あ、軍曹は?」

 

「そこでうさぎの中にいるよ」

なぜかうさぎのように丸まっていた。別にうさぎのようなモフモフがあるわけではないのに。ほんと癒し効果半端ないっす

 

結局そのままモフり続けた結果、夜になってしまいご飯をいただいた

 

「すいませんご飯までご馳走になって」

 

「いいのよ、だって今日ここに泊まるんだからご飯はうちでたべるんだし」

 

「ん?別に自分は今日帰りますよ?」

 

「あら?でも泊まるって聞いてるわよ?」

どういうことだおたえ

 

「だってなお、すごい疲れた顔してたじゃん?だから休むには寝るのが一番だと思ってね」

 

「だったら一人で寝かせろ」

 

「私は誰かと一緒に寝るのが休まるけど」

 

「おたえのことは聞いてない。それになにも準備してないんだぞ?」

 

「じゃあ…無理?」

やめてくださいそんなしょんぼりした顔で見ないでください。泊まりたくなるから俺は帰るのぉぉぉぉぉ

 

「ちょっと待て、電話する」

なんで帰ればいいものを…

 

「ほんと!?」

そんなに目をキラキラさせないでください

 

 

『もしもし?ナオト?何か用?』

 

『えっとですね、ミハさん。いま友人の家にいるんですけど、なぜか泊まることになっていてなんですけど…』

 

『じゃあ泊まっていきなさい、これは休暇よ?良かったじゃない。だってたえちゃんでしょ?ならなおさらよ』

 

『いやなんで知ってるんですか』

 

『あら、当たっちゃった。羨ましいわね、このこの〜』

 

『え、じゃあもう、泊まれ ですか?』

 

『ええ、今日はたえちゃんのところに泊まりなさい』

 

『じゃあすぐに荷物とりいくんで』

 

『ええ、待ってるわ』

 

 

「どうだった?」

 

「はぁ…今日はこっちに泊まれってさ」

 

「ほんと!?」

 

「ほんとにほんとだ」

泊まることになったけど実際泊まれることが嬉しい俺がいる

 

 

 

 

荷物を持って帰ってから風呂を借りようとすると

 

「あ、お風呂入るの?じゃあ私も入ろ」

 

「なにその新しい邪魔の仕方」

 

「邪魔じゃないよ。ただお風呂に一緒に入ろうって言ってるだけだよ?」

 

「は?あのな、俺たちはもういい歳なんだからさ、一緒に入ったら問題なわけよ」

 

「あ、じゃあ水着で入ればいいのか」

 

「それをしてもダメなものはダメだ」

結局どうなったかって?それはもちろん…

 

 

水着で入ることになった

 

持ってきてなかったけどおたえのお父さんのを使っていいそうでなんかほぼ強制的におたえと一緒に入ることになった

 

 

「いいお風呂だね」

 

「おたえ、それ本心か?いくらなんでも水着でお風呂なんてなんか変な感じするぞ」

 

「でも、なおがいれば大丈夫だから」

 

「お、おう」

にしてもおたえの髪は綺麗だし、体についても申し分ないと言えると思う。ほんとに中身を知らなければすぐにでも惚れるだろうな

 

「?どうしたおたえ」

なぜかずっとおたえがこっちをじっと見ている

するとこちらにじりじりと寄ってきた。そして

 

「えい」

俺の首に腕を、腰にあしを巻き付けて抱きつくような形になった。ちょうどおたえの胸が顔のところにある。少し顔をずらして

 

「なにしてんの?」

 

「わからない?こうやってあったまってるの」

 

「おい、ここは風呂だぞ。別に寒くないし、てか熱くなりそうだわ」

変な意味でな

 

その後は特に何もなく風呂を出た。何もないっていったけどずっとそのままだったからな

 

 

 

「にしてもほんとに髪綺麗だな」

本当にこれは何も手入れをしていないのか…

 

「なおもドライヤーすごく上手いよ。今までの中で一番」

 

「そりゃどうも」

 

「でも、なおのところには女の子っていなかったよね?どうして?」

 

「まぁ向こうに同じような髪のヤツがいたからな」

 

「その子とは?」

 

「別に、特段仲が良かっただけだな」

 

「そっか、じゃあ有咲みたいな感じ?」

 

「そうだな、でもあそこまでやさぐれてないけどな…っとはい終わり」

 

「ありがとう」

そういってそのままこちらに寄りかかってきた

 

「おい、まだドライヤー片付けてないんだけど」

 

コンコン

 

「入るわね」

そういって持っているドライヤーを取り上げた

 

「じゃあごゆっくり〜」

微笑みながら部屋を出ていった

行動の一切に迷いがなかった。そしていつの間にか軍曹も部屋に入っていた

 

「じゃあなお、寝よっか」

 

「そうだな、特にやることもないしな。で、俺はどこで寝ればいい?」

周りにはおたえのやつ以外には何も寝るためのものはない

 

「どこでって、私と一緒に寝るんだよ?なお」

 

「まてこら曲がりなりにも女子高校生だろ、互いの年齢を考えたらどうだ?」

 

「うーん…とくに問題ないんじゃない?だって特になお何もしないでしょ?」

クソッ、チキン判定されてやがる。反論できないから悔しい

 

「じゃあおやすみ、なお」

そういって部屋の電気を消した

 

 

 

 

 

 

「なんでこっち向いてんだ」

 

「だって背中合わせとか同じ向きより向き合ってた方がいいじゃん?だから」

 

「だから…って理由になってないだろ…もういいや、おやすみ」

 

「うん、おやすみ、なお」

疲れていたのかすぐに意識が溶けていった…

 

 

 

 

 

「もう寝たかな?」

少し近づいて手を握ってみても軽く握り返してくるだけだ

 

「…寝てるよね」

長い間見てなかったけど少し男らしく、かっこよくなったように見える

あの頃はもう少し幼くて、もって笑っていた。

 

 

 

私が初めてなお…いや、ウッチャンに出会ったときに心が震えた。皆よりも上手くて少し誇らしかった心はすぐに無くなった。私と同い年でこんな技術を持った人がいるなんて思ってもなかった。だから少しでもそこに近づいて、追い越すために毎週会いに行った。それぞれ毎週違う課題が出されてそれの試験を次の週にやるといった感じだった

 

「ウッチャン、ここ出来ない」

 

「ここか?まぁ仕方ない。今回で一番難しいところだからな。ここは、こうして、こうじゃ!」

今考えてみれば何を言っているか分からないけど私にとってはわかりやすかった

 

そして、できた時には自分の事のように喜んでくれた。私はもっと笑顔を見てみたくなった。そしていつかウッチャンの隣に立って弾くんだってそう思ってた

 

でも、ウッチャンが帰ってからもっと大きいものだって気づいた。今すぐにでもそっちに行けるならと思うようになっていた。どこか彼を感じられるものを探しながら高校生になっていた。その時にやっと見つけた。それこそ香澄が持っていたランダムスター。直感で本物だと思った。だからどれくらい上手いのか気になった。結果は私よりも下手だった。でも、ウッチャンは絶対に喜んで使わせると思った。だから私は、香澄たちとバンドをやって、なおの隣に立つ。そしてずっと隣にいたい

 

でも皆がなおに少なからず好意を抱いていることは分かっている。特に有咲とイヴと香澄と沙綾、りみはよくわからない。あれ?ポピパ全員なんじゃないかな?でも、なおのことだからこれからも増えるかもしれない。だからいまはっきりさせる。なおには悪いけど

 

 

 

なおの上に馬乗りになって少しずつ顔を近づけて唇にキスをした

 

 

「いつか、堂々とやろうね、なお。おやすみ…」

そういってなおの手を掴み寝た

 

寝るまでずっとドキドキしっぱなしな夜は初めてだった

 

 

 






そろそろライブにいきやがれ
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