初登校です
体育祭の翌日は休みであり、こういう日は軍曹と遊ぶのが1番!なのだが今日に限って外出中らしい。特にやることもないのでちゃんとバイトのことを考えることにした
まずひとつ、CiRCLEてのバイトである。基本的な業務は清掃とアンプ等機器の整備だ。そこら辺は特に苦にならないし、元々まりなさんが全部やっていたこともあり、あまり重労働でもなさそう。まぁ彼女たちとよく会うことにはなるが…
次にパスパレのマネジャー。仕事を何もかも知らない状態から始めることになる。メンバーが全員知人なのは唯一の救い。正直これをやるならほかの仕事は断らないといけないと思ってる。
もうひとつ、弓道部である。これは一応バイトと一緒にこなすことも出来る。紗夜先輩が所属している。まだ何をすればいいかわからない
正直ここに来て決められなくなってきた。とりあえず気晴らしに午前中はギターの練習をして、昼飯を食べた後は軍曹も帰ってきた。そして帰ってきた瞬間に抱き上げて外に出た
特になんのあてもなく歩き、最終的に川沿いの河川敷の土手に座り込んだ。秋も深まって草も枯れ始めていた。
結局、なにをやりたいのか分からなくなってしまった。ただ手元には軍曹の温もりだけだ。久しぶりに何も考えずに過ごしてみると大きな虚無感に包まれ、開放された気持ちになる。いっそ全部断る手もある。ダメだと言われそうだが…
そうやっていると早く時間が過ぎてしまい、もう夕方になってしまった。それでも何も考えずにいると、声をかけられた
「あれ?直人じゃん!どうしたの?」
後ろを振り向くと羽丘の制服を来た茶髪の高校生がいた
「今井さんですか。どうしてこちらに?」
「ううん、特に用事はないんだ。あと、そんな敬語使わなくてもいいよ。リサって呼んで」
そう言いながら隣に座ってきた
「今日はRoseliaの皆さんはいないんですか?」
「うん、今日は練習が無くなったんだ。だから1人だけで適当に歩いてたら見つけたってわけ」
「そうですか」
「で、直人は何をしてたの?」
「特に何も、ただ何かを考えようとして考えるのをやめたんです」
「結局、なにもしてないんだね」
「はい、こんなに清々しいのも久しぶりです。何も考えずに空の下でただぼーっとしているんです」
「んーと、じゃあ何を考えようとしたの?教えてくれない?」
どうしようか。ただ自分が優柔不断であるだけなのに
「別に、話したくなかったら話さなくてもいいんだよ?」
そういうとこっちが話さないといけないって思えてくるんですよ…
話したくもない恥ずかしい話だが1人では決着がつかなさそうなので話すことにした
「なーんだ。そんなことか」
「でも、決められないんです。何をすればいいかわからないし、何をしたいかもわからないんです」
知らないうちに涙が出ていた。ずっとなにかやらなきゃいけないことをし続けてきた。でも、自分で好きなことを決めろと言われても自分には何がしたいか全くわからなかった。酷く言っていまえばただの機械のようであった
突然目尻を舐められた。目を開けると腕に前足をかけた軍曹がいた
「ほら、君もひとりじゃないんだよ?なんならアタシもいるし」
そう言って頭を撫でてくれた。余計泣いてしまいそうだったから、立ち上がって軍曹をほおり投げた。
ちゃんとキャッチしてリサさんに向き直った
「ありがとうございますリサさん。もう少し気楽に考えてみます」
「うんうん、もっと気楽にね。アタシ結構あのバンド好きだからさ。実際ネットでも『Roselia越えの技術!?メンバー全員プロの楽団員!Gtの祖父はあの有名議員!』なんて記事があるんだよ」
画面を見せてもらった。それは記事とは違い某chのスレだった
『CiRCLEからまさかの男女混合バンド!』
そんなスレタイだった
『続き頼む』
『男2の女2の男はどっちも高校生で女の方は両方成人やで』
『ほーん、面白そうやん』
『ちな現地だったけど、演奏技術はほんとRoseliaのそれを圧倒してるわ。特にGtのあの動きは頭おかしいと思った』
『どんなだったん?』
『腕に猫をぶら下げながらやってたんやで。しかもそれでいてあの上手さだから驚異的。しかも歌うまやし、声を完コピ出来るそうやで』
『自分はドラムや。あのふわふわ感からのギャップが最高。しかも演奏中にじっと見てたら微笑み返してくれたで』
『ま?でも僕はkeyなんだよなぁ』
『オリ曲でのベースソロが入ってないだと?ふざけるな!』
『オリ曲についての評価よろ』
『はっきり言って普通に良曲。ベースソロとかあるように技術はトップ、声もいい。アップテンポな曲だからノリやすい。このバンドは普通にCiRCLEで伸びる気がする。まぁ唯一の弱点はネーミングセンスの無さだな』
『正直言って全員の技術はぶっ壊れてるゾ。あんなんできる普通?』
そんな感じにずっと続いていた。
「ね?結構評価高いでしょ?だからアタシとしてはバンドを続けていける程度でやるといいと思う。アタシはバイトと部活とやってるけど別に無理はしなくていいしとにかく肩肘張らずに気楽にね」
リサさんは立ち上がって
「じゃあ帰ろっか。寒くなって来たしね」
寒く…?このくらい普通なんだが
「このくらいで寒いのか?」
「あ!そっか直人は外国人だしね。どこだっけ?」
「オーストリア。こっちで言えば北海道ぐらいだと思ってくれれば」
「でさ、なんで日本に来たの?」
これを説明するには自分の経歴を多少明かさなければいけない。まぁリサさんならいいか
「元々オーストリアの楽団で活動してたんです。それで今ドラムやってる人から言われたんです。ちゃんと青春を過ごして欲しいって」
「自分は中学生の頃からずっと練習してきてプロ顔負けの技術を得ることも出来ました。でもその代わり普通の生徒ではなかったんです。白鷺先輩…とは違いますけどそんな感じでした。だからそうじゃなくて普通の生徒になって欲しいって。昔日本にいたのを知っていたからまたそこに行こうって……」
突然そうなんだというリサさんの声が遠ざかった。視界が歪む。たまらず立ち止まったがリサさんが気づかない。嫌な予感がする。
そして映像は流れる
わりと出すために雑になってしまった…
次の次ぐらいで大きな分岐点です