あけましておめでとうございます。昨年から始まりましたこの小説もはや半年。かなりペースは落ちてますがこれからもよろしくお願いします。
新たにお気に入り追加して頂いてありがとうございます!!
俺が日本に来て1番の思い出というのはおそらく真っ先にあの2人との関係を述べるだろう。市ヶ谷有咲と花園たえだ。正直に言うとその2人以外まともに覚えていないんだがな。あと、その2人を会わせたこともない。まぁ高校で出会ったからいいんだが。
こう長ったらしく言う必要があったかはわからないが要するに俺にとって市ヶ谷有咲と花園たえが特別な存在であることだ。その中で今は在りし日の俺と市ヶ谷有咲の話をしよう。
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「はぁ?ピアノのレッスンについて行きたい?」
俺は知り合った約1年後、いつものように放課後に流星堂を訪れた際にピアノのレッスンを見てみたいと有咲に話した。
この頃には既に自分は音楽で、演奏家として父の後に続こうと幼いというには歳をとっていたが、そう決心していた。そう思っていたから音楽には人一倍プライドを持っている気でいた。まだ自分に音楽がないことも知らずに。
「うん!有咲のピアノ。見てみたいから」
「そんなのプロの演奏をネットで見りゃいいじゃねえか」
「うーん…それでも俺は有咲のピアノがいいかな」
「…ま、見学ぐらいなら別にいいけど…」
特徴的な金髪の先っぽをいじりながらそう答えた。その仕草が照れ隠しに似た気持ちであることは知っている。
「ほら、もう時間だからいくぞ。直人」
自然に手を繋いで俺たちはレッスンに向かった。
有咲について行き、有咲が説明をすると先生であろう人ににこやかな顔で中に案内された
「君はピアノに興味があるの?それとも有咲ちゃんに興味があるの?」
「両方です。ピアノは純粋にやってみたいです。有咲はすごく仲のいい友達なのでもっと知りたいっていう気持ちです」
「うんうん、顔もいいし有咲ちゃんとお似合いだよ。あ、それとももう彼氏さんなのかな?」
そう笑いながらその人は言った
「有咲の彼氏……」
「どうだい?そのまま結婚かい?いいねぇ夢が広がるねぇ」
大きな笑い声を上げている
想像したこともなかった。有咲の彼氏であったとしたら、どうなんだろう。そのまま結婚したら?そのくらいの妄想力ならある。しかし考えたところで特段新しい生活は浮かんでこなかった。つまりもうそんな生活をしているということだろうか。
少し有咲の方を見てみると顔は見えないものの耳が真っ赤になっていた。少し想像でもしたのだろうか。
その後ピアノをやらせてもらう場面もあったが、全く才能がないようで、有咲に笑われてしまった
帰り道、有咲に聞かれたことを聞いてみた
「もしさ、俺たちが結婚することになったらどうなるんだろうな」
「はぁ!?お前と結婚!?……お前はどう思うんだよ」
「うーん…別に今とそこまで変わらないんじゃないか?俺は別にいいと思うよ。子供とかいても良さそうだね」
この時、俺はそこまで本気で言ったわけじゃなかった
「こ、子供!?早すぎるっつーか、それでもやっぱり結婚してすぐはふたりっきりでイチャイチャしてたいとか………」
とんでもない早口で有咲が話…いや独り言をしている。もし結婚してもこんなふうな時があるのかもしれない。そう思うとしてる訳でもないのに愛おしくなってきた。そして行きの時のように手を繋いだ
「うん、有咲としても絶対後悔しないと思うよ。俺は」
「え!?お前ほんとに私として後悔しないのか!?」
「だからそう言ってるじゃん」
そう笑って帰ったのだが、なぜかその後少し有咲が顔を赤くしながら密着してきたのはなんでだろうか
もう一つ話そう。これも会ってから結構経ってからの話だ。
放課後、いつものように三紀の店でコーヒーを飲んでいた
「今日は有咲さんとじゃなくていいのかい?」
「今日は学校のやつといるんだとよ。まぁ俺の入るところじゃないだろズゾゾ」
「それは男の子?」
「男だって言ってたな。まぁ有咲に友達ができるなら嬉しいな」
それは皮肉でもなんでもない彼女に対する純粋な思いだ
「でも有咲さん、直人じゃなくて大丈夫かなぁ…」
「どういう意味?全く分からいな。あ、カステラひとつ」
「うーん…よくはわからないけど有咲さんはやっぱり直人が今のところいいと思うんだよね。はい、カステラね」
「今のところだろ?そっちがいいならそっちがいいだろ。相変わらず美味しいな」
そんな感じでその日も俺は心屋を後にした
その日、なんと有咲は告白を受けたという。しかもその相手はここらじゃ名の知れたところの息子らしい。常日頃の生活で猫を被っている有咲はそいつの押しに負けて承諾したそうだ。夜にそう電話をしてきた。別に俺は有咲が幸せならそれでいいと思った。数少ない友達だから……
だけど俺も有咲もまだ子供だったんだろう。その日から朝に有咲と登校できなくなった。その息子が家の前で待っているのだそうだ。別にそれは付き合ってるなら当然なのかもしれない。だけど習慣を崩された人は不機嫌になるのはこれまた当然なのだ。有咲も不満があるとしょっちゅう電話をしてきた。
やがて有咲がそいつと別れようときりだした。理由は自分の好きなように出来ないからと。この時はまた有咲に会えると喜んだものだ。
「にしても、本当に良かったのか?別れて」
「当たり前だろ、私はあいつのこと好きじゃないし。今回付き合ったおかげではっきりしちまったからな」
「何がはっきりしたんだ?」
「別に、お前には分からないと思うな」
「なんだよそれ。世界の心理でも見つけたのかよ」
「私の真理を見つけたんだよ。そしていつかお前にわからせてやる」
そして、またいつものように登校する日が始まるようになった。
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平日の大体は有咲と過ごしていた。有咲が受験するとなった後は少し会わない日も続いたけれど、それでもたまに有咲が家に誘ってくれることもあった。その時は今までとは違ってかなり距離が近かったように思った。もしかしたらもうあの日々から有咲は俺が好きだったのかもしれない。今考えればそういう行動が最後は多くなっていたし。そしていなくなった間もずっと想い続けていたんだろう。それはそれで嬉しい。だけどここからが問題だ。
今日俺は市ケ谷有咲に告白された。嬉しい。その感情に嘘はない。だけど恋愛をしたことがないからわからない。俺は有咲と付き合ってもいいのかと。彼女の気持ちに答えることができるのだろうか
完結するまで長い目でよろしくお願いいたします