後半はかなり悩みながら書いておりました。おそらく1番長くなりました。でも4000までしかいかねぇ……
あと、ちょくちょくお気に入りの人数が増えてるのにとても嬉しいです…!ひっそりとやりたいようなもっと人気を取りたいような…そんなことはあまり考えずに頑張ります
「やっぱり紗夜先輩は1人で練習した方がいいと思いますよ」
場所は自宅の地下室。紗夜先輩が練習しているフレーズをジャカジャカ弾きながらそう質問した
「私が練習しているフレーズをいとも簡単に弾いてる時点で気付いて欲しいですね。そういうところですよ」
「別にこれは俺がこれをずっと練習していたからであって紗夜先輩と差がつくのは当然かと。それよりも自分にあった練習をした方がいいかと」
「その練習がこれなんですけどね…すみません、ここの動かし方がよくわからないのですが」
「あぁそこですか。そこはここをこっちにして…こう!ですね」
「ほとんど言葉に出来てないじゃないですか。うちの日菜と同じみたいですね」
「体では理解出来てるんですけどね…そこら辺はやっぱり動きが重要なのでフィーリングかと」
「まぁそうなってしまうのも仕方ないかもしれませんね。それでもう時間もいい頃なのではありませんか?」
時計を見ると19時の5分前、ざっと3時間はノンストップだった。
「たしかにそうですね。さすがに遅すぎると俺が日菜先輩に怒られちゃいますかね」
「一応言ってはあるのでそこまで怒らないと思いますけど…もしかしたらここに来るかもしれませんね」
立ち上がって片付けを始めようとした瞬間
「おねーーちゃーーーん!!」
これが双子か。なるほど過激だ
「日菜!?なんでここに!?」
「おねーちゃんが直人くんちで練習してるっておたえちゃんに聞いたんだ〜。それでもう練習は終わり?」
「今さっき終わったところよ」
「ええ〜少し遅かったか〜」
「紗夜先輩、今後日菜先輩と予定が合えばうちで練習しませんか?その方が自分はいいと思うんですが」
「いいね!るんっ♪てするよ!ね!おねーちゃんもいいでしょ?!」
「……私もいいと思うわ。一緒にやりましょう、日菜」
「やったー!」
「すみません、人が増えてしまって」
「自分から提案したんですしそこら辺は大丈夫ですよ。スペースについては余りに余ってるんで」
「それで次に3日後にやりたいんですが」
「私その日空いてるよー!」
「はい、バイトもないですから大丈夫ですよ」
「すみません他にも戸山さんも花園さんも今日練習したかったらしいのに断らせてしまって」
「聞いてたんですか?」
「戸山さんは声が大きいですからね、それで大丈夫なんですか?」
「まぁいつかはそちらにも付き合うようにはしますよ。頼ってくれるのに悪い気はしませんから」
「そうですか。それでは私たちはここで失礼します」
「送っていきますよ」
「…よろしくお願いします。私と日菜がなにかあったらあなたは後悔してしまいそうですから。すみませんなにからなにまで」
「それじゃあレッツゴー!」
「…今度なにか菓子折りを持ってきます…」
「ならこっちはいい紅茶でも用意しておきますよ」
俺は携帯と足元にずっと居た軍曹をかかえ、上着を羽織り外に出た
「最近は少し寒くなってきたわね。日菜は薄着だけど寒くないの?」
「全然大丈夫だよ!おねーちゃんの方こそ寒くない?」
「上着、貸しましょうか?」
「いえ、別に大丈夫です。心配されるようなことではありません」
「そうですか、まぁ湯たんぽ代わりにこいつでも持っててください。あったかいですよ」
軍曹を掴みあげ紗夜先輩に渡した。当然人に慣れている猫なので暴れることはない
「かわいい…」
紗夜先輩が頭を撫でると可愛らしい声で軍曹が鳴く。もう媚びにはなれた
「ねぇねぇ直人くん!これうちで飼ってもいい!?」
「ダメに決まってるでしょう日菜。触りたいなら小原さんの家でやりなさい」
……あれ?当たり前のようだけど姉直々にうちへのフリーパスが発行されたぞ?
「じゃあ直人くん!あたし、明日直人くんち行くからよろしくね!」
「いや明日自分バイトなんですけど…まぁミハさんいるからいいか…」
「くれぐれも迷惑をかけてはいけませんよ。日菜」
「わかったよおねーちゃん。あ、もう家ついたよ!」
ごくごく普通の一軒家。うちには及ばないが立派な家だ
「それじゃあね!直人くん!」
「今日はありがとうございました、また学校で」
「こちらこそありがとうございました。また待ってますね」
扉が閉じるまでそこに立ち続け、そのあとは軍曹を抱えながら来た道を帰ることにした
帰り道、都電早稲田駅の前を通った際に車内から香澄、おたえ、りみから手を振られた。となると駅にはおそらく有咲と沙綾がいるんだろうと思ったらそちらが気づいてくれた
「お前家そっちじゃないだろ。何してたんだ?」
「氷川姉妹を送ってた。日菜先輩が突然来てな、それで家まで」
「日菜さんまで来てたのかよ…お前ん家賑やかになりそうだな」
「香澄におたえ呼んだら直人の家はもうお祭り状態だね。その時のケータリングはよろしく」
「そのうち蔵に全員閉じ込めてやるからな。覚悟しとけよ」
「あはは、その時は直人も一緒に閉じ込めて上げるから」
「沙綾、それじゃあもう誰も出られねぇから。私あんな所で死にたくないんだけど」
そんな風に他愛のない話をしながら沙綾の家まで付いて言った
「有咲、それに直人、今日はありがとう。それじゃあまた明日ね」
「おう、また明日な」
「まぁまた昼休みに」
その後はもう行きなれた有咲の家へ向かった。その道中、突然有咲が言い出した
「なぁお前、誰か好きなやついるのか?」
好きなやつ?あぁ…なら
「まぁいるな」
「まじか!?それ本当か!?」
「うん、人じゃないけど」
「どんなやつなんだ…って人じゃない?」
「ほら、これ」
ずっと腕に抱えていた軍曹を有咲に渡した
「……は?」
「好きなやつ。これくらいしかないけど」
「あっそ!じゃあ私これ持って帰るから」
「いやいやいや待って待って!」
ほら軍曹も暴れちゃって…ないやん。ちゃっかり有咲の体にしがみついちゃってます。うーんこれはけしからん!というわけで奪取だ
「ごめんごめん。結局の意味は好きな人がいるかということだろ?しかも恋愛的な意味で」
奪い返した後、有咲の質問の意味を問うてみた
「ま、まぁそんな感じ。それで誰かいるのか?」
誰か…と言われてもわからない。パトリシアは絶対ありえない。もうあれは違う。学校だと…最近絡みが多いのはポピパとイヴ、後は氷川姉妹だろう。やっぱり誰もそういう気で見ていないのが事実だ
「すまん、そもそも俺には恋愛がなんなのかすら分からないらしいな。ほとんどパトリシアに破壊されてしまったからな」
物心がついた頃からあいつはいたんだ。幼なじみとして…幼なじみ…?なにか、どこか引っかかる。まぁ今はどうでもいいか。とにかく犬も歩けば棒に当たると言うがあいつは歩けばナンパに合う。これは日常。そんなやつが俺のくっつき虫だったんだからまぁ関係のとり方がわからないのは必然なのかもしれない
「……なぁ直人」
若干俯きがちに有咲が話した
「それを知りたいと思うのか?お前は」
知りたいか知りたくないかで言えばおそらくたいていの人はとりあえず知った方がいいと言うだろう。かの有名な小説では全くの反対なのだが
「知りたい知りたくないで言うなら多分知りたいんだろうな。単純な知的好奇心かもしれんし興味があるのかもしれないな。はたまた人間味が欲しいのか」
「…なんだかめんどくせぇけど結局は知りたいってことでいいのか?」
「多分そうなるな。まぁかなり苦労しそうだけどな」
「ふーん…ま、頑張れよ」
「わざわざ聞いておいてしょっぺぇーな反応が。まぁいいけど」
そんなこんなで有咲の家の前まで来た
「わざわざすまねぇな。ま、お前には当たり前かもしれねぇけどな」
「たしかに当たり前だったな。もうそろそろ遅いからな。それじゃあまた明日な」
俺はその時なにもなく帰ろうとした。だけどそれを有咲が止めたんだ
「なぁ直人、お前、さっき知りたいって言ったよな」
有咲が俺の服を掴んで俯きながら聞いてきた
「あぁ、それがどうしたんだ?」
全くこの時は知らなかったんだ。有咲の、彼女のその気持ちについて
「じ、じゃあさ。今誰かのそれを知る気はない…か?」
上ずり消えてしまいそうな声でそう言った
「なんだい?誰かの告白でも掴んでるのか?それを覗き見ってのはいかがなもんかと思うんだが」
「だぁああ!もういいよ!こっち向け直人!」
「なんだなんだそう怒って……」
その言葉に従って向いたが最後だったのかもしれない
「んっ……」
最初は理解出来なかった。いや、したくなかったのかもしれない。とにかく遅れてわかったことは有咲が首に腕を回して口づけをしてきた。そのことだった
その時間は10秒あるかないかだろうが、かなり長い時間だと感じていた
「そ、それじゃあな!」
顔を真っ赤にしながら有咲は門をくぐり脱兎のごとく逃げてしまった
「なぁ、軍曹。俺、どうすればいいんだ?」
「にゃ(知るか、自分でなんとかしろ。とにかく寒いから抱えてくれ。帰りたい)」
「全く冷たいねぇ、体はあったかいのにさぁ」
「にゃー(余計なお世話だ。それよりお前は自分のことを考えておけ。明日会うんだろう?)」
「自分のことねぇ。うーん……」
有咲、彼女は全力で今の自分自身の気持ちに精一杯応えたのだろう。その気持ちは俺への恋。恋愛感情。それを俺は唇経由で受け取ったんだろう。だからこそ俺はしっかりと考えなきゃいけない。あれはもう告白と同意義と取って問題ないだろう。有咲への答えを出さなきゃならない。だけどわからない。恋とはなにか。恋愛感情。そのいろはを知らないうちに答えを出さないといけない。それは俺の心に明らかな乱れを生んでいた
『もしもし、有咲』
『おう、なんだ沙綾』
あの事以来顔は熱を持ち、心臓が強く脈打っている
『……どうだった?唇の味っていうのは』
『なっ……見てたのかよ沙綾!?』
『いやぁなんだか気になっちゃってね、今日のことがあったしさ…あ、絶対他のみんなには言わないよ。ごめんね、覗いちゃって。それじゃあおやすみ』
『ツーツー』
余計に心臓がきゅうと締めあげられる感覚がする。見られていたという恥ずかしさでベッドに飛び込んだ。そうしてなにも見ないでいるとさっきのことを思い出してしまう。私が好きな人、直人に勢いに任せたとはいえ確実に自分の意思でキスをした。そしてその行為を振り返るだけでどうしようもなくてあいつが離れなくて妙に力が入り息が荒くなっていた
結構疲れました…ここからまた動かしていかなきゃ…