タイトル通りの物語です。

 こちらの作品は、『小説家になろう』さんでも掲載しています。

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実の姉に姉もののエロ本が見つかった!

「弟君。これはどういうこと?」

「……いや、俺にもさっぱり」

 

 もうすっかり日付も変わった深夜に、俺は実の姉の湊により、彼女の前に強制的に正座させられている。無論、拒否権などない。

 その理由は、姉が手に持っている一冊の本だ。

 かなり際どい水着姿の女の子が、こちらに挑発的な目を向けている。

 その本のタイトルは『お姉ちゃんとの淫らな夜』。

 そう、俺は実の姉に姉もののエロ本が見つかったのだ。

 

「弟君。聞いてるの?」

「あ、はい……」

 

 姉さんはやや顔を赤らめながら、エロ本を俺の眼前に突き出してくる。恥ずかしいなら持たなきゃいいのに。

 しかし、恥ずかしさを何とか隠そうとしながら、姉さんは話を続けた。

 

「弟君。お年頃なんだから、こういうことに興味を持つのはわかるよ?でもね……い、いくら何でも……姉、なんて……私、今から弟君とどう接したらいいか……困っちゃうよ」

「ああ、姉さん。それ、俺が買ったやつじゃないんだよ」

「え?」

 

 そう。俺にも言い分はある。

 

「誰かが俺の鞄に入れてたんだよ。三日前に……」

 

 このエロ本は俺の鞄に勝手に入っていたのだ。

 三日前、学校から帰宅して鞄を開けると、あらビックリ……そこには見目麗しい姉もののエロ本が入っていましたとさ。びっくりするだろ?

 姉さんは俺の言葉を聞いて、ジトーッとした冷たい視線をさらに強めた。

 そして、呆れたように溜息を吐く。

 

「弟君……お姉ちゃんは哀しいよ。エッチな本を買うだけならまだしも、そんな見苦しい言い訳をするなんて……」

「いや、事実なんだよ。よく考えてくれよ。何で実の姉がいる俺が姉もののエロ本を買わなきゃいけないんだよ。普通に気持ち悪いだろ」

「……しくしく」

 

 俺の言葉に、姉さんが両手で顔を押さえ、あからさまな泣き真似を始めた。

 

「こ、今度はどうした?」

「弟君に気持ち悪いって言われた……哀しいよぅ……え~ん……」

 

 うわ、面倒くせぇ……。

 

「わ、わかった、悪かったよ……今度アイス買ってやるから……」

「ありがと♪えへへ」

 

 こいつ……まあ、100円程度で面倒が避けられるのなら、喜んで払おうじゃないか。

 

「まあ、あれだよ。気持ち悪いってのは謝るけど、本当に誰かが俺の鞄に入れてたんだよ。クラスの奴らに聞いても、誰も知らないって言うし……」

「そっか……じゃあ、弟君を信じる!だって私は『姉』だからね!弟君のあからさまに嘘みたいな言い訳も信じるよ!」

「ほっ……よかった……最後のはともかく……」

「でも、そうなると1つ疑問が湧くんだけど」

「何だよ」

「弟君……何で姉物のエッチな本を捨てずにずっと持ってたの?」

「っ!!」

 

 痛いところを突かれた。

 確かにその通りなのだ。

 さっさと捨ててしまえばそれでよかった。

 それだけでこのような事態は防げたはずなのだ。

 では何故捨てなかったか……。

 それは…………ぶっちゃけ、表紙の女の子がめっちゃタイプだったからだ。そりゃもう主戦力としてしばらく使えるレベルで。

 

「弟君、なんでなの?」

「いや、そりゃあ……タイプだったからだ」

「え!?わ、私が……タイプ?」

「いや、全然違くて。その表紙の女が……」

「弟君、今晩は長い長い家族会議になりそうだね……ふふふ」

「今のやりとりのどこに問題が!?」

 

 いや、姉もののエロ本所持していた時点で、色々とアウトかもしれないけど!で、でも買ったの俺じゃねえし!誰かが勝手に鞄の中に入れただけだし!

 

「まあ、とりあえず!これは返すから……弟君がお年頃なのはわかってるけど……ほどほどにね?」

「いや、これは姉さんが処分してくれた方が……」

「べ、別に処分する必要なんてないよ!弟君ならエッチな本の1冊や2冊……いや、本棚いっぱい持ってたって全然不思議じゃないよ!むしろ当たり前だよ!」

 

 俺の性欲が過大評価されているのか、または俺の慎ましさが過小評価されているのか、姉さんが訳のわからないことをほざいている。

 非オタの姉さんが俺の持ってるエロ本に興味津々なのかもしれない。

 

「じゃあ、俺もう寝ていいかな?」

「うん、夜遅くにごめんね?あ、で、でも、その本で私の裸を想像したらダメだからね!」

「いや、しないから」

「絶対だよ!弟君のバカ!」

「何でバカって言われた!?」

 

 本当にどうしたんだよ、この姉!さっきからやけに顔が赤いし!

 ま、まあ、確かに一瞬だけ変な妄想しかけたけど……一瞬だけだからな!なんかこの表紙の女も姉さんに似てる気がするし……垂れ目気味なとことか、泣きぼくろとか。

 いや、だからといって、実の姉で妄想などしない。しないったらしない。

 

「とりあえず、もういいだろ。ほら、行った行った!」

「はいはい。おやすみ~」

 

 ようやく姉さんを部屋から追い出し、ほっと一息吐く。

 この本はベッドの下、奥深くに封印してしまおう。そんで、二度とページを開かないようにしよう。

 …………いや、やっぱり月一回くらいならいい、かな?

 

 *******

 

 翌日……

 帰宅して鞄を開けた俺は、再び衝撃を受けた。

 

「……何でまたエロ本が入れられてんだよ……しかも、また姉もの……」

 

 一体何が目的なのか……俺が姉もののエロ本を読まないと困る奴でもいるというのか。

 まあ、エロ本代が節約できるから、いいけど……誰かに似ている気がするのは置いといて。

 今のところ、犯人捜しも面倒くさいし、別に損はしていない。

 ……とりあえず、机の引き出しの奥にでも入れとくか。

 

 *******

 

「ふふふ……あと10冊くらい入れれば弟君も……ふふふふ……」

 



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