東方遊戯王VRAINS -EYES DRAGONS' ROAR-   作:坂本コウヤ

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遅くなって済みませんでした!!

某本格スマホe-sportとか、スパクロとかファンキルとか、色々なスマホげーに嵌ってました。それと、モチベが少し低下してて、一時期小説を書いたりするのも億劫になってました。ごめんなさい。

相変わらずの牛歩ですが、投稿を再開して行きたいと思います。

あと、明日以降にまた別の小説を投稿したいなと考えています。ネタだけ色々浮かんでは書き溜めしてたものもありまして。遊戯王系ではないですが、楽しみにして頂けると幸いです。

それでは、どうぞ!!


・・・あっ、今回デュエルシーンは皆無です。ご了承ください。



第3話:眼龍使い、日常(非日常)に降り立つ

Side 鈴仙

 

「「ーーーぁぁぁぁぁぁぁあああああ‼」」

 

「痛っ!?」

 

「あでっ!?「グエッ?!」っ、あぁごめん。大丈夫、鈴仙?」

 

「・・・そう思うなら、さっさとどいて。いったたぁ・・・。っ、ここは?」

 

 

 長かったような、短かったような。そんなスキマ旅行を私達は終え、周りを確認したんだけど。

 

 

「・・・何つーか、真っ暗ね。何も見えないんだけど。」

 

 

 そう、天子(このバカ)のいう通り、現状の時間が昼なのか夜なのかわからないけど、そもそも光源となる『灯り』がない為、私達のいる場所は真っ暗で、目視では状況が把握できないのだ。まぁ、幸いこういう場所でも比較的目がいい私にとっては、まだマシな暗さなのが幸いかな。

落ちた場所は見回して見た感じ、どこかの部屋のようだった。となると、暗さの原因はおそらく窓が閉めきられてるか、そもそもないかのどちらかだと思う。まぁ、部屋である以上、灯りの一つか二つはあるはずだと思った私は、灯りをつけるためのスイッチを探すことにした。

 

 

「(とはいえ、この足元の覚束ない状況で天子に動き回られるのも面倒だし、ここは私だけで探した方が無難か。)・・・とりあえず、天子はそこでじっとしてて。ここが外の世界なんだったら、たぶん灯りをつけるためのスイッチがあるはず。」

 

「ん? あ~、そういえば鈴仙って、暗いところでも見えるんだっけ?」

 

「まぁね。といっても、レミリア達みたいな夜活動する妖怪達ほどじゃないけどね。」

 

「それでも見えるだけ、マシだと思うわよ。わかった、とりあえずじっとしてればいいのね。」

 

 

 天子はそういうと横に寝そべりかけて、「あっそういえば。」とまた話しかけてきた。

 

 

「鈴仙、アンタさっきスイッチがどうとかいってたけど、何で知ってんの?」

 

「あぁ、それは早苗のお陰よ。守矢神社のあの子の部屋って、外の世界では一般的な一人部屋と同じ構造らしくてね。前に色々教えてもらってたの。」

 

「あー、あの緑巫女と交友関係あったのね。意外ね。」

 

「人間との付き合いはあまり好きじゃないけど、あなたみたいに付き合う人を選り好みしたりしないし、交友関係はあなたより広いつもりよ。」

 

 

 と、そうこう話しているうちにスイッチを見つけた私は、それを押して灯りをつけた。すると、すぐに部屋の中が明るくなり、部屋の様子を詳細に把握出来るようになった。

 この部屋は広さはそこそこあり、中は白色の壁紙で統一されていた。床は木目調のタイルか何かで出来てるみたいで、扉が一つと大きい窓と小さい窓が一つずつあり、それに足長テーブル一つと、それを囲むように椅子が何故か4つあった。それと、広いスペースに大きめのソファーが一つと、それと向かい合うように、壁に大型のモニターがかけられていた。・・・窓の様子を見る限り、どうやら今は夜、それもさっきぐらいとなると深夜みたいね。

 天子も起き上がって周りを確認し終えると、口を開いた。

 

 

「ふーん。何か地味だけど、まぁいいんじゃない?」

 

「・・・その『地味』っていうのは、何と比較して?」

 

「えっ、私ん家だけど。」

 

「待って、比較対象がおかしいでしょ。だいたい、あんな家が庶民の家々の中にあったら、絶対悪目立ちするじゃない。」

 

「んー、まぁそれもそっか。」

 

 

 本当にわかってるのかしら、このバカは。姫様とは違う意味で世間知らずな所があるコイツと一緒に行動すると考えると、ちょっと憂鬱になるけど、今更言っても変わらないわね。

さて、いる場所は把握したけど、これからどうしようかと考えていると、テーブルの上に大きめの封筒が一つと、少し容量が大きめのデッキケースが置いてあるのを見つけた。おそらく、封筒の方に何かしらの連絡事項とかが書いてある手紙が入ってるんだろうけど、デッキケースの方は何かしら? まぁ、それも手紙を見たらわかるか。

バカがあちこちを見回してる間に、私は封筒の中を確認した。すると、大きめの手紙が入っていて、そこには丁寧な文字で文章が書かれていた。・・・この字、たぶん藍ね。紫の字は見たことないけど、まぁあの子が書いてるなら変な事は書いてないだろうから、安心して読めるか。

 

 

『この手紙を読んでるという事は、どうやら無事にこちらにこれたようだな。おそらく、この手紙を読んでるのは鈴仙だろうから、連絡に関しても手短に済ませるぞ。』

 

「いやまぁ、手短に済ませなくてもいいんだけど。」

 

 

手紙の書き出しに少しだけツッコミを入れる。私、そんなにせっかちなタイプじゃないんだけどなぁ。

 

 

『では最初に、そちらでのお前達の身分等を説明しておく。まず鈴仙だが、お前はハッカーとして基本、天子をサポートしてもらう。表に出る事は少ない故に、そちらでは少々窮屈な思いをさせるかもしれないが、あの不良天人では流石にハッキングなどの細かな作業は難しいだろうからな。それと、バックアップとしてこちらが用意した協力者「L」と合同で、情報の収集にもあたってもらう。これは今後お前達に必要な情報とは違って、ネット社会の裏で暗躍する「ハノイの騎士」と呼ばれる者達、及びその世界におけるデュエルが盛んなVR空間「LINK VRAINS」を構築、管理している「SOLテクノロジー社」の情報を集めるのが主な仕事だな。ただ、流石に1人では、広大かつ膨大すぎるネット世界から、必要な情報を探すのは苦労するだろう。「L」はその為の協力者と思ってくれればいい。』

 

 『ハノイの騎士』に『SOLテクノロジー社』・・・。なんか、素人に随分大きな事調べさせようとしてるけど、まぁあいつにハッキングなんて細かな作業やれないだろうし、これに関しては、私がやるしかなさそうね。そういえば、最近やけに姫様にプログラミング作業を手伝わされたけど、まさか、これを見越してた訳じゃない、よね?

・・・それと、協力者『L』、か。何者なんだろう。まぁ、ここまで手紙を読んだ感じだと、単なる協力者って事ぐらいしかわからないけど、まぁ読んでいけば連絡先ぐらいは出るかな。

 

 

『――次に天子だが、こちらは一般の学生として、「Den City」の高校に通ってもらう。』

 

「ブッ!?」

 

「ん、どうしたの?」

 

「い、いや・・・。何でもないわ。」

 

 

 ・・・ちょっと待って。私の見間違いかな? なんかあのバカを『学生』として学校、つまり幻想郷でいうところの慧音がやってる『寺子屋』に行かせるとか書いてあった気がするんだけど。・・・疲れてるのかな、私。と思って読み返してみたものの、どうやら見間違いではないらしい。

 まぁ、学校とやらに行かせる事自体は・・・、まぁ不安要素が無いとはいえないものの、とりあえず良いとしよう。ただ一つ疑問なのは、なぜ天子だけを行かせるのかという事だ。正直、服装とかを考えたら私でもいいはず。なのに、なぜそこに天子だけを行かせるんだろう。その答えはすぐ見つかった。

 

 

『疑問に思うだろうが、これは衣玖から、「彼女には、少しでも人との触れ合いを学んでほしい」という強い要望があってな。それを汲んでの人選だ。もちろん、最初は二人とも行かせるという選択肢もあったのだが、流石に協力者である「L」に情報収集の全てを任せるのもいかがなものかと紫様と判断した結果、鈴仙にはネットでの裏の情報収集を、天子には学校での人との触れ合いと表での情報収集と、役割を分担してもらう事になったんだ。まぁ、アイツがそれほど情報収集出来るかはどうかは・・・、少し心配だが。』

 

「アハハ、まぁ確かに・・・。」

 

 

 藍の書いた事に同意しつつ、私ではなく天子が学校に行く事になった理由に納得した。衣玖の過保護な性格はともかく、確かにアイツじゃ、そういった裏でコソコソやるのとかは合わないわね。やることなすことの大体ががさつだったり無茶苦茶だったりだし、何より本人の気質的にまずやりたがらないだろうから。というか、知らないヤツとの共同作業とか、プライバシーの欠片もないアイツじゃ、何をいうか分かったもんじゃないし。これは表の場合も同じだけど、まぁ流石に大丈夫だと信じたい。

 

その後、手紙を読み進めていくと、ネットや『LINK VRAINS』内でのアカバレの防止に関する事、ここの住所や部屋割り、あとは私の部屋にあるPCのパスと、そこにディスクのアップデートデータと、『L』の連絡用アドレスが保存されてるという事が書いてあった。そして、手紙の最後にはこう書かれていた。

 

 

『最後になるが、封筒の隣にケースが置いてあるだろう。それは八意永琳と衣玖が、お前達に渡してほしいと頼まれたものだ。中には、お前達に今後、役にたつものが入っている。上手く活用してくれ。・・・長い滞在になるかもしれないが、頼んだぞ。――八雲藍』

 

 

・・・なるほどね。このケースの中には、師匠と衣玖が私達宛に渡してきたカードが入ってるんだ。見た感じ、デッキひとつ分よりちょっと多めぐらいの量のカードが入ってるっぽいし、結構多いのかしら。まぁ、そこら辺は後で見てみればいっか。まぁともかく――

 

 

「――オッケー。頼まれたからには、やれるだけやりますか。」

 

「何をやんの?」

 

「って、うわぁ!? もう、急に後ろに立たないでよ・・・。心臓に悪いでしょ。」

 

「で、なに読んでたのよ? ん、手紙?」

 

「スルーかい・・・。」

 

 

いつから立ってたか分からないが、天子がいきなり話しかけてきたのに驚いてしまったが、本人はそんな事はどうでもいいとばかりにスルーして手紙に興味を示していた。まったく、これでは幸先がちょっと不安だけど、まぁ上手くやるしかないか。

 私は、手紙に興味を示して読んでは何かオーバーリアクションしてる天子を見て、期待半分不安半分な気持ちを抱きながら苦笑した。

 

 

Side 鈴仙 out

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

Side 天子

 

 

「・・・ったく、八雲紫の式神のヤツ! 好き勝手なこと書いてくれちゃって!! 衣玖も衣玖よ!! 自分の目が届かないからって、過保護かっつーの!!」

 

 

 鈴仙が読んでいた手紙を読み終えた私は、その内容に少し憤慨していた。確かに、私は鈴仙みたいに細かい作業とか、情報集めるだとかは、正直性に合わないし、得意でもない。だからといって、それを指摘されたり小馬鹿にされたら、流石の私も腹が立つ。その上、衣玖も衣玖で勝手に私の事決めてくれちゃってるし。あ~もう! これから色々自由にデュエルとかやるつもりだったのに、全部パーよ! パー!

 と、文句を隠さずソファーにドカッと座ると、冷戦から小言がとんできた。

 

 

「事実なんだからしょうがないでしょ? それに、これを期に私以外のライバル、見つけてみたら?」

 

「イヤよ! 私にとってのライバルは天上天下ただ一人、アンタだけよ鈴仙。」

 

「・・・ハァ~。別に、私に拘らなくったっていいじゃない。それに、にとりからの頼まれた事を達成するためにも、この世界のデュエリスト達とのデュエル、特に『LINK VRAINS』でのデュエルは必須よ。それぐらいは分かるでしょ?」

 

「それはそうだけど・・・。でも、私にとって、ライバルっていうのは唯一無二の存在なの。それを否定する事は鈴仙、アンタであっても許さないわよ!」

 

 

 そう、あの河童から頼まれた事を考えれば、私と鈴仙が内輪でずっとデュエルしてても進歩はない。この世界のデュエリスト、それも『LINK VRAINS』と呼ばれるVR(?)、仮想世界(?)とかいう場所でのデュエルは、データ集めという点から絶対必要になってくる。それは、考えるのが少し苦手な私でも分かる。

 だが、それでも私は、ライバルという存在をこっちで作るつもりは欠片もなかった。私にとって、ライバルと呼べる存在は天上天下ただ一人。鈴仙・優曇崋院・イナバだけだ。そこを譲るつもりはない。それを否定する事は、たとえ鈴仙であっても許せるものではないのだ。

 私が怒った顔で鈴仙をねめつけると、鈴仙は少しだけ目を伏せて視線を逸らした後、諦めたように溜息をついてから言葉を発した。

 

 

「・・・ハァ~。もう、分かった分かった。私以外のライバルを作れとは、もう言わないから。でもさ、せめて面白そうだなとか思うやつぐらいは見つけてみたら? 流石に私も、情報集めでいつでもあなたに構ってあげられる訳じゃないからさ。」

 

「ん~、まぁそれぐらいならいいか。でも、私や鈴仙を楽しませてくれるデュエリストなんて、そうそう見つかるのかしら?」

 

「そこはこの世界のデュエリスト達のレベルに期待するしかないわね。というか、あなたと普通に、真正面からやり合えるデュエリスト自体、かなり稀有な気もするけど。」

 

「アハハ、そこは違いないわね。なんて言ったって、私はあの伝説のモンスターたる『ブルーアイズ』達を華麗に使いこなすデュエリストよ。そんじょそこらの雑魚に負けてたら、それこそ面目が立たないわよ。まぁ、それは対となる『レッドアイズ』達を自在に操る鈴仙、アンタにも言えることだけど。」

 

「・・・まぁ確かに、生半なデッキやデュエリストレベルじゃ、私達を相手取るのは厳しいかもね。でもだからといって、油断も慢心もする気はないけどね。」

 

「当り前よ。常に驕る事なく、常勝不敗をこそ、私達とドラゴンの誉れってね。」

 

「・・・常勝不敗は流石に厳しいんじゃない?」

 

 

 私の言葉に、苦笑しながら鈴仙がそう返す。ま、まぁ確かに鈴仙は事実私に負けてるから、もうすでに常勝不敗ではない。かくいう私も、何度かデュエルで敗北を喫した事もある。完璧な常勝不敗、というのは、確かに不可能かもしれない。でも、その気概で常に挑む事こそが重要だと思うのだと言うと、

 

 

「まぁ確かに、間違ってはないわね。」

 

 

と、優しげな顔でそう返された。

 




 今回、比較的短めでしたが、いかがだったでしょうか? いつもみたいに長い方がいい、という方がいれば、コメントで教えて頂けると嬉しいです。

 最近はリアルの方も、就労移行支援施設の方に通っていて、時間がなかなかとれないのですが、なるべく月一投稿を目指したいなと思います。気長にお待ちください。それでは!!




次回予告


新たに降りたった、二人の龍使い。

その片割れが持つ力が今、LINK VRAINSにて解き放たれる!


天子「さぁ。私達の力、存分に見せつけてやりましょう!!」


次回、東方遊戯王VRAINS -EYES DRAGONS ROAR-

『青き眼の咆哮』


Into the VRAINS!!


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