デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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大変お待たせしました。
ゲームやら携帯停止の危機に瀕するなどで執筆疎かになってました、すみません。
携帯停止の方は乗り越えたので、執筆出来なくなる危機は回避出来ました。

では、バッドエンド回避ルートのスタートです


八話

【………澪真】

 

「なに?」

 

小首を傾げる澪真。

澪は、そんな彼女の頭を優しく撫でながら告げた。

 

【すまないが、一緒にいてあげることはできないんだ】

 

「え?母様は、忙しいの?」

 

【いや、忙しいというよりは、そうだな………正体を知られるわけにはいかないからね】

 

「―――っ、」

 

澪真がハッと気がつく。

自分が一緒にいたら、澪の正体を口にしてしまうことに。

母様、などと言ってしまったら、澪が精霊と繋がりがあることを悟られてしまうだろうから。

 

「………、」

 

しょんぼりする澪真。

せっかく巡り会えた、10年前の母親と一緒にいることができない寂しさで。

そんな彼女の頭の上にポンと手を置いた澪は、こう言った。

 

【―――だから、もう一人の私に甘えるといいよ】

 

「……………え?」

 

澪真は、澪のそんな発言に固まった。

もう一人の私?

 

「………母様、分裂してるの!?」

 

【分裂、か。まあ似たようなものだからそんな感じだね。わけあって、分けておく必要があったからね】

 

ポカンと口を開ける澪真に苦笑する澪。

澪真はハッと我に返ると、キラキラと瞳を輝かせて、

 

「もう一人の母様のことは、母様って呼んでいい!?」

 

【ああ。シンのことを既に父様と呼んでいるみたいだからね。もう一人の私のことは、母様と呼んでも大丈夫だよ】

 

「やったー!」

 

声に出して喜ぶ澪真。

まあ、士道にあらぬ誤解が生じるのは確定だが。

未来の娘があんなに嬉しそうにしてしまったら、やっぱなしとは言えない澪であった。

だが、守ってもらいたいことは一つだけあった。

 

【けれど、私の存在を仄めかすような発言はしてはいけないよ】

 

「母様が二人いることは、レマと母様だけの秘密?」

 

【それでは澪真の母親が二人いるみたいでややこしく思うけれど………そんな感じだね】

 

「うん!分かったんだよ!このことは、内緒、だね!」

 

【ああ。ちゃんと約束、守ってくれるね?】

 

「任せてほしいんだよ!」

 

胸に手を当てて笑顔で返す澪真。

不安はあるが、未来の娘の言葉を信じることにした澪だった。

気を取り直して、澪は澪真をそっと抱きしめた。

 

「………母様?」

 

【これから、もう一人の私の下へ送るんだよ。大丈夫、何も心配はいらないさ】

 

「………うん」

 

澪真は、澪の言葉を信じて身体を預けた。

澪は、【いい子だ】と言うと、彼女をもう一人の自分の下へ跳ばした。

 

 

 

 

 

がらりと景色が変わる。

そこは、さっきまでいた場所とはまるで違かった。

見覚えのない天井がある、ということは、ここは何かの中なのだろう。

澪は傍にはいない。

代わり―――

 

「………ん?」

 

眠たげな女性と、いつの間にか姿を消していた士道の姿があった。

 

「………君は………ああ、彼女が送ってきた―――」

 

「母様!!」

 

眠たげな女性の言葉を遮って、澪真が抱きついた。

眠たげな女性は、やや驚いたような顔をしたあと、澪真の頭を撫でながら訊いた。

 

「………少しは疑ったりしないのかね?」

 

すると、顔を上げた澪真が笑顔で答えた。

 

「胸ポケットから顔を出してるクマさんを見れば、母様だって分かるもん!」

 

「………!」

 

ハッと胸ポケットのクマを見る眠たげな女性。

傷だらけのそのクマを。

10年後も、まだ持ち歩いているのかと、苦笑する。

澪真は、そのクマをじーっと見つめて、残念そうに言ってきた。

 

「そのクマさんを母様におねだりしたことがあったけどね、駄目って言われて貰えなかったんだ」

 

「………ふむ………まあ、シンが私の為に取ってくれたものだからね。いくら自分の娘であっても、譲れなかったんだろう」

 

「そっかあ」

 

しょんぼりする澪真。

大事な人から貰った物は、そう簡単には譲れないようだ。

まあ、それはさておき、

 

「どうして父様が母様のところに?」

 

「………ああ、シンがここにいるわけは―――」

 

「……………はっ!」

 

眠たげな女性が説明する前に、気絶していた士道が目を覚ました。

そして、澪真を見て声を上げる。

 

「え?お前はあの時の………!?」

 

「お前じゃないんだよ。レマは澪真なんだよ、父様!」

 

「お、おう………悪い」

 

口を尖らせて怒る澪真に、頭をポリポリ掻いて謝る士道。

それから、澪真の隣にいる眠たげな女性を見て、

 

「えっと、そちらの方は?」

 

「レマの母様だよ!」

 

「―――――は?」

 

澪真の発言に固まる士道。

そんな彼に、澪真の頭を軽くポンポン叩いた眠たげな女性が言った。

 

「………ここで解析官をやっている、村雨令音だ。母親呼ばわりされているのは、そっくりだかららしい」

 

「またその口かよ!?」

 

紛らわしいったらありゃしない。

とはいえ、こういう偶然ってあるのだろうか。

澪真の父親のそっくりさんに加え。

澪真の母親のそっくりさんに、こんな短時間で遭遇するという偶然が。

偶然って、凄いな!と思った士道であった。

 

「―――ここ?」

 

村雨令音と名乗った眠たげな女性の言葉に引っ掛かりを覚えた士道は辺りを見回す。

簡素なパイプベッド。

周囲を取り囲む白いカーテン。

天井は………普通はないものがあった。

 

「ど、どこですか、ここ………」

 

「………ああ、<フラクシナス>の医務室だ。気絶していたので勝手に運ばせてもらったよ」

 

「<フラクシナス>………?ていうか気絶って………、あ―――」

 

澪真を見て思い出す。

謎の少女と折紙の戦闘に巻き込まれて、気を失っていたことを。

その時に、澪真とも会ったから。

 

「………澪真は、ここを知ってるか?」

 

「ううん。レマはも―――っ!?」

 

「………も?」

 

澪真は、もう一人の母様と言いかけて、言葉を飲み込んだ。

危うく約束を破るところだった。

澪真は頭を振って、言い直した。

 

「レマを攻撃してくる怖いお姉さん達から逃げてたら、いつの間にかここにいたの」

 

「………?」

 

「そこで母様と出会って、匿ってもらってたんだ」

 

「そ、そうか」

 

澪にここに送ってもらったことを言えない為、無茶苦茶な言い訳になってしまった。

それが原因か、士道は、澪真が真実を隠してることを察した。

が、今は彼女を問い質すよりも、優先すべきことがあったから後回しにすることにした。

士道は、令音に視線を向けて、

 

「………え、ええと、質問いいですか。ちょっとよく分からないことが多すぎて―――」

 

頭をくしゃくしゃしながら言った。

だが、令音はそれに応じず、無言で士道に背を向けた。

 

「あ―――ちょっと………」

 

「………ついてきたまえ。君に紹介したい人がいる。………気になることは色々あるだろうが、どうも私は説明下手でね。詳しい話はその人から聞くといい。………澪真も、おいで」

 

「はーい!」

 

澪真は元気よく返事して、令音と手を繋ぐ。

だが、急に士道に振り向いて、空いてる手をぱたつかせた。

 

「父様も、レマと手を繋いでほしいな!」

 

「は?」

 

「お願い父様!レマの左手が寂しがってるんだよ!」

 

「なんだよそれ!?」

 

謎発言する澪真に、士道が叫ぶ。

しかしまあ、手を繋ぐくらいならいいだろう。

構図が親子三人で仲良く手を繋いで歩く、ということになってしまうが。

苦笑しながら、士道が澪真の手を握ってやる。

すると、澪真が嬉しそうに笑った。

気のせいかもしれないが、令音も嬉しそうな顔をしていたように見えた。

こうして三人は、医務室を後にした。




③計画に協力してもらう

こちらの分岐点の執筆は、まだその時ではないので書きません。
こちらもバッドエンド回避ルートではありますが、②と結末が異なります。
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