デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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予想外の高評価に、驚きと感謝で胸がいっぱいです!
ありがとうございます!

今後とも、澪真をよろしくお願いいたします。

新巻出てるのに買えない…内容気になるのに(´・ω・`)


九話

「………連れてきたよ」

 

令音に連れてこられた場所は、澪真が見たことない光景が広がっていた。

まあ、10年後には<フラクシナス>は存在していないのだから当然と言えば当然だが。

士道は、船の艦橋を思い浮かべていた。

半楕円の形に床が広がり、その中心に艦長席らしき椅子があった。

左右両側になだらかな階段があり、それを下りた下段には複雑そうなコンソールを操作するクルー達が。

全体的に薄暗く、あちこちにあるモニタの光が強調されている。

 

「ご苦労様です………む?」

 

艦長席の横に立った金髪ウェーブの男が、軽く礼をすると―――澪真を不思議そうに見つめた。

まるで、澪真がここにいることに疑問を持ったかのような感じで。

 

「………?」

 

澪真は、初めて会うはずの彼の表情を不思議そうに見つめ返した。

が、すぐに金髪ウェーブの男はハッとして自己紹介を始めた。

 

「初めまして。私はここの副司令、神無月恭平と申します。以後お見知りおきを」

 

「は、はあ………」

 

士道は、頬を掻きながら小さく頭を下げる。

澪真も、倣って小さく頭を下げる。

 

「司令、村雨解析官が戻りました。それと―――招かれざる客もいます」

 

「………招かれざる客ですって?」

 

神無月の言葉に、司令と呼ばれた、艦長席に座っている少女の声が不可解そうに言うと、席ごとこちらを向いてきた。

 

「―――あら、本当ね。招かれざる客………その正体が精霊なのが驚きよ―――って、これは一体どういう状況なのかしら?」

 

令音と士道の間に澪真(精霊)がいて、更に仲良く手を繋いでいる。

その光景に、真紅の軍服を肩がけにした、赤髪ツインテールの少女が危うく口に咥えていたチュッパチャプスを落としかけた。

それだけ、この状況があり得ないことなのだろう。

赤髪ツインテールの少女を、澪真が小首を傾げながら見つめた。

令音が、コホンと咳払いをして現状を説明した。

 

「………澪真と手を繋いでいるのは、かくかくしかじかで」

 

「ふぅん、そういうことだったのね」

 

「いや、それじゃあ意味が伝わりませんよ令音さん!?お前も、絶対意味分かってねえだろ琴里!」

 

士道は、全く説明になってない令音と、てきとうに返事をした、琴里と呼ばれた赤髪ツインテールの少女にツッコミを入れた。

かくかくしかじかと言っているだけだから、本当に伝わっていたら超能力者か何かだろう。

そんなやり取りを聞いていた澪真が、士道を見上げて問いかけた。

 

「父様?あのお姉さんとは知り合いなの?」

 

「あ?………知り合いも何も琴里は―――」

 

『トウサマ!?』

 

士道の言葉を遮って、下段にいるクルー達が驚愕の声を上げた。

琴里も、口をポカーンと開けて、チュッパチャプスが床に落ち―――る前に、神無月が白い棒を掴むファインプレーをしてみせた。

そして、何事もなかったかのように、琴里の口の中にチュッパチャプスを収めた。

士道は、頭をボリボリと掻いて弁解した。

 

「あー………澪真が俺を父親呼ばわりするのは、そっくりらしいからだ。間違っても、令音さんとの娘ってわけじゃないからな!?」

 

が、余計な発言をしたためか、クルー達が士道と令音を交互に見比べてひそひそ話を始めた。

「道理で仲良く手を繋いでいたのか!」とか。

「まさか、村雨解析官との子だったなんて!」とか。

「つまり、あの子のカアサマが村雨解析官!?」とか。

最早聞こえているから、ひそひそ話ですらなかったが。

あらやだ、不潔という言葉が琴里の口から漏れていたのはきっと気のせいだろう………もしそうだったらとんだ誤解である。

ふと、士道は令音の顔色を窺う。

その令音が、嫌がるどころか、満更でもないような表情をしているような気がした。

 

「………父様?」

 

「うおっ!?」

 

唐突に、澪真のドアップ顔が士道の視界を埋めた。

これには流石の士道も、驚かずにはいられない。

わざわざ、爪先立ちに目一杯背伸びまでして士道の顔に、自分の顔を近づけさせている。

士道は、話が途中だったことを思い出して、澪真に琴里を紹介した。

 

「琴里は俺の妹なんだ。なんでこんなところにいて、司令とかいうのをやってるのかは知らないけどな」

 

「妹?」

 

「おう」

 

士道が頷くと、澪真は、琴里の顔をじーっと見つめた。

琴里は、相手が精霊だから警戒しつつ声を発した。

 

「何よ?」

 

「お姉さんは、父様の妹なの?」

 

「ええ、そうよ」

 

「じゃあ、レマにとってお姉さんは―――伯母様だね!」

 

「お、おばっ!?」

 

澪真が琴里を伯母さん扱いした。

それに、堪らず吹き出す士道。

まあ、自分の妹を、伯母さん扱いしたのだから吹き出さずにはいられないのだろう。

案の定琴里に、鋭い目つきで睨まれた。

琴里は、プルプルと腕を震わせると、ビシッと澪真を指差して叫んだ。

 

「だ・れ・が!伯母さんよ!?却下よ、却下ッ!」

 

「えー………」

 

「えー、じゃないわ!伯母さんなんて冗談じゃないッ!」

 

「………じゃあ、なんて呼べばいいの?」

 

澪真の問いに、琴里は顎に手を当ててしばし考えると、

 

「そうね………『姉様』なら別にいいわよ」

 

「………姉様?」

 

「ええ」

 

「分かったんだよ、姉様!」

 

「………!」

 

澪真は、素直に言うことを聞いた。

聞き分けのいい子で、琴里は胸を打たれた。

抱きしめて、頭をなでなでしてやりたい衝動に駆られたが、相手は精霊………なんとか思いとどまった。

澪真のことだから、士道を『父様』と。

令音を『母様』と呼んでいるのだから、琴里のことも『伯母様』で固定かと思ったが、そうはならなかったらしい。

そんな理不尽に、士道は項垂れるのだった。

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