デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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ゴールデンウィークなのに執筆全然してませんでした、すみません。

慌てて書いたのでおかしいところあるかもしれませんが、悪しからず。


十一話

翌日。

澪真が眠りから覚めて一番に―――

 

「………え?」

 

士道(父様)の愕然とした顔が視界に映った。

おかしい。

<フラクシナス>のベッドで。

令音(母様)の腕の中で眠ったはずなのに。

何故か、見知らぬベッドに移動していて。

士道がいるという状況である。

起きたてで眠い目を擦りながら、よく士道の顔を見つめて小首を傾げる澪真。

 

「………あれ?」

 

「あれ?じゃねえよ!なんでお前がここにいるんだよ!?」

 

「え?分からないよ………父様がレマを誘拐したんじゃないの?」

 

「なんでだよ!?」

 

あらぬ誤解に士道は叫ぶ。

もしやってたら、幼女誘拐は犯罪で士道は逮捕されるだろう。

澪真はうーんと唸って、ハッと可能性を思いつく。

 

「もしかしたら、眠った状態で天使の力を使っちゃったのかも」

 

「は?」

 

「こんな風に、ね」

 

澪真が左手を突き出し、

 

「<封解主(ミカエル)>―――【(ラータイブ)】」

 

そう言うと、突き出した左手の前方にブラックホールのような穴が出現した。

 

「うおっ!?なんだこれ!?」

 

「この孔を通って、<フラクシナス>から父様のところに来たんだと思うよ」

 

驚く士道に、可能性を説明する澪真。

とはいえ、寝ながら天使の力を無意識に発動するのはどうかと思うが。

それを聞いて、士道はハッと気が付く。

 

「ちょっと待て。つまり、セキュリティの意味ないってことだよな!?」

 

「うん!」

 

「うんって、おまえなあ………」

 

勘弁してくれ、と痛い頭を抱える士道。

澪真の前にセキュリティというものが、あってないようなものになるからそう思うのは仕方ない。

封印の天使なる<封解主(ミカエル)>の前に、セキュリティは紙同然だった。

ふと、士道は疑問に思った。

澪真が、天使の力を使ったと言っていたが、

 

「なあ、澪真」

 

「なに?」

 

「その穴が、天使ってやつなのか?」

 

そう。

黒髪ロングの少女が使っていた天使<鏖殺公(サンダルフォン)>みたいな、形を持ったもの。

それとはまるで違っていたから、士道は気になったのだ。

その疑問に、澪真は答えた。

 

「ううん。天使の力を使っただけだよ」

 

「え?」

 

「レマは天使を顕現させなくても、力を使えるんだよ。母様と父様の娘だからね」

 

「そ、そうか」

 

ぶっちゃけ、それが凄いことなのかは士道には理解出来ないが。

ふと、士道の頭の中に新たに疑問が生じる。

 

「なあ、澪真」

 

「なに?」

 

「あの時に現れたもう一人の精霊………あの子の天使だっけか?あれも使えるのか?」

 

たしか、【模倣(ヒクウィ)】とか言って、同じ天使を顕現させていたことを思い出す士道。

澪真は頷いて答える。

 

「うん。あ、でもね。あの優しいお姉さんの天使を十全に発揮することはできないんだ」

 

「………つまり、どういうことだ?」

 

「えっとね、レマの【模倣(ヒクウィ)】は、レマが見たもの以外の力までは真似できないってことなんだよ」

 

要するに、見たことない秘めた力までは使用できないということだ。

天使の形と目にした能力は完璧に模倣できるということではあるが。

 

「………そもそも、<鏖殺公(サンダルフォン)>はレマの中にない天使だからね。情報不足で完全とはいかないんだよ」

 

「いや、目で見た情報さえあれば真似できるって………相当ヤバい力なんだが!?」

 

目にしてしまえば真似できるのだ、驚かずにはいられないだろう。

痛い頭を抱えていた士道は、ハッと我に返って現状の危険性を思い出す。

澪真という幼い少女が、高校男子の士道と一緒のベッドにいる。

こんなところを万が一、妹の琴里に見られたら、誤解されて通報されかねないのだから。

 

「悪い澪真。そろそろ<フラクシナス>に帰ってくれないか?」

 

「………なんで?」

 

「いや、ほら、急に消えたお前を令音さん達が心配してるだろう?」

 

「あ、それもそうだね。早く戻らないと母様がレマを指名手配して探し始めちゃうかも」

 

「指名手配!?流石にそれはねえだろ!」

 

大体、指名手配って、澪真が犯罪者みたいではないか。

だが、澪真はジーッと士道の顔を見つめて帰る気配がない。

 

「………?まだ俺に用か?」

 

「うん。あのね、父様。帰る前に―――ギュッてしていい?」

 

「……………は?」

 

澪真の発言に、素っ頓狂な声を洩らす士道。

抱きしめてもいいかと、彼女は訊いてきたのだ。

一瞬、躊躇したが、相手は子供。

一応、深呼吸した後に、士道は承諾した。

 

「お、おう。いいぞ」

 

「わーい!ありがとう、父様!大好き!!」

 

とても嬉しそうな顔で、士道の胸に飛び込む澪真。

お前の父様じゃないけどな、と苦笑しながら澪真の頭を優しく撫でる士道。

気持ち良さそうに目を細める澪真。

と、そこに―――ガチャと、ドアを開ける音がして。

 

「………おにー………ちゃん!?」

 

「はっ!?」

 

士道は、声がする方に顔を向ける。

するとそこには、石化したように固まった琴里がいた。

最悪のタイミングで、琴里に見られてしまった。

別にいかがわしいことをしていたわけではないが。

士道は、弁解を試みる。

 

「ち、違うんだ琴里!これはだな、」

 

「……………」

 

士道の弁解を聞こうとしないのか、琴里は慣れた様子で白いリボンで結っていたツインテールを解き、どこから取り出したのか、いつの間にか手にしていた黒いリボンでツインテールに結い直す。

それから懐から携帯を取り出してピッポッパッと打ち込むと耳に当てて。

 

「もしもし、警察の方ですか?家に幼い少女を誘拐して、ベッドの上で抱いてる変質者が」

 

「―――――ッ、だから、これは誤解だあああああ!!!」

 

一難去らずにまた一難。

朝から苦労する羽目になる、士道。

そんな光景を、キョトンと眺める澪真だった。

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