デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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大体2000文字を目安に書いていきます。


十香デッドエンド
一話


4月10日、月曜日。

10年後の世界から遡行してきた、母親の霊力で作られた特注の純白ドレスを纏う、濃いめの銀髪ロングの幼い少女―――崇宮澪真は、

 

「……………?」

 

現在、キョトンとしていた。

それは何故か。

それは………何処の街中かは不明だが、人が一人もいないという状況に遭遇したからだ。

母親からは、人が沢山いて賑やかだと聞いていたから尚更だった。

 

「………?」

 

澪真が、この不可解な状況にキョトンとして、その場から動かないまま数分が経過していた。

すると不意に、静寂に満たされていた街中に、足音が聞こえてきた。

足音といっても、駆け足だろう。

誰かが、息を切らしながら、此方へ走ってくる。

 

「………え?」

 

澪真は、振り返ると同時に驚いたような声を発した。

それとほぼ同時に、走っていた青髪の少年が澪真に気が付く。

そして、

 

「―――は?な、なんで子供が外に出てるんだ!?」

 

焦ったような声を上げた青髪の少年が、澪真の下に駆け込む。

青髪の少年が丁度、澪真の眼前に迫ったその時―――

 

 

「―――あ、父様(とうさま)!」

 

 

澪真が唐突に、青髪の少年をそう呼んだ。

 

「……………は?」

 

青髪の少年は、見知らぬ幼い少女に父様呼ばわりされて、間の抜けた声を発した。

だが澪真は、そんなことはお構い無しに、青髪の少年の胸元に飛び込んだ。

 

「レマのことが心配で来てくれたの?ホント、父様は心配性だね」

 

「は、はぁ?おまえ、何言ってんだ?父様って、俺?」

 

「うん、そうだよ!父様は、父様だよ。レマの大好きな父様!」

 

「なんでだよ!?」

 

絶叫に近い声を上げる青髪の少年。

そして、張り付く澪真を引き剥がそうとするが、どういうわけか引き剥がせない。

子供の力に劣るはずがないのに。

なので仕方がないが、そのままの状態で澪真を説得することにした。

 

「あのなぁ………悪いが、俺はおまえとは、初対面だよ」

 

「え!?」

 

「いやこっちが、え!?、なんだが!?」

 

驚愕する澪真に、堪らず叫ぶ青髪の少年。

すると澪真が、まじまじと青髪の少年を見つめて言った。

 

「………本当にレマの父様じゃないの?」

 

「え?あ、ああ。残念だけど………人違いだ」

 

青髪の少年が返すと、澪真は残念そうに顔を俯かせた。

そんな彼女を、青髪の少年はちょっと気の毒に思った。

しかし本当に自分は彼女の父様ではないから、どうすることもできないが。

澪真は、青髪の少年から離れると、頭を下げて謝罪した。

 

「ごめんね。父様にそっくりだったから、勘違いしちゃって」

 

「お、おう。………って、おまえの父親とそっくりなの俺!?」

 

「うん!」

 

「マジかよ!?」

 

愕然とする青髪の少年。

そっくりなら、勘違いするのは無理もない。

というより、澪真の父親若すぎる気がした。

澪真は、驚く青髪の少年を不思議そうに見つめながら、ふと思い出したように訊いた。

 

「………父様は、なんで走ってたの?」

 

「だから俺はおまえの父様じゃ―――っ!?」

 

そこで、ハッとする青髪の少年。

どうやら、何か重大なことを思い出したらしい。

青髪の少年は、頭を掻き毟りながら呟いた。

 

「やべっ!早くあいつんとこに行かねえとだった………っ!」

 

「………あいつ?」

 

「あ、ああ。俺の妹だよ。おまえも、ここは危ねえから避難しとけ!」

 

青髪の少年は、そう言うや否やで澪真に背を向けて駆け出していった。

避難しろ、と促しておいたから大丈夫だろうと思ったからだろう。

澪真は、再びキョトンと固まって青髪の少年の遠ざかっていく背を見つめた。

だが次の瞬間―――青髪の少年が向かっていた方角、つまり澪真の視線の先の街並みが、眩い光に包まれた。

次いで、爆音と衝撃波が澪真達を襲った。

 

「んな………っ」

 

青髪の少年は腕で顔を覆って、その場に留まろうとしていたみたいだが、凄まじい風圧に負け、バランスを崩して澪真のいる方に転がった。

 

「父様!?」

 

驚愕の声を上げて、澪真が青髪の少年の下に駆け寄り、心配そうな顔で彼を見つめた。

青髪の少年は、そんな澪真を右手で制して、

 

「お、俺なら平気だ………」

 

目を擦りながらそう言い、上体を起こした。

澪真の父様呼ばわりは、もうつっこむのも面倒になったらしい。

 

「―――――は?」

 

「……………え?」

 

青髪の少年と澪真の間の抜けた声が重なった。

無理もないことだろう。

さっきまであった街並みが、消失したのを見れば。

 

「な、なんだよ、なんだってんだよ、これは………ッ」

 

「……………っ」

 

青髪の少年は、呆然と呟き。

澪真は、息を呑んだ。

街の風景が、浅い擂り鉢状に削り取られていたのを見て。

そして、クレーターのようになった街の一角の中心に、何やら金属の塊のようなものがあった。

 

「なんだ………?」

 

「………?」

 

二人は、玉座のようなものを見つけた。

更に、その玉座の肘掛けに足を掛けるようにして立っていた、不思議なドレスを纏う黒髪ロングの少女を見つけた。




次回予告

「―――父様には、当たらない」

「………え?」

「貴様、何をした?」

「お姉さん。レマの―――友達になってくれる?」

なお、変更の可能性ありです。
悪しからず。
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