一方、私の物語進行度遅すぎ…十香編に戻るまであと何話あるのやら( ̄▽ ̄;)
紗和の中に入っていった未来の狂三。
そして澪真が目を覚まし。
「――あれ?……これはどういう状況かな?」
紗和に抱き締められた状況に困惑していた。
それに気が付いた紗和は、澪真を解放する。
澪真は自分の胸に手を当てて、一人頷く。
「……うん。レマと一緒に付いてきたクルミは、無事にサワの中に行ったみたいだね」
「そうだね。狂三さんなら、私のここにいる」
紗和は微笑し、自分の胸に手を置く。
そう。
未来の狂三さんは、私の中にいる。
再会しても、最初は疑われちゃうだろうなぁ。
何せ、自分の殺したはずの相手が、同じ力を持って目の前に現れるのだから。
疑り深い狂三さんを説得するのは、大変かもしれない。
それでも、前に進まないと、何も始まらない。
最初の一歩を踏み出さないとだね。
澪真はそれを聞いて嬉しそうに微笑み、頷く。
「それが分かれば大丈夫なんだよ。クルミの事、よろしくお願いします」
「貴女に言われなくても。……それで、これからどうするのかな?」
「まずは、レマが
「……起こしたその刹那に襲われたりして」
「ありえる話だね。まあでも、レマは
「……それは、どういう意味なのかな?」
「そのままの意味だよ」
「……ふうん?」
澪真の不可解な発言に、眉を顰める紗和。
殺されたところで死なない。
それはまるで――
そう言えば澪真さんは、こんな事言ってたっけ。
『一回くらい殺されてもいい』と。
本当に彼女は、不死……なのだろうか?
いや、
そう私は自分に言って聞かせることにした。
それから二人は玉座の間を出て、壁に凭れかけさせてる三人の少女達の前に澪真が立ち。
「〈
封印の天使〈
「「「――!?」」」
そして三人の少女達が一斉に目を覚まし、眼前にいる澪真を視界に収め。
「「「……死ねッ!!」」」
復活からの殺意剥き出しで各々の無銘天使を顕現させて、澪真を殺そうとする。
しかし、その刃が澪真を傷付けることは無かった。
そもそも無銘天使では、澪真を傷付ける事すら出来ないのだから。
舌打ちして三人の少女達は澪真から距離を取る。
それから、紗和を視界に収めて彼女に駆け寄った。
「女王様!ご無事ですか!?」
「あの女に何かされませんでしたか!?」
「女王様の命令とあれば、あの女と刺し違えてでも殺します!!」
それに紗和が首を横に振って言う。
「ああ、澪真さんを殺す必要はないよ。貴女達も、私の事は女王様ではなく紗和と名前で呼んでいいから」
「「「えぇ!?」」」
驚く三人の少女達。
見た目も変わってるし、何よりも刺々しさが無くなっている。
自分達が無力化された後、一体何があったというのだろうか?
我らが
とはいえ、警戒を怠ってはならない。
油断して寝首を掻かれては元も子もないのだから。
紗和を取り巻く三人の少女達に睨まれながら、澪真は苦笑して歩き始めた。
澪真の目的は果たせた。
後は紗和達を連れて、外で待ってもらっている響達と合流し、
そう思いながら、屋敷の玄関の扉を開けて。
「………………え?」
鼻につく血腥い臭いが鼻腔を通り抜け、顔を顰める澪真。
嫌な、予感がした。
まさか。
まさかまさかまさかまさかまさか!
駆け出す澪真。
その彼女の背を慌てて追いかける紗和と三人の少女達。
澪真が辿り着き、目にしたその光景はあまりにも凄惨なものだった。
辺り一面に広がるは――血の海。
この夥しい量の血を見るに、沢山の準精霊の物だろう。
亡骸は、既に無い。
核である
そしてその中心に居るのは蓮と、蓮に胸を貫かれた響の姿があった。
「………………ぁ、」
澪真の瞳から色が消えていく。
友達が、響の命が、消えようとしている。
他ならぬ、友達の蓮の手によって。
蓮はそんな澪真に気付き、邪悪な笑みを向けてきた。
「おや?ようやく来たようだね。まあ尤も――来るのが遅すぎたようだがね」
「……ぁ、澪……真、さ……ん……」
消え入る響の小さな声。
蓮は響の中にある
それだけで、消えかかっていた響の命が摘み取られる。
核を失った響は、跡形もなく消滅してしまった。
そんな絶望的な状況を目にして、澪真が冷静で居られるはずがない。
「あ、あ、ああああああああぁぁぁ――――――ッ!!!」
澪真は膝を折り、絶叫。
瞳から光が無くなっていき、濃い銀髪が闇色に染まり、全身から禍々しい霊力が溢れ出していく。
それは絶望の顕現の予兆だった。
澪真の反転。
この隣界の終わりを告げる最悪の顕現であった。
それを見て、蓮は満足気に嗤う。
「はは……あはははははははは!なんて脆い!なんて儚い心かね、貴女は!だがこれで、自分の悪役としての使命を果たせる。そのまま絶望に呑まれてくれたまえ、澪真」
蓮は絶望に呑まれていく澪真を眺めるだけで、隙を突いて殺すつもりはないらしい。
そんな彼女を見て、紗和と三人の少女達が戦慄する。
この女は――危険だ。
そう思った瞬間、紗和に直接話しかける者がいた。
『――さん!紗和さん!聞こえていましたら返事をしてくださいまし!』
「……!狂三さん!?」
未来の狂三。
影と時間の天使〈
狂三はホッと安堵して続けた。
『紗和さん。落ち着いて聞いてくださいまし。澪真さんの反転は、非常に不味いですわ。早く止めねば、この隣界はお終いですの』
「……澪真さんの反転が、隣界を滅ぼすんですか?」
『ええ、ええ、その通りですわ。このままでは、未来と同じ結末を迎える事になります。それを止められるのは、紗和さんしかおりません』
「……わ、私?」
『そうですわ。紗和さんの力があれば、わたくしの天使〈
「……!」
〈
時間を巻き戻す力を有する影の弾丸。
それを使えば、澪真さんが反転する前の時間に巻き戻せるということだね。
紗和は頷いて、天使を顕現させようとするが。
「――おや?何を企んでいるんだい?」
「……!?」
いつの間にか眼前に立っていた蓮に驚き、慌てて跳び退く紗和。
蓮はそれを追わずに、されど忠告した。
「澪真の反転を邪魔するなら、貴女達にも容赦しないけれど……どうするつもりかな?」
「………………ッ」
紗和は舌打ちする。
狂三さんとの企みを、目の前の精霊が警戒している。
下手に動けば、すぐにでも私の命さえ摘み取られるかもしれない。
どうすればいい?
強引にでも目の前の精霊をどかして【
いいや駄目、未知の精霊に挑むのは下策にして無謀。
上手く隙を突いてやらなければ、失敗に終わる未来しか見えない。
………………未来?
〈
これを使えば、目の前の精霊の行動を未来視して、活路が開けるかもしれない!
だが天使を顕現させてくれる隙すら無いこの状況をまずどうにかしないとどうにも――
「時間稼ぎならば、我々の出番ですね!」
「……え?」
「紗和様!あの悪しき女の足止めを致します!」
「……いや、待って!」
「どうか、我々の分まで、生きてください!」
「……だ、駄目!」
紗和の制止を聞かずに、三人の少女達が無銘天使を携えて蓮に挑む。
ルークの大鎌が、ビショップの
だが、三人の少女達の全力は、蓮にはまるで通用しなかった。
蓮はつまらなそうに溜め息を吐き、言う。
「やれやれ。この程度の力で自分をどうにか出来ると思われているとは……舐められたものだね」
そう言って蓮は、まずビショップの胸を貫き、
「紗和……さ、ま……」
「ビショップ!?」
紗和の悲痛な声虚しく、核を失ったビショップが消滅する。
紗和が空間の魔王〈
その一人がビショップだが、今の紗和にとって彼女の死は胸が痛んだ。
だけれど、悲しんでいる暇はない。
この
「おいで――〈
紗和の影から、巨大な時計盤が出現する。
それを見た蓮が、紗和を止めるべく動く。
「――させるかッ!」
そんな蓮の前に、長剣を構えて立ちはだかるナイト。
「邪魔だよ」
蓮は、長剣を砕き、ナイトの胸を貫いて
「……お役に、立てら……れた……」
「ナイト!?」
今度は核を失ったナイトが消滅する。
また一人失って、紗和の胸がズキリと痛む。
けれど、止まるわけにはいかない。
時計盤のⅤの文字に長銃を向けて、影を吸い上げ装填する。
蓮は、ナイトを片付けると一直線に駆け紗和の胸を貫こうとするが。
「――甘いぞ女ッ!」
その間に割って入ったルークが、大鎌で蓮の鋭い突きを受け止め――
「無駄だよ」
――切れずに大鎌が砕け散り、胸を貫かれた。
そして蓮はルークの
「……ご武……運、を……」
「ルーク!?」
最後に核を失ったルークが消滅する。
これで副産物の彼女達を全員失ってしまった。
紗和は彼女達の死を前に胸を痛める中、時計盤のIVの文字に短銃を向けて、影を吸い上げ装填する。
これで準備は整った。
蓮はルークを片付け、紗和に突貫する。
紗和は長銃を自分のこめかみに当てて言う。
「……貴女達の死は、無駄にしない!」
そして長銃の引き金を引いて。
「〈
撃つ。
これで蓮の動きを先読みし、蓮の鋭い突きを紙一重に回避した。
「……なに?」
蓮は眉を顰める。
この突きは神速で打ち出している為、未来視でもしない限り回避は不可能。
それを避けたという事は、未来視の類いを使ったのだろう。
紗和は、間髪入れずに澪真に向かって短銃の引き金を引いて。
「【
撃つ。
音速で飛来する影の弾丸は、確実に反転しかけた澪真を穿つ。
時間が、巻き戻る。
澪真が反転する前の、状態に。
笑う紗和。
笑って。
「――よくも自分の計画を台無しにしてくれたね」
怒りの籠った声を発した蓮に、紗和の胸が貫かれた。
「か、は……!」
蓮が紗和の
「――〈
蓮の胸を〈
「ガッ……!」
蓮は自分を貫いた『根』に触れ、振り返る。
そこにいたのは――悲しみに満ちた表情の澪真が立っていた。
他の精霊の力を奪ってない蓮の戦闘描写が思い浮かばなかったので徒手空拳になってしまった(:3_ヽ)_コテッ!
次回 響リスタート 後編
「はは、このまま自分を殺すのかな?」
「殺さないよ。母様がそうしなかったように、レマも貴女を殺さない」
「さあ、やり直そう――〈
「お帰りなんだよ、ヒビキ。突然だけど今日から貴女は――レマの分身です」
「………………はい!?」