デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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10日も開けてしまいすみません。

なんとか、あとがきで書いた言葉を捩じ込めた(笑)


二話

「あの子―――なんであんなところに」

 

「………?」

 

青髪の少年の呟きに、澪真は小首を傾げる。

すると、黒髪ロングの少女が、こちらを見てきた。

 

「ん………?」

 

「あのお姉さん、こっち見たね」

 

「え?やっぱり、俺達に気づいたのか?」

 

「うん」

 

青髪の少年には遠すぎてよく分からないが、澪真は分かるようだ。

視力がとてもいいのかもしれない。

二人がそんな話をしていると、黒髪ロングの少女が玉座の背凭れから生えた柄らしきものを握り、引き抜いた。

それは、不思議な輝きを放つ、巨大な両刃剣だった。

そしてそれを振りかぶり―――

 

「い………ッ!?」

 

「………!?」

 

黒髪ロングの少女が、二人に向かって剣を横薙ぎに振り抜いた。

こちらに届くはずのない斬撃は、刃の軌跡となって一直線に飛んでくる。

 

 

「―――父様には、()()()()()

 

 

だから澪真は、母親の力を使って、条理を()()()()()

 

「………え?」

 

「何?」

 

青髪の少年が間の抜けた声を洩らす。

黒髪ロングの少女も、不可解そうに眉を顰めた。

そうなるのは無理もない。

唐突に、斬撃の軌跡が虚空に溶け消えたのを見れば。

 

「………な、一体何が起きたってんだ………?」

 

「うん、それはね―――」

 

青髪の少年の呟きに、澪真が応えようとしたその時。

 

「貴様、何をした?」

 

一瞬でクレーターからこちらに移動してきた黒髪ロングの少女が、問うてきた。

 

「―――ッ!?」

 

その瞬間移動のような現れ方に、驚愕に表情を歪める青髪の少年。

澪真も一瞬だけ驚きの表情を見せたが、すぐに表情を戻して答えた。

 

「母様の力を使ったの。お姉さんが父様に攻撃しても、絶対に当たらないように、ルールを敷いたんだよ」

 

「な………ッ!?」

 

「………!?」

 

驚愕する青髪の少年と黒髪ロングの少女。

それは、あまりにもデタラメな力だった。

澪真の母親もそうだが、自分の思い通りにルールを決められるなんて、反則にも程がある。

 

「………ん?その男は、貴様の………トウサマとかいうものなのか?」

 

「うん!澪真の父様だよ!」

 

「いや、違うって言ったよな!?」

 

澪真の嘘に、青髪の少年が恐怖を忘れて叫んだ。

 

「………?」

 

「そうだっけ?、みたいに首傾げてんじゃねえ!」

 

「………?……………??」

 

二人のやり取りを他所に、黒髪ロングの少女が、トウサマとはなんなのだ?という風に首を傾げていた。

だがすぐに首を振って澪真に鋭い視線を向けると、

 

「まあ、いい。その男を殺せなくとも―――貴様は殺せるだろう?」

 

「―――ッ!!?」

 

ハッと気がつく青髪の少年。

そして、キョトンとしている澪真目掛けて剣を躊躇なく振り下ろす黒髪ロングの少女の前に躍り出た。

 

「ちょっと待った―――ッ!!」

 

「ぬ?」

 

本当なら青髪の少年は、澪真ごと真っ二つにされていたのだが、ルールにより当たることはなかった。

見えない壁が、乱入してきた青髪の少年を切り裂こうとした黒髪ロングの少女の剣を受け止めたことによって。

そして、本当に自分に当たらないことを確認した青髪の少年は目を見開いて驚いた。

 

「………父様?」

 

咄嗟に庇ってくれた青髪の少年の背を、目を瞬かせて見つめる澪真。

黒髪ロングの少女は、澪真を庇った青髪の少年を鋭い視線で睨んだ。

 

「貴様、何故邪魔をする?」

 

「何故って、この子を殺そうとしたからだろうがっ!」

 

叫ぶ青髪の少年。

すると澪真が、青髪の少年の横に移動して、黒髪ロングの少女に訊いた。

 

「………どうしてお姉さんは、レマたちを殺そうとするの?」

 

「………!」

 

それは青髪の少年も知りたかったことだった。

その問いに、黒髪ロングの少女は物憂げな表情を作り答えた。

 

「―――だってお前達も、私を殺しに来たんだろう?」

 

「は―――――?」

 

「え………?」

 

予想外の答えに、青髪の少年と澪真はポカンと口を開けた。

 

「………っ、そんなわけ、ないだろ」

 

「―――――何?」

 

「うん。レマも父様も、お姉さんを殺したりなんかしないんだよ」

 

「……………」

 

二人の返答に、黒髪ロングの少女は驚きと疑いと困った感情の混じった瞳で、二人を見た。

不意に、澪真が思い出したように呟いた。

 

「―――あ、レマは友達を作りにここにきたんだった」

 

「え?」

 

「ぬ?」

 

澪真の発言を聞いて、青髪の少年と黒髪ロングの少女が疑問符を頭上に浮かばせた。

この状況で呟く言葉ではない。

澪真はそんなことはお構いなしに、いい案が思い付いたように笑って頷き、黒髪ロングの少女に言った。

 

「お姉さん。レマの―――友達になってくれる?」

 

突然の友達になろう発言。

流石に青髪の少年は、自由過ぎる澪真に唖然とせざるを得なかった。

一方、黒髪ロングの少女は首を傾げたあと、

 

「すまない」

 

「………そっか。ごめんね、いきなり友達になっては図々しいよね」

 

悲しそうに俯く澪真。

しかし、黒髪ロングの少女は続けて言った。

 

「―――トモダチというのは、なんだ?」

 

「へ?」

 

「まさかのそっち!?」

 

ただの無知なだけだった。

友達という言葉の意味が分からないという。

青髪の少年は予想外の返答に驚き。

澪真は断られたわけではないことを知って安堵した。

 

「レマも友達作ったことないけど、友達っていうのはね―――」

 

しかしその続きを述べることはできなかった。

空に奇妙な格好をした人間達による奇襲によって遮られた。




次回予告

「こんなものは無駄と、何故学習しない」

「【模倣(ヒクウィ)】―――<鏖殺公(サンダルフォン)>」

『なっ!?』

「空飛ぶお姉さん方、乱暴は駄目なんだよ」
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