デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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六話

「お姉さん?どこ?」

 

呆然と立ち尽くす澪真。

突如姿を消した黒髪ロングの少女に。

驚きと不安を滲ませながら。

 

「―――は消失(ロスト)したか」

 

「けどもう一体の精霊はいるわ!気を抜くんじゃないわよ!」

 

「………?」

 

不意に空飛ぶ人間達の会話が澪真の耳に聞こえてきた。

消失(ロスト)

澪真は初めて聞く言葉に小首を傾げた。

分からないなら、聞けばいい。

そう思った澪真は、空飛ぶ人間達の下へ高速飛行して問いかけた。

 

「お姉さんたち、ロストって何?」

 

『―――ッ!?』

 

唐突に眼前に現れた澪真に驚愕する空飛ぶ人間達。

その中の一人が、隊長らしき人が不可解そうに眉を顰めながら言ってきた。

 

「何?貴様は、消失(ロスト)しないのか?」

 

「………?」

 

「貴様ら精霊が隣界に帰ることを、私達は消失(ロスト)と呼んでいる。急にプリンセスが消えたのはそういうことよ」

 

「りんかいって?プリンセス?…さっきのお姉さんの名前なの?」

 

新しく飛び出した言葉に疑問符を沢山頭の上に浮かべる澪真。

隊長らしき人が困った顔をして―――ハッと思い返す。

目の前にいるのは子供だが、人間ではない。精霊だ。

暢気に説明している場合ではなかった。

銃口を澪真に突きつけながら告げる。

 

「まあ貴様が知る必要はないわ!今ここで、私達に消されるのだから!」

 

「―――!?」

 

隊長らしき人の言葉と共に、他の空飛ぶ人間達が一斉に銃口を澪真に向けてきた。

澪真は驚き、慌ててその場から飛び退く。

さっきまで澪真がいたところに無数の銃弾が通過していった。

だがこれで終わりではなかった。

澪真はハッとして横に飛ぶ。

その数瞬には、背後から奇襲した折紙の光剣が奔った。

 

「危ないんだよ!………え?それともレマと遊んでほしいのかな?」

 

『………は?』

 

澪真の謎発言に一瞬固まる折紙達。

こちらは殺しにきているというのに。

遊んでほしいのかと、どう勘違いすれば行き着くのか。

だが隊長らしき人が何かいい案を思いついたようにニヤリと笑った。

 

「そんなに遊んでほしいなら、遊んであげてもいいわよ」

 

『え!?』

 

「いいの!?」

 

「鬼ごっこでもどう?私達が鬼で、あんたが逃げる」

 

「鬼が多くないかな?…でも、お姉さんたちがレマと遊んでくれるならいいかな!」

 

子供みたいに(子供だが)無邪気な笑顔を見せる澪真。

隊長は何を考えてるのかさっぱり、という調子で折紙達が見ていると、隊長の人が頷いてこう告げた。

 

「あ、ちなみに、私達に捕まった場合あんたは―――殺されるから」

 

「………え?」

 

「逃亡か、死か、選びなさい。もちろん、私達はあんたを殺すつもりで追いかけるから、精々逃げることね」

 

「―――っ!」

 

無邪気な笑顔から一転、恐怖の表情に変わる澪真。

そりゃそうだ。

これはただの鬼ごっこではない。

捕まったら殺される―――デスゲームなのだから。

相手が子供の精霊だからこんな提案が出来るのだろうが、ドSな隊長だと、空飛ぶ人間達は思った。

ただ一人、折紙だけは、隊長が使命を放棄して遊びに走らなくてよかったと安堵していた。

 

「痛いのは、勘弁なんだよ!」

 

隊長達に背を向けて、泣きながら逃亡を開始する澪真。

それを、

 

『逃がすかッ!!』

 

怖い怖い顔で追いかける隊長達。

そして、銃口を澪真に向けて、容赦なく撃ってきた。

 

「へ?―――わっ!?」

 

慌てて回避する澪真。

それから隊長達に振り返って怒った。

 

「それは反則なんだよ!」

 

「あら?この鬼ごっこに禁止行為なんてないわよ?」

 

「え!?」

 

「銃を撃ちながら追いかけちゃ駄目なんて、そんなルールはないわ」

 

滅茶苦茶である。

鬼ごっこに銃を持ち込むとか。

相手が精霊じゃなかったら、即詰みのデスゲームだった。

それならこっちだって、と澪真がバッと両手を広げた。

 

「―――<輪廻楽園(アイン・ソフ)>」

 

澪真がそう言った瞬間、彼女の周囲の空間がぐにゃりと歪み、そこから幾本の【根】が出現した。

 

『―――ッ!?』

 

攻撃が来る。

そう思って隊長達が飛び退くが、その【根】が襲ってくることはなかった。

理由は単純。

澪真が【根】を出現させたわけは攻撃ではなく―――自分の姿をくらます為だった。

そう、【根】を利用して隊長達から逃げる為に。

その意図に気がつく隊長の人だったが、時既に遅かった。

澪真の姿を見失ってしまった。

 

「く、してやられたわ」

 

「まだそう遠くには行ってないはず。探せば見つかる」

 

折紙の言葉に隊長の人は頷き、

 

「相手は消失(ロスト)しない精霊。見つけ次第捕らえて始末するわよ!」

 

『ハッ!』

 

折紙達は、澪真を探しに空を駆ける。

見失おうと関係ない。

相手は精霊。

生かしておいては碌なことがないのだから。

 

 

 

 

 

一方、逃亡に成功した澪真は、不思議な存在に遭遇していた。

 

【やあ。君かな?私の力を使う不思議な精霊は?】

 

それは、容姿がモザイクのようなもので隠され、性別すら不明な声で、澪真に声をかけていた。




次回予告

選択肢次第でエンディング発生。

①怪しすぎるから隣界に幽閉する。

②もう一人の私に預けて様子を見る。

③計画に協力してもらう。

選択肢次第でバッドエンドルート、ノーマルエンドルート、ハッピーエンドルートの三つがあります。
モザイク少女になって選んでみてくださいな!
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