デート・ア・ライブ 未来からの来訪者   作:問題児愛

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①を選択した場合です。

なお、このSSに未登場の原作キャラは出ませんので悪しからず。


BADEND ずっと、一緒………だよ?

【………澪真】

 

「なに?」

 

澪真は笑顔で見つめてくる。

対照的に、澪は哀しげな表情を見せると、澪真の頭に手を翳した。

 

【―――すまない】

 

「………え?」

 

瞬間、澪真は意識が遠のいたような感覚に襲われた。

 

「………?」

 

次第に意識が薄れてゆく。

一体澪が何をしたのか分からない。

そのまま眠ってしまう気がした。

でも、このまま澪の腕の中で眠るのも悪くない、と思ったその時。

 

【私は君の言葉を信じられないよ】

 

「………っ!?」

 

【だから君は、私の悲願が成就するまで、眠っていてくれ】

 

「―――母っ、様………っ、」

 

澪の聞きたくなかった言葉に、澪真は絶望した。

信じられない、と。

澪は、澪真の言葉を受け入れなかった。

澪真は涙で視界を滲ませたのち、深い眠りについた。

 

【………っ、】

 

澪は、涙を流しながら眠りについた澪真を、申し訳なさそうに見つめたのち、彼女を隣界へと跳ばした。

本当は信じてあげたかった。

でも、不確かな存在を信じて、自分の計画に狂いが生じてしまうのを恐れた澪は、澪真を隣界に幽閉するという最低なやり方に出てしまった。

 

【本当に、すまない―――澪真】

 

最後に虚空へと消えた澪真に、謝罪の言葉を述べた澪も、虚空へと溶け消えた。

澪のこの選択が、最悪の事態を招くことになるとは、この時は思いもしなかった。

 

 

 

 

 

澪真が隣界に眠らされてから数日が経ったある日。

五河士道がとある目的で■■とデートをしていた。

弱気な発言をする■■に、士道は言った。

 

「―――お前を肯定するッ!」

 

握れ、と■■に手を伸ばす士道。

その手を取ろうと■■は手を伸ばして―――

 

 

ビシッ

 

 

世界に、亀裂が走った。

 

 

『………え?』

 

士道が、■■が。

■■を撃ち殺そうとする折紙と他の空飛ぶ人間達も。

その音に驚いて、空を仰いだ。

 

 

ビシビシビシッ

 

 

更に亀裂が走る。

そして―――ガラスの割れるような音が響き渡ると、虚空に謎の空間が現れ、そこから深淵が覗いた。

 

「………なんだ、あれ!?」

 

士道が叫ぶ。

空間震とはまるで違う、初めての現象。

そして、その深淵から悍ましい気配を感じた。

と、深淵から、真っ黒い【枝】が出現した。

その上には、誰かが乗っているような気がした。

 

「あれは………澪真、なのか!?」

 

「何!?それは本当か、シドー!」

 

その誰かが、澪真のような気がしたのだ。

あの時の銀髪は、闇色に染まり切っており。

希望に満ちていたその瞳は、真逆の絶望し切った瞳に変わっていた。

更には見覚えのない、真っ黒い【枝】と【根】が深淵から次々と現れては世界に広がっていく。

と、不意に澪真と目が合った。

 

「………ッ、澪真!俺だッ!!分かるか!?」

 

「……………」

 

返事はない。

代わりに―――真っ黒い【枝】が士道達に襲いかかった。

 

「―――ッ、■■ッ!!」

 

士道は叫び、■■を突き飛ばす。

霊装を纏わない■■の体は、容易く後ろに転がる。

その数瞬後、士道の胸を、真っ黒い【枝】が貫いた。

 

「……………あ」

 

あまりにも呆気ない最期を迎える士道。

この【枝】は、あらゆる力を無にするものらしい。

士道の中にある<■■■■>の力も例外ではなかった。

それを知らずに起き上がる■■。

怒りながら士道に文句を言おうとして、

 

「な、何を―――え?」

 

胸を【枝】に貫かれた士道を見て。

 

「シ、シドー―――!!!」

 

絶叫する■■。

【枝】に貫かれて動かなくなった士道。

それを見て、■■は悲しみに囚われる。

たった一人、自分を肯定してくれた彼の死は何よりも耐え難いものだった。

そして何より―――父様と士道を慕っていたはずの澪真が、彼を殺してしまったことに困惑すら覚えた。

やがて■■は、怒りを爆発させて澪真を睨みつけるが、

 

「……………え?」

 

臨戦態勢に入る前に、■■も【枝】に、胸を貫かれた。

 

「………シ、ドー………っ、」

 

■■も全ての力を無にされて、何も出来ずに、士道に手を伸ばすも届かず、命を落とした。

そこで、澪真は気がついた。

ほとんど無意識に伸ばした【枝】が。

士道(父様)と。

■■(お姉さん)を。

貫いていたことに。

 

「………ぁ、」

 

最初に小さな声が洩れて。

 

「あああああああああああああああ―――――!!!」

 

慟哭した。

どうして自分はあの二人に気づけなかったのか。

どうしてあの二人を殺してしまったのか。

理解出来ずに、ただ泣き叫んだ。

そこへ、

 

『化け物めッ!!』

 

空飛ぶ人間達の罵倒と、無数のミサイルが飛んで来た。

しかしそんな攻撃、通るわけもなく、【根】に阻まれたミサイルは力を無にされ、ただ地に落ちていく。

 

『なっ!?』

 

澪真の見たことない不可思議な力に愕然とする空飛ぶ人間達。

そんな彼女達に、全てに絶望した澪真がその名を呼んだ。

 

 

「屠れ―――<虚無地獄(デミウルゴス)>」

 

 

真っ黒い【枝】と【根】が蠢動。

それらは空飛ぶ人間達を一人残らず貫いていった。

彼女達の纏う随意領域(テリトリー)と呼ばれる力など、力そのものを無にする<虚無地獄(デミウルゴス)>には意味をなさなかった。

そして、一瞬にして同士を殲滅されて固まっていた折紙の胸にも、<虚無地獄(デミウルゴス)>の【枝】が貫き、命を落とした。

それから暫く、無差別に全てを蹂躙していた<虚無地獄(デミウルゴス)>は、

 

 

【―――<輪廻楽園(アイン・ソフ)>】

 

 

対極の絶対の力を纏った<輪廻楽園(アイン・ソフ)>の【枝】と【根】が押えつけた。

だが<輪廻楽園(アイン・ソフ)>の力で<虚無地獄(デミウルゴス)>を無効化出来ず。

また<虚無地獄(デミウルゴス)>が<輪廻楽園(アイン・ソフ)>の力を無にすることも出来ていない。

お互いの力が同格なのだろう。

 

【ああ、これが………身勝手な私が辿る、末路か】

 

澪がそう言いながら、澪真に歩み寄ってきた。

すると、澪はモザイクを消して髪の長い少女の姿を露にした。

 

「………母、様………っ、」

 

「すまない、澪真。君を信じてやれずに、隣界に閉じ込めてしまって」

 

謝りながら、澪は闇色に染まり切った澪真を抱き締める。

澪真も、澪の温もりに涙を流しながら抱き締め返した。

この温もりは、あの時の冷たさを感じなかった。

やっと、認められた気がしたからだった。

だが、時既に遅かった。

 

「………あれ?」

 

澪真の体が、光の粒に変わり始めた。

 

「澪真、消えてしまうのか………?」

 

「………そうみたいだね………なんで?」

 

自分が消える原因が分からず、困惑する澪真。

澪は、その意味を理解したのか、下方に目を向けて、

 

「………シンを殺してしまったのが、原因だね」

 

「シンって………え?」

 

澪真も、士道に目を向けて、

 

「やっぱり父様は、レマの父様だったの?」

 

「ああ。彼はシンだよ」

 

澪が頷くと、澪真の目から滂沱の如く涙を流した。

この時、忘れていた母親の言葉を思い出した。

五河士道に恋をしてはいけない。

それは過去の父親に恋をするなという意味だったのだ。

なら、その父親を殺したのだ。

消えるのは、当然の報い。

 

「澪真。消える前に、私の願いを聞いてくれるかな?」

 

「………え?」

 

唐突な澪の発言に、驚く澪真。

一体どんな願いだというのか。

澪は目を伏せて言った。

 

「最後まで身勝手ですまない。私は、シンのいない世界で生きていけないんだ。だから―――」

 

更に胸に手を置いて。

 

 

「私を………殺してくれ」

 

 

「―――ッ!!?」

 

それは、あまりにも残酷な願いだった。

父親だけでなく、母親も手にかけろというのだ。

子である澪真には、とても辛いものだった。

けれど、

 

「それが、母様のお願いなの?」

 

「ああ」

 

「本当に、後悔しないの?」

 

「ああ。むしろ今、君に消されない選択の方が、後悔しかないよ」

 

「………そう、なんだ」

 

母親がそれを望んでいるのなら、その願いは叶えてあげたい。

だから、澪真は躊躇わなかった。

 

「わかったんだよ。母様がそれを望むのなら、レマはやるよ」

 

「………すまない。私の願いを聞いてくれてありがとう、澪真」

 

そう言って、澪は<虚無地獄(デミウルゴス)>を押さえつけていた<輪廻楽園(アイン・ソフ)>を解除する。

そして、澪が澪真から離れようとしたが、澪真はさせまいと澪の胸に飛び込んだ。

 

「………え?澪―――真………っ、」

 

澪真は澪に抱きついたまま、<虚無地獄(デミウルゴス)>の【枝】で、自分ごと澪を貫いた。

それから笑って、

 

「どうせ、死ぬなら………母様と一緒が、いいん………だよ」

 

「澪、真………」

 

消えるのが必然なら、母親と一緒がいい。

澪真の、最後のわがままだった。

澪は、そんな澪真を愛おしく思い、残っているはずのない力を最後に振り絞って抱き締め返す。

澪真は満面の笑みで告げた。

 

「―――ずっと、一緒………だよ?」

 

「………ああ。シンも、入れて、ね。………ずっと………永遠、に」

 

その言葉を最後に、澪と澪真は絶命。

その後、澪真は完全に光の粒に変わってこの世から消滅していった。

 

 

 

 

 

三人はこれからも共にいることだろう。

死後の世界にて、永遠に………




次回予告

BADEND回避ルート

②もう一人の私に預けて様子見する。

もう一人の私と澪に言われて跳ばされた先にいたのは、眠たげな顔をした女性がいる■■■■■■の中だった。
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