新次元ゲイムネプテューヌ THE UNITED   作:投稿参謀

49 / 75
第40話 創造主

 ブリテンの辺境に位置する地、ジャール。

 隣のアセニアなどは『歴史と田畑以外に何もない』と言われるが、ここには『歴史以外に何もない』とまで言われる。

 領内は岩山が連なる山地と荒れ野ばかりが広がり、農業や牧畜には向かない。山を掘れば加工が難しく使い道のない金属が出るばかり。

 商売に精を出そうにも、如何せん中央からは遠く交通の要所にあるワケでもなし。

 

 それでも領民は、何世代もかけて畑を耕し、家畜を育ててきた。

 幸いにして、というべきか領主の一族は気位が高くとも民を大切にする気質だったので、重税を課すようなことはせず、共に力を合わせて生き抜いてきた。

 

 状況が変わったのは先代王ウーサーが崩御してからだった。

 正確には、100万人もの人間がエクスカリバーを抜き、『アーサー』を名乗るようになってからだ。

 王の資格があると言っても、それだけ数がいれば人格や能力は玉石混交。自分の欲望を優先する者や、自分の力を過信して破滅する者も大勢いた。

 

 隣国出身のアーサーが、遠い国に向けて旅立ったのと同じころのこと、徒党を組んだアーサーたちがジャールにやってきた。

 エクスカリバーと騎士の力で民を脅し、金も払わず飲み食いし、必死に溜めた金品を奪い取り、言葉巧みに財産を騙し取り、面白半分に収穫前の田畑を焼いた。

 もちろん、全てのアーサーが彼らのようなワケではない。民を想う者、人を慈しむ者は大勢いる。

 しかしジャールにやってきた王候補たちはそうではなかったのだ。

 

 領主ワイゲンドは彼らを止めようとしたが、言葉で諫めても耳を貸さず、キャメロットや隣国アセニアに助けを求めようとすれば自己保身にばかり長けた彼らに妨害された。兵を集めて反抗を目論みもしたが、金に目の眩んだ裏切り者によって瓦解した。

 

 この裏切り者、ワイゲンドの臣下で名をウルフという。

 

 万策尽き、ジャールの人々が悲しみと悔しさに涙し、聖剣を持った山賊たちが隣国アセニアをも侵略することを考えていたころ、別のアーサーが仲間たちと共にこの地を訪れた。

 彼は何事かを目論み多くの王候補……その中には、ミリオンアーサーも含まれていた……を打ち倒してきたことで話題になっていた。

 

 それが金属の巨人のアーサー、すなわち鉄騎アーサーことガルヴァトロンである。

 

  *  *  *

 

 行商の幌馬車が幾人かの兵士に護衛されて街へと入る。

 街並みはアセニアやキャメロットとそう変わりはないが、よく見れば金属の巨人が徘徊していた。

 兵士と別れ、ある店の裏手で馬車を止め、裏口をノックする。

 少しして、赤ら顔の店主らしき男が戸を開けた。

 

「お前か、遅かったな」

「何せ領主も大分用心深くなったもんでな」

 

 行商と店主が話しているうちに、馬車の二重床の下に隠れていたケーシャは素早く顔を出した。

 

「今の内です。行きましょう」

「ううう……狭いよ、暗いよ……」

 

 涙目になっているくろめを助け起こし、行商に気付かれる前に馬車を降りて狭い路地に入る。

 

「ふう……いや楽勝だったね。これがザル警備ってやつかな?」

「…………」

 

 一転してキリッと不敵な笑みを浮かべるくろめに、ケーシャはこの女神、ひょっとしてかなりポンコツなのでは、と思い始めていた。

 頭を振ったケーシャが路地の端から辺りを伺う。ここは共同の洗濯場のようで、女たちが水が張られた小さなプールで衣服を洗い、いくつも立てられた物干し台にかけていた。

 ケーシャは路地から出ると周囲の人間の目を掻い潜り、慣れた調子で干されていた衣服を拝借し、また人目に付かないよう戻ってきた。

 

「さ、これを着てください。この格好だと目立ってしょうがない」

「え? でもこれ人の物じゃあ……」

「いいから」

 

 ナチュラルに盗みを働くケーシャに戸惑うくろめだったが、押し付けられたローブを頭から被る。実際、目立つのは自殺行為だ。

 ケーシャもフード付きのマントを羽織る。

 

「本当はダンボール箱があれば良かったんですが……生憎とマイダンボールは船に置いてきてしまいました」

「いや、ダンボールは逆に目立つんじゃないかな? ……っていうかマイダンボール?」

 

 素っ頓狂なことを言われてちょっと呆れるくろめだが、その瞬間ケーシャの目がギラリと歴戦の傭兵めいて光った。

 

「ダンボールは敵の目を欺く最高の偽装、潜入任務の必需品だ。わたしも何度となくダンボールに助けられた……」

「へ、へえ……」

「ダンボール箱をいかに使いこなすかが任務の成否を決定すると言っても過言ではないだろう」

「そ、そうのかい?」

 

 急にドスの利いた声で、口調まで変えてダンボールについて熱く語る相手に、くろめは若干恐怖を覚える。この子、苦手かもしれない。

 それを察したのか、ケーシャは息を吐いて剣呑な空気を掃うが、真剣な面持ちは崩さない。

 

「さあ、行きましょう。まずは情報収集です」

「ああ……」

 

 二人が洗濯場とは反対の方向に路地を抜けると、そこは街の中央の広場だった。

 じきに日も暮れる頃だが、人々が行き交い活気に溢れている。店先に並んだ品物を主婦が品定めし、噴水の前で子供たちが輪になって遊び、仕事帰りの男たちが互いに労い合っている。

 兵士も巡回しているが、周囲から疎まれている様子はない。

 

「なんて言うか、意外だな……もっと殺伐とした場所を予想してたよ」

「どうやら、無理矢理支配してるという感じではないですね」

 

 それとなく兵士を避けながら広場の人混みに紛れた二人だが、思っていたよりも平和な様子に拍子抜けしてしまう。

 

「いやしかし、一時はどうなることかと思ったけど、あの鉄騎アーサー様が来てくれてよかったよな。あのアーサー擬きどもを倒してくれた時はスカッとしたぜ!!」

「建物の修復や、畑を耕すのもを手伝ってくれるし、親切な方だよ。ヒトは見た目で判断するもんじゃないね」

「でもよ、新しく来た巨人の騎士たちはいくら何でも悪そうな面してるぜ?」

「儂は不安じゃ、巨人たちが竜の洞窟の上に砦を築いてしまって、祟りが起こらんじゃろうか……」

「それに、あんなにいっぱい武器だの何だの作ってどうする気なんだろうねえ……まるでどこかと戦争するみたいじゃないか」

 

 住民の会話にそれとなく耳を傾ければ、そんな内容が聞こえてきた。そこから分かるのは、彼らの間に不安はあれど不満はないということだ。

 

 だがくろめたちにとって重要なのはディセプティコンたちが砦を築いたということだった。

 

  *  *  *

 

 街からいくらか離れた谷間の荒野に、巨石を並べたストーンサークルがあった。

 サークルの中央は小高い丘になっていて、その中は『竜の洞窟』と呼ばれる祠になっていた。

 いつ、誰が、何のために造ったのかも分からぬこの遺跡は、ただ竜が住むという言い伝えだけがあり、訪れる者もなく時と共に朽ちていくのみだ。

 

 しかしそれも、この遺跡の真の価値を知る者が現れるまでの話。

 

 ここにやってきた金属の巨人たちは、祠を囲うようにして高い塀を築き、祠を覆うように建物を造り、その上に鉄骨を網籠のように組み上げた塔……電波塔を建設していた。

 さらに祠の地下部分には、もともと断絶の時代の遺跡が眠っており、彼らをそれを利用していた。

 囲いの中の地面のあちこちから、地下部分から通じる煙突が飛び出し煙を吐き出している。

 

 ディセプティコンたちは電波塔本体を始め、その周囲をさらに要塞化するべく作業していた。プロトフォームのままの者もいれば、メモリーからビークルを選び姿を変えた者もいる。

 特に大きな働きを見せているのが、ジャンクヒープという三体一組の人造トランスフォーマーで、彼らはプラネテューヌから持ち込んだ物資や断絶の時代の遺物を使って、強力な要塞を造っていた。

 彼らは優秀な技術者であり、リペア要員も兼ねていた。

 

 他に、ガルヴァトロンに成敗された元アーサー(元の綽名を山賊アーサー、詐欺アーサー、暴食アーサーなど、他多数)たちや騎士の称号を剥奪されたウルフなどもヒーコラ言いながら働いていた。

 

 鉄塔の根本では、ニトロ・ゼウスが腕から延ばしたコードでそれに接続し、断絶の時代のコンピューターネットワークの残骸から、情報を引き出そうと試みていた。

 

「ええい! もっと上を狙うのである! 火薬式の銃の感覚は、いったん忘れるのである!!」

 

 砦の一角では、オンスロートが射撃訓練を行っていた。

 訓練されているのは、人間の兵士たちだ。彼らはディセプティコンがもたらしたブラスター銃を手に持ち、強化服に身を包んでいた。

 これだけの装備を揃えることが出来たのは、トランスフォーミウムという金属があってこそだ。

 トランスフォーマーの身体を構成する物と同じ組成を持つこの金属は、利用法さえ理解出来ていれば、あらゆることに使える。

 そしてここジャールには、トランスフォーミウムの原料となるレアメタルが、無尽蔵と言っていいほどに埋蔵されているのだ。

 人間にとっては利用価値の低い鉱床は、ディセプティコンにとっては宝の山だった。

 

「まったく、ガルヴァトロンの奴め! この原始人どもにマトモな銃の撃ち方を教えるなど、無茶なのである!!」

 

 この仕事とそれを命じた相手に不満を感じているらしいオンスロートはそれを隠そうともしない。しかし、兵士たちの撃ち方が一応は様になっているあたり、ちゃんと教えてはいるようだ。

 

 当のガルヴァトロンは地面の下の一室で、バリケードを伴って何者かと通信していた。

 

『ガルヴァトロン……いったい何時になったら杖を手に入れられるのです? 私は、その島を焦土に代えてでも、杖を見つけ出すように命じたのですよ?』

「今しばし、お待ちいただきたい。物事には順序という物があります」

 

 薄暗い部屋の中央、台座の上に置かれたコードに接続された水晶玉のような独特の通信機に、女性の姿をした金属生命体の顔が映されていた。

 彫像のように整った顔立ちだが不気味な迫力に満ち、青く光る眼に一切の暖かさはなく、髪に当たる部分が触手のようになって蠢いている。

 

『何のために次元の狭間を漂う貴方たちを助け出したと思っているのですか? インフェルノコンやエニグマを貸し与え、アンチ・エレクトロン抗体を授けたのは、肉ケラどもと慣れ合わせるためではありませんよ』

「やり方は俺に任せて頂ける約束で取引したはず。貴方はこの島に来ることが出来ないのだから」

 

 甘く囁くようでありながら、何処か危険な響きを感じさせる声に、ガルヴァトロンは慇懃に応じた。

 丁寧だがへりくだりはしない言葉に、相手の顔が隠し切れない怒りに歪み目が刃物のように細くなる。

 

『ああ、忌々しい……! 騎士ども始め、造ってやった恩も忘れて私に逆らった失敗作ども……何よりも、あのロクデナシで! 飲んだくれで! 大ホラ吹きの!! マーリンめが杖を盗んだばかりか、その地にアンチ・エレクトロンの結界を張らねば、私は今頃、真の創造主と成れたものを……!!』

 

 頭部の触手の動きが、怒りに同調して激しさを増した。特にマーリンの名を口にした時は喰らい合う蛇のようにすら見えた。

 対しガルヴァトロンは相手の様子に冷やかな視線を向けていた。

 この通信相手は極めて高等な金属生命体だが、それでもやはり金属生命体には違いなく、アンチ・エレクトロンはその生命を脅かす猛毒だった。

 

『あるいは、その者たちが役立たずでさえなければ……!!』

 

 狂気の域にまで達している怒りを孕んだ視線は、部屋の隅で小さくなっているインフェルノコンたちに向く。

 スカルクら怪物の姿をしたトランスフォーマーたちは、恐怖に震えて身を寄せ合っていた。

 

 彼らは創造主がアンチ・エレクトロンを克服するために長い時間をかけて作り出した、それの影響を受けないトランスフォーマーだった。そして彼らの遺伝情報を基に抗体を作った。

 

 しかし、その抗体に彼女自身は適合出来なかった。

 どんな薬や抗体にも、低確率で適合できない者が現れる。皮肉なことに彼女は自らの思惑とは裏腹にその数十万分の一というハズレくじを引いてしまっていた。

 

 反乱防止のために高い知能を与えなかったインフェルノコンたちでは、杖を探すことは出来ないだろう。

 だからこそ、抗体を与えたガルヴァトロンたちを手駒としたのだ。

 

『ガルヴァトロン、必ず杖を取り戻すのです……! それが貴方の望みを叶えることにもなるのですから』

「もちろん、心得ております。創造主……偉大なる最初の13人の一柱、科学者にして魔術師、生命のプライム、クインテッサ」

 

 クインテッサ……あるいは、クインタス・プライム。

 オールスパークによって最初に産み落とされた13柱のサイバトロニアンが一人。

 親しい者の死と残酷な世界の真実に絶望し、自らが創造主となって新世界を造ろうとする者。

 それがガルヴァトロンを操ろうとする黒幕の正体だった。

 

『杖を使って、その世界に溶け込んだオールスパーク、そして地球に潜む()の力を得たその時こそ、私は神に……真なる創造主に成り、完璧な世界を創り上げる!! オールスパークの創った不完全な世界ではなく、悲劇も不幸もない完全なる世界を!!』

「は……」

 

 興奮した様子で髪を蠢かせる創造主ことクインテッサに、ガルヴァトロンは頭を下げるが、表情は呆れすら感じさせた。

 

『急ぐのです、ガルヴァトロン。……余りにも手緩いようなら、私にも別の手の用意があります』

「手? それはいったい……」

『貴方が知る必要はありません。ただ、貴方の代わりなどいくらでもいることだけは、回路に銘じて置きなさい』

 

 それだけ言うと、水晶玉からクインテッサの顔が消え失せ、部屋が明るくなる。

 

 ガルヴァトロンはせいせいしたという風に首をゴキリと鳴らすと、踵を返して部屋を出るべく扉を開ける。

 スカルクたちも後に続こうとするが、ギロリと睨まれて足を止めた。

 クインテッサの配下である彼らに対し、ガルヴァトロンは心を許していなかった。

 

 部屋を出て古代サイバトロン様式の通路を大股に歩くガルヴァトロンに、後ろに続くバリケードが声をかける。

 

「ガルヴァトロン、本当にこれでいいのか? あの自称創造主様は、明らかに約束を守るタマじゃないぞ?」

「問題ない。まずは地球を滅ぼすこと。それが肝心だ」

 

 クインテッサが地球に潜む存在の力を抜き取れば、当然ながら地球とそこに住む人間を含めた生命は全て滅ぶことになるだろう。彼が創造主に従う理由はそこだった。

 

 もちろん、いつまでも言う事を聞くつもりはない。

 

 あのプライムが惑星サイバトロンやゲイムギョウ界をも滅ぼす気だからだ。

 クインテッサとて、ガルヴァトロンが自分に服従する気がないことなど分かっているだろう。

 

 両者は『地球を滅ぼす』という過程の一点でのみ利害が一致しており、そこを越えれば決裂することが約束されていた。

 

「しかしな、マジェコンヌも、オンスロートも、腹に一物抱えてやがる。インフェルノコンは論外だし、他の連中だっていつまで従っているか分からん」

「だが、()()は信用できる」

 

 振り返ったガルヴァトロンの顔は、親愛と友情の籠った笑みだった。

 その表情の眩しさに、バリケードは言葉を失う。

 

「バリケード、貴方だけは信じられる。……貴方は、俺を裏切ったりしないだろう?」

 

 軽い口調での、質問というよりは確認というような言葉だったが、目の奥に縋るような光があることにベテランの斥候は気付いた。

 実弟と決別し、味方というよりは利害が一致しただけの敵に囲まれているような彼にとって、幼少から付き合いのあるバリケードだけが無条件に信頼できる相手なのだ。

 

「…………もちろんだ」

 

 日和見者のディセプティコンは躊躇いながらも、そう答えることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 ガルヴァトロンはバリケードと別れると、稼働しているオートメーションの武器工場や、騎士を生み出す『湖』のある区画を通り過ぎ、分厚い金属の扉の前に立つ。その向こうからは、恐ろしい悲鳴が途切れることなく聞こえてくる。

 扉を叩くと、少し開き中からバーサーカーとドレッドボットが姿を見せた。

 

「二人ともご苦労。奴は吐いたか?」

いや()、奴さんしぶとくて仕方ねえ」

 

 二人を労いつつガルヴァトロンが問うと、ドレッドボットが首を横に振った。

 腰に手を当てて排気すると、若き破壊大帝は表情を引き締めた。

 

「なんとしてでも聞き出してくれ。今のところ、我々が鍵の在り処を知るには、それしか方法がない。そのために竜の洞窟(ここ)に眠っていた、あいつを捕まえたのだからな」

はいはい(バレ)

「……のお、ガルヴァトロンよお」

 

 やる気が無さげではあっても頷くドレッドボットに対し、バーサーカーは首を回しながら不満を隠そうともしない。

 

「ワイはここで、戦争出来るっちゅうから来たんやで。それがワケの分からん仕事ばっかさせ腐って、話が違うんやないか?」

 

 一応の上官にメンチを切るバーサーカーを、ドレッドボットは止めようとはしなかった。

 この無礼にもガルヴァトロンは動じず諭すように言う。

 

「もちろん、戦争はするとも。……だが今は備える時だ。爪を研ぎ、牙を磨き、力を蓄えるのだ。……安心しろ、敵は必ず来る」

 

 淀みなく、自信たっぷりに言い切る彼に、バーサーカーは気圧されたように一歩下がった。

 ガルヴァトロンは彼の肩に手を置き、念を押すように言う。

 

「そうとも、『外敵』は必ず現れる。その時には……思い切り暴れるがいい」

 

 その言葉に、バーサーカーはニヤリと顔を歪めし、ドレッドボットはヤレヤレと肩を竦めた。

 

「では引き続き頼むぞ」

 

 そういうと、ガルヴァトロンは踵を返した。

 バーサーカーとドレッドボットは、扉を開いて中へと入っていく。

 

「なるほど、なるほど……」

 

 金属生命体たちが去ると、それとなく置かれたダンボール箱の中に潜んでいたケーシャは、小さく笑みを浮かべた。

 通風孔からこの基地に潜入し、くろめと二手に分かれて情報を探っていたが、これは大当たりなようだ。

 

  *  *  *

 

 地下の別の一室で、マジェコンヌは複数のシリンダーの中に納められた剣を眺めていた。

 シリンダーは両端にコードが接続され、コードはエネルギー変換器を始めとする様々な機械に繋がれている。それらの機械は剣からエネルギーを抜き出し上層の祠……グランドブリッジの本体や、武器工場に供給していた。

 兵士たちの持つ銃の動力源もこれだ。

 

「こいつはな、ガルヴァトロンが倒したアーサーたちから奪ったエクスカリバーだ」

 

 誰にともなく、マジェコンヌは呟いた。

 

「素材はトランスフォーミウムと超エネルギー物質ソリタリュウムの合金。剣からビームが出たり、持った者の身体能力が強化されるのも、時空をも歪めるというソリタリュウムの力が源だ」

 

 マジェコンヌは振り返ると、そこにいた人物に声をかけた。

 これまでの説明は、独り言ではなく彼女に向けたものだった。

 

「そろそろ来るころだと思ったよ……うずめ」

「マジェっち……」

 

 ケーシャと別れ、一人ここまで潜入したくろめが、複雑そうな表情を浮かべて立っていた。

 




竜の洞窟はG1のタイム・トラベラーの回に登場した祠がモチーフ(当然、ドラゴンがいます)
ディセプティコンの砦のイメージは、ロード・オブ・ザ・リングのアイゼンガルドを近代化した感じです(またロード・オブ・ザ・リングネタか……)
ソリタリュウムの原典は、ロボットマスターズに登場した物です。マジで時空を歪めるほどの力があり、最近はレジェンズで色々と使われてます。
ミリオンアーサーの方のエクスカリバーにも時空を歪めるほどの力があるという設定があり、それ繋がりでのチョイス。

今回のキャラ&小ネタ紹介。

創造主クインテッサ
生命のプライム、あるいは創造主を自称する女性の姿をした金属生命体。怒れる女神とも。
自称に恥じぬ極めて高度な科学力を持ち、断絶の時代の科学はほとんどが彼女に由来する。

その正体は最初の13人の一柱、クインタス・プライム(この二次のみの設定)

遠い昔には気難しい性格ながら兄弟姉妹やその眷属への情はあったのだが、仲が良かったソラスの死を始めとした様々な出来事によって狂気に陥っている。
その最終目標は『杖』を使ってオールスパークと地球に眠る存在の力を吸収し、新たな神となって自ら新世界を創造すること。
だが、その狂気と妄執に満ちた性格が災いして自分の被造物たちに反逆され、杖を奪われた挙句ブリテンから追放されてしまう。
そのためガルヴァトロンを異空間から救い出し杖を回収するよう取引したが、手段を()()彼に苛立ちを感じている。

オプティマスの生みの(造りの?)親。ネプテューヌにしてみれば義母候補であり前々世の親戚という複雑な関係。
原作と違い、マーリン(ロクデナシで飲んだくれで大ぼら吹きの方)とは浅からぬ因縁がある。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。