戦姫絶唱シンフォギア赫鋼―アカガネ―   作:樹影

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序:或る終わり/再動

 英国はロンドン、時計塔。

 それだけを聞くならば、大抵の人間は世界的に有名すぎる観光名所を思い浮かべるだろう。

 だが、ごく一部の者にとっては別の意味を指す。

 人々の営み・歴史の裏に隠匿された神秘の御業……魔術を身に刻む学びの園、『魔術協会』。その一つとして。

 そこでは神秘の秘奥、根源へと至るべく血と智を重ね続けた魔術師たちが日々研鑽し研究に没頭していた。

 

 そんな時計塔のある一室。一脚の燭台を除き、光を射す窓一つないその場に、男は蹲っていた。

 ゆらゆらと揺れる蝋燭の明かりに照らされているのは、お世辞にも身綺麗とは言えない有様を晒す一人の青年だ。

 纏っている赤い装束は擦り切れ、所々が裂けてそこから血を滲ませている。

 短く乱雑な白髪も、手指や顔から覗く浅黒い肌も、血と埃と傷にまみれている。

 一言で言って満身創痍だった。

 

 その身には、細い帯のようなものが緩く巻かれている。表面に文様とも筆記体とも取れない何かが書き込まれているそれは、魔術的な拘束具だった。

 とはいえ、力そのものは大したものではない。消耗している今の男でも容易に引きちぎれるほどに脆弱なものだ。

 だがそれをすればその事実は時計塔内の全てに伝わるだろう。そうすれば自分が瞬く間にすり潰されることを男は理解していた。

 なぜなら魔術師にとって懐中とは急所である以上に、迷い込んできた者を確実に殺しつくすための殺界であるのだから。

 ―――もっとも、今の彼に逃げ出す意思があるかどうかは解らないが。

 

 と、男の耳に、足音が響いてくる。存外、今いる場所は広いのかそれは反響するように耳に残る。

 それと同時に、男は虚空へと投げていた視線を足音のする方向……ちょうど正面へと向けなおす。

 

「―――改めて、久しぶりね。 衛宮くん」

 

 そうしてやがて燭台の明かりに照らされるように姿を見せたのは、赤い装束がこれ以上なく似合う、長い黒髪の女性だ。

 その女性を男……衛宮 士郎は知っていた。

 旧友であり、師弟であり、そして戦友だった。今はなんだろうか、敵だろうか。それとも……処刑人と罪人か。

 少女というにはすでに艶やかに過ぎる美貌の才女を、士郎は目を細めて見上げる。

 

「ああ、そうだな。 遠坂」

 

 美女……遠坂 凛は、先の言葉の気安さとは裏腹に酷く冷たい瞳で蹲る士郎を見下ろしている。

 燭台の揺れる光に照らされたその顔は冷然とした無表情であったが、しかしそこに確かな怒りがにじみ出ているのを士郎は長年の付き合いで察していた。―――つまりは、完全にキレている。

 参ったな、と内心で苦笑する士郎とは裏腹に、凛は変わらぬ表情のまま冷たく問いかける。

 

「衛宮くん、あなたがそうなっている経緯については覚えている?」

「ああ……もちろんだ」

 

 答えつつ思い出すのは、ある中東の小国での日々だ。

 その国は紛争国で、政府の軍と反政府ゲリラがぶつかりあい、兵のみならず女子供でも命を散らすのが日常に組み込まれているような、そんな地獄の一歩手前のような場所だった。

 

 きっかけはそんな国に入り込んでいたある死徒……吸血鬼の存在だ。その死徒は素質はかなりのものであったようだが、成ってから百年ほどという若輩であり実力も未だそれほどのものではなかった。

 しかし年若いがためか時代と場所に順応する器用さを持ち、なによりも悪辣で狡猾だった。

 

 その死徒はけっして焦ることなく年若いものを厳選して狙い、襲い掛かった。元より人の命が安くなっている国、一つの集落から一人二人消えたとしても騒ぐような者はさほどいない。

 それを幸いとして死徒は少しづつ自身の眷属としての屍食鬼(グール)を増やし、その国の裏側を確実に侵食し始めていた。

 彼の最終的な目的はついぞわからない。そのまま小国の闇を牛耳るつもりだったのか、眷属を率いてどちらかの勢力に戦力として売り出すつもりだったのか。

 それが確かな形となるよりも先に、その死徒を滅したのが士郎だった。

 だがそれは言うほどに平坦な道筋ではなく、また人々から感謝されることもなかった。

 

 間に合わず後手に回るだけならばまだ良いほうだった。

 こちらを撒くために、眷属の屍食鬼を暴れさせて甚大な被害を出させたこともあった。

 集落一つをまるまる餌食にしてこちらへの罠にされたときもあった。

 住人を守るために屍食鬼を討ち取ったら、その住人から殺人鬼だ化け物だと追い立てられたこともある。

 そしてその最中にも戦乱は起き、殺戮と暴力と略奪が氾濫した。

 そこから目についた悲劇を拾い上げても、救いきれない者はこの手から数えきれないほど零れ落ちていく。

 しかもその行動は魔術協会を刺激し、ついには自分自身も討伐の対象になり果てた。

 

 四面楚歌、文字通り周囲が敵だらけの中、ついに目的の死徒を討ち取った先に待っていたのは、当然のごとく自分への感謝ではない。

 恐怖と、憎悪と、敵意と、殺意―――だが、後悔はなかった。

 もとより見返りなんてものを求めたことは一度だってない。それよりも戦乱もその悲劇もいささかの収束も見せていないことの方が耐えきれなかった。

 助けられる命を助けるために奔走し、多くを取りこぼしながらもそれ以上の数の命を救って。

 走って、走って、走り続けて擦り切れたその果てに、彼は声を聴いたのだ。

 

 

 

『こォのォオオオオッ………大馬鹿唐変木がァアアアアアアッ!!』

 

 

 

 ………さて、その後の記憶が途切れて今に至るのだが。

 悲壮で凄惨なナニカが力業で一掃されてしまった気がするのは果たして?

 

「―――あら? どうかしたのかしら、衛宮くん」

「いいや、なんでもない」

 

 首を傾げる凛に対し、士郎は即答で返す。先の疑問に関しては忘却しておく。藪を突いてあくまを呼び出す心算は毛頭ない。

 と、凛はそんな士郎に小さく溜息をつく。

 

「……衛宮くん。 あなたとはいい加減付き合いが長いし、どういうつもりかなんていまさら聞く気はないわ。

 けれど、さすがに表の紛争にまで干渉するのはやりすぎだったわね」

 

 呆れも含ませず、どこまでも淡々とした口調。

 その言葉に、士郎は至極尤もだと自嘲すらしていた。

 

 魔術の大原則とは秘匿……つまり、その存在をどこまでも秘することこそが全ての魔術師の共通認識である。

 なぜなら、魔術とは知る者が増えれば増えるほどそれが持つ力が反比例して減っていくものであるからだ。

 言ってしまえば知識そのものが原油などのような資源であり、それを知ること自体が発掘作業のようなものなのだ。

 つまり士郎がやったことは盗掘者を際限なく招き入れたことに他ならない。

 情報の流出と拡散が異常なまでに早く広い現代社会ではなおのことで、同時にこれ以上なく致命傷になりうる。

 故に、衛宮 士郎に対し慈悲も容赦も弁護すらもかける余地はどこにもなかった。

 

 士郎も当然それを知っていた。知っていて、なお刃を振るった。

 その果てが、どうしようもない自身の破滅であることも十分に理解したまま。

 彼とて進んで神秘を周智にしたいわけではなく、むしろそこにある悍ましさを知る側からすれば殊更市井から遠ざけたいとも考えていた。

 ならば、何故こんなことになったのか。その理由は単純明快。

 

「それでも。―――かもしれないで目の前で死んでしまう誰かを見捨てることなんて、できなかったんだ」

 

 そう、たったそれだけ。

 見も知らない誰かが目の前で命を散らし、それを防ぐ手立てが自分の中にあって、少し手を伸ばせばそれを為せる。

 だからやったのだと、彼は衒いもなくそう言いのけた。

 それはどうしようもなく愚かで………だからこそ、これ以上なく純粋だった。

 

「―――本当に、相も変わらずバカなんだから」

 

 凛は呆れ果てたように大きなため息を吐いた。

 

 ―――こいつは本当にこうなのだ。初めて会った時から変わらない。

 現実なんて、すでに嫌になるくらい見せつけられているだろうに。その場を何とかしても、別の場所にしわ寄せがいってしまうことも解っているはずだ。

 良かれと思って裏目に出たことだっていくらでもあるだろう。裏切られるなんて数えきれないくらいだろう。

 足取りを追うために軽く調べただけで解るくらいだ。実際はどれほどなのかと思いを馳せれば、気が遠のくなんてものじゃない。

 まったく以って愚かの極み、大馬鹿者にもほどがある。

 

 しかし、思わず呟いた言葉にはどこか安堵のような親しみが込められていた。

 

「衛宮 士郎」

 

 だが次の瞬間、凛の纏う雰囲気が更に冷たく研ぎ澄まされる。

 名を呼ぶ響きだけでも、明確な拒絶を含んでいる。

 

「神秘の秘匿を著しく侵し、魔術という存在そのものを根本から揺るがしかけた貴方の行いは決して許されない。

 ―――因って、ここにあなたを処断します」

 

 ついに下された死刑宣告に、しかし士郎の表情は変わらない。

 そしてそんな士郎に対しての凛の表情も、また。

 

「……落ち着いてるのね」

「この期に及んでという奴だよ。それに、遠坂にこれ以上迷惑をかけるつもりはない」

 

 先ほども言ったとおり、仮に士郎が拘束を振りほどいてこの部屋を脱したとしても、結果は変わらないだろう。すでに彼は胃袋の中も同然なのだから。

 それに無駄な足掻きをすれば、そのしわ寄せは目の前の旧知の魔術師に向く。

 散々世話になって、その恩を仇で返し続けてしまったようなものなのだ。最後くらいは砂をかけるような真似を自粛せねばあまりにも情けがない。

 

 ふと、脳裏に浮かぶのは赤い弓兵の姿。

 衛宮 士郎という男の到達点、行く末の一つ。

 士郎はそのいけ好かない顔と共にその雄々しく不屈な背を思い出して、自身と比較してしまう。

 

(結局、俺はアーチャーには―――)

 

 なれなかった、というべきか。

 ならなかった、というべきか。

 そのことに悲嘆すべきか安堵すべきか、自分でもわからなかった。

 ただ、こんな結末に至った己とアイツは違うものなのだろうと、なんとなしにそう思う。

 

 そんな士郎に対し、凛は何をいまさらとでも言いたげに鼻を鳴らす。次いで、言葉を放つ。

 

「そしてあなたへの処断の方法ですが、最後に神秘の探求……根源への到達のための礎となってもらうことになりました」

「……つまりは、実験体か」

「ええ、その通り」

 

 頷かれ、士郎の表情にここで僅かに険が差した。その言葉通りならば、下手をすれば一瞬で楽になるという結末ではないかもしれない。

 否、それ自体は構わない。だが、場合によっては自身の魔術―――その特異性を良い様に利用されることになるかもしれないということだ。それは些か以上に許容しがたいものがあった。

 そんな彼の思考を読んだのか、凛がしかし首を横に振る。

 

「あなたやあなたの魔術をどうこうするっていうわけじゃないわ。―――っていうか、私がもらっても困るし」

「………ちょっとまて。その口ぶり、もしかして実験するのは遠坂なのか?」

 

 士郎の疑問に、凛が「ええ」とあっさりとした様子で頷く。

 そして直後、右手を持ち上げながらにっこりと……学生時代と変わらない、可憐な満面の笑みを浮かべる。

 

「―――貴方には、私の【魔法】の被験者になってもらうわね」

 

 その言葉に、「は?」と疑問に思う間もなく凛は右手の指をパチンと鳴らす。直後、士郎を拘束していた帯型の礼装が弾けながら燃え尽き、その衝撃でか燭台の灯がかき消される。

 そして―――

 

 

 

「―――――Anfang……!」

 

 

 

 ―――漆黒を、万華鏡の如き極彩の輝きが一掃した。

 

 あらかじめ仕込まれていたのだろう、床と天井……そして離れて見える壁にまで刻まれ光をラインと奔らせているのは巨大で精緻な魔方陣だ。

 そして輝きさえも塗りつぶしているのは凛が翳している代物。

 眩い輝きの向こうには歪な形をした短剣とも杖とも似つかない何かがあった。

 

「なっ!?」

 

 士郎は絶句する。それこそかつて彼が彼女から触りだけ聞かされていた秘奥中の秘奥だからだ。

 その名を【宝石剣ゼルレッチ】―――彼女の家系の大師父の名を持つ、特殊な魔術礼装。

 それを扱うということがなにを意味するのか、士郎は即座に理解する。

 

「本当に到達したのか……【魔法】に!!」

 

 【魔法】。

 それは結果だけならば現行の科学技術でも同じことができる魔術とは一線を画すもの。

 ただそれだけが為すことのできる、この世界に残された数少ない神秘―――正真正銘、本物の奇跡。

 

 そして凛の家系が目指したのは二番目の魔法。万華鏡(カレイドスコープ)とも称される、この世界とは違えた可能性へと進んだ『並行世界への干渉・運営』の御業だ。

 彼女の手にしている宝石剣はその権能の末端―――空間に穴を穿ち、並行世界の同じ場所を覗いたり魔力を引き出す程度のもの。

 ―――そう、並行世界への小さな穴を開くためのもの。

 

「士郎!!」

 

 光が怒涛のように溢れる中、凛は士郎に呼びかける。そこには一切の余裕はなく、宝石剣を握りしめる手や口の端からは血が零れている。

 おそらくは、それだけの負荷が逆流しているのだろう。

 

「これから、宝石剣の機能を拡張して人一人通れるだけの穴を開ける!そこへアンタを放り込む!!」

「っ、それは!」

 

 つまり、世界からの追放。それが為されれば、衛宮 士郎はもう二度とこの世界には還ってこれない。

 肉体すらも残らない、完璧な処刑だ。

 だがそれは同時に―――。

 

「―――うまくいけば、向こうで生きられるかもね。

 もっともかなり無理矢理だから、開く先の座標はこことは違うかもしれないし、そもそもどこの可能性にも到達できないまま事象の果てに消えてなくなるかもしれないけどね」

 

 だから。

 

「勘違いしないでよね、士郎。アタシはこれからアンタを殺すつもりで放り込む」

 

 そう、その言葉も殺意も本気で本物だ。

 遠坂 凛はこれで士郎が死んでも構わないつもりで魔法を行使している。

 だが、そのくせその顔に浮かんでいるのはどこまでも不敵な笑みだ。

 

「けど、もしアンタが辿り着いた先で再び立って歩きだすというのなら―――」

 

 生き方を改めろ、なんてことは無駄なので言わない。

 どうせコイツのどうしようもないところが死んでも直らないなんて、この世の誰よりも自分が一番よく解っている。

 ―――だから。

 

 

 

「―――少しは力を抜いて、自分自身を認めてあげなさい」

 

 

 

 それは、自分ではついぞできなかったこと。だからこそ、彼女はここではないどこかにその願いを託すのだ。

 まったく、度し難い他力本願だと自嘲してしまうが。

 願わくば、どういう形であれ彼の行く道に救いとなる誰かが居ればいいと、殺意の裏で彼女は祈る。

 

「――――――、」

 

 士郎は、言葉を失った。

 なにを言うべきか、咄嗟になにも浮かばなかったからだ。そして、その間にも魔法はその力を顕現させる。

 

 士郎の背後に、『穴』が開く。陳腐な表現なら、ブラックホールが一番近いか。

 ―――なるほど、一方通行……決して還ってこれぬ彼方への『穴』というなら、これ以上の形容はない。

 

 士郎は自分の体が穴へと引っ張られるのを感じた。いや、それもあくまで例えにすぎない。

 実際はこの世界そのものから消えつつあるのだ。

 

「とお、さか。遠坂!!」

 

 それを自覚して、士郎は叫ぶ。もはや止めようがないのか、もがこうとも前に進むことは叶わない。

 眼前の凛は、もはや語る言葉はないのかただ黙って宝石剣を構えている。

 

「……っ!」

 

 時間がない。己という存在が、この世界から離れようとしているのが解る。

 機能しているはずの五感が、段々となにも感じ取れなくなっていくことに世界との乖離を痛感する。

 士郎は最後に、あらん限りの大声で叫ぶ。

 どうか、完全に離れてしまう前に……彼女にこの言葉が届けと。

 

 

 

「―――――――――!!!」

 

 

 

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 ………そして。

 凛は再び右手をパチンと鳴らした。

 すると、燭台に再び火が灯る。

 

「――――――成功、ね」

 

 呟く彼女の前には、もう誰もいない。

 衛宮 士郎は、どこにもいない。

 

「あー、もったいない」

 

 そうぼやく足元には、宝石剣の欠片が散らばっていた。

 あまりの負荷に、役目を負えたと同時に砕け散ったのだ。

 全財産どころか借金としても多大な結晶の末路に、溜息しか出ない。

 

「まあいっか。成果は出せたし。……ルヴィアとは、タッチの差で役目を勝ち取れたものね」

 

 好敵手というよりは宿敵といった方が近く、宿敵というよりは天敵と評すべき因縁の同輩を思い浮かべ、ほんの少しだけ優越感に浸る。

 きっと陰でハンカチでも咥えて唸っているに違いない。ざまあみろ。

 

「とはいえ、準備も大変だったけど、片付けも重労働よね、コレ」

 

 広い室内の照らされていない部分まで見通すかのように首を巡らせる凛。

 なにせ【魔法】の儀式である。準備は勿論、その後の撤収まで余人の手を借りず己一人で済まさなければならない。

 これも神秘の秘匿のためである。仕方がないとはいえ、げんなりとするのも無理はない。

 

「愚痴ってもしょうがなし、パパっとやっちゃって……あれ?」

 

 ストン、と膝が落ちる。自分で思っていた以上に疲れていたのか……そう思ったが、どうやらそれだけではないらしい。

 

「あ……」

 

 頬にやった手が熱く濡れる。涙だ。

 気づけば、視界がぼやけていた。

 

 そうして、ふと思い出すのは士郎が最後に残した言葉だ。

 

「『ありがとう。世話をかけた』、か。………あのバカ、その一言で済ますんじゃない、わよ」

 

 呟く言葉は、震えている。

 やがて震えはその身にも及び、彼女は己の肩をギュッと抱いて爪を立てる。

 そして喉を逸らして天を仰ぎ―――

 

 

 

「――――――――――――ッ!!!」

 

 

 

***

 

 

 

「難儀なもんじゃの」

 

 人外の耳で、幼子のような女の嘆きを微かに拾いながら、その老人は低く唸った。

 彼の名は【キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ】。己の名がそれを示すほどになった第二魔法の担い手にして、魔導元帥と呼ばれる死徒である。

 人の理から逸脱して永い時を生きている彼は、窓から射す陽光に目を細めながら椅子の背もたれを軋ませる。

 その表情はどうにも険しい。

 それもそのはず。絶大な力を持つ文字通りの魔法使いでも、泣き濡れる乙女に勝てる道理はないのである。

 まして恋破れたような状態であるなら、尚のことだ。

 

「しかし、一番見込みのないところが化けるとは。いやさ、だから世界は面白い」

 

 と、本当に楽し気に笑いながら彼は宝石を一つ取り出してまじまじと覗き込む。たった今、開いたばかりの穴だ。その先を見届けるくらいは造作もない。

 そうしてしばし、あらゆる並行世界に手を掛ける稀代の大魔法使いは、感心したかのようにさらに深い笑みを漏らす。

 

「ホ、―――これはまた、なんとも面白い可能性(セカイ)と繋がったものよな」

 

 それがどういう意味なのか。

 彼以外に理解出来る者はこの世界にも『その世界』にも存在しなかった。

 

 

 

***

 

 

 

 昏い昏い地の底で、『それ』は己を震わせた。その様は身動ぎのようにも鼓動のようにも見える。

 『それ』は深い緑色をした法螺貝のような形をしていた。中央、渦の部分にある宝玉を嵌め込んだような装飾が、まるでこちらを覗き込む瞳のようにも見える。

 

 『それ』はある機能を持っていた。異なる可能性を歩んだ世界と世界同士を繋げるという機能だ。

 ある可能性の世界においては第二魔法と称される無二の奇跡を、それは容易く―――少なくとも、これといった代償らしい代償を払うこともなく―――実現してみせる。

 とはいえ、『それ』は狙いすましたかのようにそうそう動かせるものではない。むしろ人の手では決して思うままに操ることのできない代物であった。

 

 『それ』が今、繋げた先はこの世界で最も強く歪んでいる場所。そこへ、『それ』は己が察知した漂流物を現出させた。

 その結果がなにをもたらすのか『それ』は関知しない。そも、意思と呼べるものの有無すら不明である。

 『それ』はただ、どこまでも己の持つ機能を気まぐれに発揮するだけの器物でしかない。

 

 

 

 ―――『それ』の名は、【ギャラルホルン】。

 ラグナロクを告げる角笛の名を冠する、人知不可侵の完全聖遺物である。 

 

 

 

***

 

 

 

「………なんだ、あれ?」

 

 天羽 奏は、今の状況すらも一時忘れて呆然と呟いた。その視線の先には、蹲る何者かの背中があった。

 その更に先にはノイズ……接触した人間を真っ黒な灰へと変えてしまう認定特異災害が文字通り群れを成している。

 

 奏と相棒である風鳴 翼によるアイドルユニット、【ツヴァイウィング】のライブ公演……それによる第4号聖遺物【ネフシュタンの鎧】の起動実験。

 その最中に現れた大量のノイズにより、目の前で多くの人間が犠牲になった。

 それを少しでも食い止めるため奏と翼は聖遺物の欠片を歌によって起動し、身に纏う鎧と武装として顕現させる【シンフォギア】によって戦っていた。

 だが奏は元々シンフォギアを纏うための適合係数が低く、【LiNKER】という特殊な薬品の過剰摂取によってどうにか時間制限付きで第3号聖遺物【ガングニール】を纏っているという状態だった。

 しかも件のネフシュタンの鎧を起動させる実験のためLiNKERをしばらく投与していなかったことにより、常よりもさらに早く時間切れを迎えかけている状態だった。

 

 そんな彼女の腕の中には、一人の少女が抱かれている。胸から血を流すその少女は、己が守ろうとしてしかし果たせず、死の淵に立たせてしまっていた。

 傷口から溢れる血の量は多く、位置から考えれば下手をすれば心臓にまで達しているのかもしれない。

 もはや一刻の猶予もないと、そう判断した奏が己の命を投げ打とうとしたその時だった。―――その人物が、光と共に現れ出でたのは。

 

「何者、なんだ?」

 

 呟いた直後、その何者かが身を起こした。

 

「…………。ここは?」

 

 戸惑いの込められた言葉。その声の低さと、がっちりとした体型からどうやら男のようだ。短い髪は真っ白で、もしかしたら老人なのかもしれない。

 纏っているのは派手なほどに真っ赤な外套で、しかしそれもボロボロで所々がほつれ、破れ、汚れている。

 しかも血に濡れている部分もある。もしかしたら、ボロボロなのはその外套の下の男自身もなのかもしれない。

 と、そんな彼へ上空から鳥型のノイズがドリルのようにその身を捩らせて墜落してくる。

 

「オイ!!避けろ!!」

 

 叫べば、男も気づいたのか存外に素早い動きでこちらへと一足飛びで退避してくる。

 その一瞬後に落下してきたノイズが槍のように大地に突き立ち、爆撃のように砕く。

 その様と、そして煙る土埃の向こうに揺らめく異形の群れに、男はうわ言のように疑問を口にする。

 

「あれは、なんだ?」

「はあ?お前、ノイズを知らないのか!?」

「のい、ず?」

 

 本当に知らない様子の男に、奏は舌打ち交じりに叫んで答える。

 

「触れれば人間を炭クズに変える、そのくせ普通の武器は一切通用しないクソったれの特異災害様だよ!!

 それを知らないとか、アンタ一体どこの田舎から出てきたお上りさんだ!?」

 

 と、そこで漸く男がこちらへ顔を向ける。白髪から受ける印象とは裏腹に、その年齢はひどく若く二十代のそれに見える。

 浅黒い肌の割に、顔立ちはアジア系……というより、完全に日本人のそれだ。しかし浮かぶ表情は疲れ切った、それこそ本当に老人のようにも見える。

 よく見れば体中に傷を負っており、先に自分が見立て通りなのだと得心をする。

 と、こちらを見る男が頭痛を堪えるように顔をしかめる。大丈夫か、と声をかけるよりも前に、彼は信じられないことを口にした。

 

「それは……ロンギヌス、いやグングニル?逸話が混在―――というより、同一化しているのか?」

「な……!?」

「それにあっちの子はアメノハバキリか……」

 

 翼へと視線を映してさらに呟く男に、奏は絶句した。シンフォギアのシステムは自分たちが所属する特異災害対策機動部二課によって厳重に秘匿されている存在だ。

 まして由来である聖遺物が何であるかなど、そうそうわかるはずもない。

 それを、ノイズを知らないこの男は一目で見抜いたのだ。奏の警戒心が一瞬にして最高にまで高まるのも無理はない。

 

「アンタ、一体……っ!!」

 

 しかし、状況は追及を許さない。大小入り混じるノイズの群れが、ついにこちらへと迫ってきている。

 翼が今も奮闘しているが、彼女だけではもつまい。―――故に、奏は覚悟を既に決めていた。

 巻き込むまいと少女を瓦礫に持たれかけさせながら、奏は男に声をかける。

 

「……アンタが何者かは知らないけど、ここはこの子と一緒に下がってろ。

 ここはアタシが―――」

「いや、下がるのは君だ」

「はっ!?」

 

 立ち上がろうとした矢先、そんな言葉と共に男が立ち上がる。そのことに一瞬足を止めかけるが、すぐさま立ち上がる。

 

「なに言ってんだ!?そいつらに武器は通じないって言っただろうが!!

 そいつらをぶっ倒せるのはアタシらだけ……」

「だとしても、すでに君は限界だろ。―――それ以上は、命と引き換えだ」

 

 見抜かれたことに絶句する。

 まさしくその通り。今から自分はシンフォギアの力を最大限に開放する【絶唱】で以ってこの場のノイズ全てを一掃するつもりだった。

 自分の体のことはよく解っている。ただでさえ無理矢理シンフォギアを動かしている自分が活動限界に近い状態で負荷の大きな絶唱を行えば、確実に死に至る。

 と、固まる奏を見て男が小さく笑う。

 

「……やはり、図星か」

「っ、カマかけやがったのかテメェ」

「半分ほどは確信していたさ。そういう目をしていたからな」

 

 言って、男が前を向いて歩き始める。その先には当然ノイズが居り、男を殺さんとすでに迫ってきていた。

 

「なっ」

 

 奏はとっさに自身の武装……アームドギアの槍を振るおうとして、地に放っていたことを思い出す。

 拾い上げ、構え、攻撃を放つまでは数秒もかからない。だが、男が灰になるまでには十分すぎる時間だ。

 翼の方も、己の周囲にいる敵を倒すのに手いっぱいで男を助けるのに間に合いそうにない。

 逡巡の間にも、二体の人型ノイズが左右から男に迫っていた。

 

「~~~~っ、逃げろぉっ!!!!」

 

 思わず叫ぶ。すでに人型ノイズとの距離は手を伸ばせば届く距離。

 次の瞬間には男は真っ黒な灰となって崩れ落ちると、諦観と絶望がない交ぜになった確信を抱いて、

 

 

「―――投影、開始(トレース・オン)

 

 

 それが、裏切られる。

 一瞬の交差―――灰となって消え去ったのは二体のノイズ。

 オレンジ色の体が袈裟に断たれて地に落ちるよりも早く塵へと変わっていく。

 対する男はいまだ健在。むしろ、先ほどまでが嘘のように雄々しくその背中を見せている。

 

「…………は?」

 

 奏は、男が現れた時と同様、状況を忘れて呆ける。

 それは離れて戦っていた翼も同じようで、その顔に驚愕を張り付けている。

 

「一体なにが?」

 

 言って、あることに気付く。いつの間にか男の両手には剣が握られていたのだ。

 同じ形の、白黒色違いの剣。片刃に湾曲している刃は、翼のような刀と比べて中華風の印象を受ける。

 つまりあの男は……その剣で、ノイズを斬ったということか。

 

「まさか……」

 

 信じられないという表情を浮かべる奏。そこへ、男が更に動く。

 

「シッ!!」

 

 威勢も短く、その手の両刀が放たれた。回転する陰陽の刃は美しい弧を描いて黄昏を滑る。

 その軌道上には無数の鳥型ノイズ―――音速を超える弾丸も超重量の金属の塊も透過して無効化するその身を、しかし刃は紙飛行機を裂くかの如く斬滅していく。

 二つの刃は、飛ぶ鳥が羽を休めるように主の下へ。その様は良くできた曲芸のようにも見える。

 

「っ、づぅっ」

 

 と、男の体に電流のような光が迸る。体表にも奔る光のラインはさながら電子回路のようだ。

 直後、いかなる理由によるものか男の体から刃が生える。明らかに体の内側から現れたそれは、血を派手にまき散らしながら切っ先を外へと向けて延ばしていく。

 その凄惨さに奏が息を飲むが、当の本人は揺るがない。

 

 

I am the born of my sword(体は剣で出来ている)

 

 

 さらに、男の声が響く。

 それはどこか歌のようで、しかしそれよりも低く重たく、そして不思議と耳に残った。

 その直後、男の頭上にいくつもの剣が現れる。

 それらは一時、そのまま浮かんでいたが男の腕の一振りで、砲弾のように放たれる。

 

 ―――轟音、衝撃、殲滅。

 

 剣の時雨が、屯っていたノイズたちの一角……数にして三十以上を一瞬にして屠り去った。

 

「………ハハ、なんだこれ」

 

 その事実、なによりもその異様さに奏は思わず笑ってしまう。彼女からしてみれば、まるで現実味のない光景だからだ。

 これならば世話になっている上司が無双しているほうが余程に現実的だ。彼の場合、ノイズに拳が通じれば実際にできるだろうし。

 

「ここがどこなのかは知らない」

 

 と、男が振り向かないままポツリと呟く。そこにはもう、現れた時のような不確かさはどこにもない。

 

「アレが何なのかも、君たちが何者で、どうして戦っているのかもわからない」

 

 男の体はボロボロだった。

 奏たちは知らないが体力の消耗も激しく、血も多く失っている。

 ―――だからどうした。

 

 魔力も枯渇寸前で、魔術回路は焼き付きかけている。

 負荷も抑えきれず、心象からこぼれた刃が傷口を内側から広げるように顔を出している。

 ―――だからどうした。

 

 そも相手取っている異形が何なのかわからない。

 それと戦う少女たちが、何者なのかも知らない。

 ―――それでも。

 

「それでも、解っていることはある。俺ができることと、俺がするべきこと、そして―――」

 

 ―――俺がしたいこと。

 そう思い、一瞬だけ男の口元に笑みが浮かぶ。

 さて、自分をここへと送り出した彼女は今の自分を見てどう思うだろうか、と。

 怒るだろうか、呆れるだろうか、はたまた腹を抱えて指差し笑い出すかもしれない。

 その答えを知ることは、二度とない。

 

 幽かに残った、未練のような何かを最後に断ち切り、足を踏み出す。

 決意はここに、意思を五体に巡らせ、信念を駆動させる。今までのように、いつものように、それがどんな結果に繋がろうとも。

 

「アンタは一体、何者なんだ?」

 

 奏はその背中に問うた。満身創痍でありながら、なおも不屈を体現するかのように力強く立つその背中へ。

 男は首だけで肩越しに彼女へ振り返り、短く答える。

 

 

「衛宮 士郎。―――錆果てた、ただの魔術使いだ」

 

 

 

***

 

 

 

 その光景を、立花 響は確かに見ていた。

 

 胸に受けた傷は深く、出血も多い。このままでは確実に命を落とすだろう。

 そんな中で、彼女の意識は微睡のように途切れ途切れであった。それでも……或いはだからこそ、彼女がその時に聞いて見たものはその心の奥底にまで焼き付いた。

 

 耳は、ずっと歌を拾っていた。

 それは勇気と決意を刃に変えて、不浄の一切を切り払う剣の歌だった。

 

 そして目は、その背中を焼き付けていた。

 それは刃こぼれのようにボロボロで、錆びついているかのように汚れていた。

 だけど、なにがあっても折れず曲がらず不屈に立ち続けるその在り様は、なぜか剣を連想させた。

 

 血よりも紅く、夕日よりも朱く、錆などよりもなお鮮やかに赤い、その背中。

 ああ、それはまるで―――

 

(あかい、はがね……)

 

 ―――その光景を、立花 響は確かに見ていた。

 その日の歌と背中を、彼女は一命をとりとめ、リハビリを終えて退院したその後も忘れることはなく、何度も何度も、夢に見た。

 ……二年の時を経て、再びその背中に出会うその時まで。

 

 

 

 ―――男の旅は未だ終わらじ。

 少女たちの歌が響く天の下、不屈の鋼が刃を振るう―――。

 

 

 

 





 クロスオーバーの手段が凛の手による第二魔法……。
 これは駄作の誹りを免れない(確信

 というわけで、ついに始めちゃいましたよ、シンフォギア×Fateのクロスオーバー。
 書かない書かない言っといて結局やっちゃいました。
 テヘペロ(キモイ

 ちなみに、アニメ本編は第一期を飛ばし飛ばしながらも見終わりまして、現在第二期。
 といっても、各話に対応する話を書くときは改めて内容を把握しながらになると思うので、進みは大分遅くなると思います。
 ……つまり第三、四期にかんしては把握していない部分も多いという見切り発車っぷり。
 一応、ネットで公開されてる設定とかも読んだりはしてるんですが……思った以上に、設定細かいのねシンフォギア(汗

 それでも、型月系とクロスさせるうえでいろいろ妄想は捗ってたりします。
 バラルの呪詛関連とか。
 それに合わせて独自解釈や独自設定とかも出てくると思うので、ご了承ください。
 ところでガングニール≒ロンギヌスのあたりが説明されるのって何話くらいですかね?

 ちなみに、士郎の方はセイバールート後を想定していますが、もしかしたらUBWの展開も混ざってたかもしれません。
 その辺りは今のところ不明です(まだ細かく考えてない

 タイトルに関してはいろいろと案が出ました。
 とりあえず『戦記絶唱』の部分についてはシンフォギアをものすごく端的にかつ的確に表しているので、そのままに。
 第一案は『戦姫絶唱シンフォギアF』でしたが、シンプルすぎたので没に。
 第二案はFateにあやかって『戦姫絶唱シンフォギア運命―SADAME―』というのを考えましたが、某うたわれのBGMのほうを思い出すのでこれも没に。
 そうしていろいろ考えて、アーチャーなりかけの士郎だから赤いよなと考え、士郎とかアーチャーって言ったら剣とか鉄とか鋼だよなと思い、よしそれじゃあ赤鋼とかいてアカガネで。
 でもこれだけだと寂しいな、よっしゃ赤を赫にしよう!!
 ……というわけで出来上がったのが『戦姫絶唱シンフォギア赫鋼―アカガネ―』というタイトルです。 
 ……ええやん、と思いながらふと検索したら、某東京のグールさんがヒットしまくりました。
 どうしようかと悩みましたが、結局そのまま突っ切ることに。
 なおこの作品には最近原作が終了した某喰種は全く関係ないので悪しからず(笑



 さて、それではここからちょっとクロスさせる上でこちらが考えている設定の中から、作中で説明するかどうか微妙なのを二つほど解説しようかなと。

【Fate世界とシンフォギア世界の関係】
 この二つの世界、並行世界としてもかなり遠いものだったりします。
 地球という土台は一緒ですけど、かなり早期の部分から別れた世界線。
 ゼル爺よろしく宝石みたいに例えるなら、カッティングではなく石の中の成分の違いで生まれた色合いのようなもの。
 もっとぶっちゃけて例えると、青セイバー(アルトリア)と赤セイバー(ネロ)みたいな感じ(爆
 なので本来ならそうそう繋がる世界ではないんですが、凛が宝石剣の機能を強引に拡張したうえに穴の先の座標を指定しなかったこと、シンフォギア世界にギャラルホルンというものがあったことで士郎が辿り着くことができたと設定しております。
 ただ第二魔法の性質上、一度つないだ世界は観測可能なようですので、元々士郎がいた世界線ならば干渉できる可能性はあります。


【士郎の扱う神秘の扱い】
 Fateの魔術とシンフォギア世界の錬金術は根本的に違うものだと解釈しています。
 つまり、世界という舞台において使っている元々のリソースが異なっているものだと考えてください。
 言ってしまえばスチームパンクの世界に自分で発掘・精製できる石油エネルギー式のロボットが現れたようなもの。 
 つまり元居た世界と違って使っている者が他にいない分、より強い出力で魔術を行使しやすい状態になっています。
 ……なんでこれが作中で説明される可能性が低いかって言うと、魔術使いではあっても魔術師としてはへっぽこな士郎ではある程度の推論は立てられても、ちゃんとした理論としては成立させられないからと考えたからです。異論がある人はスマン。
 それはさておき、この作品の士郎は上記の理由と『もう一つの理由』により、割と強力な投影を比較的楽に行使できたりします。
 『もう一つの理由』については、作中第一期のラストで語られる予定です。



 ……とまぁ、こんな感じで。
 本編もあとがきも長すぎてすいません。
 でも書きたかったんや……

 こんな変に欲張りな自分ですが、のんびりとお付き合いいただければ幸いです。
 ISとオリジナルの方もよろしくしていただければなお嬉しいです(ステマ

 それではこの辺で。
 暑くなってきましたが、皆さんお体には気を付けてくださいね。
 また次回にお会いしましょう。


【追伸】
 死徒関連の設定を改めて調べてみたら、結構細かいところに新しい設定が生えててビックリ。
 Fateと月姫って完全に別の世界線なんだ。
 というか、Fate世界だと死徒二十七祖がいないって知ってびっくり。
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