戦姫絶唱シンフォギア赫鋼―アカガネ―   作:樹影

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20:集結/開幕

 

 

 

 下腹部で辛うじて繋がっている姿は、形容するならばイチョウよりも松の葉の方が近いか。

 操り糸を切った人形よりもだらしなく後ろへと倒れ込んでいく体。次の瞬間には、噴水どころか間欠泉のように鮮血をまき散らすだろうモノを見下ろして―――

 

 

 

 ―――ギョロリ、と。

 明確な意思で動いた瞳と視線が交錯した。

 

 

 

「―――ッ!?」

 

 脊髄の内側を濁流のように迸る危機感に、士郎が反射的に後ろへと飛び退く。同時に、後ろへと倒れ込みかけた姿勢のまま、動くはずのないフィーネの両腕が勢いよく振り上げられた。

 壁に縫い留められていた鞭刃も、固定していた剣ではなく壁の方を抉りだすように引きずり出されていく。

 そうして、二条の鞭刃が宙を躍った直後。

 一瞬にして、通路の天井が広い範囲に渡って乱雑に切り刻まれていた。

 

「ッッ!? チィッ!」

 

 中心である士郎たちはおろか、最後尾である未来を起点としてもなお向こうにまで走る断裂の線。

 わずかな間を置いて、ズ……という石膏像を引きずるような音と共に少しずつズレ落ち始めてくる。枠組みに隙間なくぴっちりと収められた積み木をひっくり返してぶちまけようとしたときに、互いの摩擦が干渉して中々落ちてこないのと同じ状態だ。

 なら、一度落ち始めれば後は堰を切ったように降り注ぐに違いない。

 士郎は逡巡を挟むことも出来ず、思わず漏れた舌打ちだけを悔し紛れのように残しながら弦十郎を拾って全速で後退していく。

 

「キャアッ!!?」

「未来さん、失礼します!!」

 

 身を竦ませていた未来に関しては、慎次が即座に動いていた。

 そうしてフィーネを残して全員が安全圏にまで抜けるのと、決定的な崩落はほぼ同時だった。

 恐らくは単純に天井だけではなく、更にもう一つ上の階層まで刃は届いていたのだろう。或いは、その更に上までも刻んでいたか。

 しとどに降り注ぐ瓦礫の様は、土砂降りというよりも直下に落ちる土砂崩れという方が正しい。

 

 ………。

 崩落は一分とかからず収まった。

 立ち込める粉塵まで薄まった頃には、うず高く積もりに積もった瓦礫が通路を占領していた。

 とはいえ、道そのものは塞がっているわけではない。通路を埋めきるには二階層ないし三階層分では足りなかったようである。そもその分だけ天井が無くなっているのだから、不安定な瓦礫を踏破すれば進むこと自体は十分に可能だ。

 故に士郎は弦十郎を一旦寝かせると、瓦礫の山を二歩三歩と駆け登りその向こう側を見渡して―――表情を、苦く歪めた。

 

「っ、逃がしたか」

 

 視線の先は既に行き止まりで、開いていたはずの隔壁は再び閉ざされていた。

 恐らく、フィーネは既にその向こう側にいるだろう。確証はないが、確信はあった。

 あの隔壁から向こうはデュランダル……完全聖遺物の納められている場所と繋がるものだ。故に隔壁を開ける人間は二課では司令である弦十郎と技術部のトップである了子だけである。

 仮に認証装置が埋まっていなくとも、追いかけることは難しい。

 

「しかし……あの状態から動けるか」

 

 当たり前の話として、正中線を両断されて生きていられる人間など存在しない。

 再生力だけならばネフシュタンの鎧の力であろうが、それだけでは即死を免れた理由にはならないだろう。

 

「人間であることを完全に捨てたか。いや――」

 

 或いは、最初からか。

 そんな風に思いつつ、士郎は踵を返す。瓦礫から降りれば、慎次が弦十郎を診ているところだった。

 横たわる弦十郎は、額に脂汗を滲ませながら表情を歪ませながら小さく呻き声を漏らしている。

 

「士郎、了子さんは……」

「すまん、恐らくは向こう側だ。弦十郎の様子は?」

「傷は浅い、とはお世辞にも言えないね。けど、流石と言うべきかな。傷は心臓や肺、脊髄なんかをうまく避けてるみたいだ」

「そうか……」

 

 慎次の言葉にとりあえずの安堵を得る。それなら適切な処置さえできれば、少なくとも今すぐどうこうという事態にはならないだろう。

 

「なんにせよ、すぐに手当てをしないと……」

「ああ。……小日向」

 

「ひっ……」

 

 呼びかけて、返ってきたのは明らかな怯え……いや、恐怖。

 びくりと身を震わせ、竦ませ、一歩を後退って身を引かせている。ペットキャリーを抱える力が強まったのか、ギシリと軋む音も聞こえた。

 

 その瞬間。

 小日向 未来は、衛宮 士郎という存在に明確な恐れを抱いていた。

 

「―――にゃぁう」

「……、あ。私……」

「―――、」

 

 キャリーから響く鳴き声に、未来は正気を取り戻したかのように唖然とする。咄嗟に出てきてしまった自分自身のその反応にこそ、当惑を覚えているようだ。

 そんな彼女に対し、しかし士郎は平然とした姿であった。

 なぜなら、彼からすれば彼女の反応こそ当然なのだ。すぐ目の前で……たとえそれが自分たちの命を狙ったような相手であったとしても、人を躊躇なく刺し貫き、切り裂くような存在に対して、恐れを抱くなという方が無理難題というものだろう。

 なによりも、そもそもの話―――そんな反応など、飽くほどに慣れてしまっている。

 

 笑みを交わした誰かに、命を助けた誰かに。

 恐れられ、忌避されるなんていうのは、かつての場所で当たり前のように味わってきたものだ。

 故に、気にするなと、そう答えようとしたその時だった。

 

「―――づ、士…郎……」

「っ! 弦十郎!」

 

 弾かれるように振り向けば、顔を油汗で覆った弦十郎が、呻きながらもうっすらと瞼を開いていた。

 その焦点が見慣れた赤い姿に合わせられると、彼は傷の痛み以外の理由で表情を苦く歪める。

 

「っ、すまん……お前たちに、ケツ拭かせる羽目に、なっちまった」

「おい無理に……」

 

 喋るな、傷に響く―――そう言うよりも前に、懺悔のような言葉が紡がれる。

 

「信じたくは、なかったんだ……了子と、過ごした……今までの時間、全部が……嘘だった、とは」

「……、」

 

 途切れ途切れに、漏れ出そうな血こそを堪えて吐き出される悔悟。

 割り切っていたつもりだった。―――だが、本当に“つもり”でしかなかったようだ。

 その結果がこれ。止めるどころか、ろくに阻むことも出来ない体たらく。まったく以って、無様と言う他に言い様があろうものか。

 

 文字通りに血を吐くような独白。その懺悔を聞いて、

 

「―――お前の性分なんて、いまさら言うまでもない」

「士郎……」

 

 士郎は、暗にその通りだと肯定した。

 もし彼が一切の躊躇を捨てて了子(フィーネ)を降していたならば。

 或いはそこまでは至らずとも、もうしばらく凌ぐことができたならば、士郎との二人掛かりで以って抑え込むことも出来たかもしれない。

 それができなかった彼の『甘さ』は、それこそ国家の裏に存在する組織の長としては相応しいとは言えないのかもしれない。

 だが。

 

「その性分のおかげで、オレは今ここにいる」

「っ!」

 

 そんな『甘い性分』こそが、今日に至るまでの道を作り上げていた。

 もしそうでなければ、衛宮 士郎はそもそもここに居ついてはいなかっただろう。かつてと同じ、根無し草として放浪していたに違いない。

 もしそうでなければ、奏や翼は今ほど笑えてはいなかったかもしれない。ただ復讐の凶念と使命の矜持のみで戦うだけの戦鬼となり果てていたのかもしれない。

 もしそうでなければ、響はどうなっていたかもわからない。聖遺物の研究のためだけの実験動物として飼い殺されていたとしてもおかしくはない。

 

 とどのつまりは。

 特異災害対策機動部二課という組織は、そんな『甘い性分』の風鳴 弦十郎が率いたからこそ成り立っているのだ。

 故に。

 

「弦十郎。お前は間違ってなんかいないさ」

 

 その『甘さ』を。

 人として当たり前で、尊ぶべきその善性を。

 士郎はなによりも『是』とした。

 

 それに結局のところ。

 敵対したとはいえ、長く親しんだ相手に拳が鈍った弦十郎と。

 敵対したとはいえ、慣れ親しんだ相手を容赦なく切り裂いた士郎。

 状況はさておき、人としてどちらが正しいかと言えば、それは―――

 

「………………………………………………………………………………………、」

 

 沈黙は数秒。

 その間で以って、弦十郎は胸中に複雑に渦巻くすべての感情を噛み砕き、飲み下す。

 そして深く息を吐き、改めてまっすぐと士郎と向き合った。

 

「―――士郎、お前は地上に戻ってくれ。

 ネフシュタンの鎧、ソロモンの杖、そしてデュランダル……そこまで揃えた了子の狙いが何であろうとも、カ・ディンギルってやつをどう使うにせよ、このまま地下に籠っているだけとは考えにくい……っ」

「司令!」

 

 言いつつ、弦十郎は痛みを無理矢理に無視して身を起こし、慎次が慌ててその身を支える。

 半身を起こしたところで息を深く吐いて、再び言葉を紡いだ。

 

「オレたちも、発令所に戻って奏たちを呼び戻す。彼女たちと合流してくれ」

「了解した。慎次、弦十郎のことは頼んだ」

「わかった。士郎も気を付けて」

「ああ。―――小日向」

「は、はい!」

 

 振り向けば、今のやり取りを見ていたからか先ほどと比べて未来の恐れは薄まったように見える。戸惑いはあれど、士郎に向ける瞳はまっすぐだ。

 そんな彼女に、しかし士郎はやはり近づくことはしなかった。

 

「彼らのことを手伝ってやってくれ。それと、引き続きチビスケのこともよろしく頼む」

「わかりました!」

 

 それと、と言葉を続けようとしたとき、明後日の方から「え、えみやさぁ~ん」と妙に震えているというか揺れているというか、そんな頼りない声が飛んでくる。

 未来はその聞き覚えのある声に思わず目を向けて、驚きに息を飲んだ。

 

「弓美っ、それに二人も!? 一体どうしたの!? ………ていうか、本当にどうしたの? なんか妙に足元ふらついているというか、全体的にぐんにょりしてるけど???」

「ふ、ふふふ……今の私は阿修羅にだって負けないわ……」

「なにがあったの???」

 

 足どころか首から下全てがガックガクになっている友人たちに未来の頭には驚愕と疑問符が尽きない。だが、三人からすれば無理もない話である。実質的に人力パラシュートのスカイダイビングを事前説明抜きで強制的にやらされたようなものだ。むしろ乙女の尊厳的なものを護れたことを讃えて欲しい。

 そんなバースデーケーキの蝋燭の火よりも簡単に吹き消せそうな三人の姿に、未来は先ほどまで感じていた恐れも完全に忘れてジト目で容疑者を見つめるが、士郎(はんにん)は気まずげに咳払いを一つ漏らす。

 

「ともあれ、彼女たちのことも一緒に連れていってやってくれ。……ここまで来たら、同じ場所にいたほうが安全だ」

「………ハァー、わかりました」

 

 呆れと疲れをブレンドさせた溜息を盛大に吐き出し、未来は頷いた。どうしてこうなったのか話を聞かないと解からないが、またぞろなにか無茶をしたのだろう。……そしてそれは、きっと必要なことだったのであろうことも。

 

(本当に。そういうところはしょうがない人だよね……)

 

 そんな風に考えると、思わず小さく笑ってしまう。先ほどまで、この人を怖いと思っていたのがバカバカしく感じられた。

 それをどう思ったのか困ったような表情を浮かべている士郎に対し、未来は『ただし』と前置いた。

 

「帰ってきたら、また料理を教えてくださいね、先生」

 

 その言葉は、この刃金のような男の胸にどう響いたのか。

 キョトンといくばくかの間を置いて、彼はほんの少しだけ緊張を抜いて微笑んだ。

 

「―――ああ、約束する」

 

 そう言い残し、今度こそ赤い外套を翻しながらその場を後にした。

 その背中を見送ってから、未来は改めて友人たちに向き直る。

 

「それじゃ三人とも、あとで説明するから今は私たちについてきて」

「わ、わかんないけどわかった~」

 

 未だに見ちゃいけない系の都市伝説の名前みたいな状態の少女たちを加えて、未来たちは自分たちができることをするために発令所へと目指していく。

 

 

 

 ―――彼女たちが程なくして目的地に辿り着いた後。

 響と繋がりリディアンの襲撃を知らせるも、その最中に通信が切断。

 恐らくはフィーネからのハッキングによるものだろうそれは、メインのシステムと電源までシャットダウンさせた。

 

 かくして。

 特異災害対策機動部二課の本部機能が完全に麻痺するに至ったのは、士郎と別れてから僅か数分後のことであった。

 

 

 

***

 

 

 

 目に映る月の色というのは、実のところかなり移ろいやすい。

 季節、時刻、気温に湿度、天候から気圧に至るまで、さまざまな要素によって黄金のような眩さや白銀のような静かな煌きなどを演出している。

 そもそもが砂と岩ばかりが表層を覆う衛星(ホシ)。未踏であるその内側(ハラワタ)が仮にどんなに混沌としたものであったとしても、その上っ面だけは太古の昔から変わらず照らされた能面のように太陽の輝きを反射するばかりだ。

 故に、月に感じる神秘なんてものは所詮は地上から見上げる側の受け止め方に過ぎない。

 

 ―――そんな学術的な理屈を加味した上でも。

 血で染めたかのような赤い月という存在は、あまりにも魔的に過ぎた。

 ましてやそれが、地獄のような有様を惨々と照らしているというなら猶更だ。

 

「そんな……」

 

 変わり果てた姿を晒す母校の姿に、響は愕然とする他なかった。それは翼も、卒業生である奏も同じだった。

 白亜の如く磨き抜かれた校舎―――今はどれも滑り落としたガラス細工のようにひび割れ、砕けている。

 広く緑の萌ゆる敷地―――今は撹拌されたような土砂と、何が由来とも知れない黒い灰の吹き溜まり。

 士郎と再会した時に、子猫を助けようと登った木―――根元から折れ砕け、黒く燃え焦げて据えたような臭いが煩わしい。

 

 それは、もはや日常の屍骸だ。

 完成されたジグソーパズルを叩きつけ、二度と組みあがらないようにグシャグシャに穢し尽くした成れの果て。

 蹂躙と凌辱による喰い残し。

 少女たちが護りたかったものを嘲いながら踏みにじったのだと、言葉に依らず叩きつけてくる悪夢の具現。

 

 それを前に、響が膝を屈してしまうのも無理らしからぬことだった。

 この学園での生活は、まだ半年も経っていない。

 だが、多感な少女の頃にあっては、もはや揺らぐことのないはずの当たり前のものとなっているのは自然のことで。

 それがこうまで無惨に打ち砕かれたことの衝撃たるや、いかほどまでのモノだろうか。

 

「未来……みんな……」

「っ、しっかりしろ! 未来は本部から通信してきたんだろ!!

 あそこがそう簡単にどうにか―――」

 

「―――安心していいわよ、響ちゃん。本部はいま、電源が落ちちゃってるだけだから」

 

 自身の動揺を抑えながら叱咤する奏の言葉を、上から響く聞き慣れた声が遮った。

 少女たちが揃って見上げれば、そこにいたのは濃い栗色の髪を結いあげた、眼鏡に白衣の女性。

 

「了子さん!!!」

「よかった、無事だったのか」

 

 見知った人間の壮健な姿に響と奏、そして翼が心からの安堵に表情を和らげる。

 だが、それを。

 

「―――お前の仕業かよ、フィーネェッッッ!!!」

 

 最後の一人。

 クリスが放った怒声が消し去った。

 

「………………………………………………………………………え?」

 

 その戸惑いは、誰が発したものだったか。

 固まってしまう三人を叩くようにクリスが強く言葉を重ねる。

 

「アイツこそ、アタシが決着を付けなきゃいけないクソったれ………フィーネだ!!」

「――――――――――――。ウソ、ですよね?」

 

 響が、縋るように了子を見上げる。

 だって、あそこにいるのは今まで自分たちを助けてくれていた人で。

 役割は違えど、いっしょに戦ってきた人で。

 自分よりももっと前からここにいた人で。

 だからきっと、困ったように怒りながら、もしかしたら笑い飛ばしながら。

 『そんなわけないじゃない』なんて否定してくるはずだから。

 

「………………、ハ」

 

 けれど。

 次の瞬間に、彼女の顔に浮かんできたのは見たこともないような嘲弄の笑み。

 怖気が奔るほどに凄惨な弓張り月を唇で描きながら、堪えきれないように笑って、哂って、嗤っている。

 砕け散った学校(にちじょう)から、溢れ出したドロドロの油がどうしようもなく沁み込んでしまうように。

 ようやく見つけた日常の欠片こそが、一番の汚泥そのものだったのだと告げてくる。

 

「ハハハ………アハハハ、アハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ――――――!!」

「そうなのか……その嗤いが答えなのか、櫻井女史!!」

 

 困惑を通り越して憤りを露にする翼を尻目に、了子(フィーネ)は哄笑と共に掛けていた眼鏡を毟るように投げ捨て、結い上げていた髪を解いた。

 そして服の上からでもわかるメリハリの効いた艶やかな肢体から、鬼火のように青白い閃光を立ち昇らせながらその姿を変貌させていく。

 果たして顕れたのは、黄金の鎧に黄金の髪の女性。

 見たことのない姿、見たことのない表情―――けれど、確かに見知った誰かの姿。

 

 ギリ、と奥歯を鳴らしたのは奏だった。

 

「オイ、答えろ!! アンタが了子さんだってんなら、今までアタシ達と一緒にいた了子さんはなんなんだ!!」

「あぁ、アレも私だとも。フィーネ(ワタシ)は、至って正気の上で了子(わたし)として在り続けていた。

 もっとも『櫻井 了子』としての肉体は先だって食いつくされ……意識のほうは十二年も前に死んだと言うべきだがな」

「なんだと!!」

 

 どことなく気だるげな声音で、億劫そうに答えるのは戯れのつもりなのか。

 その姿は奏にとって神経に爪を立てて逆撫でされるようなものだが、当の本人は一顧だにする様子もなく語りを続けていく。

 

「フィーネとは元々、超先史文明期の巫女。彼女は己の意識を遺伝子に刻印させ、己が血の係累がある条件を満たしたときにその記憶と能力が再起動するように仕組んでいた」

「ある条件……? いや、十二年前……アメノハバキリの覚醒……っ、アウフヴァッフェン波形か!?」

「正解だよ、風鳴 翼」

 

 全ては、偶然だった。

 風鳴 翼がアメノハバキリの覚醒を引き起こせたのも。

 そのための実験に櫻井 了子が立ち会っていたことも。

 そして櫻井 了子がフィーネの血を引く(すえ)であったことも。

 薄紙に描かれた曲線が重なり合うことで一つの絵を描くようにして、今この場のフィーネへと繋がったのだ。

 

「無論、これまでフィーネとして目覚めたのは私だけではないぞ?

 歴史上幾度も現れた偉人・英雄……世界中に散り、幾度となく目覚めた“私たち(フィーネ)”は『パラダイムシフト』と呼ばれる技術の大きな転換期に常に立ち会ってきた。

 貴様らの使うシンフォギアシステムも、一応はその括りに入るか。………もっとも、そんなものは為政者(ブタども)から都合よくコストを捻出させるための都合のいい副需品(おもちゃ)でしかないがなあ」

 

 ここにいない者たちも……いや、古今東西における己以外の全てを愚かしいと嘲うその姿。

 悠久ともいえるだろう時の中で幾度となく蘇り、暗躍し続けてきた規格外の暗躍者(フィクサー)

 それが彼女―――【フィーネ】と総称される存在の正体だった。

 

 

 

「―――なるほど【転生無限者】。それがお前の本質か」

 

 

 

「っ!?」

 

 その言葉と、フィーネが振るった鞭刃が『何か』を叩き落したのはほぼ同時だった。

 折れ砕けながら弾き飛ばされたのは、黒塗りの矢。都合三発、狙いは両目に額……再生できるとはいえ、まともにくらえば若干の隙が生じるだろう攻撃だ。

 その意図を読み取ると同時に忌々しく舌打ちをかまし、フィーネは矢を弾いた鞭刃を更に振るって下手人へと打ち据える。

 崩れかけた校舎の外壁を、そのものを倒壊させかねない勢いで砕き散らせば、粉塵の中からその陰にいた人物が飛び出てきた。

 その姿に、響たちは表情に喜色を滲ませながら目を見張った。

 

「衛宮さん!! 無事だったんですね!!」

「ああ、そちらこそ大事なさそうで何よりだ。……それに、本懐は遂げられたか」

 

 彼女たちと並ぶクリスの姿に小さく微笑みを浮かべれば、当の本人はそれに気づいて頬を染めながらそっぽを向いた。そんな、年頃らしい反応にこそ微笑ましく思いながら、彼は改めてフィーネを見上げる。

 フィーネはまるで家の片隅で名称も定かではない小さな羽虫を見つけてしまったような表情で、こちらを睥睨している。

 

「小賢しい真似を……だが、興味深いことも言っていたな?

 【転生無限者】、それはお前の世界の言葉か?」

「ああ。もっとも、そういうのがいるらしいと聞いたことがあるだけだけどな」

 

 ―――転生無限者。

 己の魂を核とし、その自意識を保ったまま他者の肉体を簒奪する存在。

 器となった肉体が死すれば、幾許かの年月を経てまた同じように世に顕われる、人の生を超越した形の一つ。

 死徒と同じく、“人間(ヒト)”から“人間(ヒト)を喰らう側の何か”に成り果てたモノ。

 

 実のところ、士郎は彼女が自分が伝え聞いたソレと同質の存在なのかは判然としなかった。そもそも、件の存在だって『時計塔』に居た折に雑談の中で出てきた程度のものだ。

  だからそれ自体は実際のところどうでもよく、問いただすべきは別のところにあった。

 それは。

 

 

 

「問うぞ、フィーネ。―――お前は一体何がしたい?

 そんなものにまでなり果ててまで、一体何を望んでいる?」

 

 

 

 瞬間、フィーネの表情が完全な無となった。

 こちらの精神を掻き毟るような嘲りの笑みはどこにもなく、どころか感情そのものが消え去ったかのような凪のような面構えに成り果てている。

 或いは。

 その薄皮一枚下で、処理しきれないほどの感情が乱気流のように渦巻いているのか。

 そんなフィーネの様子に、少女たちは静かに戸惑い、士郎はただ静かに睨み続けていた。

 

 呼吸すらも止まっていたかのような沈黙の後、ようやくにフィーネの唇が動き出す。

 

 

 

「――――――私はただ、もう一度“あの御方”と並びたかっただけだ」

 

 

 それは一体、誰を指したものなのか。

 紡がれる声音は、櫻井 了子としてのそれとは勿論、フィーネとして共に在った期間の長いクリスからしても耳にしたことがない静かなものだった。

 それはまるで、喪に服するような。

 或いは、老いさらばえて疲れ切っているかのような。

 

「そのために打ち立てた塔は怒りを買い、雷霆で以って崩された。

 ―――諸共に、人類が交わす言葉まで撃ち砕いて」

「なに?」

 

 怪訝に訊き返す士郎に、フィーネは腕を真上に挙げて指さす。その先に在るのは、赤く染まった円い月だ。

 

「この世界に於いて、月は不和の象徴ともされる………それが何故だか教えてやる」

 

 ギチリ、と。

 フィーネの口元が憤怒に歪み、軋む音を立てて歯噛みする。

 

 結局のところ、地上に住まう何者も彼女にとっては“敵”ではなかった。

 獅子身中の虫として懐に居続けていた特異災害対策機動部二課も。

 自身が利用し、自身を利用し、最後には互いに不要と切り捨てた米国も。

 自身を追い詰めかけた風鳴 弦十郎も。

 今目の前にいるシンフォギア共も。

 並行世界からの魔術使いも。

 その悉く、排除すべき“邪魔者”ではあるもののそれ以上の認識ではなかった。

 たとえどんなに鬱陶しくても、ハエを敵と思う者がいないのと同じことだ。

 ならば、フィーネにとっての不倶戴天たる“敵”とは何なのか。

 その答えが、満腔の赫怒と共に示される。

 

「【バラルの呪詛】―――驕り高ぶった人類に与えられた罰。

 相互理解を阻み、人と人とが真実解かり合うということを剥奪し続けている太古からの呪い。

 その源こそが、あの天に在り続けている太陰だ!!」

 

 故に、彼女は誓った。

 どれほどの下劣畜生の業を為そうとも。

 那由多ともいえる悠久を歩もうとも。

 有象無象と一緒くたにこの身を縛るその呪いの打破を。

 その為に。

 

「その為に―――私は築き上げたのだ……【カ・ディンギル】を!!!」

 

 その時、地が激しく脈動した。

 同時にフィーネの背後で、なけなしに残っていた校舎がついに崩落しながら、なにかがせり上がってくる。

 まるで蛹や繭が裂けて、似ても似つかぬ姿の成虫がお披露目されるかのように。

 

「あ、あれは……」

 

 よろめきながら、或いは微動だにせず立ち続けながら、響や士郎たちはそれを見上げた。

 恐らくは、エレベーターシャフトだったものか。それが裏返るように変形したものは削岩機のように螺旋状に回転しながら、どこまでもどこまでも伸びていく。

 その表面にあるのはエレベーターを使うたびに目にしていた極彩色の文様で、それに彩られた外壁は目に毒々しくもどこか神代の神殿を彷彿とさせる。

 その根元には突き破られた蜘蛛の巣のような骨組みが、縋り付くように支えている。

 果たして完成したのは、天を衝くという言葉を体現する長大な塔。

 

「これこそが、地より屹立し天にも届く一撃を放つ荷電粒子砲【カ・ディンギル】!

 これを以て私は今宵、月を穿つ!!」

「月を……」

「穿つ!?」

「そうだ! 忌まわしき【バラルの呪詛】を月を破壊することで解き、そして再び世界を一つに束ねるのだ!!」

 

 それは絶対の宣誓にして宣戦布告。

 永き月日の果てに、怨敵たる呪詛を消し去らんとする不変の意思の現われだった。

 顕現を果たしたその威容に、一同が……それこそ、士郎もたまさか言葉を失っていた。

 

 そんな中で、最初に口を開いたのは誰よりもフィーネに翻弄されていた少女だった。

 

「………それが、アンタの言っていた『バラバラになっていた世界を一つにする方法』かよ」

「クリスちゃん」

 

 響が彼女の方を見やれば、その顔に浮かんでいたのは不敵な笑みだった。

 まるで、相手の底が見えたと鼻で笑うように。

 クリスは自分を怪訝に見下ろすフィーネを、これまでになく真っ直ぐと見返している。

 

「何が呪いを解く、だ。……それは結局、アンタが世界を支配するってことなんだろ?」

「それは当然の帰結だ。永遠を生きる私が、余人に歩みを止められることなどあり得ない。

 誰よりも先を行く者として、牽引されることを精々喜び享受するがいい」

 

 フィーネからすれば、それは論ずるにも値しないことだった。

 生命体を群体として見れば、あるべき形として納まるのはピラミッドだ。

 一番わかりやすいのは食物連鎖。更には企業、軍隊、そして国家……多少の変動があってもそれは一時的なもので、納まるべきものが一握の上位存在として君臨する。

 ならば不滅たる己こそが……真実『あの御方』と同じ地平に立てるフィーネという存在が頂点に立つことは道理である。

 

 ―――そんな考えこそ、クリスから見ればヘソで茶が湧くというものだった。

 

 

 

「考えが俗に過ぎんだよ。―――安い、安さが爆発しすぎてる!!」

 

 

 

 そんなものは拾われる前に目の当たりにした汚い大人たちと大差のないもので、結局は目クソが鼻クソを指さし笑っているに過ぎないのだと断言する。

 ああ、こんなみみっちいヤツに言い様に使われて好きなようにされていた、そんな自分こそが赦せない。

 クリスがそんな自噴に腸を煮やしていれば、

 

「………ッ、プ」

 

 数拍の間を置いて吹き出す声が聞こえた。

 そう思えば、それはすぐさま大爆笑に変わっていく。

 クリスが見れば、そこにはアイドルのくせに大口空けて腹を抱えている奏の姿があって。

 

「アハ、アハハハハ、ハハハハハ!! な、なんだよ『安さが爆発しすぎてる』って。

 ブッフ! フヘ、ハハハハハハハハハハ! で、電気屋じゃねぇんだからァハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ―――!!!」

「………~~~~~~~~ッ、笑いすぎだ!! どんだけウケてんだよ!!」

「いや、ゴメ、でも―――ブッフォ!!」

「テメェ! 上等だ、あン時の決着から先に付けてやらぁ!!!!」

「ふ、二人共落ち着い…………ぷ」

「オ マ エ も か!!!」

 

 なんかもうそのうち転げまわるんじゃねぇかってレベルでツボに嵌まっている奏の胸倉を、クリスは涙目&真っ赤な顔で掴みながら振り回している。

 翼もそんな二人を諫めようとするが、そういう彼女もまた顔を背けながら肩をプルプルとさせていた。

 響はそんな三人を唖然として眺めていて、士郎は思わず苦笑いを浮かべていた。

 

「――――――ッハァ。まあ、なんだかんだ言っていたけど、結局はやることは変わんねぇってことだろ」

 

 ようやく落ち着いたのか、僅かに息を切らせた奏がクリスを引き剥がしながら首をゴキリと解して敵を見上げる。

 そう、例えそれが苦楽を共にしてきたを思っていた相手だとしても。

 例えそれが、どんなに崇高な目的なのだとしても。

 

「今までアタシ達を良い様に振り回してきたツケ、ここできっちり払ってもらうぜ」

「………そうね。その通りだ、奏」

 

 一歩を踏み出す奏に、翼が並ぶ。その瞳に迷いはなく、振るう刃の如く澄み切っている。

 

「櫻井女史……いやさ、フィーネ。貴女の野望、防人としてここで挫かせてもらう」

「ッッ、人をイジっておいて勝手にシリアス入ってんな!」

 

 自分を差し置いて早々に復帰して啖呵を切る二人に、クリスが気炎を吐きながら並ぶ。そんな新たな後輩の姿に二人が小さく微笑むが、当の本人は鼻息荒く眉を立てている。

 そんな三人の背を、響は未だにへたり込んだまま眺めていた。

 

「みんな……」

 

 と、そこへ新たな背が視界に入る。それが誰なのかは、言わずもがな。

 彼女の心に深く沁みた、赫い背中。

 

「立花、お前はどうする?」

「、やります」

 

 問いかけへの返しは、答えた彼女自身が驚いてしまうほどの即答だ。しかしそれは、急いてしまったからの投げやりなものでは断じてない。

 答えて、その早さに自分で戸惑って―――しかしすぐに、己の本心を理解する。

 故に彼女は、振り向いて僅かに目を見開いた士郎の瞳を、いつものように真っ直ぐに見つめ返す。

 

「了子さんの気持ちはわからない。了子さんの理由も、聞いても全然理解できないです。

 ―――だとしても」

 

 だとしても。

 今、自分がやらなければいけないことは解っていた。

 

「了子さんを……あの人を止められるのは今ここにいる私たちだけで。

 あの人を今ここで止めなければいけなくて。

 ―――なによりも、私自身があの人を止めたいから」

 

 だから。

 

「やります。

 最速で、最短で、まっすぐに、一直線に―――胸の響きと想いを、ぶつけます」

「………、そうか」

 

 いつか聞いた、その決意。

 それを今また言い放てるならば、言うことはもはやなにもない。

 士郎は響に手を差し出し、彼女はそれを力強く握って立ち上がる。

 そして二人は改めて前へと踏み出して、奏たちと共に並んだ。

 

 

 

 かくして役者は揃い、双方が睨みあう。

 僅かに下りた沈黙は、オーケストラが奏でる曲と曲の合間のそれにも似ていた。

 そして。

 

 

 

「―――Balwisyall Nescell gungnir tron」

「―――Croitzal ronzell Gungnir zizzl」

「―――Imyuteus amenohabakiri tron」

「―――Killter Ichaival tron」

「―――投影、開始(トレース・オン)

 

 

 

 重なり合う、四つの聖詠(ウタ)と一つの武骨な詠唱。

 それを以て、撃槍/豪槍/絶刀/魔弓/錬鉄が威を伴って疾駆する。

 向かう先に立ちふさがるは、永劫不滅を成しえた先史の巫女。

 彼女は己に差し向けられる(ほこさき)の様々を前に、不敵に笑いながら抱きしめに行くように両手を広げた。

 

「いいだろう、存分に謳い踊れ。―――それに貴様らの断末魔と血肉の散華を添えて、新たな秩序と時代の開闢を寿いでくれる!!」

 

 

 

***

 

 

 

 ―――激突までの刹那。

 士郎はその思考の片隅で、人知れず抱き続けていたある疑問に対して一つの確信を得ていた。

 

 バラルの呪詛。

 太古の昔から人々を蝕む、相互理解を阻む呪い。

 ああ、それが意味するものは、つまり――――――

 

 

 

 







 最近はまったアイスはパルムジェラート(ミックスベリー)。
 多分期間限定だと思うので、食えるうちに食っておきたい。
 どうでもいいですが、アイスはわりと一年中食べるんですが夏場はフルーツ系(クリームじゃないやつ)、冬場はチョコ系を選ぶことが多かったり。
 ……まあ、結局は気分が優先ですが。

 さて、それはさておき。
 なんとか一か月ちょいで更新できました。
 今回は激突の直前までですね。



・士郎VSフィーネ、その始末
 未来の反応については悩みましたが、とりあえず最初に恐怖を入れさせました。
 実際問題、目の前で人体開きにするような相手、自分だったら誰だろうともよくて半狂乱引き起こすと思う。

 響たちとの通信で三人娘がいたのはこういう経緯。
 ホントはその辺りの視点も書こうかとも思ったのですが、蛇足な気もしたのでカット。



・響たちとフィーネの会話~士郎登場
 一応、ロア助はFate世界にもいたらしいですね。
 アルクとは出会えなかったから、純粋に魔術の探求のために転生を選んだらしいですが。
 ……ちなみに、【転生無限者】をずっと【無限転生者】だと思ってました(爆)



・カ・ディンギル登場~ラスト
 実際、クリスちゃんは台詞のパワーワード率が高すぎだと思うの。
 そりゃ奏さんも爆笑するわ(酷)

 そして最後の部分。
 これが何を意味しているかは、第一期の最後にて。
 それまでしばしお待ちください。
 ……リアルでいつ頃出せるかは未定(ェー


 それでは、ここからFGO雑談。
 ついに開幕、第二部六章。
 オベロンの(絵柄的な)違和感がすごい(爆)
 CMで三月のライオンの人っぽいデザインだなって思ってたけど、マジでそうだったとは。
 断章の最後はまじで心にグッと来た。あれは反則やろ……
 前半部のラストバトルはぐだがカッケェ。
 ………まあ、いろいろありますが、結論から纏めれば『キャストリアは曇らせ顔でプルプルしてる時が一番輝いてる』ってことですね!!(確信)

 新規入手は浅上藤乃、モルガン、妖精ガウェイン、妖精トリスタン。
 ……うん、ピックアップ全部そろったの初めてです!!
 しかもこれ、呼符含めて11連三回でした!!
 ………まあ、それで浮いた分も溜め込んだ聖晶片もキャストリア目指して消えていったわけですが。
 結果? 上に書いてないよね? 察して(涙
 でも、あと一回くらいは11連回そうかなと思ってる。
 ネロ祭りのPUは我慢(断腸)



 といった塩梅でこの辺で。
 原作だと、カディンギル登場から発射までは割とすぐでしたが、この作品ではもうちょっと間を置きます。具体的に言うと一話分の戦闘シーン挟みます。
 そうじゃないと、タイミング的に感想欄で何度か言われてたアレに触れるタイミングが無くなっちゃうからね、仕方ないね。
 それだけが理由ってわけでもないけど。
 そんなわけで、また次回。


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