戦姫絶唱シンフォギア赫鋼―アカガネ―   作:樹影

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24:SYMPHOGEAR/XDRIVE

 

 

 

 ―――かつて、この世界には“神”がいた。

 災害や天候、様々な事象や現象を奇跡と見た人々が抱いた畏怖や敬意などから生まれた夢想・空想の産物などではない。

 先史文明期に於いて確かに存在し、今に至るまでの人類を作り出した造物主……【カストディアン】と呼ばれる存在である。

 その【カストディアン】に仕えていた巫女こそフィーネであった。

 彼女は【カストディアン】……その一柱と語らい、ただの役目を越えて心を通わせていた。少なくとも、彼女はそうであったと信じている。

 そうした日々を重ねていくうちに、彼女はいつしかその造物主たる【カストディアン】に恋慕を抱いていた。

 

 或いはそれが、罪だったとでも言うのか―――

 

「……私がこの胸の内をあの方に告げることはできなかった。

 バラルの呪詛により、神と語らうことのできる唯一の統一言語が失われてしまったからだ」

 

 呪詛が世を覆い、遍く人々が文字通りに言葉を失った日。

 【カストディアン】もまた、その姿を消してしまった。

 だがそれもむべなるかな。後に繰り広げられた惨憺たる情景は、フィーネをして人という存在をそのカテゴリーごと見限るには十分であったからだ。

 

「ノイズの正体を教えてやろうか?

 あれは統一言語を失い、意思疎通が困難となった人類が互いを殺傷するために作り上げた兵器の一つだ」

 

 物質を透過し、付近にいる人間に積極的に攻撃を仕掛けるという性質も、環境や施設への破壊を最低限にしつつ最大効率で相手を殺傷するというエゴから作られたものだ。

 結果として、先史文明は自分たちの手によって滅び去り、ノイズという負債は今もなお製造目的のまま人命を摘み取り続けている。

 

 ああ、本当に。まったく以って度し難い。

 なにがと問うならば、新たな文明を勃興させ繁栄という爛熟した果実を味わいながら、ノイズを生み出したそれと変わらぬ愚かさを発揮し続けていることだ。

 

 聖遺物の持つ可能性に触れた。

 ―――様々な戦争・政争の裏側で、様々な国がそれを奪い合った。

 

 聖遺物の発動を試み始めた。

 ―――予期せぬ暴走で血が流れ、命を踏みにじってもその歩みは止まらなかった。

 

 そしてフィーネが、シンフォギアを開発した。

 ―――ノイズを排して人命を救ったことではなく、単純にその戦闘能力の高さに沸き立った。

 

「ああ、実に醜い。あの方に見放されるのも道理であり節理であり当然であろうよ。―――それでも、私はあきらめきれなかった」

「………、もしかして………だから?」

 

 そこでようやく、フィーネの足元で襤褸切れのように蹲って俯いていたものから声が発せられた。

 フィーネがそれに向ける眼差しには、思わず虫を見てしまった時のような嫌悪の類は存在していない。

 どちらかというと、棚の上にいつから飾っているのかも覚えていないようなただ飾るだけの小物のような、そんな興味も価値も邪魔ですらない者に向けるような無味乾燥としたものだ。

 だが顔を上げたソレ……響は、フィーネのそんな眼差しにすら瞬きほど臆せず真正面から見返した。

 

 響の体は傷だらけで、制服もあちこちが破れて血が滲んでいる。

 先の暴走の反動、ではない。

 シンフォギアが解除されてしまった状態で、なおも意地でフィーネを止めんとして掴みかかったところをあしらわれた上で、まるで飴を舌の上でゆっくりと溶かすように嬲られたためだ。

 先の語り口は、それで多少の溜飲が下がっての興が乗ったというところか。

 そんな彼女へと、響はフラフラと立ち上がる

 

「だから、だからって……こんなことを………!!」

「―――ああ。その通りだよ」

 

 響の問いかけに、フィーネはあっさりと首肯した。

 そう、【櫻井 了子】となってからだけではない。

 これまで【フィーネ】となった全ての者の偉業悪業功績はそのために。

 

 カ・ディンギルによる月の破壊。

 その影響による混乱と崩壊。

 そこへ君臨し、人類を統率するという目論見。

 いや、そもそもの目的である『バラルの呪詛』からの開放すらも。

 全て、全て、全て全て全て―――全て、ただの手段であり余禄に過ぎない。

 彼女と彼女であったモノたち(フィーネ)が望んだのは、たった一つだけのこと。

 

「あの方に届く唯一にして絶対の統一言語(コトバ)で、あの時代(とき)に伝えられなかった想いを捧げたい。

 ただそれだけが、私がここに在る理由だ」

 

 それはまるで。

 童話の王子に焦がれる無垢な少女のように純粋で。

 亡夫に永く操を立てる貞淑な老婦人のように頑なで。

 この世の誰もが抱きうる、どこまでもありふれていて何よりも特別な感情。

 

 ―――幾年月、数千年を経てなおも不変の『恋心』。

 その為だけに彼女は人としての己を含めた全てを擲って、無明の悠久を歩き続けた。

 

「それを」

 

 フィーネの言葉尻に、力が籠る。

 そこには、紛れもなく憤怒の念が込められていた。

 フィーネはおもむろに響へ手を伸ばすと、前髪を乱雑に掴んで引っ張り上げた。

 

「あっぐ、ぃぎいっっ!!」

「『そんなこと』だと!? 愛も恋もろくに知らん小娘ごときが!! 賢しらに正論面して正義を翳すかぁっっ!!!」

 

 フィーネはそのまま、まるで幼児が気に入らない人形に対してそうするかのように振り回し、叩きつけるように放り投げた。

 響の体は水切りの石のように地面を二回三回と跳ねると、瓦礫を打ち崩しながらようやく止まった。

 

「が、ぁ……っっ!!!」

 

 もはや絶叫すら出ないのか。

 のたうち回ることも出来ず、響はぴくぴくと身を震わせている。

 それでも、まだ意識はあるのか。立ち上がらんとするように地面に手を付こうとするも、そもそも腕を満足に持ち上げることすらできないようだった。

 

「………、」

 

 溜飲と共に頭の血も下がったのか、幾分か冷静になると染みついた研究者としての性が僅かに顔を出す。

 彼女は感情のままに立花 響の体を文字通りに振り回した。それこそ、髪の毛ごと頭皮が引き剥がされても構わなかったほどに。

 だがその上で放り投げて叩きつけても、生存どころかなおもその意識を保っている。

 無論、無傷ではないがそれにしたって損傷が少なすぎた。

 

(融合体としての特性、か? シンフォギアを解除しても直後ならば多少はその影響が残るのか……或いは、影響しているのは先の暴走の方か)

 

 どちらにせよ、常人とは異なっているのは違いない。そうなると色々と検証したい事柄が脳裏に浮かんでくる。

 そう、例えば【絶唱】。

 自身が創り上げたFG式回天特機装束(シンフォギア)に於いて最大のデメリットと言える【絶唱】を使用した時のバックファイアは、適合係数によってそのダメージが反比例する。

 ならば聖遺物と融合を果たした者がそれを行えば、その負荷をどれほど抑えつけられるというのか。

 興味は尽きない。

 尽きないが、しかし。

 

「―――ハ。不要だな」

 

 鼻で笑い、廃棄を決定する。

 瞳だけ動かして、カ・ディンギル……そうであったモノを見やれば、油染みのように忸怩たるものが滲んでくる。

 窮鼠を侮った代償としては重すぎるが、それで学ばないならばそれこそ愚かしい。

 このような不出来が二度と起こらないようにするためには、瑕疵は残さず迷わず消し去らねばならない。

 

「そも、この身も同じく融合体。新霊長など、私一人いればいい。

 私に並ぶ者は、全て絶やしてくれる」

 

 その席に座すべきなのはただ一柱(ひとり)だけなのだと、言外に込める。

 鞭刃の切っ先が掴むまでもなく蛇蝎のようにうねり、鎌首をもたげた。

 眼前に倒れる響の血で、その刃を再び紅に染め直さんとするかのように。

 

「……っ、ぅ」

 

 痛みに呻きながら、響は涙に濡れた瞳でフィーネを睨みつける。

 だが、それこそ負け犬のごとき有様だった。

 

 動かなければ、と思う。

 立ち上がれ、と内心で己を叱咤する。

 やらなければ、と決意する。―――そうしているつもりだった。

 しかし、どれもできない。

 単純なダメージではない、身体と心が、摩耗しきった歯車になってしまったかのよう。

 噛み合わないまま、野ざらしに放られた風車のように空転をし続けている。

 

 ふと視線をずらす。

 こちらにゆっくりと迫るフィーネの遥か向こう……そこに、うつ伏せで倒れているクリスがいる。

 ギアの解除された姿を見れば、五体こそ繋がってはいるがピクリとも動いてはいない。

 フィーネを足止めするために、一体その身でどれほどの痛みを請け負ったというのだろうか。

 

(クリスちゃん……)

 

 別の方へと視線を巡らせれば、残骸というには巨大すぎる建造物があった。

 元々あったリディアンの校舎よりも巨大なそれは、しかし天を衝くかつての威容は失われていた。

 『ツヴァイウィング』……自分が憧れ、尊敬する先達たちの命の羽撃きによって打ち崩されたからだ。

 

(翼さん、奏さん……)

 

 そして。

 響の脳裏に、最後の一人が思い浮かぶ。

 血よりも紅く、夕日よりも朱く、錆などよりもなお鮮やかに赤い、刃金の背中。

 

(………衛宮さん)

 

 月を護るために、散ってしまった人。

 ……いや。

 奏がここから飛び立つ寸前、教えてくれたところによれば生きてはいるらしい。

 

(そうだ。衛宮さんのことを、頼まれた……でも)

 

 それを最後のよりどころとして踏ん張ってはみた。でも、敵わない。

 それどころか、もう手も足も満足に力が入らない。

 

 周りに在るのは瓦礫の山で、自分と一緒に立ってくれる人はもうどこにもいない。

 いや、そもそも―――自分が立って、一体何が守れるというのか。

 

(だって……なにも、何も守れてない。守れなかった……)

 

 いっしょに戦ってくれた人は皆、消えてしまった。

 暖かい日だまりは、みんな燃えて灰になってしまった。

 

 自分は結局守られてばかりだ。

 いたいのもこわいのもガマンして、まっすぐ走ったつもりがこの有様。 

 何もかもが崩れてしまった焼け野原で、たったひとり無様に転がっている。

 

(ああ―――もう―――)

 

 声も、出ない。

 胸の内はどうしようもなく冷たくて、支えになるようなものなんてどこにも――― 

 

 

 

 ―――………

 

 

 

(―――、え?)

 

 なにか、聞こえたような。

 

「……、なんだ?」

 

 それは、フィーネも同じだったのか。視線を左右に巡らせ、ふとある場所で止まる。

 それは横倒しになった、カ・ディンギルではなく学び舎の残骸。

 

「スピーカー?」

 

 倒れ、外装がひび割れてれても機能と電源は生きていたのか。

 やや音質を劣化させながらも、その性能を発揮して空気を震わせていた。

 耳朶から脳髄の裏側を不快に引っ掛けるようなそれに、フィーネは思わず舌打ちを隠せない。

 

「っっ! 耳障りな……なんだ、この……」

 

 そこで、唐突に言葉が途切れる。詰まった息に、フィーネのにわかな焦燥が現れていた。

 

 それは、ただの音ではない。

 それは、ただの声ではない。

 拙く、疎らで、未熟な、雛の囀りの様なそれは、しかし。

 はじめは小さく、しかし少しずつその存在感を強く示しはじめていた。

 

 それをなんというのかを―――フィーネも、響も、何よりもよく知っていた。

 

 

 

「「――――――歌?」」

 

 

 

 図らずも、声は重なり。

 けれど、その内心に点る気持ちは全く違った。

 

 

 

***

 

 

 

 ―――~~~~、~~………

 

 未来や弓美たちのいる地下施設の一室。そこには、先ほどよりも多くの人々が集っていた。

 周囲を散策していた慎次が発見し連れてきた、避難してきた生存者たちだ。

 その中に、一人の幼い少女の姿があった。

 ………かつて、初めてシンフォギアを纏った響が助けた少女だ。

 彼女は今、キラキラと目を輝かせている。

 そんな無垢な眼差しを浴びながら、未来は……そして弓美たちは、避難してきた者たちと共にやってきた他の生徒たちと共に、リディアン音楽院の校歌を歌っていた。

 響へと、届けるためにだ。

 

 学院の外部音響装置へのリンクには、地下施設内の動力再起動が必要だった。

 そこで最も体を張ったのは、弓美たちだった。

 彼女は、変貌した響に怯えていた。

 彼女は、身を賭して戦いに散っていった少女たちの姿に涙した。

 けれど、彼女は少女とその母から響がこれまでも同じように戦い、誰かを護り続けていたことも知った。

 それら全てをひっくるめて、彼女は言い放ったのだ。

 

『ここで頑張らなきゃ、あたしアニメ以下だよ!! 非実在青少年にだってなれやしない!!

 ―――この先、響の友達だって胸を張って答えられないじゃない!!?』

 

 果たして、その意地で以って彼女たちはそれを成し遂げた。

 そして今、こうして歌を重ねている。

 

(響、私たちは無事だよ)

 

 貴女が体を張って、ボロボロになりながらも立ち上がってくれたから。

 誰かのために、みんなのために、そうやって走り続けてくれたから。

 今、こうして歌を届けられる。

 

(みんな、響が帰ってくるのを待ってるから)

 

 だから。

 

(―――負けないで!!)

 

 紡ぎ奏でる歌に、未来は胸の願いと想いを乗せる。

 それはきっと、遥かな昔からもそうだったに違いない。

 技術に依るものでも文化に因るものでも思想に阿るものでもなく。

 時に言語すらも越えて、誰かが誰かのためにと繋ぐために。

 その証明として、少女たちの歌が確かに届く。

 戦場にいる、一人の少女に―――その魂に。

 

 

 

***

 

 

 

 いつしか、周囲には光が零れるように舞い上がっていた。

 雪のように儚く、蛍のように淡く、陽の光のように暖かな光の粒。

 湧きいずるように辺り一面から舞い上がるそれらを鬱陶しく思いながら、フィーネはその正体に当たりを付けていた。

 

(『フォニックゲイン』……有象無象の歌が励起反応を起こしているか)

 

 別段、この現象自体はなにもおかしいことではない。

 元よりここ一帯の空間はシンフォギアと完全聖遺物との激しい戦闘に加え、完全聖遺物を動力とした兵器(カ・ディンギル)破壊の影響を色濃く受けている。

 言ってしまえばフォニックゲインに反応しやすいリトマス試験紙のような状態だ。

 それに加え、リディアン音楽院の生徒は元より装者候補生ともいえる存在であり、つまりはフォニックゲインと相性の良い人材だ。

 それを鑑みれば、この程度の現象は起きたといてもさほどおかしいことではないし、気に掛けるほどでもない。

 ……そのはずである。

 

(だというのに、なんだ? この胸騒ぎは……!?)

 

 全身をくまなく炙られているかのような、言い様のない焦燥。

 理由などないが故にそれはどこまでも不快で、煩わしい。

 その原因がこの歌であるとするならば、まだガラスを錆釘で掻き鳴らす方が心安らかになれるというもの。

 

「鬱陶しい雑音……!!」

 

 半ば八つ当たりであることを自覚しながら、スピーカーを砕き散らさんと鞭刃を振りかぶったその時。

 

「―――っ」

 

 背後で、ザリ、と土を踏みしめる音が聞こえた。

 

「………………なに?」

 

 振り返り、強い驚愕と共にどこかで納得している自分もいた。

 ああ、そうだ……こうなる予感がしたから、不愉快だったのだ。

 ―――だとしても、なあオイ。

 

「よく出来た物語のようじゃないか、なぁ……立花 響」

 

 稜線から顔を出しはじめた朝日がそれを照らす。

 ボロボロの姿で、俯きながら。

 それでも自分の足でしっかりと立ち上がった少女の姿に、胸騒ぎはより一層強くなった。

 

 

 

 一方で、響はフィーネの眼差しもどこか余裕のない皮肉も、ほとんど届いていなかった。

 その耳が聞こえているのは壊れかけのスピーカーから響く歌声で、そこに含まれる聞き覚えのある声に彼女の体と心は駆動した。

 

「未来……みんな……」

 

 ああ、聞こえる。

 胸に響く。

 皆の声が、歌が―――想いが。

 

「この胸に……!」

 

 逆再生される雪のように天へと昇っていく数多の光。

 その煌きと温かさに、手を伸ばす。

 

「ああ……」

 

 本当に良かった。

 容れ物(がっこう)はどうしようもなく壊れてしまったけど、本当に護りたかった日溜りはそこに在る。

 自分を支えてくれるみんなは、いつだって側にいてくれる。

 そんなみんながこうして歌ってくれているんだ。

 なら―――

 

「まだ、歌える」

 

 紡ぐ想いは、胸に在る。

 奏でる心はまだ、燃えている。

 

「頑張れる」

 

 比喩でなく、手足に力が戻っていく。

 瞳に輝きが戻り、心臓の高鳴りと共に魂が再起動を果たす。

 そうして翳した手で、昇ってきた光の一粒を包み込むように捕まえて、

 

「―――戦える!!!」

 

 顔を前へと跳ね上げると同時に、力強く握りしめた。

 

 

 

「っ、死ねぇ!!!」

 

 真っ直ぐこちらを貫く、瞳の輝き。

 それに対し、フィーネは即座に鞭刃を叩きつけようと振り下ろした。

 人体はおろか、同サイズの鉄の塊すら熱したナイフで切るバターよりも簡単に切り裂いてしまえる破断の二閃。

 だがそれは、響を包み込む眩い光によってフィーネもろともに弾き飛ばされた。

 

「な、にィ!?」

 

 踏ん張って見せたヒールで線路のような轍を刻みながら、怪訝に睨みつける。

 その先で、響は光の中からこちらを強く睨み返していた。

 

「立ち上がる……戦える、だと!? 折り砕いたはずの心がよみがえったとでも!!?」

 

 バカな、と見開かれた眼は驚愕に染まっている。

 だが、事態はそれにとどまらなかった。

 ドッッ!!! と横合いからも、空気を震わせながら同じく光が柱のように立ち昇ったのだ。

 

「っっ!!? まさか!!」

 

 振り返った先、そこにいたのは。

 

「―――誰の心が折れて砕けたって?」

 

 雪音 クリス。

 あのまま命の灯火が消えていてもおかしくはなかったはずの娘が、響と同じような瞳に不敵な笑みでこちらに向き合っていた。

 ありえない、という疑問が、更に次の瞬間に塗りつぶされる。

 

 今度は背後、遥かに離れた向こう側。

 崩れて折れたカ・ディンギルの内側から、二つの光柱が同時に顕現する。

 その正体が何なのか、もはや疑う余地はない。

 

「―――なにが、起こっている?」

 

 絞り出される声には、慄きが練り込まれている。

 あり得ない、あり得ない、あり得ない。こんなものは想定していない。

 これも先ほどから聞こえる歌の影響か?

 いや、だとしても不可解だ。

 仮にあの歌が生んだフォニックゲインが原因なのだとしても、それがどう変換されれば力に変わる?

 いいや、そもそもだ。

 

「お前たちが纏おうとしているモノは、なんだ?

 それは本当に、私が創り上げたモノなのか?」

 

 シンフォギアは確かに本来は機能を発揮しない聖遺物の欠片からその力を抽出し、具現化したものだ。

 だが、欠片は所詮欠片。この身と一つになった完全聖遺物と比べるべくもなく、敵う道理もない。

 ………だというのに。

 

「お前らが纏おうとしているソレは、なんだ?」

 

 知らない。

 私はこんなものは知らない。

 なんだ、これは。

 

「なんだという………お前たちは、一体なんなんだ!!?」

 

 ―――攻め問う疑問。

 ならばこそと。

 少女たちは今こそソレに答えるため、全身全霊で以って天へと駆け上った。

 

 

「―――――――――ッッッ!!!」

 

 

 純粋にして純潔な、純白の装甲。

 そこに差す、各々の色の煌き。

 その光輝を翼と成して、天を打つように力強く羽撃く。

 天羽 奏。

 風鳴 翼。

 雪音 クリス。

 そして立花 響。

 彼女たちのその姿、その力。

 その()は―――

 

 

 

SYMPHOGEAR(シンフォギア)――――――――――――!!!!!!」

 

 

 

 それはまるで、救いを齎す御使いのように。

 福音のような朝日の中、四人の少女が歌を纏って天に顕われた。

 

 

 

「クリスちゃん! 翼さん、奏さん!!」

 

 自分と同じく、溌剌とした姿で以ってここに集ってくれた仲間たちの姿に響の表情は喜色に輝き、しかしすぐに曇ってしまう。

 脳裏に浮かぶのは、つい先ほどまでの自身の暴走だ。

 その情けなさと不甲斐なさ、申し訳なさに空にいるというのに顔は地に沈むかのように下がっていき、

 

「こぉ~ら」

「ん゛にゃっ!?」

 

 ベシン!! というよりもズドン!! という銃声じみた盛大な打撃音と共に、下がりかけた額が強引に指で弾かれて上向きに戻される。

 バリアフィールドで守られているはずなのにヒリヒリと痛むような気がする額を抑えながら見れば、指を弾いた当人……奏が呆れたような半眼でこっちを見ていた。

 

「なぁにイキナリ沈んだ顔見せようとしてんだよ」

「で、でも……」

「はぁー。ヒトのことはお構いなしなクセに、テメェのことはグジグジすんのかよこのバカは」

「ヒ、ヒドくないかなクリスちゃん!?」

 

 言い淀む響に今度はクリスがこれ見よがしに溜息を吐いて見せた。思わず抗議する響だったが、同時にこんなやり取りができるという現実に涙が出そうになる。

 と、そこに割って入るように前に出たのは翼だ。

 彼女は柔らかく微笑みかけると、

 

「どうでもいいこと……そうさ、些細なことだとも。立花」

 

 それこそ本当に、何でもないことのように言い放った。

 思わぬ言い草に目を瞬かせる響に、翼はさらに続ける。

 

「あの時、お前は私の技で止める間でもなく、自分で自分の爪を留めていただろう?

 そして今も、こうして共に立っている」

「でも……」

「立花」

 

 なおも言い淀む響の肩に、翼は軽く手を置いた。

 

「恥じるな。―――お前の強さに、胸を張れ」

「っ、はい!!」

 

 真っ直ぐ言い放たれた、称賛。

 それに対し、響もまた真っ直ぐな声と瞳で返した。

 

 その時だ。

 

「っ!? 無粋!!」

 

 横合いから迫る淀んだ緑色の閃光に、翼が刃を翳した。

 真正面から刃にぶつかった光はそれこそ引き裂かれるように左右に分かれ、彼女たちを挟むようにノイズへと変じた。

 

「でぇい!!」

「ちょせぇ!!」

 

 直後、豪槍の一薙ぎと弾丸の三連射が顕現したばかりのノイズを灰と散らす。

 何もできないままに風に乗って空に散っていく塵を尻目に、奏が舌打ちと共にねめつける様に眼下を見下ろした。

 

「せっかく相棒と後輩が絆深めてるってのに、興冷めさせんなよ」

「成程、いわば【限界突破】とでも言うべき状態か」

 

 しかし奏の眼差しを見返すでもなく、まるでケースの中で動き回る実験用のマウスを見るかのような感情のない瞳でフィーネは空に在る少女たちを見据えていた。

 その手には、まるで矢を放った直後の弓のようにソロモンの杖が携えられている。

 空を見上げる瞳は水晶のように無機質で透徹しており、すでに先ほどの動揺は微塵も残っていない。

 

「大気中に発生し、飽和していたフォニックゲインを高レベルのそれとして取り込んだというところか。

 見たところ、その際に自身の損傷の治癒も行っていた……いや、治癒したうえでそれを身に纏ったのか?

 拡張された機能としては出力の向上に飛行能力―――」

『ンな御託はどうだっていいんだよ!!!』

「っ、それに念話までもか」

 

 突然、頭に鳴り響くクリスの怒声に眉根をしかめるが、それでも彼女は平静そのものだ。

 その様子に、今度は奏が滑稽だと言わんばかりにフン、と鼻で笑って見せる。

 

『さっきまでアタフタしてたっつぅーのに、外面ぁ取り繕うのだけは上手いんだな?』

「枯れ尾花もかくやと言うべきか。原因と正体が解明できれば、恐れるに足りんというのは道理だろうに。

 ……だが、滑稽だな。結局は貴様らも俗人と変わらんということだ」

『なんだと?』

 

 怪訝に向けられる眼差しに、フィーネは鼻で笑うことで愚鈍と嘲る。

 

「元となったものが何であれ、結局は敵となったものを排除するための武器と変える。

 私がお膳立てしたものとはいえ、よくもまあそこまで兇器と研ぎあげることができたものだ」

『テメ―――』

 

『だとしても!!』

 

 クリスの意気を遮って、響が前に出る。その真っ直ぐとした眼差しからくる物言いに、今度はフィーネが何事かと怪訝な顔になった。

 

『だとしても、それだけじゃない。

 アナタに負けない力をくれたのも、奏さんや翼さん、クリスちゃんにもう一度立ち上がる力をくれたのも、みんなの歌。

 ―――歌の中に込められた、あったかい気持ち』

 

 それを使って、拳を握りしめるのは確かにきっと罪深い。

 けれど、それは憎悪でも怒りでもない。

 そんなものなんかに負けない、そんなものなんかに塗りつぶされない勇気や優しさが、自分たちに翼をくれた。

 その輝きを、暖かさを、なんと呼ぶのか知っている。

 

「歌は戦う力だけじゃない―――“命”なんだ」

 

 刻む込むように、口から直接紡いだ言葉。

 確かに届いただろうそれに対し、やはりフィーネは鼻を鳴らす。

 

「やはり詭弁。所詮は不完全な言語、聞くに堪えんとはこのことか」

『………ハ、耳が痛ぇってだけじゃねぇの?』

 

 奏の軽口にももはや付き合う気はないのか、フィーネは手にしていたソロモンの杖を真上へと翳した。

 そして。

 

「ならば、雑音(ざれごと)雑音(ノイズ)に呑まれて消え去るがいい」

 

 今までになく、強い光が杖に収束していく。

 地上に星が生まれたのかと言わんばかりの閃光に、響たちの背が粟立つ。

 

「バニロニアの宝物庫よ!! 孕んだ災禍を撒き散らせ!!!」

 

 裂帛一閃。

 光は少女たちが舞うよりもさらに高く天へと昇り、花火のように弾け散る。

 無数に散らばる光の一つ一つは、それこそ流れ星のようだ。

 だがそれは、願いを三度唱えても叶えることなんて決してない。あらゆる全てを消してしまう最悪の魔星だ。

 

「な―――」

 

 絶句する響。

 その眼下、前方、左右………遥か彼方の天上天下を無数のノイズが埋め尽くしていた。

 人間大から超大型、飛行型に空母型、いつだったかにクリスが戦った城塞型に至るまで、津波のように壊れかけた街並みを更に突き崩しながら犇めいている。

 本来は建造物に殆ど影響を与えないはずであるのに、それでも天才の如く万物を櫛削る様は生理的な嫌悪と共に戦慄を禁じ得ない。

 思わず慄いて硬直してしまう響の肩へ、それをほぐすような気軽さでポンと手が置かれた。

 

「クリスちゃん」

「ハッ、数だけ増やしても根本的に芸がねぇんだよ」

 

 振り向けば、そこには力強く笑って前を見据えるクリスが居た。その瞳には、畏れは欠片も浮かんでいない。

 さらに、逆隣に翼が並ぶ。

 

「立花、お前はアレが恐ろしいか?」

「っ……いえ。いいえ!! まったく恐くありません!!」

 

 そうだ、数こそ多いがだからどうした。

 

「私たちには、シンフォギア(うた)がある!!」

 

 胸に響いて爪先から頭のてっぺんにまで満ち満ちる熱のような光のようなこの(きもち)

 それこそ星の全てを覆ったとしても、吞み込まれも潰されもしないと今なら確信を持って言い放てる。

 

「そーいうこった」

 

 と、こちらの頭上を飛び越えるように舞う奏が、三人を見下ろしながらニッコリと笑う。

 

「それじゃ、とっとと片付けてフィーネもぶっ飛ばして……ウチの若大将、迎えにいこうぜ!!」

 

 そう言うと、光の翼を大きく広げてそれこそ閃光のように疾駆する。

 煌めきを軌跡と残す姿をしばし見送ってから、

 

「……って、置いてくんじゃねぇ!!」

「まったく……」

 

 慌てたように追いかけるクリスに、そんな二人をどこか呆れ半分な様子で眺める翼。

 と、翼は響に振り返る。

 

「私たちも行こう、立花。―――皆で、共に帰るために」

「、はい!!」

 

 響は力強く頷き、笑い合う。

 戦いに赴くというよりも、まるでいつかのように遊びに出かけるかのようにして、二人もまた飛び立った。

 

 

 

 曙の天を征く四条の光、それこそまさしく流星の如く。

 人々の希望(ネガイ)を乗せ、しかし決して墜ちることなくただただどこまでも一直線に飛んでいく。

 

「―――フン」

 

 その光景を、見上げ眺める旧き巫女。

 その胸の内に浮かぶ感情が何なのか、推し量ることができる者はもはやこの世のどこにもいなかった―――

 

 

 

***

 

 

 

“―――■■■”

 

 ………なにかが、聞こえる。

 

“―――■■■”

 

 ………遥か彼方、地平線の上からのように遠く、か細く。

 聞こえるはずのない場所から、響くはずのない声がする。

 

“―――■■■”

 

 ………これは、どこかで聞いたことが―――

 

 

 

“―――起きてください、シロウ”

 

 

 

「セ―――!!!」

 

 真っ直ぐに伸ばした腕が、空を切ったところで意識は完全に覚醒した。

 翳した掌の先には、枝の折れた木々と白み始めた空しかない。

 

 瞼が開かれたその時点で、直前までの夢幻は砂浜に刻んだ文字が波に攫われるようにさっぱりと消えてなくなっていた。

 砂にしみ込んだ海水のような残滓が、僅かに息を乱れさせて胸の奥を疼かせているばかりだ。

 

「―――………?」

 

 らしくなく、呆然とすること暫し。

 彼はなぜだか強い違和感を覚えて、

 

「………っ!?」

 

 断絶されていた記憶を繋ぎ合わせると同時、その正体を思い知ってバネ仕掛けのおもちゃのように体を跳ね起こした。

 見下ろす体には衣服であった布地は殆ど残っておらず、彼の鍛え抜かれた肉体が木の葉を敷いて曝け出されていた。

 ………そう、紛れもなく無事な四肢とそれを接続する胴体が、である。

 

「どういう、ことだ?」

 

 両の掌を見下ろして呟く声は、困惑に染まっている。

 視界にある手は、指の一本も欠けていない。彼の認識からすれば、それはあり得ないことだった。

 

 自分はカ・ディンギルの一撃を受け止め、その圧倒的熱量に曝された。

 意識が途絶する寸前に認識していた己の肉体は、文字通り再起不能なレベルで破壊されていたはずだ。

 体表はくまなく炙られ、視覚と聴覚は全損し、四肢に至っては少なくとも右腕は完全に消失していた。

 およそ生物としての機能は殆ど削ぎ落されて、良くて命があるだけの物体に成り果てていたはずである。

 だが、彼の瞳に映る己の肉体はその痕跡はおろか、そこへと至るまでの戦闘で負った傷すら消え去っていた。そも、それが確認できる視覚が存在するという時点ですでにおかしい。

 しかも、それだけではない。

 

「っつ、これは……?」

 

 心臓を抑えるように、胸元を握りしめる。

 その内側、いやさ総身にはあり得ないほどの魔力が漲っていた。

 今日一日の連戦での消耗を補うのを通り越して、それこそ溢れんばかりに力が漲っているのを今更に自覚する。

 

 それらに対する、動揺は一瞬。

 士郎は、深く息を吐いて、

 

「―――、同調、開始(トレース・オン)

 

 名目と共に、己自身へと没頭する。

 そうすれば、理路はすぐに明らかなものとなった。

 

「これは……奏からか」

 

 奏との間に在る、魔術的なパス。

 聖鞘(アヴァロン)を通じて繋がるそれが、今の彼女が途方もなく巨大な力(おそらくはフォニックゲインだろう)を発揮していることを士郎へと知らしめていた。

 

 つまりは、こう言うことだ。

 理由はわからないが、何らかの手段によって奏が大出力のフォニックゲインを獲得。

 それが彼女とのパスを通して、魔力へと変換されながら鞘の影響もろともに士郎へと逆流したのだろう。

 奏がパスの調整に士郎の手ずからのやり方を望んでいたことで、パスそのものが補強されていたこともそれを補助していたに違いない。

 またこれは士郎が知らないことだが、高出力のフォニックゲインを得た時に彼女が自身の負傷を治癒させていたことも、鞘との親和性を高めた一因だった。

 

「こういうのも、『情けは人の為ならず』と云うべきかな?」

 

 苦笑を浮かべて、士郎は確かめるように眼前で拳を握り込む。

 

 パスを通して感じる奏の力は未だに滾っている。

 地の底でうねる溶岩のように熱く、天空より轟く雷電のように烈しく。

 かてて加えて、彼方から腹底に響く爆音の連なりが、未だ戦いに決着がついていないことを示していた。

 

 ―――体の動きは良好。

 力は漲っており、魔力もまたかつてなく。

 そして精神(ココロ)は変わらず不屈の刃金ならば。

 

「………やるべきことは、決まっている」

 

 言葉と共に、立ち上がる。……と、そこへまるで狙っていたかのように左右の茂みと樹上と上空からノイズが襲い掛かってくる。

 赤い人型の鉤爪、黄色い人型の鉄板のような手、饅頭のようなノイズはのしかかりに行くように飛び掛かり、飛行型は身を捩り槍と化して吶喊してくる。

 まるでタイミングを計ったような一斉の襲撃はしかし、

 

「、フッ!」

 

 黒白の剣閃が、瞬きと掛けずに切り払う。

 最初に討たれたのはどれかだったのかすら、凡人では見定められないだろう剣戟技巧。

 切り裂かれた異形が真っ黒な灰塵と帰して崩れ去ったその頃には、既に士郎は万全と準備を終えていた。

 

 肉体を包む黒いボディアーマーに、それを覆う真紅の外套。

 手に携える陰陽の夫婦剣。

 そして眼差しは鷹の鋭さと刃の煌めき。

 赫い刃金の如き立ち姿で、錬鉄の魔術使いはその復活を示していた。

 

「さぁ―――行くか」

 

 一人呟いて、一歩目からの全速で疾走を開始する。

 向かうは戦場―――一連の全てにケリをつける、最終幕の舞台である。

 

 

 

 ………脇目も振らず、疾風迅雷と化したかの如き疾駆。

 当然ながら、先の夢幻など既に残滓すら意識に残ってはいなかった。

 

 

 

 







 というわけで、一月余りほどで投稿できました。
 復活回&待ちに待ったエクスドライブです。

 冒頭部、原作では響は完全に無抵抗状態でしたが、こちらでは奏から士郎生存を聞かされていた分、ちょっとだけ頑張れたという感じです。

 未来&三人娘の活躍については大分端折ってしまいましたが、これはこちらも細かく書いていこうとすると冗長になってしまうかと思ったので、このようにしました。

 そして最後の士郎の方は………さて、なにか受信したかな、士郎(爆
 とりあえず、今は起きたら忘れる程度の夢ですネ。



 さて、ちょっとだけFGO雑談。
 新しく太歳星君ののほかにギルガメッシュとスカディをお迎えできました!!
 なまらうれしい。
 今年になって福袋以外は渋い結果だったので、とてもありがたいです。
 ………というかバトルオブNYの高難易度の嵐は死ぬほど疲れました。
 というか、ローマ……
 一番楽しかったのは勇者エリちゃんブレイブの冒険とカカレ柴田ですね。
 前者は編成変えて何回か挑んでました、
 後者はゴッホちゃん疑似単騎で一番簡単でした。

 ちなみにスーパーリコレクションは、
 ワルキューレ:青王とかで頑張ってみたけどできなかったのでフレから村正借りたらあっさりクリア。
 シグルド:モルガン・マーリン・キャストリアで耐久してだいたい50ターン
 スルト:動画参考でバーバンシーにマグダラ装備とコマンドコードで疑似単騎。だいたい50ターン

 ……こんな感じでした。
 ちなみにワルキューレで耐久しようとしたら、永続のターゲットロックでカバーしきれなくなりました。


 と、今回はここらへんで。
 次回からはいよいよ最終決戦。
 予定としては2~3ほどで一期分が終わり、二期編に行く前に茶番やら何やらをいくつか挟む予定ですので、のんびりお待ちください。

 ちなみに、この話と同時に短編オリジナルで『勇者暗殺計画』というのをこちらハーメルンと共に小説家になろう様とカクヨム様に投稿しました。
 リハビリを兼ねた作品ですが、割と雑になってしまいましたが、少しでも興味を持たれた方は読んでいただけるとありがたいです。
 ……できれば感想もくれると嬉しいな(小声)

 それでは、また。
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