お話そのものに直接の繋がりはありませんが、微妙なネタバレはあるので未読の方は前話からどうぞ。
また、今回は茶番成分がほとんどですので、その辺りを読むのがつらくなった方は解説部分だけをお楽しみください。(割と大部分が台本形式です)
なお、今回一部にFGO第二部のネタバレを含んでおりますのでご了承ください。
古式ゆかしい……そんな表現の似合う板張りの道場。
神棚や掛け軸すら供えられ、足を踏み入れればそれだけで肺の腑から引き締まるような厳粛な佇まいを見せるその中心。
そこに、前述の全てを台無しにするかのようにスポットライトの演出が施された。
その中心で、ある一つの人影が佇んでいる。
頭からすっぽりとマントのような布で全身を隠しているその人物は、ともすれば子供にしか見えないほどの矮躯の持ち主だ。
「―――フ、」
と、小さな肩が上下に揺れる。揺れながら、堪えるような笑みを漏らしている。
正味、仮に目算通りに子供であったとしても率直に怪しさと胡散臭さで満ち満ちている姿だが、それを指摘する者はいないしそも指摘されたところで止まるかどうかも疑わしいところだった。
事実、人影は頓着する様子もなく笑みを大きくしていく。
「フッフッフッフッフッフッ………待ち望むこと苦節○○年。
たとえ『え~? それ今更っていうかもう何番煎じかもわからんネタだよね???』と万人に口を揃えられることになろうとも。
それでも私は寿ごう……ついにこの時が来た、と!」
声の色は高く、華やいでいる。外見的なことを加味すれば、どうやらこの人影は『少女』らしい。
少女はなんのことかもわからない台詞を宣いながら、ついに身を覆うマントに手をかけ……引き抜くように取り払った。
バサァッッ!! と。
ちょっと物理法則をご都合に合わせて無視した感じで格好良さげに放りながら、その姿を顕わにする。
白い肌、白い髪、赤い瞳。
その身を覆う体操着に白いジャンバーと真っ白な長い鉢巻、そして燦然と輝く―――ブルマ!!!
老若男女を惹き付けて、三千世界に煌めきながら、小うるさいあれやこれやの団体どもをあっちらこっちらにうっちゃって。
少女は今、高らかに名乗りを上げる。
「『教えて!? ブルマ師範!!』こと、イリヤ師範の『イリヤスフィール道場』開・幕・だぁあああああああああああああああ!!
―――ゥ押忍ッッ!!!!」
ドンドンドーン!!(背後で戦隊モノ的爆発)
ファンファルファーン!!(ファンファーレ的な演奏)
ブォオ~、ブォオ~!(どっかで聞いたような法螺貝)
ワァアアアアアアアアアアアアア!!(どこからともなく歓声)
そこかしこから(どうやってかは不明だが)湧き上がる歓迎に、少女……イリヤ師範は満足げに笑みを浮かべる。
腕を組み、背を反らして(絶壁、或いは平坦、さもなくば虚無な)胸を張りながら、雪の妖精のような容姿に相応しく可憐ながら力強い声音で言葉を紡いでいく。
「これよりこの場はこの私が仕切り、差配し、支配する領域! ……なに? タイガ?
―――彼女は置いてきたわ。ここからはついてこれそうにないからね。(主に外見年齢的な意味で)」
どこかからか、獣の咆哮のような物が聞こえてきた気がするが気のせいである。
「閑話休題。
……この道場にも、かつての私のようなアシスタントがちゃんと存在するわ。しかも二人!!
さあ、現われ出でなさい! 我が弟子αアンドβ―――!!」
何処からともなく焚かれたスモークと共に現れたのは、瓜二つの姿形をした二人の少女。
ふわりとしたややクセの強めな金髪を三つ編みに結い、やや垂れ気味な瞳は透き通るような空色に煌めいている。体つきも華奢で(ついでに胸も師範と似たり寄ったり)、鼻筋の通った愛らしい顔立ちと合わせまるで最上級の
それこそフリルとレースをふんだんに飾り付けた豪奢なゴシックロリータを宛がいたいところだが、実際に二人が身に着けているのは飾り気皆無の体操着に師範と同じくブルマである。
二人の体操着の胸には大きな名札が縫い付けられており、それぞれ『あるふぁ』・『べーた』と太く黒々と書き込まれていた。
この二人こそ『イリヤスフィール道場』のアシスタントにして門下生。
【弟子α】こと【キャロル・マールス・ディーンハイム】と【弟子β】こと【エルフナイン】である。
二人の関係やその背景、その他の諸々のお話はこの場では割愛する。(意訳:本編を気長に待て)
それはさておいて、そんな二人の違いは名札だけではなく、態度にも表れていた。
「なんでオレがこんなことを……クソ、ガリィの奴め。勝手に契約書なんぞにサインしてオレを売りおって……!!」
「お、落ち着いてください、キャロル」
キャロルことαは現状とその原因へと怒りを募らせ、エルフナインことβは苦笑しながらそんな彼女を宥めている。
なお、オートスコアラーの皆さんはスタッフとして参加していただいております。
と、
『マスター、そこでニッコリ笑顔。あざとい感じで』
「誰がやるかぁ!? というか貴様こそそのゲッスい笑顔やめろ腹立つ!!」
「キャ、キャロル、どうどう」
精神を分けた分身のような主従と姉妹のように絆を結んだ分身との心温まる微笑ましいやり取り(笑)をする弟子αを尻目に、師範は改めて要請めいた可憐な声色で威風堂々と声を張る。
「こんな二人と共に始めるこの道場、『赫鋼』の世界のあれやこれやを解説したり補足したりする場なんだけど………まず最初に一言、物申させてもらうわ」
師範はそこで一息を区切る。
気炎を吐いていたαも、それを宥めていたβも何事かとそちらに注目する。
そして更に一拍を置き、一言。
「―――第一期を終わらせるだけで足かけ四年って、時間かけすぎじゃない?」
「「身も蓋もない」」
あまりにも、的確かつ残酷な指摘が筆者を貫く。これに比べればかのゲイ・ボルグすらもう少し慈悲深かろう。
「他の所はもっとコンスタントに更新してるのに……ここ最近はもう季刊ってレベルなのよね。そのくせ一話が長すぎるし」
「え、ええと……でもっ、毎日かかさず一行でも書き込んではいましたし」
「まあ逆を言えば一行そこそこしか書かない日もザラだったんだがな」
「あぅ………」
――――――………。(不甲斐なさにしかばねとなっている)
「と、ダメな作者も無事に死んだところで!!」
師「ここから先はこんな風に台本風にやったりするから、よろしくね」
α「……で、結局なにをどう説明するんだ」
師「基本はプロローグから振り返ってピックアップしたのを、シンフォギアシリーズ各公式サイトの用語集みたいな感じで解説したのを私たちがアレコレ好き勝手にコメントしていく感じね。
と、ここで注意事項を一つ。
………この場で言及される設定および解説はあくまでも【戦姫絶唱シンフォギア赫鋼】に於いてのみ該当するものです。
戦姫絶唱シンフォギアシリーズ並びにFateシリーズ及び型月作品における公式設定との関係性はございませんのでご了承ください。
―――と、以上でーす」
β(………それってボクたち要るのかな? いや、よそう。ボクの勝手な(以下略))
師「さて、始める前に一つ」
α「なんだ、今度は?」
師「まずは根本的な設定。このお話の根っこの中の根っこともいえる部分を解説していくわ。
―――はい、ドン!」
Q:シンフォギア世界とFate世界はどんな関係ですか?
A:樹木で例えるなら、二本に見えるけど地面に埋まっている部分から分かれて伸びている一本の樹。
α「………いや、どういうことだ?」
師「言葉通りね。枝葉で分かれたんじゃなくて、樹の幹そのものが最初から二又になって成長したのが二つの世界よ。
―――って言っても解りにくいだろうからもうちょっと突っ込みながら説明すると、決定的な分岐点は『最初に
β「
師「そちらの世界ではね。Fate世界ではギリシャ神話のオリュンポスの神々や、それらの真体を破壊したセファールが該当するわ。
比較するとこんな感じね」
◎シンフォギア世界
・【アヌンナキ】到来、人類(或いはその基となった種)に接触。
・現行人類の祖とも呼べる存在へ改造・干渉を行い、先史文明と呼ばれるものを構築するに至る。
・その後、バラルの呪詛の発現と同時期に総じて姿を消す。
・統一言語の喪失により根本的な相互理解に齟齬が発生(同時に人類の意志総体であるアラヤへのアクセスが不可となり、抑止力が停止する)、ノイズ等を用いた争乱によって先史文明が崩壊。
・生き残った人類が世界各地に散らばり、同時に先史文明の名残として数多の聖遺物が眠れる爆弾として散逸する。
・現在、聖遺物の力に注目し始めた各国によって水面下での研究と他国への牽制と諜報、暗躍が頻発。ある種の冷戦へと突入する。
◎Fate世界
・【アヌンナキ】が来なかった代わりに、ギリシャに外宇宙からの惑星間航行大型宇宙船群が到来。長じてオリュンポスの神々として崇められる。
・更に白き巨人【セファール】飛来、オリュンポスの神々を始め、世界各地の神々が敗北。
・その後、【セファール】侵攻を許すも最終的に聖剣の使い手によって討伐される。
・以後、各地にてそれぞれの神話体系と文明を構築しつつ、文明と国家の興亡が繰り返される。
・人類の文明の発達と共に神霊は世界に融け込む形で消えていき、マナを始めとした神秘そのものが薄れていく。
・現在、魔術協会や聖堂教会等によって神秘の秘匿は徹底。遠くない未来に魔術等の消失が予想される。
師「―――比較した上での一番の違いは『神秘に対する親和性』というところね。
Fate世界では秘匿すること自体が力となる関係もあって、衰退は確定的。
シンフォギア世界はノイズの存在が認知され聖遺物という力を持った器物があちこちに眠っているせいでそう言った存在そのものに対する抵抗自体が弱い。
この辺りはバラルの呪詛による抑止力の麻痺もあるでしょうけど、それ以前に基盤となっている神秘そのものの雛型の差も大きいわね」
β「そういえば、士郎さんがこちらの世界に来た際、元の世界と年代そのものが違っていたらしいですけど……」
師「その辺りも、【アヌンナキ】の影響ね。
Fate世界よりも早くにやってきてテコ入れ入れたおかげで、そちらの方が人類史のスタートが早まったってことらしいわ。
まあ、リンがムリヤリにムチャやらかしたせいで時間軸がズレたっていうのも多少なりあるんでしょうけど」
α「もう一つ違いを付け加えるとしたら、世界全体の文明の発端……スタートラインの違いか」
β「そうですね……ボクたちの世界は言ってしまえば【アヌンナキ】と先史文明から始まって、そこから世界中に広まっていったという感じですね」
師「それに対して、こっちはそれぞれ世界各地で文明が起こってっていう流れね。
【オリュンポス】の真体が日本に流れ着いたりとかはあったみたいだけど、文明同士の接触や衝突は概ね語られている歴史通りね」
α「そういう意味でも、【アヌンナキ】という
師「まあ、ともかく結論として。
【文字通り人類史の根本的なところからそれぞれ分岐した二つの世界線】―――これがシンフォギア世界とFate世界の関係ね。
そんな
師「さて! ここからが本番!!
じっくり振り返っていきましょー!!」
β「ど、どうぞ!」
α「………ドウゾ」(苦虫噛み潰した顔)
◆◆◆
【序:或る終わり/再動】
○遠坂 凛
彼女は本気で衛宮 士郎を殺そうとしていた。その殺意に一片の偽りもなく、魔術師として当たり前の沙汰で以ってそれを為すと決めた。
そのために、家伝の秘奥たる宝石剣まで誂え、それによる実験というもう一つの大義名分も振りかざし、更には儀式のために万全に万全を重ねた。
結果、彼女の実験は成功し、異なる可能性への道筋たる“穴”を一時とはいえ現世に形成し、そこへ人間一人を放り込んで世界からの完全追放を成し遂げた。
………重ねて言う。遠坂 凛の殺意は本物だった。
ところで、遠坂 凛にはある遺伝的な呪いというか、宿業のようなものがある。
それはここぞという最後の場面でポカをやらかすという、言ってしまえば大事なところでこそうっかりを引き起こしやすいというものだ。
だから―――本気で殺すつもりで放逐した相手が、もはや手の届かない遠い
………そういうことに、しておこう。
師「………ホント。どこまでもいつまでも素直じゃないわよね、リン」
◆◆◆
【1:調理師/魔術使い】
○二足の草鞋
リディアン音楽院、食堂調理師。衛宮 士郎がその表向きの立場を得るに至った理由は様々だ。
当初はこれほどまでにノイズによる事件が頻発するとは思われていなかったため、その生活支援という面も大きかった。
あとは近場に置くことでの監視という名目もあるにはあったが、そも年若い少女たちが犇めく場で働くことを許可される辺り、彼の人柄がどう理解されていたか察せられるというものである。
だが作中時期に至り、ノイズの発生件数が増加するにあたって弦十郎は彼を慮る意味合いを以って二課の仕事に専念するかを尋ねた。
それに対する答えは言わずもがな。
だが、かつて日常を振り払って戦い続けた彼が
或いはそれは、郷里での日々を偲ばせる喧噪に、彼自身知らずに安らぎを得ているがためなのかもしれない。
師「まあ、一番の共通点は周りに女の子がいっぱいいるってことなんだけどね」(乾ききった声)
β「えぇ……」(困惑)
◆◆◆
【2:覚醒/再会】
○謎のヒーロー赤マント
ノイズの発生が突発的なものである以上、戦闘の目撃者が出てしまうのは避けられない問題だった。
二課の方で保護できた場合は情報の秘匿を約束させることも出来るが、避難を優先した場合はそのまま身柄を確保できないという場合も当然ありうる。
その為、二課では様々な情報操作の一環として一部真実に掠ったような
『謎のヒーロー赤マント』もその一つ。
これに関しては対ノイズ戦闘において奏と翼が前衛、士郎が後衛という形が定番となって以降、俯瞰の視点から奏たちでは間に合わないだろう場所へ急行するという場面も少なからず発生し、それにつれて彼の目撃情報が多く寄せられての対応である。
………これに関して、当人はなんとも言えない表情で黙り込むばかりである。
師「………そういえば、『怪傑☆うたずきん!』にその辺りの影響出てるのかしら?」
β「あ、はい……いました。うたずきんがピンチな時に助けてくれるニヒルな赤いマントのお兄さんが………」
α「お、おぅ……」(居た堪れない表情)
◆◆◆
【3:悔恨/歓迎】
○『異邦者』衛宮士郎
士郎が二課に協力するようになったのはこの世界に来たごく初期……というより、顕現直後の戦闘を終え、諸々の治療や事情聴取などのすぐ後のことだ。
とはいえ、それは互いにすぐさま信頼を築けていたというわけではなく、むしろその逆であった。
士郎にとっては国に根差しながらも半ば秘匿されている二課に対して猜疑と共に警戒を抱いていたし、二課もまた並行世界からの異邦者である士郎に同等のものを抱かざるを得なかった。
故に、士郎の二課に於ける嘱託という立ち位置や投影した宝具の扱いなどは、利害と監視の両面で双方に都合の良い契約として結ばれたものだった。
その後、互いの在り方や人柄などによって本当の意味での信頼関係を築くまでにはさほどの時間は必要としていなかったのは余談であるが。
ともあれ、そんな判断で以って決定された諸々に対する扱いが、現在に至るまで誰にとっても都合の良いものとして続いているというのは実に皮肉であると言えるだろう。
α「実際、良かれ悪しかれ放っておける存在ではないだろうしな。
むしろ最初の一発で二課と関わりを持てたのは幸運としか言えんな」
師「というか、二課以外の組織に拾われたら碌なことにならなかったでしょうね。
………まあ、こっちの協会や教会に比べればどこもマシかもしれないけど」
β「あの、そちらの世界怖すぎませんか???」
◆◆◆
【4:謝罪と感謝/決意と覚悟】
○魔力とフォニックゲイン
ともに、ノイズへと干渉しこれの撃破を可能とする力。
その一点において共通する特性を持つこれらの共通点はなにか、確証に足るものは未だ得るには至らない。
なぜなら魔力(魔術)を行使できる人間が衛宮 士郎ただ一人のため、比較のための判断材料とするには不足に過ぎるからだ。
それでも、可能性の高い推測を敢えて上げるあらば、どちらともに生命力から精製……即ち、命を源として生み出しているためであるというものだ。
つまり、彼と彼女らはその命の輝きで以ってノイズという闇を打ち払っている―――などと評するのは流石に詩的に過ぎるだろうか。
―――櫻井 了子による研究報告書より一部抜粋。
α「錬金術師との比較については触れてないんだな」
師「素性を隠してたからじゃないかしら。この時はまだ錬金術師も大人しかったころだし」
β「仮に触れていたとしても、錬金術師もフォニックゲイン由来の力を使ったりしてるので内容としては大差がなかったかもしれませんね」
師「ちなみに、士郎のことにも言及しているので、作中で発表されている【櫻井理論】とは別物よ」
α「衛宮 士郎のことについては現状ではまだ部外秘ということだな」
◆◆◆
【5:定まらぬもの/果たされぬもの】
○虎
虎は鍛えない。―――最初から強いから。
虎は慌てない。―――なぜなら強いから。
虎は迷わない。―――とにかく強いから。
そう、虎こそ最強。虎こそ至高。虎こそ究極。
虎を讃えよ。
虎を崇めよ。
トラ、トラ、トラ。
………ていうか
師「ハイ。スタッフー、変なの混じってたからとっととポイしてきてー」
?「あ、あいるびーばぁああああああああああっくぅ~~~~~~~~~!!!!」
ガオーン、ガオーン、ガオー………(エコー
α「………なんだアレは?」
師「気にしないで、ただの
◆◆◆
【6:月下に謳う/未明に嘆く】
○幻朧ノ鳴剣・真打
風鳴 翼が絶唱を以って放った技。
絶唱による出力をアームドギアである刀に集中。凝縮されたフォニックゲインは卵の殻を破るように刀身を砕き、夜桜を彷彿とさせる色合いの巨大かつ長大なエネルギーブレードを形成。
これを以ての薙ぎ払いは、森林公園の木々と芝生ごと百鬼夜行じみたノイズの群れを一掃するに至った。
雪音 クリスがもし、影縫いの束縛から脱して壁となるノイズを召喚できていなければ、ネフシュタンの鎧はともかくそれを纏っていた彼女自身が斬滅されるに至っていただろう可能性は極めて高い。
―――これを放った後、翼はそのバックファイアの負荷によって倒れ、しばしの戦線離脱をするに至るが、正史に比べればその肉体的被害は若干抑えられている。
これは正史と違い、アームドギアを解しての発動であることがもっとも大きな要因として挙げられるだろう。
師「………なんだかんだで、シロウみたいに身を擲っちゃうコが多いのが悩みの種ね」
◆◆◆
【7:その拳は何がために/その歌は誰がために】
○道
衛宮 士郎にとって、違う道を歩く者は『敵』か『敵ではないか』のどちらかでしかない。
『味方』というのはあり得ない。味方ならば同じ道であるはずで、そして士郎と同じ道を歩む者などいないのだから。
―――だがそれを、立花 響は否と言った。
違う道を歩く者に手を伸ばし、繋いだ相手が更に手を伸ばす。
そうすれば自分一人では届かない相手も救うことができて、いつの日か遍くすべてを助けることも出来るかもしれないと。
そのどこまでも甘い幻想はしかし、士郎にとっては新たな希望の
故にこそ、士郎は立花響を認め、その在り方に可能性を見出した。
……しかし、彼は気付いていない。
彼女にその道を、その在り方を指し示したもの。
それはいつか、死の淵で見た赫い刃金の如き背中なのだということに。
イ「―――……、うん。がんばって、シロウ」
◆◆◆
【8:それから/これから】
○怒りの士郎、下着の畳み方猛特訓事件
それはある日のこと。
ふと、本部内の翼の部屋を訪ねることになった士郎は、そこで空き巣とてもう少し慎ましやかだろう惨状を目の当たりにする。
「あー。セクハラ扱い覚悟で差し出口を挟むが、せめて下着くらいは目につかないようにしまってくれるとありがたい」
「す、すいません。いつもは緒川さんにお願いしてるんですが……」
「………ちょっとまて。下着だぞ?」
「そうですが?」
「――――――は???」
………数分後。
二課女性陣は見た。
修羅もかくやとばかりの表情の士郎。
彼が涙目の翼と正座同士で向き合いながら、ゴミ屋敷然とした部屋の中心で女性ものの下着の収納法を叩き込んでいる光景を。
α「………いや、いくら何でも下着くらいは自分でできなきゃダメだろう」(何気に父子家庭で家事を担っていた人)
師「え? 身の回りのことは従者に任せるものじゃないの?」(ガチで城に住んでたお姫様)
β(そういえば翼さんも生まれ的にはお嬢様……)(多分、一人暮らし)
◆◆◆
【9:デュランダル/覚悟と焦燥】
○デュランダル移送作戦における布陣
前衛:先頭車両・天羽 奏
囮兼防護壁:周囲護衛車両
現場指揮及び援護射撃:ヘリ・風鳴 弦十郎、衛宮 士郎
直衛兼最終防衛ライン:護送車両(櫻井了子)・立花 響
―――以上がデュランダルを『記憶の遺跡』へと護送するにあたっての作戦配置である。
この布陣の一番のキモは衛宮 士郎をヘリに乗せることによってその長射程高精度の射撃を高機動かつフレキシブルに運用できることにある。
また、指揮を執る弦十郎が同乗することにより、状況の把握と現場への即時対応性も著しく向上していた。
懸念があるとすれば責任者である弦十郎の安全だが、彼の装者すら凌駕しかねないヒトの範疇から外れた戦闘能力ならばノイズを撃滅せしめることは不可能でも、逃避するだけならば難しくはない。
士郎も共にいるならばなおのことだ。
故に、この布陣は作戦当時における二課が考えうる中でもっとも強く隙が無いものだったと言える。
………しかし、その完璧であったとされる布陣も、地下からの襲撃という一手で以って見事に覆されてしまった。
α「たしかに、作中以外のやり方だとそれこそ頭の悪いゴリ押しでしか突破するのは難しいだろうな」
β「そういうのをどうにかできそうなものも、後々にならないと出てきませんしね」
◆◆◆
【10:芽吹き、しかして狂乱/剣と剣】
○聖遺物に対する解析と投影
つまるところ、聖遺物とは先史文明の生み出した器物か、あるいはそれに何らかの信仰・概念の受け皿となることで特異な機能を有するに至った物を指す。(先史文明期の代物ではないが後者に該当する特異な物品を哲学兵装と呼ぶが、ここでは割愛する)
それは士郎の世界の宝具に非常に似通ったものであるが、逆説的に『似て非なるもの』でしかない。
故に、士郎が聖遺物で解析可能な範疇はある程度の物質的な構造と、あくまでも『付随する概念として共通するもの』に限る。
例えば作中のデュランダルの場合、メインとして扱われるシャルルマーニュ伝説や十五世紀ごろに語られるようになったとされるヘクトール関連の逸話などが該当する。
つまり、先史文明やその異端技術に関する部分については彼をしても
故に、士郎が奏や翼のアームドギアを投影させたとしても、士郎はもちろん装者本人でさえも扱えない本当の意味でのレプリカにしかならない。
―――それらの問題を解決させるには、何らかの方法で彼に先史文明期もしくはその塁系の叡智を深く刻み込まなければならない。
β「つまり、どうやってもできないってことですね?」
師「えぇ。ぶっちゃけただ学ぶだけじゃ不足だし、それこそ魔術師が魔術をその身に『刻む』レベルで習得させなければね。
現状、そこまでする必要は存在しないし、そもそれを可能とする手段もないしね」
α「つまり、どう足掻いてもコイツはこれからもこのままってことか」
師「ええ。―――現状、ではね」
α(……無闇に意味深だな、オイ)
◆◆◆
【12:Blade Art's/Forbidden Trigger】
○
とある神代の魔女、彼女の背負う業そのものを具現化したともいえる宝具。
刃を突き立てることであらゆる魔術的な効果や契約を破戒……即ち初期化することができる。
作中においてはクリスに対して使用し、ネフシュタンの鎧を強制的に解除させていた。
この際、鎧そのものは活動を停止してはいない。これは元々この宝具に他の宝具そのものを初期化する力はないため、それに相当する完全聖遺物に対しては無効化されたのだと思われる。
そのため、今回はあくまでも鎧の装着というある種の『契約』そのものに干渉し、解除する方向で発動した。
これらの事実で示された可能性は二つ。
一つは、士郎の扱う神秘でもこの世界の法則に則った神秘に干渉することができるということ。
そしてもう一つは、同じ要領でシンフォギアを強制的に解除できるだろうということである。
α「ということは、シンフォギアに対する天敵か、コレは」
師「一概にそうとも言い切れないのよね。あくまでも形状は短剣で切っ先を突き立てることが条件だから同時に何人相手でも発動できるものじゃないし。
まあ、シロウなら元の持ち主より近接のスキルはあるし、矢に加工できるからその分使い勝手は良いともいえるけど……」
β「けど?」
師「……この先については、まだまだ先の話ということで」
◆◆◆
【14:雨後の安息/晴天の慙愧】
○チビスケ
第一話にて響が助け、士郎が預かった白い子猫。
今では正式に士郎の飼い猫として悠々自適に暮らしている。
基本的におとなしく、爪とぎ機以外で爪を研ぐこともあまりない。トイレのしつけもすぐ覚えたあたり、それなりに賢い模様。
師「なお、キャラクターとしては本当にサブなので、立ち位置としてはこの作品では全く出番のないふらわーのオバちゃんやヒビキの担任教師とほぼ同等の模様」
◆◆◆
【15:lamentation/sacrifice】
○士郎の『ノイズによる浸食攻撃対策』
ノイズの侵食攻撃を逆手にとっての回復暴走による撃滅。
これはあくまでも治癒時に傷口に刃が形成される際に魔力を意図して過剰に送り込むことで無理矢理に刃を大量に生成しているのであって、魔力回路そのものが暴走しているわけではない。
なので体外に大きく突出した刃とそれによって広がった傷口によって元の傷よりも治癒に多少の時間と労力が必要となってしまうが、逆を言えばそれだけである。
………というのはあくまでも士郎本人の認識であり、周囲の人間(とくに奏たちにとっては)気が気ではないことは言うまでもない。
α「確かに緊急避難として考えれば悪くはないのかもしれんが……これは……」
師「ちなみに、対象範囲が広すぎる場合は本当にただの自爆になりかねないのよね、コレ。
………まあ、それでも必要なら間違いなく使うでしょうけど」
◆◆◆
【16:Avenger's/そして月の下で】
○アヴェンジャー
復讐者。
今回の場合は天羽 奏のことを指す。
鑑みてみれば、装者たちの中で奏だけがノイズへの復讐心というある種もっとも利己的な負の感情を己の軸に組み込んでいる。(敢えて言うなら該当話時点までのクリスが近いが、彼女の場合は理不尽な暴力や社会などに対する怒りという意味では奏よりも漠然としている)
故に、彼女は応報を是として槍を振るう。そうしてけじめをつけなければ、一歩だって前に進むことなどできないと言うかのように。
……逆を言えば、彼女の中でけじめさえつければそれ以上の遺恨を引きずらないのは美徳と言ってよいのかもしれない。
師「考えてみると、わりとリンに似てる気がするわ。体型以外。
……そして翼も、防人要素抜けばサクラっぽいところがあるわね。体型以外」
β「あの、その辺りはあまり触れないほうが……?」(震え声)
◆◆◆
【17:祭りの夜の裏側で/前夜祭】
○
元よりこの異形の剣の特性は『破壊された瞬間に対象へ大ダメージを与える』というものである。
士郎は自身が投影したこの宝具を利用し、使用限度ギリギリまで振るった後、矢へと変質させて放った。―――その最後の一矢こそ、
ちなみに、
師「はい。こんな風にいろいろ考えてドヤ顔で登場させたけど、感想欄で全く触れられなかったオリジナル要素その一です。
作者的には地味に凹んだらしいわ」
α「愚か者め……『おれがかんがえたすごいわざ』とかスルーされるのが関の山なのはわかりきっているだろうに」
β「あ、あの………もうライフはゼロになってるみたいなので勘弁して差し上げてください」
師「なお、同じようなのはこれからもやる予定らしいので、生暖かく見守ってあげてね★」
◆◆◆
【21:Over Edge's/貫くは荊が如く】
○鶴翼三連・
互いに引き合うという特性を持つ【夫婦剣・干将莫邪】の複数投影と投擲による全天包囲斬撃である【鶴翼三連】。
その最後の一撃の刹那において、全ての刃を長大に増強させるオーバーエッジと化すことによる無類の斬陣。
無論、これは本来の干将莫邪の力とは言い難く、その真価を発揮しているわけでは決してない。
しかしその威力は、完全聖遺物が生み出した堅牢な障壁を容易く打ち破り、その術者を一瞬で無数に斬断せしめるほどのものである。
―――刃の交差する刹那、その絶技を目にする者は確かに幻視するだろう。
黒白の翼を
師「作者が思いついて出したかった技第二弾。
オーバーエッジはFate初期アニメで初めて見た時から惚れ抜いた技だから、絶対決め技に持っていきたかったらしいわね」
β「でも、確かにすごいです! 弾道ミサイルの直撃ですら楽に防いで見せるだろう防壁を、一瞬でフィーネごと斬り払うなんて!!」
師「―――その分、この後のゲイ・ボルグのお労しさが反比例で高くなっちゃったけどね」
◆◆◆
【22:太陰穿つ極光/極光阻む■■】
○『ネフシュタンの鎧』の覚醒
覚醒、とはあくまでも便宜上の呼称。
フィーネ自身が自身の肉体に融け込ませることで変化/進化を果たしたネフシュタンが、更なる変貌を遂げた状態。
既存の能力のブラッシュアップに加え、重力操作、その媒介となりつつも高速飛翔高い貫通力による攻撃を可能とする結晶体、再生能力の応用と思われる分身体の構築などの新たな能力も獲得している。
正史とは違い、この姿を獲得できた背景にはサンプルとなりうる存在が響だけでなく奏もいたことが大きいだろう。
ただでさえ、前代未聞というべき聖遺物との融合。
その正当な素体というべき響と、宝具という異種との融合を果たしている奏。
二人分のデータを精査・比較し、その差異を突き詰めて自身のそれへと反映させる―――その結果として獲得したのがこの覚醒である。
その発揮される能力の程は、純粋な戦闘者ではないフィーネをして四人の装者に魔術使いを敵に回してなお圧倒せしめるほどである。
師「姿形や戦闘能力はアプリ版の方、分身能力はマンガ版の方を参考にしたわ」
α「一応、そこら辺の理由付けはしてあったんだな」
β「インタールード2が若干の伏線となっていたらしいです」
◆◆◆
【23:堕鬼憤叫/Zwei Wing】
○INFINITE∞SHAFT
奏の技。
竜巻を攻撃に使うのではなく、対象を囲むように展開する。
自身や味方に使った場合は防護壁として、敵に使った場合は拘束する効果を発揮する。
また、エクスドライブ時には威力と規模を大幅に強化した『ULTIMATE∞PILLAR』という技を使用した。こちらは拘束した対象をそのまま風圧でダメージを与えることも可能である。
この技の本質的な部分は補助的な役割である。
それは取りも直さず、自分だけではなく共に戦う誰かがいることも想定しているという証とも言えた。
何もかも喪い、復讐者として戦う道を選んだ少女は、その道で己の夢と共に歩く大切な者たちを得たのだ。
○双翼-ZWEI∞WING-
カ・ディンギルを破壊した奏と翼の合体技。
翼の背からは蒼天を思わせる蒼い片翼、奏の背からは暁天を彷彿とさせる朱い片翼がそれぞれ大きく広がる比翼の羽撃き。
正しくツヴァイウィングとしての軌跡と絆が生み出したともいえる絶技である。
―――更に上へ、更に先へ。
双翼は壊すために征くのではない。
師「こちらもオリジナルの技ね。これらは連載始める前から考えていたモノらしいわ。
というか、これから先のも含めてオリジナル系の技は半分くらいはずっと前から考えてた技だったりするわ」
α「前者の方は随分と使い道が幅広いように見えるな」
師「ぶっちゃけ、この作者っていろんな使い道のある技とか武器とか大好きだからね」
◆◆◆
【24:SYMPHOGEAR/XDRIVE】
○
ここで指しているのは天羽 奏(より正確には彼女の中のアヴァロン)と衛宮 士郎との間に結ばれている魔術的な繋がりのことである。
奏に
やがて
この時点で以降の調整も
その理由には、彼女の中で芽生えた士郎への思慕の念からによるものが大きい。
当の士郎自身はそれには気付かなかったが、
………そして時が下り、フィーネとの決戦において奏は他の装者共々シンフォギアの
その経緯において、有り余るフォニックゲインを利用することで自身の負傷を回復したのだが、この時に
これらの出来事が起こりえたのも、偏に奏の要望によって
師「なお、メンテナンスとしての魔力供給中は他人に見られればどう足掻いても通報不可避」
β「あぅ……」(真っ赤)
α「は、破廉恥な……」(真っ赤)
師「というか、それを許してるのに全くなんも気付いてない辺りがホントそういうところよね、シロウ」(乾ききった声)
◆◆◆
【25:Babalon/Synchrogazer】
○ベイバロンの赤き竜
正史と比べ、こちらにも変化が生じている。
周囲に水晶のようなものに変質した巨大な岩塊を浮かべ、重力操作の機能を獲得。
その能力からもある程度察せられるだろうが、岩塊の核となっているのは覚醒したネフシュタンの結晶体である。
その底上げされた出力は、自壊するほどにまで引き上げれば原子分解に近いレベルまで対象を破壊する重力の結界を生み出すことも出来る。
また、結晶体そのものはこの状態でも使用可能で、作中では不意を打ってきた奏に対し攻撃を阻むのに使用した。
―――その絶対ともいえる障壁、それを打ち破り無限ともいえる再生力を持つ竜の体を引き裂いたのが、かつて同じく強い再生力を持つ多頭の竜を討ち果たしたある大英雄の業であったのは皮肉というべきか。
師「バーサーカーは強いんだから!!」
α「いきなりなんだ」
β「なにか想うところがあるんでしょうか?」
◆◆◆
【27:Avalon/或る■■■■との会話】
○
月の欠片を破壊した直後、限界を迎えつつあった奏が形と成した幻想。
埋め込まれたアヴァロンの贋作、士郎とのパス、奏の魔術回路の励起、響の特性による四人の装者による連結―――そして聖遺物の力を物理的に出力するシンフォギアというシステム。
これら全てが噛み合って初めて為しえた紛れもない奇蹟である。
物自体は士郎が投影したアヴァロンが核となっているが、それを顕現させるためにシンフォギアのシステムを通しているため、性質としてはアームドギアに近い。
シンフォギアシステムが無数のプロテクトを嚙ませている関係もあって拡張性と多様性に富んでいることもあり、アームドギアとして現れたコレも本来のアヴァロンとはいささか異なる特性を持つに至った。
だからこそ、装者四人を纏めてその守護下に納めることができたともいえる。
………発動の最中、戦姫たちが水鏡の向こうに
その邂逅を成しえた理由がこの変則的な発現であるためか、それとも奏と繋がっている士郎との縁ゆえか。あるいはその両方なのか。
それを知る術はどこにもない。
―――それは鏡花水月の如く。
揺らめく水面の中にのみある理想郷。例えどんなに近くとあるように思えても、触れれば揺らめき消える夢幻の園。
されどその夢幻に抱かれることで、
○マーリンの悪戯
かつて士郎がいた世界……人理が焼却されることも漂白されることもない、ただ緩やかに神秘の余地が消えていく可能性。
そんな編纂事象における花の魔術師の興味は、かの錬鉄の魔術使いに向けられていた。
それもそのはず、最後の最後に王を変えたのは、かの人物であったからだ。
全てを見晴かす目を持つ魔術師は彼と自身の夢を繋げ、更には自身を経由する形で己の王ともそれを繋げた。
未だ眠り続ける騎士の王、その無聊を慰めんとしているかのように。
それでいて、当然のように士郎の側がそれを察知することはできなかった。
やがて、魔術使いはその在り方に因って世界から放逐された。本来ならば、それで彼と繋いだ縁は断たれるはずだった。
いよいよ第二法による追放が果たされんとした刹那、現世というテクスチャから外れた
それはただの悪あがき以上の意味合いを持つことはないはずであったが………結果として、異なる
士郎を呼び込んだだろうギャラルホルンという器物の存在。
その器物の影響によって、並行世界間での干渉を受けやすいという特性。
そしてバラルの呪詛による抑止力の麻痺と、それによる世界そのものの神秘に対する親和性。
これらの要因を以って、マーリンの悪戯は今もなお士郎と眠れる王を繋いでいる。
―――遠き
夢見るままにそれを見守るいつかの王。
その全てを、花の魔術師はただ一人で知っていながら微笑みと共に見届けている。
○バラルの呪詛
【アヌンナキ】がこの世界で最後に齎した奇蹟にして災厄。
これによって統一言語は失われ、先史文明は相互不理解による戦乱によって衰退・滅亡を果たした。
『神の時代』の終焉は、永きに渡る混乱と衝突の歴史の幕開けとなったのだ。
―――そして、これを知った士郎は同時にある事実を浮き彫りとした。
本来ならば知覚不能の深層にて繋がるはずの人の精神……集合的無意識たる『アラヤ』という概念も成立不可能としてしまっているということだ。
『アラヤ』が健在な世界であるならば除外されるだろう因子も、この世界では存在し得てしまう。
それは即ち、世界そのものが常に滅びと隣り合わせで在り続けているということに他ならない。
それでもなお、今日まで世界が続いているのはそれこそ奇蹟と呼ぶべきか、或いは………
なお、この現状の副産物として『神秘そのものに対する親和性の向上』というものが挙げられる。
アラヤの抑止がないゆえに、魔術や聖遺物などが引き起こす不自然不可思議な現象も抵抗なくそれらが発揮されるのだ。
事実、士郎はこの世界に於いてその魔術行使の負担が大幅に軽減されていることを自覚していた。
また、聖遺物の欠片から力を引き出し、プロテクターや武装として具現化するシンフォギアシステムが成立しえたのもこのような背景があってこそであるともいえる。
もしアラヤが健在な世界でシンフォギアを成立させようとした場合。
装者に対する負荷が比べ物にならないほどに強くなっていたかもしれない。
或いは、発動そのものすらできなかった可能性もある。
―――ともすれば、システムとしての開発そのものにさえ、干渉を受けていた可能性すらある。
これらを鑑みれば。
一連の事件はこの世界であるからこそ起きたものであり。
同時に、この世界だからこそ打破を成しえたともいえる。
師「というわけで一気に三つドン!!」
α「……なんかもう言いたいことを言ってる感が強いな」
師「まあ、どうしても説明しないわけにはいかないのばかりだからね」
師「【アヴァロン・ミラージュ】に関しては最初は無銘の【エクスカリバー・イマージュ】よろしく【アヴァロン・イマージュ】って名前にする予定だったんだけど、差別化とすでに脳内で出来上がってたセイバーとの邂逅シーンのイメージから今の名前にしたらしいわ」
β「セイバーさんとのシーンは最初から決まってたんですね」
師「奏にアヴァロン使わせるのが決まった時点でね。名前の差別化に合わせて、奏に浮き上がった魔術回路も五線譜イメージって感じで描写したわ」
α「まあ、結局文章じゃわかりにくいんだがな」
β「あ、あはは……」
師「マーリンに関しては……『人様の人生勝手に覗き見してニヤついてる』っていうのをオブラートに包みまくると締めの文章になります」
α「やってることは凄まじいのにそういわれるとただの変態にしか見えんな」
β「でも、セイバーさんにも繋いでいるんですね」
師「ちなみに、セイバーに繋いでいるのがどういう結果になるかは今のところ本当に未定だったりします」
β「えぇ……」
師「一応、展開の候補としてはいくつか考えてはいるみたいだけどね。
それはそれとして、シンフォギア世界の平行世界間の壁というべきものが薄いのはXDU基準で暗に公式になってる設定ね」
α「イベントだと、平行世界のオレとエルフナインが意識を繋がらせていたな」
師「それ以外でも平行世界の同一人物の異変などを感じ取って体調不良に陥ったりしてるわね。
これは装者もだけど、本編の世界線では完全に一般人のはずのシャロンまでが同様の状態になってたりするし」
β「その辺りが事件の発端になったことも結構ありましたしね」
師「そして最後のバラルの呪詛とアラヤの不活性化。これについてはあとがきで前も語ったように連載前から考えられていた設定ね。
ぶっちゃけ、概ね好意的に受け入れられてるみたいで作者的には一安心といったところのようね。
………本当はアラヤとか抑止力についてつらつら解説しようかとも思ったけど、長くなる割にwikiとかと大差ない内容にしかならなさそうだから省略で」
α&β「「えぇ……」」
師「ちなみにこれが原因でシンフォギア世界においては【神秘に対する親和性】が向上しているというわけなんだけど、それに絡めて【哲学兵装】とその成り立ちである【共通認識による力の付与】なんかの解釈なんかもすでに大まかに考えてたりします。
―――が、これについても語りすぎても脱線しそうなので、後々に哲学兵装が本格的に登場するようになってから補足説明する予定よ」
α「………いつになるんだろうな、ソレ」(遠い目
師「作者ですら不明なのよね……」(遠い目
β「というかソレってボクたちの出番とほぼイコールなんですよね……」(遠い目
師「―――というわけで、用語集の形をした補足説明でした!
なお、諸事情により一部のお話が抜けていますがご了承くださ~い」
α「(あぁ……ネタ切れか)なんというか、割とやっつけな……」
師「まあ、あんまり語りすぎても冗長になっちゃうだけだから、その辺りは意識して短くしたというのもあるらしいわ。
それでもかなり長くなったけど。それはさておき、次はメインキャラクター紹介!!」
α「………え? 今更?」
師「そういわないで。正確には第一期終了時点での主要人物たちを原作との差異を交えて情報をまとめるって感じだからね」
β「ああ、なるほど……」
師「というわけで、どうぞ!!」
【衛宮 士郎】
本作主人公。平行世界からの追放者。錬鉄の魔術使い。正義の味方。
特殊な投影魔術によって古の武具である宝具(シンフォギア世界でいうところの聖遺物相当の代物)の複製・使用を可能とする。
元の世界において、聖杯戦争という魔術儀式に巻き込まれ自身が呼び出したセイバーのサーヴァントと共にこれを勝ち抜いた。セイバーとは互いに想いを寄せ合う仲でもあった。
その後、魔術使いとして活動するもその行動の末に捕縛され、戦友にして師匠である遠坂 凛の『魔法』によってシンフォギア世界へと放逐された。その折に、ツヴァイウィングの二人とノイズの群れとの戦闘に巻き込まれ、これに介入。図らずも、奏の運命を大きく変えることになる。
以後は特異災害対策機動二課に協力し、紆余曲折を経つつも彼らとの絆を深めていく。特に奏と翼からは暗に想いを寄せられているのだが、気づく様子は全くない。朴念仁。
表向きの立場として、リディアン音楽院の学食の調理師となる。ここで持ち前の世話焼きとお人好しを発揮し、困ったときの何でも屋的な名物お兄さんとして静かな好評とともに受け入れられる。
二課では装者とともに前線に立ち、基本はその遠距離攻撃技能から後方からの射撃支援を行いつつ遊撃として立ち回っていた。この時の戦闘装束の赤い外套から、都市伝説的な噂話として『謎のヒーロー・赤マント』が生まれることとなる。
奏がLinkerの副作用によって危険な状態に陥った折、投影した『
なお、奏とのパスだが奏はもちろんのこと士郎も純粋な魔術師としての腕はいいとこ三流そこそこなこともあって平時においては魔力供給、生存の確認、ある程度近い距離においての互いの存在の大まかな感知といった程度の役にしか立たない。
一期終盤において奏の補助を行えたのは、すべての意識をパスに集中し、没入したが故に可能となったことである。
現状に於いて二課での正式な立ち位置(肩書き)は嘱託の戦闘員で、言ってしまえば専任で雇われている傭兵に近い。
世界追放より二年後、この世界にやってきた時の戦いにいた少女……立花 響が融合症例として変則的な装者としての覚醒に立ち会うこととなる。
彼女が二課で共に戦うことを決意して以後、彼女を支え鍛えつつもいざというときは強硬手段を用いてでも彼女を日常の世界へと押し戻す覚悟を抱く。
果たして翼の負傷を契機としてそれを実行に移さんとするも、迷いを吹っ切った響と拳を交え、その決意を称えると同時に改めて共に戦う仲間として彼女を認める。
この時、響の言葉はこれまでになく彼の鋼のごとき心を揺らす。無論、士郎の在り方そのものがそれで変化するというわけではないのだが、それでも自身が一人ではないのだという認識を抱き始めることは、彼という存在にとっては革命といっていい出来事であるのかもしれない。
また、この一件を経て小日向 未来と和解し、その後は彼女の料理の先生としてプライベートで指導していくくととなった。
また、響との再会時に拾った白猫は『チビスケ』という名で正式に彼に飼われている。
響きに対してその在り方に注目している部分があり、内心でそれを見極めたいとも考えている。
翼や奏とは一番長く肩を並べていたこともあり、誰よりも阿吽の呼吸をとることができる。
クリスのほうは実は同じ遠距離攻撃ができる者同士ということで、彼女から密かにライバル視されていたりする。
未来との料理の師弟関係は順調で、新しい部屋の合鍵も渡していたりする。
………なお、大なり小なり自覚の有無関わらずに憎からぬ想いを抱かれているのだが、士郎本人は恋愛的なことにはまったく気づいていない。そういうとこやぞ貴様。
主に武装として使っているのは『干将・莫邪』という陰陽の夫婦剣と弓矢であるが、戦局に応じて様々な武装を使用する。
その練度は大体が二流~一流一歩手前ほどだが、魔術による肉体強化や経験の憑依、更には宝具の投影による火力の底上げに、何よりもそれまでの半生における戦闘経験の蓄積によって十全以上の活躍を見せる。
アラヤの抑止力が停止しているシンフォギア世界においては元居た世界と比べて魔術行使の負担は軽くなっている。
しかしこれはあくまでも『抑止力の抵抗としてかかる負荷』が無くなっているというだけなので、『宝具という規格外の神秘』を扱う場合……特に真名の開放による肉体の変質や反動に関してはかつてと変わることはない。
また、著しく負傷した際の治癒(傷口そのものを一旦剣に変換)を利用してノイズとの接触時の浸食を無効化する方法であるが、これは元居た世界での魔術師たちですら正気を疑う所業であるのは言うまでもない。
仮の話であるが、これが師というべき凛であったならば遥かに安全で合理的な方法でこれを防いで見せるだろう。この辺りは、というよりも『この辺りこそ』が士郎の狂気的までに異質な在り方を示しているともいえる。
実はマーリン(及び彼経由でセイバー)と世界を超えてパスが繋がっていることが判明したが、このことを士郎は全く自覚していない。
というのも、このパスは通常の魔術的なそれとは違い、夢魔のハーフであるマーリンの力による無意識化の精神的なものであるためだ。
そのため、このパスは基本的に士郎が見聞きしたものをマーリン(とセイバー)に届けるためだけのものでしかなく、少なくとも士郎のほうがどうこう出来るものではない。
油断していると口調が完全にアーチャーになってしまう。
なのでその都度、ある程度士郎寄りに修正したりするので地味に大変だったり。
【立花 響】
シンフォギアサイド主人公。シンフォギア装者。撃槍のガングニール。融合症例の少女。
士郎への呼び方は『衛宮さん』。
二年前の事件でノイズからツヴァイウィングと士郎に助けられ、ガングニールの破片をその身に受けつつ士郎の赫い背中を鮮烈に心に刻み付ける。
リディアン入学の初日にひょんなことから士郎と再会するも、この時は確信に至るほどではなく士郎の側も巻き込むことをよしとしなかったためにその時はなあなあで流された。
しかしノイズに再び襲われた折に融合症例として覚醒、変則的な形でガングニールのギアを纏う。
その後、二課の存在と諸々の真実を知り、正式な装者として戦うことを決意する。
しかし如何にシンフォギアを纏ったとしても、もとより普通の少女として暮らしてきた彼女が戦闘で活躍できることなど早々なく、むしろ日常と非日常の板挟みに心身を消耗する日々が続いていた。
そこへネフシュタンの鎧とソロモンの杖を用いてクリスが強襲、何もできなかったばかりか、自身を助けるために翼が重傷を負ってしまう事態に陥ってしまい、いよいよ精神的に追い詰められてしまう。
これに対し、最終的な強硬手段として士郎が心身を折らんと戦闘を仕掛けるも、この時の問答によって精神的に覚醒……とどのつまりは、吹っ切った。
またこの時に溝ができつつあった小日向 未来と和解し、彼女が支えとなる形で再起を果たすに至る。
その後は司令である弦十郎に師事する形で鍛錬を積み、イメージソースとしてカンフー映画を取り入れ、更にデュランダル移送護衛任務を始めとしていくつもの実戦経験を積むことによってその戦闘能力を格段に向上させた。
実のところ、士郎への感情は一目惚れに近いのだが、士郎はもちろんのこと響本人もほとんど自覚していない。むしろ、周りのほうが薄々と察している。
ちなみに、たまに昼休みに彼謹製の賄い料理などをごちそうになっている。
翼やクリスとの関係は正史とほぼ変わらず。
奏とは、そもそものきっかけであることもあって色々あったが、現在では同じガングニール使いというのもありある意味では翼よりも近しい先輩後輩として交流を深めている。
アームドギアは両手。装甲で覆われた拳と五体による近接格闘に、手足のジャッキ機構や腰裏のブースターを併用した機動性と突破力に秀でた戦い方を行使する。
当初は装者として覚醒したばかりであるが故の未熟からアームドギアが発現していないものかと思われていたが、その後の分析と考察によって真実が判明する。
戦いを恐れ、忌避する心根。そして何よりも、相手が誰であろうとも……例え敵対しているのだとしてもその手を繋がんと伸ばし、握った拳を開かんとする在り方。
それが武器ならざる無手のアームドギアとして形成されるに至った。
そしてそれは月の欠片の破壊より地球への帰還に際して、ある特性を発揮したことが後の分析によって判明する。
それは『手を繋ぐことにより、自身と相手の力を束ねる』という謂わば『結束』の特性。
奏が【
……さて、一目惚れ設定はあるのだがどうやってそれを自覚させようか。(汗)
フィーネとの戦いで見せた暴走において、覚醒状態のネフシュタンの障壁を破るほどの出力に腕部から無数の刃を生えさせる肉体の変異、更には欠損した腕部の連続瞬時再生など特異な現象を引き起こしている。
だが、これらによる影響が今後においてどのように影響してくるのか、今現在は不明なままである。
【天羽 奏】
ツヴァイウィングの片翼。シンフォギア装者。豪槍のガングニール。暁天の戦乙女。
士郎への呼び方は、普段は『若大将』、士郎が何かやらかした場合は『バカ大将』、ごく稀に呼び捨てで『士郎』。
士郎がやってきたことにより、最も大きく運命を変えられた者。
ツヴァイウィングのライヴを利用したネフシュタンの鎧の起動実験において発生したノイズとの戦闘の最中、突如として現れた士郎と共闘。これをきっかけに轡を並べることとなり、同時に交流を深めていくこととなる。
彼が現れなければ絶唱を用い、まず間違いなく命を落としていただろうことを自覚していたため、士郎と打ち解けるのは二課の中でも比較的早かった。
元々のギアとの適合係数が高くないこともあり、LiNKERという薬品でそれを引き上げながら戦っていたが、初期型のころから使い続けていたこともあって強い薬理作用に倒れ、生死の境に立たされることとなる。
しかし士郎が投影した【
また、これらの出来事を経て士郎のことを異性として強く意識するようになる。
奏にとって翼は士郎と出会う以前から共に戦ってきた相棒であり、ツヴァイウィングの相方でもあり、そして同じ男を想う恋敵でもある。
士郎とは違う意味で分かちがたい、でまさしくパートナーと呼ぶべき存在。
可愛い後輩でもある響には望まぬ力を与えてしまったとして強く引け目を感じていたが、彼女が幾つもの苦難を経て成長するにつれ、一人の仲間として認め強く信頼するようになる。
未来に対しては神社での一件を始めとして戦闘力とは別な意味での強さに一目を置きつつも、士郎との関係に対してわずかな戦慄とともにある種の危機感を抱きつつある。
クリスとは敵同士であったことに加え、翼を傷付けられたことによって強い敵愾心を抱いていたが、彼女が元凶であるフィーネに都合よく使い捨てられたことを知った後、全力でぶつかり合うことで以って自分の中での落とし前を付ける。
共に戦うようになった今では、響とは違った意味(主にいじり甲斐、からかい甲斐という面)で可愛い後輩として認識している。
アームドギアの形状は槍(種別としてはどちらかというと馬上槍に近い)。
分裂させた大量の槍を降らせたり、穂先を回転させて豪風を放ったり、その豪風を纏ったまま攻撃したりと、『突き』よりも『薙ぎ払い』の側面を強化したような広範囲に高い攻撃力を叩き付ける技が多い。
終盤において体内の【
なお、これは(解除寸前であったとはいえ)エクスドライブ状態で高出力のフォニックゲインを発していたこと、パスを通しての士郎のバックアップ、響らと手を繋いでいたことで彼女の特性も相まって四人分の出力を束ねられていたことなどの要因によってはじめて可能となったものであり、通常時では使用どころか具現化もまず不可能。
また、この時に彼女自身の魔術回路も目覚めることとなり、緩やかな波上の五線譜のようなラインがそれである。
その影響もあってか、新たに埋め込まれた聖鞘の贋作との親和性が上がり、同時にギアとの適合係数も上昇したためLiNKERを使わずとも不足なくギアを纏えるようになった。
ちなみに自身の魔術回路の起動も感覚的に任意で行えるが、魔術をその身に刻むつもりはないため現状ではほとんど影響はない。
ルナアタック事変が収束した後、世界デビューの第一歩として翼に先駆けて渡英。
日本と行ったり来たりの生活になりながらも精力的に活動、海の向こうでも順調に人気を獲得し始めている。
……実は奏についてはこの作品においてまだ明らかにしていない設定があり、一応その伏線(のようなもの)はちらほらと張られている。
それがいつ詳らかにされるのかは不明……(汗)
【風鳴 翼】
ツヴァイウィングの片翼。シンフォギア装者。絶刀のアメノハバキリ。蒼天の防人。
士郎への呼び方は『士郎さん』。
正史と違い、半身とも呼べる無二の相棒である奏を失わなかった分、精神的な余裕がある。
士郎に対しては当初、他の者に輪をかけて強い警戒心を抱いていたが、そこには自分と奏の
しかし共闘を重ね、その人柄や危うさを知っていくうちに打ち解けていき、生死を彷徨う奏を救われたことで感謝とともに強い信頼を寄せるようになり、いつしか相棒と同じく慕情を抱くに至った。
彼女にとって奏は同じ男を想うライバルでもあるが、それ以上に分かち難い片翼でもあるため、この恋路がどういう結果に結びつこうともこれからも同じ道を歩ければと想っている。
これはどちらのほうが大切というものではなく、翼にとっては奏も士郎もいつまでも一緒にいたいと願わずにらいられない存在であるのだ。
響に対しては奏ほどではないが引け目に思う部分があり、ならばこそ良き先輩としてあらねばと克己している。
未来とは病室での会話で仲を深めたのか、よく歓談する姿が見られる。ちなみに話題として多いのは『相方』か『士郎』の困ったところや軽い愚痴の類らしい。
クリスとはかつて辛酸を舐めさせられた関係ではあるが、肩を並べて激闘を潜り抜け、共に脅威を払い除けた経緯から少なくとも翼の中には蟠りは微塵も残っていない。
アームドギアは日本刀。
剣戟・剣術はもちろん脚部ウィングブレードも併用しての多種多様多彩な技を駆使し、あらゆる戦局を文字通りに切り開く実力を有している。
ルナアタック事変以降は日本でのソロ活動を主にしつつ、奏に続いて世界へと羽搏く準備を進めている。
その人気はすでに海外からの注目を受け始めており、巣立ちの時が近いことを感じながら残り少ない学生生活を謳歌している。
奏相手にはあんまり口調が防人してないといいうか、普通の女の子っぽいのでそこら辺の書き分けが地味に大変だったりする。
正史との決定的な違いとして、自分の下着は畳んでしまえるようになったという点が挙げられる。
これは士郎の憤怒を伴った苦労と翼の(自業自得な)涙ながらの努力の結晶であり、風鳴 翼という存在にとっては間違いなく大きな一歩である!!
………なお、世間一般の女子力的に見れば雀の涙程度の差でしかないことは言うまでもない。
【雪音 クリス】
シンフォギア装者。魔弓のイチイバル。
士郎への呼び方は『アンちゃん』。
戦乱と悪意に翻弄され、悲嘆と憎悪と赫怒に身を焦がしながらも、一番大切なものを心の裡にずっと抱きしめ続けていた少女。
事件当初はフィーネに利用される形で暗躍。
初めて姿を現した時にはネフシュタンの鎧とソロモンの杖を使い、翼に重傷を負わせるほどに追い詰める。
その後も装者たちの前に度々立ちはだかるも、士郎との一騎打ちにてネフシュタンの鎧を引っぺがされる。
この時、隠し持っていた行方知れずだったシンフォギア『イチイバル』を纏い、同時に名を明かすことによってかつて装者候補としても名の上がっていた音楽家夫婦の一人娘であることが判明。
同時に、この時の出来事を契機にフィーネから用済みと切り捨てられる。
そのことに深く傷つき、放浪する彼女だったが未来や士郎とのやり取り、二課の黒服たちの勇姿、奏との決闘、弦十郎の言葉、そして士郎との共闘を経て、ついに最終決戦において他の装者たちと道を同じくするに至る。
士郎とは事件以後、同じマンションでの隣人同士となる。夕食などの世話になることもあれば、チビスケの世話を彼女が請け負うこともあったりする。
時間が合えば未来と同じように料理などを習ったりもしているようだ。
響、翼との関係はほぼ正史と一緒。
奏とはある意味最も真正面からぶつかり合った相手でもあり、当初は接し方に戸惑うことも多かったが、今では専ら奏のほうからクリスのことをかまい倒しに行くことも多い。(おもちゃにされている、とも言える)
別な意味で戸惑いながらも辟易していたが、奏の側に悪意がないこともあって最近では(諦め半分で)受け入れていることも多い。
アームドギアは光の矢を放つボーガン。
他にガトリングガンやスナイパーライフル、ミサイルランチャーを始めとした多種多様な重火器などを自在に構築し、遠距離攻撃においては圧倒的な火力を誇る。
また、天性のバトルセンスでそれらを使いこなしており、その戦闘能力は先任であるツヴァイウィングの二人に勝るとも劣らない。
作者的に二人称でめっちゃ困るキャラ。
どんくらい困るかってぇと『独特なニックネームを付けるという公式設定』の創世と同レベルというか、出番多い分こっちのほうがはるかに厄介。
現在では二課での任務をこなしながらもリディアン音楽院の二年生として編入し、ごく普通の学校生活というものを営んでいる。
彼女の人生において長らく遠ざかっていた『当たり前の日常』に困惑することも多いが、それでも自身を受け入れてくれる周囲の存在に彼女は確実に癒されつつある。
【小日向 未来】
一般人。二課の外部協力者。
士郎への呼び方は『衛宮先生』。
響の幼馴染にして無二の親友であり、士郎の料理の生徒。
事件当初、士郎と共に戦いに赴く響を偶然にも目撃してしまう。
以後、日常と非日常の間で揺れ動く響に心を痛めるが、翼の負傷に強いショックを得た響の姿についに堪忍袋の緒が切れ、士郎に詰め寄る。
その後、士郎と響の激突の始終を見届け、響や士郎たちと和解し、以後は彼女なりに友を支えていくことを決意する。
その一環として、士郎に料理の教えを乞うことになった。
響、翼、クリスとの関係は概ね正史通り。
奏とは響と士郎がぶつかり合った折に多少のいざこざはあったものの、以後は姉御肌な頼りになる先輩と慕っている。
士郎との関係は前述の通り料理の先生と生徒の関係であるが、響が彼に抱いている想いにも薄々感じ取ってる部分があり、その辺りの監視も兼ねていたりする。
………しかし、身を挺して守ってもらったり、その時には平気と嘯く彼を泣いて諫めたり、かと思えば別件で無茶をした士郎に凄味のある笑顔で正座させたり、最終決戦でも度々守られた挙句に膝枕までしてたりする。
―――これが所謂シーフムーブか(爆)
ちなみに、新しい部屋の合鍵ももらってたりする。やはりシーフ。
筆者的にとても筆の滑りの良いことが多いと同時に気づいたら一番好き勝手に動いているキャラクター。
頬にパンチとか、ヘッドバッドとか。
現在では料理の腕を磨きつつ響を支えているが、何の力もなくただ響を見守ることしかできない己に忸怩たるものが募っている。
【風鳴 弦十郎】
特異災害対策機動二課司令。元政府の御用牙。人類最強枠。
士郎のことは呼び捨て。
士郎とは年の離れた友人……と書いてきたが、公式の年齢がどのくらいか不明なため、下手をすれば年の差的には慎次よりも近いかもしれない可能性が(汗)
公式設定で最強枠の憲法違反容疑。ジャンケン染みた相性の差がなかったらこの人だけで良かった。
平行世界からの来訪者である士郎が二課で動けるようにいろいろ働きかけてくれた功労者。
【緒川 慎次】
特異災害対策機動二課所属エージェント。ツヴァイウィング敏腕マネージャー。忍者。
士郎のことは呼び捨て。
戦闘能力は弦十郎に勝るとも劣らない最強枠その二。弦十郎が力ならこちらは技(忍術)。
実は士郎と出会った当初は表面上は当たり障りのない対応をしつつも、強い警戒心とともにその内情を探っていた。
しかし彼の人となりや在り様を知っていく内に打ち解けていき、本当の意味でも友人関係となっていく。
実は何気に作中人物の中で彼が唯一敬語なしで会話しているといえばその親密度も分かるだろうか。
………尚、その切欠となったのが『ブチ切れた士郎による教育により、翼が自分の下着を自分で畳んで仕舞えるようになった』からであることは当時からの関係者の中では有名な話であるが、さすがに響ら新参組に吹聴しない程度の情けは誰の中にも存在していた。
師「―――と、こんな感じね。
ちなみに響の同級生三人組やほかのオペレーター二人については割愛で。
特筆するほどがっつり物語の本筋に絡んでたり、士郎たちとの絡みがあったりしたわけじゃないし、ぶっちゃけ原作と変更点がほぼないので」
α「となると―――そろそろこの茶番も終わりか」
β(キャロル、あからさまにホッとしてる)
師「いいえ。最後にもう一つ……大事なのが残ってるわ」
β「大事なこと?」
師「それは―――次章予告!!」
β「じ、次章予告、だと……!!」
α(……あ、あそこにカンペが………案外ノリいいなー、エルフナイン)
師「次回からいよいよ幕を開ける新たな物語!!
その一端を、今ここに示す―――!!
………まあ、ぶっちゃけFGOのCMナレーションイメージの抽象的なアレなんだけど」
α「台無し!? というか最後があやふやすぎるだろ!?」
師「それはさておき。
―――では、どうぞ!!!」
***
―――私たちはフィーネ。終わりの名を持つ者だッ!!
新参と再臨。
迷妄と真実。
悲嘆と憤怒。
慟哭と咆哮。
………そして浸食と暴走。
黒白が混ざり合うがごとき混沌の果て、旧き地平が目を覚ます。
世界を変革せんとするは勇気か、それとも狂気か。
牙を剥くは憎悪か愛か。
響き渡る歌の末、祈りの光は束ねられる―――
戦姫絶唱シンフォギア赫鋼―アカガネ― フロンティア事変編
【月墜葬送曲 リインカーネーション】
………最後の歌は、誰がために。
***
α「所でだが、【月墜葬送曲 リインカーネーション】ってなんだ?」
師「章タイトルよ。第一章にも付いてたでしょ」
β「【月砕交響曲 カ・ディンギル】というものですね」
α「ああ……いつの間にかしれっとつけてたやつか」
師「しれっと言うな。
………で、この作品にはちなみに予定してる章タイトルはこんな感じ」
第一章:月砕交響曲 カ・ディンギル
第二章:月墜葬送曲 リインカーネーション
第三章:■■狂騒曲 ■■■■■■・■■■■
第四章:■■生誕歌 ■■■■■■■■
第五章:■■行進曲 ■■■■■■
第六章:■■讃美歌 ■■■■・■■■■■■■■
師「なお、あくまで予定なのでこれから変更になる可能性も十分あるわ。
というか第六章は第五章の展開如何によってはまるまるなしになる可能性もあり。
ちなみに、ネーミングイメージはFGOの章タイトルよ」
α「………パクリか」
師「オマージュといいなさい。あくまで形式をイメージしてるだけだから!」
師「―――と、そんなこんなでお送りした『イリヤスフィール道場』いかがだったかしら」
α(ようやく終わったか……)
β(キャロル、見るからに疲労困憊に……)
師「ちなみに、次回以降は各話の最後にピックアップしたキーワードを解説するプチ版としてお送りする予定だからお楽しみにネ♪」
β「え?」
α「……は?」
師「無論、アシスタントは引き続きこの二人でお送りするからよろしくね」
α「―――はぁっ!!? ふざけるなっ、聞いてないぞ!!」
師「………二人とも、これは温情でもあるのよ」
β「温情、ですか?」
師「………このままだと、二人ともいつになったら本編で出番あるかわからないじゃない?」
α&β「ホントに身も蓋もない!!」
師「そんなわけで、次回からもお楽しみに―――って、ん?」
α「なんだ、ガリィ? ……手紙、だと?」
『前略。
なんか、思った以上に蛇足っぽくなって微妙だね。
読者の皆様、許してクレメンス☆彡(死) by作者』
……………
………
……
師&α「「ざっけんなァアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」」
師「いうに事欠いてワタシの独壇場が微妙とかどういう了見!?」
α「ヒトにこんな格好でこんなことさせておいてなにふざけたことヌかしてやがる!?
………そしてガリィはなに笑い転げてんだオマエほんと大概にせぇよっっっ!?」
β「キャ、キャロル、キャロル、落ち着いて! 口調まで崩れてますよ!」
―――チュドォ―――ンッッッ☆!!!
β「こ、今度は何ですか!!?」
?「フッフッフッ……やはり小娘どもには荷が勝ちすぎておるわ………
さぁっ!! おとなしく道場を開けわたせぇい!!!」(ガオォーン!!!
師「ちょ、ま……ええい、スタッフ! であえいであえい!!!」
チュドンチュドンドカンピコンパッカ―――ン!!
β「ああっ、ガリィが吹っ飛んだ!!」
α「………(ぐっ)」
β「キャ、キャロル、ちょっと喜んじゃってる場合じゃないですよ……ってこっち来た!?」
α「オ、オイ! こっちは関係な……うわぁあああああ!!?」
バリバリドッカンチュドドンズドドンガォオオ―――ン!!!
……………
………
……
ミカ「なんかもうしっちゃかめっちゃかなんだゾ。
………あ、これからもよろしくなんだゾ!!
アタシたちが出るまで、応援よろしくなんだゾッ!!
―――それじゃあバイバーイ、だゾ!!!」
全員『『『いや、お前が締めるのかっっ!!?』』』
そういうわけで二連続更新二つ目。
茶番というか解説的なお話(?)でした。
………うん、なんかスイマセンでした。(土下座)
形にしたら予想よりもはるかに微妙な仕上がりに……
でも茶番やるって予告したし、それじゃなくても解説いれないわけにはいかなかったので、そのまま突き進みました。
ちょっとでも楽しんでくれたならありがたいです。
………というか解説メインだったから語ることほとんどないので雑談に。
まずはFGO。
新規は九紋竜エリザと黄飛虎とブリトマート。
(太ももが)ムチムチのアサシンは手に入らなかったよ……
ブリトマートは11連を2回回したら来てくれました!!
……村正はその5倍回しても来てくれませんでしたが(乾いた声)
とりあえず現状はおはがちゃ続ける予定。
オベロンはもっと回すかも……
スーパーリコレはオベロン以外クリアっていうか、オベロンは自前オベロンいないとクリア無理じゃない??? 黒聖杯も凸ってないし。
なんで下手するとこれはあきらめる可能性が高いです。
あと、今年の新規サバはブリトマートでラストということらしいですが……え、今年はクリスマスイベないの?
せめてトリロジー的なのやってくれないかな……
あと、妖精国組の幕間追加されるよね? してほしいな……特にトリ子。
と、そんなこんなで一期はこれで本当に締めくくり。
次回からは二期に入ります。
……いや、四年もかけて申し訳ありません。
二期はもうちょっと早く終わらせたいな。(デジャヴ)
今年の更新も、恐らくこれで最後。
皆様、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
来年からの新展開、続いてお付き合いしていただけるならばこれほどありがたいことはありません。
どうかこれからもよろしくお願いします。
それでは、少し早いですがよいお年を。