iS インフィニット・ストラトス -Ain Soph Aur- 作:いだかん
この作品は、私の構想段階のオリジナル作品『アンスル・テスタメント(仮)』とIS -インフィニット・ストラトス-のクロス作品となっております。
特にISでは、独自解釈による設定改変を始めとする、数多くの改変行為があります。私の稚拙な文章と相まって、読み苦しい(主に中二症候群が再発することで)ことこの上ないかも知れませんが、暇潰しの種として楽しんでいただければ幸いです。
それでは。
【──事象揺動空間の崩壊まで、残り9ナノセカンド】
虚無へと手放しかけた思考を繋ぎ留めたのは、他ならぬ『私』──いや、『彼女』だった。今や融合同化を果たしていた意識は、元あるべき二人の精神として正常に
良かった。最期に君を感じながら──
些末な思考すら、走馬灯のように消し去られていく。
事象揺動領域──あらゆる事象の存在確率を霧散させ、限りない
それは人類を育みながら、望んだ道標より逸脱すれば、躊躇いなく蹂躙し、有り様を正さなければ世界もろとも消滅させる、冷徹なる聖母の意志──その特質上、多次元に伝播する普遍的な存在でさえも、留まることを赦されはしない。
無論、それはある種の超越体へと昇華した『俺たち』であっても、聖母の意志を存在確率もろとも葬らんと、消滅覚悟の手段を選んだ今では、例外には至らなかった訳だが。
最期まで、高位存在によって創造されたが故の『正しさ』を示そうとした傲慢な意志は、既に消滅している。それは誰よりも、何よりもその意識を察知する能力が証明してくれている──本当に、終わったのだ。とても短かった、戦いは。
訳も分からず、翻弄されたまま、しかし、その最中で確たる執念、全てを擲った後も遺るであろう意志を抱くことが出来た。一個の戦闘体としてではなく、二人の人間として挑むことが出来た。それは、まさしく奇跡以外に他ならなかった──ここまでの軌跡もまた、残滓さえ残らず霧散しようとすることに、一抹の悲しみを覚えた。
疲れたように、全身から緋の燐光が絶えず発散されていく。今やその命と呼ぶべき輝きは、残り火のように散っていき、やがて来るべき零へと還っていくだけだった──あとは全てが消えるだけ。せめて君を感じながら──
そうして意識に交じるものと、そして心の奥底から浮かび上がってくるものを感じた──『彼女』。その暖かさ。壊れ物、力づくで抱いた瞬間、嘘だったように消えてしまいそうな存在を、確かに抱き留めた。
胸元に灯る暖かさ──何という儚さか──こんなにも小さく、弱々しい。しかし、『俺』は確かに、『彼女』に支えられていた。
もう大丈夫だ──もう、何もいらない。
君と一緒に居られる。それだけで充分だった。
だけれど──不意に意識に芽生えるものがあった。
もっと、君と語らいたかった。
もっと、君と触れたかった。
もっと、君に俺を知って欲しかった。
もっと、君を知りたかった。
もっと、君が君を誇れるような人間になることを、支えたかった。
もっと、もっと、もっと──
『俺』の願いは『彼女』に伝わり、『彼女』もまた、叶わぬ筈の夢を抱いた。そして、それらに呼応するように、消え行く緋の燐光にもまた、ほの暗くも、しかし確実な輝きが呼び覚まされ始めていた。
そして虚無へと帰る中で、一際、緋の輝きを放った。二人を一つに溶け合わせながら。夢を、『私』の意志が一つの『現実』へと発現させる輝き、そして鼓動を。
やがて
最早、躊躇いはない。未知への戸惑いさえも──今の『私』には、未来がある。
──そこにはあきれるほどに、まだ見たことのないものが散らばってるはずだから──
──光を追い抜き、時間を翔んで、空間を破り、概念を越えて。いつまでも、どこまでも。行こう、二人で、一緒に──
いきなり、なんぞこれな展開で申し訳ありません。こんな電波っぽい入りで大丈夫か? と散々、悩んだのですが、とりあえず、良くも悪くも毛色の違う作品であることをお知らせするには丁度良いかな、と思い、投稿させていただきました。